古今東西・ジャンル問わず報われない恋をするサブヒロイン、通称負けヒロインの情報をまとめていくwikiです




キャラクター名

本郷詩織(ほんごうしおり)

作品名

漫画

宮城理子『メイちゃんの執事』
集英社
2006年〜2014年
宮城理子『メイちゃんの執事DX』
集英社
2014年〜連載中

ドラマ

『メイちゃんの執事』
フジテレビ
2009年

舞台

『メイちゃんの執事』
宝塚歌劇団・星組
2011年

CV・キャスト

山田優(ドラマ)
白華れみ(舞台)

作品概要


実は大富豪の孫であることが発覚した香川のうどん屋の娘・本郷(東雲)メイがお嬢様学校に入学して最強の執事・柴田理人と共にトラブルを切り抜けるラブコメ作品。
重火器や陰謀の飛び交うぶっ飛んだ世界観とそれに見合った壮大なスケールのドラマが特徴。

本郷詩織は本郷家の養子であり、学園の最高位であるルチアとして君臨する女性。
病弱であるために人前には滅多に姿を現さず学園内の専用の温室の中で過ごし、二十歳を超えているが留年を繰り返して学園の女王として君臨し続けている。
純白の衣装に身を包まれた執事・忍を従えている。

メイの父親が失踪したために、跡取りとして詩織は幼少期に両親と引き離され本郷家に連れてこられた。
その際に1年間だけ世話をしたのがメイの執事である柴田理人である。
柴田理人は本郷詩織にとって世界の全てであり何を差しおいてでも手に入れたい存在だった。

そこに突如としてメイが正当な跡取りとして現れ、柴田理人は彼女の執事となっていた。
詩織は彼に誘惑の言葉をかけるも、最強の執事である彼はメイへの絶対的な忠誠心を崩そうとしない。
そのため、彼女は東雲メイを激しく憎み、絶対に彼を奪って見せると誓った。

詩織は自分から理人を奪ったメイの罪悪感を煽り、かつお嬢様としての圧倒的な格の違いを見せつけることで、メイの心を惑わす。
そして、理人の所有権を賭けた執事同士の決闘・デュエロに挑むことを承諾させる。
理人は一瞬の隙を突かれ、彼女の執事である忍に敗北。

詩織の所有物になったにも関わらず、メイのために逃げようとする理人を、彼女は薬漬けにして閉じ込める。
一方失意にくれていたメイは、理人の弟である柴田剣人を執事に迎え、理人を取り戻すために再びデュエロを挑む。
詩織は理人を薬で暗示にかけて、剣人との決闘に臨ませるが、メイの尽力もあり理人の暗示は溶け、理人は自ら降伏する道を選ぶ。
そして、全てが偽りで彩られた詩織を真のお嬢様ではないとして、メイの元へと戻っていくのだった。

この敗北により彼女の学園における権威は地に落ち、取り巻きの不祥事も暴かれ長年築いてきた彼女の楽園は崩壊した。
そこに追い討ちをかけるように決闘に敗北した方のお嬢様はロシアの富豪と結婚させられるという話を耳にする。
全てに絶望した彼女は、もう何も見たくないと、自らの目をえぐりぬくのだった。

自殺しようとする彼女をメイは必死に食い止める。
そして、本来の彼女の執事である忍に彼女を託し、彼女の楽園であった温室を燃やして死亡した扱いにすることで、家に縛られた彼女を自由にしたのだった。

しかし、ロシアの富豪と結婚するという話は忍によってでっち上げられた嘘だった。
忍は長年の執事生活の中で声や仕草を理人に似せることができるようになっていた。
彼は目の見えなくなった彼女に「理人」として使える。
本郷詩織は彼の見せる偽りの夢の中を生き続けることになるのだった。

見どころ

ぶっ飛んだ世界観を象徴するとんでもないお嬢様。
留年し続けて学園の女王として君臨しているという奇天烈な設定に恥じず、優雅ではある者の、高慢でわがままでそして欲望に忠実な女性。
実際、目先の快楽のために、忍と肉体関係を持っていることも示唆されている。
そんな彼女が想いの男を薬漬けにして眠らせ、裸で絡み合っている姿はなかなかのインパクト。
さらには柴田兄弟の決闘の際には、白い服を着せて血を見せろと興奮するなど、悪女としてやりたいことは全てやりつくすという勢い。

それだけの存在感を放っているだけあってが、末路も壮絶。
想い合う二人を見たくないからという理由で自らの目をえぐるという、古典少女漫画でもなかなか見ないレベルのショッキングなシーンは迫力がある。
富も名声も光も失い、粘着質なストーカー男が見せる偽りの幻想の中で生き続ける姿は、自業自得ではあるもののさすがに同情を誘う。

そんなアバンギャルドな人物ではあるものの、その恋心は間違いなく真剣そのもの。
欲望のままに欲しい男を求め、偽りの幸福に悦び、そして絶望する姿は、誰よりも高貴でかつ誰よりも野性的な彼女ならではと言えるかもしれない。

4年後の高校生編でも一瞬登場するが、薄々"理人"の正体に気付いてはいるようだが結局幻想から抜け出すつもりはない模様。
なお、さすがにドラマ版や舞台版では自分の目をえぐる流れはカットされマイルドになっている。

名言・名シーンなど

「楽しみね……兄弟対決」
「そうだわ、当日は2人に白い衣装を着せましょう」
「血が……赤い血がよぉく見えるようにね……!」

お嬢様マンガです

「だれ? だれでもいいわ、きいて」
「わたしね……およめにいかされるの……さむくてしらないくにのしらないひとのところに……」
「でもへいき、こんなこだれもほしがらないから」
「それにこれでもうにどと……あのおんなと……あのおんなといっしょにいるリヒトさんをみないですむ……」

全てを失い、自分の目をナイフで切り裂いた後のセリフ。
彼女は両親と引き離された幼少期の孤独を引きずっており、それが彼女の幼稚な少女性の根幹でもある。
唯一残った幼い少女の精神を体現するかのように、セリフが全て平仮名になっているあたりに底知れない狂気を感じる。
その後理人とメイの声を聴いて自分の耳を切り落とそうとするが、それは阻止される。

「理人さん……?」
「足音ですぐわかったわ」
「きっと戻ってきてくれるって信じてた……夢のよう……私たちまた2人きりの生活が送れるのね……」

偽物の理人と"再会"した時の言葉。
間違いなく外道ではあったものの、それにしてもあんまりな末路。

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