古今東西・ジャンル問わず報われない恋をするサブヒロイン、通称負けヒロインの情報をまとめていくwikiです



キャラクター名

日高小春(ひだかこはる)

作品名

漫画

押切蓮介『ハイスコアガール』
スクウェア・エニックス
2010年〜2018年

押切蓮介『ハイスコアガールDASH』
スクウェア・エニックス
2021年〜

アニメ

『ハイスコアガール』
J.C.STAFF
2018年, 2019年

CV・キャスト

広瀬ゆうき

作品概要

ゲームセンターに入り浸りの少年・矢口春雄と天才的なゲームの腕前を持つ謎多きお嬢様・大野晶との恋愛を描いたラブコメ作品。
1991年(小学6年)の出会いから1996年(高校2年)まで、主に格闘ゲームを中心としてなかなか出会うことのできない二人の交流を描く。

日高小春は矢口の同級生で、中学2年の時に出会った。
もともとはゲームに興味はなくほぼ無趣味だったところ、転校した大野と再び会う日まで格闘ゲームの修行に励んでいた矢口と知り合う。
最初は彼の披露するゲーム知識がわからず、レバーを適当に操作するプレイ(ガチャプレイ)をしながら付き添う程度だった。
しかし、ゲームに対して真剣に打ち込んでいる彼の姿を見て徐々に春雄に惹かれていく。

その年のバレンタインには義理と称したチョコをわざわざ自宅に届けに行くなど、すっかり入れ込んでしまった小春。
その一方で、彼が全く自分を見ていないことにも気付いてしまう。
彼女は彼が少しでも関心を持ってもらえるよう、家庭用ゲーム機を買ってもらうなど少しずつゲームに打ち込んでいく。

そんな中、矢口の目標とする少女、大野晶が地元に帰ってきた。
偶然日高と大野は対決することとなるが、その際には彼女の操る隠しキャラクター豪鬼に敗北を喫してしまう。
矢口と大野の関係が気になるものの、最後まで勇気を出すことはできず直接聞くことはできなかった。
しかし、大野と同じ高校に行くために猛勉強をし始める矢口の姿を見て、彼女が彼にとって大切な人であることに気付く。

結局大野の受験は失敗し、二人は別々の高校に進学した。
一方の日高も、親の方針で女子高に進学し直接出会う機会は少なくなる。
それでも日高は矢口に会えることを願ってゲーセンに通い続けた。

だが、受験失敗の気まずさから大野に会うこと恐れていた矢口はゲーセンに現れなかった。
業を煮やした日高は、直接彼の自宅に赴き彼を完膚なきまでに叩きのめす。
その勢いで彼に告白し、これからも彼の関心を惹き続けるため、勝ち続けることを宣言する。
そして、勝利したら付き合うことを条件に、3タイトル3本勝負の一騎打ちを挑むのだった。

日高の敗北が堪えた矢口はその日を境に格闘ゲームの猛練習に励む。
一方の日高も、猛者の集う夜のゲーセンに出入りするようになってさらに腕を磨く。
そして、迎えた決戦の日。
最初は日高優勢であったが、最後には不利相性まで覆して矢口が勝利するのだった。

前に進むきっかけをくれたことに感謝する矢口。
だが、その「前」が大野の方向を向いていることを知っていた日高は、泣きながら激昂するのだった。

結局、日高はそれでも矢口のことを諦めることができず、彼の側でゲームの腕を磨き続ける。
溝の口の日高と呼ばれるようになり、実力的にも周囲から一目置かれる存在となっていた。
そんなあるとき、ゲーセン同士の対戦会の帰り道、日高は矢口へのなおも抑えきれない想いを告白し、ホテルに誘おうとする。
その場では断れるものの、感極まって矢口に抱き着いてしまった瞬間を、大野に目撃されることとなる。

煮え切らない態度の大野に対し、日高はストリートファイターIIによる対決を持ち掛ける。
徹底して有利キャラで勝ちを拾いに行く日高だったが、わずかな隙を見逃さずに勝ちを拾いに行く大野の姿勢に心を打たれる。
そして、二人の間に入ることはできないと悟るのだった。

そんな中、海外へ引っ越さなければならなくなった大野。
想い出の指輪を返され失意のうちにくれる矢口に対して、日高はどれだけ彼女が春雄のことを愛しているか、そして、その指輪が迎えに来てほしいという大野の祈りであることを伝える。
尚も戸惑う矢口に対し、「自分の意志に忠実に生きる」という矢口の理想の生き方を貫くよう伝え、空港へと駆けていく彼の姿を見送るのだった。

見どころ

愛のためにゲーセン最強になってしまうほどの情熱を秘めた一直線型の負けヒロイン。
どんな時でもめげずに想いを伝え続け、必死に彼を追い求める姿がとても健気だ。

しかし、その一方で当の矢口からは悲しいほどに見向きもされない。
彼自身が鈍感ということもあるのだが、交際をかけたゲーム勝負に負けた際も、なおも大野のために成長できることを喜ぶ姿に泣きながら怒る彼女の心中は察して余りある。
どこまでも手ごたえのない独り相撲をし続けているのが彼女だが、それでもわずかな希望を信じて懸命に打ち込む姿が彼女の魅力だ。

勝負に敗れて以降、ただ一途なだけではなく彼に対するひねくれた感情を拗らせていく姿も見ものである。
ゲームで勝って見下したい、思いっきり蹴飛ばしたいなど攻撃的な言動が目立ち始める。
作中ではゲームでSに目覚めたという表現をされているが、上記の仕打ちを受けていたらむしろ当然という気もする。
その人間臭さもまた、彼女の魅力の一つだろう。

彼を一途に愛し続け最後には過激な手段も取り始めた彼女。
しかし、大野との勝負を通じて自分の居場所はないことを悟ってしまう。
3年間にわたる大恋愛を、最愛の人のもとへ駆ける彼の後ろ姿と共に置いた彼女の表情はなんとも切なく、そして美しい。

なお、ゲームは確かに彼に近付くための手段であったが、決してゲームが嫌いであったわけではない。
現在は彼女を主人公とした外伝が連載中である。
作中で10年の月日が経って教師となった小春。
失恋の傷を引きずり続けて無気力になった彼女が、再び情熱を取り戻していく物語となっている。

名言・名シーンなど

「矢口君と一番近くにいるきっかけがゲームなのに」
「二人の間にいっつも挟まってるゲームって存在がちょっとだけ憎たらしい」
「ああ……なんでこんなワケわかんない片想いしてんだろ……」

何度も言うが、彼女はゲームのこと自体は好きだ。
それでも、叶わない恋がちょっとの憎しみを植え付けてしまう。
それもまた、恋の難しいところであり割り切れない部分なのだろう。

「バカじゃないの」
「何が復活の矢口よ」
「これは私とあなたの勝負だったはずでしょ!?むかつく……っ」
「ヒトの気も知らないで」
「「前」ってのはどうせ大野さんのことでしょ!?」
交際をかけた勝負に負けた日高。
前に進めたことを感謝する矢口に対して、激昂して浴びせた言葉。
こんな仕打ちを受けても、なおも好きの気持ちを止められないのが恋というもの。

「あの大戦で大野さんの想いが痛いほど伝わった」
「試合には勝ったけど勝負には負けたって思ったよ」
「そんなの感じちゃったらもう」
「引き下がるしかないじゃん」
「私みたいなお邪魔虫」
大野との勝負に勝利したものの、そこにある気持ちの強さに負けを感じてしまった彼女。
二人が真剣に想いあっていることを知ってしまったら、居場所はない。
本人もそう言い聞かせてはいるが、彼女の気持ちもまた本物だった。

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