[[キャンペーン>インフィニット・ワールド#THE_CAMPAIGN]]1995年、物理学博士であるポール・ヴァン・ザント教授(Dr. Paul Van Zandt)は最初の実用次元転送機を開発し、それを使って後にベータ地球、あるいは単にベータとして知られるようになる時間軸を訪れました。彼はみずからの発見を隠し、実験を続けました。6か月後、謎めいた火災でダートマスにあった彼の研究所は焼失。そののち、彼は教職を辞め、“コンサルタント”会社を設立します。
[[インフィニット・ワールド用語集>インフィニット・ワールド#Infinite_Worlds_Glossary]]
[[世界間条約>インフィニット・ワールド#The_Interworld_Treaty]]国際連合加盟国のほとんど(すべてではありません)は、世界間条約を批准しました。これは、大国と小国間の利害の折衷案です―それは、ビジネスの面においても(ヴァン・ザントとアメリカの不安定な協定でも守られています)、国連と政府の官僚にとっても同じことです。世界間条約によって、“新植民地”ラッシュを阻止する枠組みが作りだされました。政府による次元を越えた軍の展開能力は制限され、文化をまたいだ災厄を引き起こさない範囲で、特定世界の商業開発が認められ(かつ規定され)ています。
[[闇のインフィニティ>インフィニット・ワールド#Dark_Infinity]]ヴァン・ザントは、どのようにして世界の超大国を彼の言葉に(ほぼ)同意するよう説得したのでしょう。インフィニット・ワールドの設定のなかでも“大きな秘密”の1つです。次のような可能性があります。
[[陰謀>インフィニット・ワールド#Conspiracy]]インフィニティ・アンリミテッドは、何世紀ものあいだ権力の道を支配してきた、広範かつ無慈悲な陰謀の道具です。インフィニティの興隆は、何世紀をも費やした準備がようやく成就した証なのです。しかし、勝利したのは誰でしょう?背後にいるのは“イルミナティ”でしょうか?
[[時を越えた脅威>インフィニット・ワールド#The_Menace_from_Beyond_Time]]世界の指導者たちが屈服した理由は、“ヴァン・ザントが彼らに見せたもの”にあります。パニックを避けるために、このことは伏せられていますが、おそらく事実はどこからか漏れてしまうでしょう。真実がどのようなものであっても、人類が数多くの世界にまたがって存在しているという事実は非常に重要です。GMが、超宇宙を侵略する“新勢力”を登場させたいのなら、たくさんの展開が考えられます。
[[機械仕掛けの超神>インフィニット・ワールド#Deus_Ex_Paramachina]]ヴァン・ザントが、一般に知られている以上の存在だとしたら? より進んだ別の時系列からの訪問者だとしたら? 隠退したさすらいの神だとしたら? あるいは、四王国を追われた無頼のテクノマンサーだとしたら? インフィニティとセントラムが、お互いにほとんど差のない超次元学を発展させたことは奇妙に思えます。これは、仕組まれたことなのかもしれません。もしそうなら、誰がそれを企てたのでしょう? 闘争こそが目的だったのでしょうか? さもないとなにか悪いことが起きたのでしょうか? ひょっとしたら、セントラムはインフィニティと同盟すべき存在なのかもしれません……。
[[無限の世界>インフィニット・ワールド#AN_INFINITY_OF_WORLDS]]インフィニティは数百のパラレルワールドを知っています。それらは8次元空間中に、ほとんど予測不可能におもえるパターンで広がっています。それらの世界はいくつかの「エネルギー・レベル」、あるいは「量子」に割り当てられています。同じ「量子」にある世界を訪れるのは簡単ですが、異なる「量子」にある世界に到着するのは困難です。
[[並行>インフィニット・ワールド#Parallels]]これらの宇宙の地球は、ある点で歴史の“既知の”コースから分岐しました。インフィニティもセントラムも、時間と人材が許す限りほとんどのそのような世界に進入します。貿易、開発、征服などは、「量子」を変更する危険なしに可能です。
[[近接並行>インフィニット・ワールド#CLOSE_PARALLELS]]近接並行というのは、ある過去の時点のホームラインに似ていますが、小さな違いがあるものです。以下のような例があります。
[[ベータ地球>インフィニット・ワールド#Earth-Beta]]最初に発見された並行です。ほとんどの点で2004年のホームラインと似ていますが、次元移動の秘密は発見されていません。
[[私たちの世界はどれ?>インフィニット・ワールド#Which_One_Is_Ours]]ホームラインは明らかに“私たちの”現代社会ではありません。決定的なちがいは、1990年代の超次元技術の発見です。しかしインフィニティは21世紀初頭の地球を2つ発見しました(ホームラインのちょうど20年後)。そこは超次元技術を発見していないことによって「分離」していました。さらにいくつかが他にもあるのは確実です。これらの世界の技術はホームラインより少し遅れているだけなので、インフィニティの基本的な政策は密かに観察するというものです。
[[より遠い並行>インフィニット・ワールド#FARTHER_PARALLELS]]これらの世界は近接並行よりもかなり分岐しています。いくつか例を挙げます(特に記されない限り、いずれも量子5)。
[[怪しい並行>インフィニット・ワールド#WEIRD_PARALLELS]]「怪しい並行」は多くの点でホームラインに似ていますが、類似性を信じるのは難しいほど奇妙な違いもあるもう一つの世界です。
[[神話並行>インフィニット・ワールド#MYTH_PARALLELS]]ある種の並行世界はホームラインの神話やフィクションに相当します――あまりにも、それらに似すぎています。そのような世界においては、ロビン・フッドがノッティンガムの保安官に対してゲリラ戦を行なう実在の人物かもしれません。あるいは人魚が実在して、よく見かけられるかもしれません。最も論理的な説明は、何人かの作家が実際に超能力者か、異世界跳躍者だったということです。
[[地獄並行>インフィニット・ワールド#HELL_PARALLELS]]「地獄並行」は、大災害や大虐殺を受けた悲惨なほど多数の世界をあらわす一般的な用語です。危険が継続しているため立ち入り禁止のところもありますし、開発や研究のために閉じられているところもあります。
[[法則を破る世界>インフィニット・ワールド#WORLDS_THAT_BREAK_THE_RULES]]私たちが“正常”と考える物理法則が働かない世界も少数あります。これらの中でもっともよく知られているのは、次元旅行自体が違ったように機能する宇宙です。例えば、ホームラインとセントラムは転送機が作動できる、既知の数少ない時間軸です。一方でコヴェントリー(514ページ)は転送機以外によっては、いかなる手段でも到達することができません。
[[マーリン>インフィニット・ワールド#Merlin]]1945年までは近接していた並行世界でした。そのとき最初の原子爆弾の実験がニューメキシコで行なわれ、巨大で永久的なベインストーム――破滅の嵐――を作り出しました。その結果、アメリカ南西部はマナが濃い地域となり、北部および中央アメリカのほとんどを含む地域でマナの濃度が並になりました。この魔法の降下灰は「超常的な」生物が登場するきっかけとなりました。合衆国はインフィニティさえ恐れさせる魔法科学の超大国になります。マーリンはTL7〜TL8のもう一つの地球で、量子3にあります。
[[ポケット多元宇宙>インフィニット・ワールド#POCKET_MULTIVERSES]]――「いいか、家に戻れば、おれは神だ」(“You know, back home, I’m a god.”)
関連:「支配領域」
[[超次元運搬機>インフィニット・ワールド#PARACHRONIC_CONVEYORS]]「超次元運搬機(parachronic conveyor)」は次元間を移動するための乗り物です。いくつかの異なる形式がありますが、どれも超次元フィールドジェネレーター、パワーシステム、コントロールシステムを含む密閉型の船体を持っています。
[[船体の種類>インフィニット・ワールド#Hull_Type]]●カプセル型(Capsule):
[[超次元フィールドジェネレーター>インフィニット・ワールド#Parachronic_Field_Generator]]運搬機のジェネレーターは「同量子」「1量子」「2量子」の航続距離を持っています。まだこれを超える航続距離の運搬機を開発した者はいません。
[[パワーシステム>インフィニット・ワールド#Power_System]]1回の跳躍には収容重量1トンあたり200kJのエネルギーが必要です。これを1回のパルスで伝えなければなりません。超次元フィールドジェネレーター用の典型的なパルスパワーシステムは1kJあたり50$と2.5キロかかります。
[[コントロールシステム>インフィニット・ワールド#Control_System]]運搬機は2種類のコントロールシステムのうち1つを持っています。
[[次元座標>インフィニット・ワールド#Parachronic_Coordinates]]いくつかの異なるタイプの超次元的エネルギーレベルによって、その世界の「次元座標」が決定されます。これらの中で最も重要なものは「T-ガンマ力(T-Gamma force)」です。それは整数の形でもたらされます。
[[運搬機の操作>インフィニット・ワールド#Conveyor_Operation]]支援を受けていない超次元運搬機は、同じ量子内の時間軸に跳躍することしかできません。長距離の運搬機が異なる「量子」に跳躍するためには、超次元転送機の支援を必要とします(後記参照)。安全な跳躍のためには、運搬機とその積み荷の全積載物重量は、フィールドジェネレーターの限度を超えることができません。典型的な運搬機は、それ自身の質量を引いた後に250~1000キロの搭乗者と積み荷を輸送することができます。
[[超次元転送機>インフィニット・ワールド#PARACHRONIC_PROJECTORS]]「超次元転送機(parachronic projector)」は、1量子運搬機や2量子運搬機が、異なる量子レベルに移動できるようになる装置です。これは設備に囲まれて閉鎖されたような形の“台座”からできています。これを使って、運搬機を送り込んだり帰還させたりするための設定をします。
[[転送機の操作>インフィニット・ワールド#Projector_Operation]]転送機が運搬機を送りこむためには、運搬機は転送機の台座におかれて「準備」状態になければなりません。プログラム済み、動力が供給されている、などです。
[[操作と事故>インフィニット・ワールド#OPERATIONS_AND_ACCIDENTS]]運搬機が跳躍する場合、旅がどのように行なわれたか、オペレーターの〈電子機器操作/次元移動機器〉技能に対して判定してください。転送機によって支援された移動の場合、転送機のオペレーターと運搬機のオペレーターの両方が判定を行なわなければなりません。
出目+α | エラー種類 | 内容 |
---|---|---|
2: | タイミングエラー (Timing error): | 移動には、“外部”から見て1D分かかります。このタイミングエラーと船の完全な消失とを区別する方法はありません。したがって、遅れが発生すると万一の場合に備必ず安全警備体制をとることになります。これが超時オペレーターが胃潰瘍を作る原因です。* |
3: | タイミングエラー (Timing error): | 移動には、転送される側と外部の時間両方とも1D分かかります。* |
4: | タイミングエラー (Timing error): | 移動には、“外部”から見て4D分かかります。* |
5: | タイミングエラー (Timing error): | 移動には、転送される側と外部の時間両方で4D分かかります。* |
6: | 位置エラー (Positional error): | 運搬機は1D×30センチ低い位置か、一方にずれて現れます。運搬機か転送機に些細なダメージが与えられますが、乗客や積み荷にはダメージはありません(よほど壊れやすいものなら別ですが)。†‡ |
7: | 反響エラー (Resonance error): | 船は現れて、それから消えます。元いた所に再び現れます。やり直すことは可能ですが、技能に-1の修正があります。† |
8〜9: | フィールド強度エラー (Field-strength error): | 放電によってすべての人員に1D-2の焼きダメージを与えます。シールドされていない電子機器はすべて一時的に使用不能になります。大修理を行なうまで、運搬機のフィールドジェネレーターを使用することはできません。† |
10: | 位置エラー (Positional error): | 運搬機は非常に高い位置に現れます。落下によってすべての乗客と壊れやすい積み荷は1Dの叩きダメージを受けます。運搬機のジェネレーターは破損します。小修理を行なうまでは技能に-3されます。†‡ |
11: | 重度の位置エラー (Severe positional error): | 10と同じですが、落下のダメージは2Dです。そして運搬機のジェネレーターは大修理を行なうまで使用することができません。†‡ |
12: | 照準エラー (Focus error): | 運搬機はどこか意図しない場所に現れます。地理的には同じ場所に現れますが、無限に存在する時間軸のうち、いずれかに現れる可能性もあります。1Dしてください。1〜3なら、正しい量子レベルだが違う時間軸にあることを意味します。4〜5なら隣接した量子レベルです。6は2レベル離れた量子レベルです。その位置を推定するためには、インフィニティ(あるいはセントラム)でコンピュータによる計算を数日、数週間、あるいは数ヶ月続けなければなりません。それまでの間、戻るための方法はありません。もし転送機を使用している場合、1Dして2以下の確率で“何か”がランダムな別次元から現れて台座の上に到着します。空気かもしれませんし、瓦礫かもしれません。人工物や生物かもしれません……そして、危険なものかもしれません。緊急時でない限り、研究者が1D日間かけてデータを集める間、その転送機はオフラインの状態にされます(望みは、いつの日か制御可能な「アイテム借用」転送機を建造するというものです)。†‡ |
13: | 座標エラー (Matrix error): | 運搬機は粉々になって到着します――完全に破壊されます。穀物、鉱石などは影響をうけませんが、他の積み荷は殺されるか破壊されるかしてしまいます。GMはPCに対してはこの結果を“回避”したいと望むかもしれません(12か14で書かれている通りに扱ってください)。† |
14以上: | 完全な混乱 (Utter confusion): | あと2回判定して、その両方を適用します。もし新しい結果のどちらかが14以上だったときには「興味ぶかい次元災害」(以下)を見てください。† |
[[興味ぶかい次元災害>インフィニット・ワールド#Fascinating_Parachronic_Disasters]]先の表で14の結果を2回連続で振ったときには、2Dして下記の表を見てください。これらの結果のうちいくつかは、生きている積み荷を想定しています。無生物の積み荷を送るときには、ふり直してください。
出目+α | 内容 |
---|---|
2: | 船の内部の時間では、移動には数百年、あるいは数千年かかります。外の世界ではそれほど時間は過ぎません。生物が生きていることはほぼありえません。塵となって砕けて到着するかもしれません! GMはPCを全滅させるのではなく、代わりに一時的な変異を与えることにしてもかまいません――例えば若返るなど。治療方法の探索は、面白い冒険になるでしょう。 |
3: | 乗客の“精神”は非常に長い時間を経験します。しかし“肉体”の時間はまったく経過しません。乗客は-3DCP分、ふさわしい精神的な癖や不利な特徴を獲得します。GMが乗客の個性に合わせて決定します(これは、インフィニティで2回起こりました)。 |
4: | シグナルエラー。生物は安全に到着します……全員の精神が違う肉体に入っていることをのぞけば。これは永続するかもしれませんし、1D日で終わるかもしれません。精神交換の効果は「精神転送」(284ページ)を見てください。 |
5: | タウ因子エラー。船は“鏡像”として現れます。鉱石は影響されません。食料は食べられません。生きている乗客は「食事制限」と「特殊な生理反応」の不利な特徴を得ます。生き延びるためには特殊な食事が必要です。もし彼らがホームラインから遠く離れているときには、すべての〈生存〉判定に-5の修正があります。(GMの手がかりから)何が起こったかわかったときには、この修正は-2まで減ります(これはインフィニティで2回起こっています。また迷った運搬機の乗組員が、「友好的な」環境で餓死した2つのケースもこれを疑われています)。 |
6: | カエルエラー。船は小さなカエルの雨、あるいは他の奇妙な“怪現象”のなかに到着します(これは6回起こっています。そして4人のインフィニティ研究者がそれについて説明しようとして発狂しました)。 |
7: | バイオフィールドエラー。積み荷のうち生きていないもの(運搬機を含みます)はすべて分解するか、他の地点に移動します。結果、旅行者を身動き取れなくさせたり、立ち往生させたりします。これは、転送機の台座に到着したところだったのか、あるいは他の場所をおとずれたところだったのかによって決まるでしょう。 |
8: | 生物はみな短いテレパシーを経験します。乗客はそれぞれ20CP分のテレパシー能力を得ます(第6章「超能力」参照)。詳細はGMがランダムに割り振ります。これは1D日間続きます――個別に振ってください(これは2回起こりました……インフィニティが把握している限り)。 |
9: | 船は1D分の間をおいて“2回”現れます(これは1回発生しました。幸運にも、乗組員がいない運搬機でした。最初の積み荷を途中まで降ろしたところで、第二の運搬機が最初のものと置き換わりました。これはある種の“鏡”効果による複製だったのでしょうか?それとも別の時間軸から訪れたのでしょうか。乗組員がいたらどうなっていたのかはわかりません。それも複製されたのでしょうか?) |
10: | 積み荷や運搬機はセントラム(元々セントラムのものであればホームライン)に属する、非常によく似たものに入れ替わります。 |
11: | 積み荷や運搬機は思いもよらない他の次元間旅行種族に属する、非常によく似たものに入れ替わります。 |
12: | 積み荷や運搬機は完全に未知の次元旅行文化に属する積み荷や運搬機と入れ替わります。質量は同じですが、それ以外のものは何一つ同じであるとは限りません! |
[[次元検知器>インフィニット・ワールド#Parachronic_Detectors]]「次元検知器」とはやってくる跳躍を検知できる装置です。そのためには、跳躍と同じ世界にいなければなりません。また跳躍が有効範囲内(以下参照)で行なわれなければなりません。操作者は〈電子機器操作/センサー〉技能の判定を行なってください。成功すれば手がかりが得られます。範囲内に複数の検知基地があれば、数パーセントの誤差内で跳躍者の位置を三角法によって決定できます。
[[ダメージをうけた運搬機>インフィニット・ワールド#Damaged_Conveyors]]跳躍に失敗したり、事故、破壊工作、攻撃などは、みな運搬機にダメージを与える可能性があります。船体によって、運搬機は銀紙ほどの強さしかもたないかもしれませんし、戦車と同じくらい頑健かもしれませんしかし、DRを突き抜けたダメージがあれば、6分の1の確率で繊細な超次元機器部分に影響を与えたとみなします。
[[迷った運搬機>インフィニット・ワールド#Lost_Conveyors]]運搬機は様々な理由で完全に道に迷うことがあります(つまり、予定通りに到着しないこと)。これは結局の所“操作ミス”と“不運”によるものです。
[[迷う/移動する時系列>インフィニット・ワールド#Lost_Moved_Timelines]]これは操作ミスではありません。もし起こった場合、オペレーターに頭痛を起こさせます! 「時系列シフト」(518ページ)を参照してください。
[[パラドックス>インフィニット・ワールド#Paradoxes]]パラドックスは発生しません。なぜなら次元旅行は真のタイムトラベルではないからです。しかしながら「歴史残像」――ホームラインの歴史を複写する時系列で、できごとの流れを変えるような介入があると、量子シフトを引き起こす場合があります。よくても費用がかかる迷惑、最悪の場合災害がおこります。「時系列シフト」(518ページ)を参照してください。
[[ベインストーム>インフィニット・ワールド#Banestorms]]「ベインストーム」は、範囲内にいるものすべてを別次元へと移動させる、地域的な現象です。この現象は多くの場合丸い形をしており、サイズは数メートルから数キロまで変動します。大気を備えた惑星では、厚い霧の峰、不可解な雷雲、重く激しい雷雨といった形をとる傾向があります。それはゆっくり現れて(例えば、霧が出てきて光をすべて遮ります)、急に消え去ります。
[[リアリティ震動>インフィニット・ワールド#Reality_Quakes]]時系列シフト(518ページ)とは異なり、「リアリティ震動」は現実を書き直し、その確立している歴史を変更して、ある世界の過去をひっくり返してしまう次元震動です。これはふつう気づかれることはありません。ただし以前の過去の断片(「現実の破片(reality shards)」)はしばしば残ります。奇妙な記憶、不可解な健忘、特異な人工物として存続します――特に「破砕帯(fracture zone)」において顕著です。これは二つの歴史が分岐を始めた中心点の名前です。「現実の破片」は人間であることもあります――伝説的人物、謎の見知らぬ人、世界をまたにかけていく「複製された」個人。非常に強力なリアリティ震動は、ときとして1つの世界の過去と未来を変更します。そして近くの並行世界に現実の破片をばらまくのです。
[[次元門>インフィニット・ワールド#Nexus_Portals]]「次元門」というのは、1つの次元から別の次元に結びつく穴です。これは普通丸い形をしており、直径は10メートル以下です。光はどちらの側からも通過します(つまり、あなたは目的地を見ることができます)。運搬機と同じように、門を通ることで、空間を移動することなく現実間を移動します。
[[次元ハイウェイ>インフィニット・ワールド#Dimensional_Highways]]「次元ハイウェイ」は次元間にまたがって繋がっている道です。次元ハイウェイの歴史の研究は、それが古代の直線路や牧草地の線に沿っていることをしばしば明らかにします。道に沿った地点に、次元門が存在しています。これは通常周期的であるか、あるいは鍵がかかっています。そして道自体と同じほどの幅をもちます。道はある次元に存在する門で終わっており、次の次元の門で再開するのかもしれませんあるいは元の次元で同様に続いており、伸びた後で3番目の世界に向かう別の門に通じているのかも。誰が道を造ったのでしょうか?それは誰にもわかりません……。
[[インフィニティ・アンリミテッド>インフィニット・ワールド#INFINITY_UNLIMITED]]一般に“インフィニティ”と呼ばれるインフィニティ・アンリミテッドは多国籍企業で、ホームライン世界は、これを通じて超次元技術を発展させ、支配しようとしています。巨大で豊富な資金を持つ組織であり、必ずしも効率的とはいえませんが、有能な組織です。
[[インフィニティ・ディベロップメント>インフィニット・ワールド#INFINITY_DEVELOPMENT]]この国連とインフィニティの合同組織は、時系列に存在する“貿易領域”を分配する任務を負っています。新たな世界の商業開発が許可されると、参入を希望する者はIDに入札を行なわねばなりません。考慮されるのは現金だけです。入札者はまた、その時系列の環境や人々をいかに守り、保安を行なうかなどを説明しなければなりません。外時系への設備設置は、常にIDの官僚組織やIコップ、あるいはその双方の監査の対象になります。ホームラインの他組織の多くは、インフィニティが結果的に他の時系列を"所有”していることに強硬に反発していますが……それが現実でもあります。
[[外時系からの人員調達>インフィニット・ワールド#Crosstime_Recruitment]]ホームラインと“セントラム”の超次元組織はしばしば外時系の地元の人々を雇いいれますが、その際には表向きの組織を活用します――外時系の人々は自分たちが超次元の雇い主のために働いていることにはまったく気づきません。事実、「秘密」を外時系の人々に漏らすことは重大な犯罪なのです。しかし、インフィニティ・パトロールは、ある程度、才能のある外時系人を雇う権利を持っています。セントラムの類似組織、インターワールドも同様の権限を持っています。
[[ISWAT>インフィニット・ワールド#ISWAT]]世界間特殊工作部隊(Interworld Special Weapons and Tactics)、またはISWATは特殊任務を担う、インフィニティ・パトロールの精鋭部隊です。閉ざされた世界や怪しい並行世界、ポケット多元宇宙での活動に特化し、世界全体の運命を左右する緊急、かつ隠蔽可能な任務を担当します。
[[インフィニティ・パトロール>インフィニット・ワールド#INFINITY_PATROL]]インフィニティ・パトロールは、インフィニティの"実働”組織です。理屈の上では、国連からの委任によって運営される民間の保安組織です――国連が過去に戦後処理のために雇ってきた、さまざまな請負組織(ときによっては武装している)に似ていると言えるでしょう。しかし実質的には、インフィニティ・パトロールは、インフィニティの支配下にある超国家的な準軍事組織なのです。
[[インフィニティ・パトロールの任務>インフィニット・ワールド#Infinity_Patrol_Missions]]インフィニティ・パトロールには、次のような多くの任務があります。
[[潜入任務>インフィニット・ワールド#Penetration_Missions]]多くの試行錯誤はあるものの、数の上ではいくつもの新しい時系列が発見されています。新たな時系列には、まず高精度の化学、生物センサーを備えたロボットが送りこまれます。人間の生活には適さないため、その後、二度と訪れることのない時系列も数多くあります。しかし、その時系列が安全だと見なされると、次には人間が送りこまれることになります。
[[奇跡の人々>インフィニット・ワールド#MIRACLE_WORKERS]]「奇跡の人々」は非営利で、インフィニティの“慈善”面となる組織です。国連の多くの救援活動機関と密接な連携をとっています。外部からの寄付や、インフィニティの他部門から技術許諾による莫大な資金援助を受けていますが、すべての場所で救援活動を行なうには時間も資金も常に不足しています。さらに、時系列シフトの発生を防ぐため、「奇跡の人々」は歴史残像世界での救援活動を厳禁されており、それが働く者たちにとって大きな不満の種となっています。
[[外部組織>インフィニット・ワールド#OUTSIDE_ORGANIZATIONS]]政府、私設の区別に関係なく、多くの組織が運搬機を利用しています。理屈の上では、こうした装置はすべてインフィニティの監督下にあり、Iコップはいつでも監査を行なうことができます。しかし、運搬機は頻繁に虚偽の"遭難”報告がなされ、秘密裏に利用されています。あるいは、単に工作員や従業員の裏切りによって盗まれることもあります。これは、パトロールにとって常に頭痛の種となっています。
[[国際連合>インフィニット・ワールド#THE_UNITED_NATIONS]]国際連合は、公式上はさまざまな形でインフィニティを監督する立場にあります。しかし、ホームラインではその“管理”はゆるく、インフィニティが国連から隠している多元世界ではさらに緩くなります。もっとも、国際連合は、異世界での人道的な救援活動といった任務では、インフィニティの施設をほとんど自由に利用することができます。
[[政府>インフィニット・ワールド#GOVERNMENTS]]いくつかの国家(とくに中国、フランス、ドイツ、日本、ロシア、イギリス、アメリカ)は、“公に”目立った超次元能力を持ち、独自の転送機と運搬機を多数所有しています。これらの政府はインフィニティから永久貸借権を受け、採掘や廃棄物処理、研究などを行ないつつ、"植民”用の世界を維持しています。
[[研究財団>インフィニット・ワールド#RESEARCH_FOUNDATIONS]]インフィニット・ワールドは、科学の研究にとって実り多い世界です。科学者はまったく損なわれていない生物群だけでなく、何種類もの災害で完全に壊滅した世界を研究することができるのです。インフィニティは、ほぼあらゆる“非破壊的”研究を認めています。ゆえに“偉大な成果が約束される”などと計画書に言葉巧みに記されていれば、おそらく科学による多少の破壊など許されてしまうでしょう。
[[次元を渡る賞金稼ぎ>インフィニット・ワールド#CROSSTIME_BOUNTY_HUNTERS]]“リチャード.Z.ホーン。総額10億ドルのコンピュータ詐欺で逮捕。保釈中に失踪、タイム・トラッカー社の運搬機を強奪し、コーンウォリスで姿を消す。Iコップは放置された運搬機を発見、1週間の捜索ののち“とくに危険はない”として、ホーンの追跡を断念した。しかし、ホーンには100万$の賞金がかけられ、タイム・トラッカー社からも報奨金が支払われる。わたしはその両方を手に入れるべく……"
[[ホワイトスター・トレーディング社>インフィニット・ワールド#White_Star_Trading]] [[ホワイトスター社>インフィニット・ワールド#White_Star_Trading]]ポール・ヴァン・ザントによって設立されたホワイトスター社は、異世界間貿易会社の草分けにして、おそらく最大規模の企業です。ヴァン・ザントは、1つの世界との交易による利益で、初期の開発の大半を行なってきたのです。
[[その他の貿易会社>インフィニット・ワールド#Other_Traders]]あらゆる規模の多数の企業が、次元貿易によって利益を上げつつあります。ホームラインで安価な品は他所では概して珍重され、その逆もまた真なのです。しかし、ここでも「秘密」は守られねばなりません。
[[タイム・ツアー社>インフィニット・ワールド#Time_Tours_Ltd]]“今日が火曜日なら、きっといまは1066年だな”
[[超次元の植民地>インフィニット・ワールド#CROSSTIME_COLONIES]]インフィニティは、美しい無人の世界をいくつも、植民用に開放してきました。いくつかの企業がそうした世界の貸与を受け、それを開拓者たちにさらに貸し与えています。
[[「秘密」の保持>インフィニット・ワールド#Keeping_the_Secret]]インフィニティとセントラムは敵対関係にありますが、1つだけ共に同意する事柄があります。それは、超次元技術の秘密は自分たちで独占しつづけるべきだ、という点です。この機密事項――すなわち「秘密」――を知った“外時系人”は、内部に雇い入れられるか、評判を貶められるか、消されてしまいます。
[[消去剤>インフィニット・ワールド#Eraser]]外時系の人間が訪問者の出現や消失を見てしまった場合や、ホームラインの科学技術が利用される現場を目撃した場合、最善の解決法は記憶を消してしまうことです。“消去剤”は、インフィニティとセントラムの双方で利用されている、便利な記憶喪失の薬物です。これを使用された者が効果を免れるには、生命カ-3の判定に成功しなければなりません。失敗すると意識不明に陥り、覚醒したときには、直近の5D+45分間の記憶が完全に消えています。消去剤には錠剤、注射液、気体の三種類があります。また、過剰摂取しても、悪い副作用はないと考えられています。インフィニティ・パトロールは、この薬物をコップや民間の保安要員、許可を受けた航時活動に従事するガイドなどに配布しています。これは非売品であり、許可を受けた使用者は、入手したり投与した量を厳密に管理しなければなりません。しかし、闇市では一回分が平均500$で流通していることが明らかになっています。LC2。
[[コヴェントリー>インフィニット・ワールド#Coventry]]コヴェントリーは、人類が繁栄しなかった量子レベル3の多元世界で、他にはない重要、かつ有用な性質を備えています。つまり、支援のない運搬機は異世界跳躍者もそこに入ることも、そこから出ることもできないのです。その理由はいまだ不明です。コヴェントリーに入るには、ホームラインから転送機の支援を受けた運搬機を使うしかありません。
[[セントラム>インフィニット・ワールド#CENTRUM]]「セントラム(Centrum)」は、ホームライン以外の人類の既知の時系列のなかで、独自に超次元技術を発展させた唯一の存在であり、ホームライン最大の敵です。「セントラム」の工作員は、インフィニティ・パトロールに対して次元をまたいだ策謀を仕掛けてきます。彼らがインフィニット・ワールドの完全な覇権を手に入れるまで、それが止むことはないでしょう。
[[インターワールド>インフィニット・ワールド#Interworld]]セントラムにおける、インフィニティ・パトロールにあたる組織です。世界政府が保有する戦闘組織として、インフィニティ・パトロールより大規模かつ冷酷です。また、超次元技術の理解においてさえ、優っている可能性があります。インターワールドの工作員はほとんど例外なく、セントラムに対して狂信的な忠誠心を抱いています。さらに、その多くが生体移植を受けています――セントラムは非常に潤沢な資金を持っており、個々の工作員に充分な装備を与えることが可能なのです。彼らは必要とあらば殺人を厭いませんが、才能を重んじ、能力のある外時系の人々を招きいれようとすることもしばしばです。また、友人に対する忠誠心、子どもを守ろうとする気持ちなど、ふつうの人間の感情も持っています。けっして怪物や機械ではありません。
[[時間をまたぐ闘争>インフィニット・ワールド#Crosstime_Conflict]]セントラムは量子レベル8、ホームラインは量子レベル5(Q5)に存在します。量子レベルを1つ飛びこえるのは容易で、2つを飛びこすのは困難とはいえ可能なため、セントラムとホームラインの領域はQ6(ホームラインがより容易に到達できる)とQ7(セントラムが優位に立つ)で“重なりあって”います。
[[次元をまたぐ犯罪者>インフィニット・ワールド#CROSSTIME_BANDITS]]過去5年間、インフィニティは、10件を超える次元をまたいだ犯罪活動を摘発してきました。実際には、より多くの犯罪行為が存在するのはまちがいないでしょう。
[[現実解放軍>インフィニット・ワールド#RLF]]現実解放軍(RLF)はホームラインに拠点を置くゲリラ組織で、国連世界間評議会の“他時系列に対する非民主的かつ不公平な支配と開拓”に対抗し、平和で科学的な目的以外の次元航行の中止を求めています。
[[“陰謀者”:インフィニティの支配者たち>インフィニット・ワールド#THE_CABAL_MASTERS_OF_INFINITY]]インフィニティの職員が接触した魔術師や超能力者、超次元生物(518ページを参照)、あるいは超自然の存在のうち、無視できないかなり数が“陰謀者”と呼ばれる巨大な超常集団の存在を述べています。彼らによれば、“陰謀者(the Cabal)”は何千年間も闇にひそみ、秘密結社や秘術による陰謀によって、インフィニット・ワールドでの出来事を裏で操作してきたというのです。“陰謀者”がいずれの地球(あるいは“複数の”地球!)を故郷と呼ぶかは、インフィニティの直面するもっとも複雑でひょっとしたらもっとも不愉快な謎の1つです。
[[ライヒ-5>インフィニット・ワールド#Reich_5]]量子レベル3にあるライヒ-5は、インフィニティが発見した5番目の“ナチス勝利”の並行世界です。ライヒ-5は現在2010年で、ドイツと日本、ナチス化された合衆国に支配された、おそろしいほど効率主義の世界政府によって統治されています。ほとんどの分野で文明レベル8の段階にありますが、宇宙工学やねじ曲がった遺伝学――そして、おそらく超能力工学については――さらに進んでいます。
[[超次元生物>インフィニット・ワールド#PARACHRONOZOIDS]]そのウサギの穴は一見、地下道のように横に伸びていた。だが、突然、下向きの穴にかわった。それがあまりに急だったので、アリスは立ちどまろうと考える間もなく、深い深い井戸に落ちていった。
[[異世界跳躍者>インフィニット・ワールド#World-Jumpers]]「次元跳躍者/異世界」の特徴(55ページ参照)をもつものはすべて、“異世界跳躍者(World-Jumpers)”です。この能力は「超能力」と思われていますが……正確なことはわかっていません。
[[時系列シフト>インフィニット・ワールド#TIMELINE_SHIFTS]]量子レベル6でインフィニティが把握している379の時系列のうち281は、“歴史残像”――すなわちその歴史の早い時代には、ホームラインとまったく同一だった世界です。“未来”に属する歴史残像は知られていません――もっとも、高度な科学技術や日付のより進んだ並行世界は存在しています。Q6以外の量子レベルでは、歴史残像は確認されていません。
[[多くの謎>インフィニット・ワールド#Mysteries]]ホームラインのインフィニット・ワールドに対するこれまでの理解は、とても完璧と言えるものではありません。いつ起こるかわからない“掟破り”の状況が、冒険の出発点となるかもしれません!2つの例を挙げておきます。
[[セントラムの介入>インフィニット・ワールド#CENTRAN_INTERVENTION]]セントラムは、歴史残像をQ8に“近づけ”ようとして、これまで数度の介入を行なってきました。その手段は、洗練の一途をたどっています。どのような変化が望みの効果を生み出すかを予測する方法を、セントラムが持っているのはまちがいありません。
[[セントラムの介入の例>インフィニット・ワールド#Examples_of_Centrum_s_Intervention]]セントラムによる介入の成功例には、次のようなものがあります。
[[長期に渡る介入>インフィニット・ワールド#Long-Term_Intervention]]インフィニティは「非常に長期に渡る介入」の可能性を憂慮しています。たとえば、アレクサンダー大王やカール・マルクスといった重要な人物を子供の頃に殺したとしても、歴史的な変化は何年間かは表に現われません……しかし、ひとたびその変化が現れたなら、とてつもない影響を及ぼします。おそらく、セントラムもそうした介入の効果を計算できないでしょうあるいは、人間の文化があるからこそ歴史残像が存在しているのなら、人々のあり方が突然大きく変化したときのみ、変化が生じるのかもしれません。歴史の鍵を握る人物が幼い頃に取り除かれたとしても、他の誰かが現れ、同じ歴史的役割りを果たすのかもしれません。つまり、台頭のはるか以前にヒトラーを抹殺しても、結局は同じような独裁者が現れ、流れにはほとんど変化がないかもしれないのです。時間を越えた介入は、いまだ科学というよりは芸術の域にあります。
[[介入に関わる冒険>インフィニット・ワールド#Intervention_Adventures]]歴史残像に対するセントラムの介入阻止は、Iコップでチームを組むPCたちにとってすばらしい冒険になるでしょう。GMは、次のような設定を行なうことができます。
[[逆介入>インフィニット・ワールド#Intervention_in_Reverse]]GMは設定をすべてひっくり返してもかまいません。インフィニティは時系列への介入に関わる秘密を解き明かし、量子レベル7にセントラムの一連の歴史残像を発見しました。そして、攻撃チームを送りこみ、それらをQ5にシフトさせようとしています。すべては逆転しています。ホームラインのチームは特殊任務を帯びています――もしそれが成功すれば、その時系列を有利な形にシフトできるとコンピュータが予測したのです。セントラムの対抗部隊は、多数の小チームで構成されています……ホームラインのチームがそれらをあからさなまやりかたで始末すれば、知らせを受けたインターワールドは、その地に大量の援軍を送りこむでしょう。
[[歴史残像への不法介入による影響>インフィニット・ワールド#EFFECTS_OF_TAMPERING_WITH_ECHOES]]1つの時系列全体を別の量子レベルへ“動かす”には、特筆すべき変化が必要です。“特筆すべき”変化がどのようなものかは、GMが決定します。どのような変化がそうしたものなのか、誰にもわからないからです。見知らぬ者が何人か歴史に現われただけでは、それほど大きな違いにはならないでしょう。しかし、それでも歴史の重要な瞬間に行き当たる可能性は常にあります。1938年のワシントンを訪れた者が列車の最後の座席を手に入れたため、ある上院議員が大統領との会合に遅れてしまい、鍵となる軍の配置に失敗……その結果、第二次世界大戦が勃発したとき、アメリカが敗北してしまう可能性もあるのです。
[[シフトを起こした時系列の追跡>インフィニット・ワールド#LOCATING_A_SHIFTED_TIMELINE]]失われた時系列の位置を瞬時に発見できる高度な装置やスーパーコンピュータを有するのは、インフィニティとセントラムだけです。そうした探査には、一週間の作業と〈物理学/多元物理学〉の判定に成功しなければなりません。その時系列が、研究者の“本拠”と同じ量子レベルにあれば判定に+3、隣接する量子レベルにあれば判定に+1のボーナスがあります。量子レベルが2つ離れていれば修正はありません。3つ~4つ離れていれば、発見できません!