上守 甲斐(以下カイ)「社長、この度のホッパーズとのトレードですが、この様な内容で本当によろしいのですか?」
神条 紫杏(以下シアン)「何か問題でもあるか?」
カイ「いえ、ただ疑問が少々」
シアン「何だ、言ってみろ」
カイ「はい、先ずは官取選手と倉刈選手の件ですが、明らかにこちらが損をしているように思うのですが?」
シアン「それは、官取が私と同じ高校だからだ。それだけでルッカに狙われる可能性がある」
カイ「なるほど、あえて大神にいる方が向こうも狙いにくいということですね」
シアン「ルッカは私を標的にしている以上、今は大神に手を出さないだろう」
カイ「では、源地選手と小角選手はどちらもベテランで、トレードの意味はないように思うのですが?」
シアン「源地は、不吉なことを吹聴して他の選手の士気を下げると報告を受けている」
カイ「小角選手は多少マイナス思考気味ですが、それよりマシということですか」
シアン「そうだ、今年は何が何でも前半戦だけでも勝ってもらわなければ困るのでな」
カイ「そうなると柿元兄弟の場合はどうなります?」
シアン「確かに弟の方が伸び代はあるが、今の時点では兄を立ち直らせる方が戦力的には上だ」
カイ「後、引退した羽車コーチの代わりに金銭で獲得する天道投手ですが、ホッパーズでは良い噂を聞きませんが」
シアン「練習のしすぎでシーズン後半まで持たないことだろ、だがシーズン前半だけで良いんだ」
カイ「確かに、後半で彼がどう崩れようと、その頃にはジャッジメント内の決着が決しているわけですね」
シアン「そういうことだ」
カイ「ただ、狩村投手の穴を埋める選手がいませんので、戦力的にイマイチのように思うのですが」
シアン「そのことだが、既に代りの選手の目星は付けてある」
カイ「本当ですか? しかし、これ以上ホッパーズから選手を取ればルッカに怪しまれる恐れが・・・」
シアン「いや、ホッパーズ以外の選手だ、しかも球団側とは既に話は付いている。後は本人次第だ」
カイ「社長は、今からその人物と会いに行かれるのでしょうか?」
シアン「そうだ、私自ら会いに行かねばなるまい」
カイ「そうですか、ところでその方は社長とどのような御関係で?」
シアン「ん? なぜそんな話になる」
カイ「それは、社長がさっきから私に買いに行かせた御化粧セットとずっとにらめっこしながら話してるからです」
シアン「・・・いや、人と会うのだからオシャレは当然だろう・・・」
カイ「いつも、どんな政財界の大物と会うときでもスッピンだったのにですか?」
シアン「きょ、今日から始めようと思ってな・・・」
カイ「そうですか、しかし急がなくては時間に間に合わないのではないのですか」
シアン「それが・・・ 種類が多くて何からしていいのか・・・」
カイ「ふっー、しょうが在りませんね。私がやって差し上げます」
シアン「いや、これ位はは自分で・・・」
カイ「黙って、貸・し・な・さ・い!」
シアン「・・・は、はい」


ミルキー通り、某喫茶店・・・の前の路地の車の中

部下「上守様、言われましたように社長が来る前に喫茶店の中の店員、客全員を私の部下と入れ替えて置きましたが」
カイ「御苦労」
部下「しかし、初めて見ました社長が緊張しているところ」
カイ「私もです。いつもならこの様な状況、社長なら直ぐに気づく筈なのですが」
部下「客全員黒服、サングラスなのにまるで気づいていない!」
カイ「ところで、例の物は全員に持たせましたか」
部下「はっ! ただ・・・」
カイ「ただ、何です?」
部下「全員に隠しカメラは何の為に?」
カイ「店の中に妖しい人物が入ってこないかと、外部から各隊員に素早く支持を出す為です」
部下「では、盗聴器は?」
カイ「・・・ロマンです」
部下「絶対違うだろっ!」
カイ「おや? 誰か入ってきました」
部下「おっ、あれは甲子園で優勝し、昨年の新人賞投手の小波選手! まさか社長がこの様な隠し玉を持っているとは」
カイ「くっ、社長何ということを!」
部下(はっ、そういえば社長と小波投手は同じ親切高校出身、まさか二人は只ならぬ関係なのか・・・
   ならば、社長にとって大きな足枷になってしまう。上守様はそのことを・・・)
カイ「比奈鳥青空に賭けてたのに・・・」
部下「ちょっと待て! 何賭けなんてしてるんだよ。確かに社長はファンだけど比奈鳥選手は女子でソフトボール選手だろうが!」
カイ「うぅぅ、今月の生活費が、あ〜あっまたアイツに借りなきゃ」(・・・んっ? アイツって誰?)

某球団、某練習場

8主「へっくしょん!」
監督「何だ、風邪か?」
8主「いえ、悪寒が」
監督「?」


少し時を戻してミルキー通り、某喫茶店内

シアン「え〜と、官取には出て行ってもらったし、お化粧もしたし、契約書も持って来たし、ノックも受けたし
    何で野球が九回まであるか教えて貰ったし、よし今の私に死角は無い」(・・・と思う)

―――カランコロンカラン・・・

10主「おーい、シアン久しぶり」
シアン「遅い! 何時間待ったと思っているんだ!」
10主「えっ? まだ約束の時間の十分前だけど・・・」
シアン(しまった! 私が三時間前から待ってたの忘れてた)
10主「でも良かったよ」
シアン「んっ、何がだ」
10主「高校の時あんな別れ方したから、二度と会えないと思ったから」
シアン「過ぎたことだ。今更そのようなこと気にするな」(私が後でどれだけ後悔したと思ってるんだ!)
10主「・・・」
シアン「どうした。私の顔に何か付いているか?」
10主「いや、高校の時より綺麗になったなと思って」
シアン「煽てても、契約金は増えんぞ」(ナイスだカイ)
10主「それにしても、シアンも大変だよね」
シアン「まあな」
10主「だってエリートでジャッジメントに入ったのに、ナマーズのスカウトなんて・・・あれ? 何でシアンこけてるの?」
シアン「・・・いや、君は最近新聞は読んだか?」
10主「漢字が難しくて読めないんだ」
シアン「テレビでニュースとか見ないのか?」
10主「荷田君が貸してくれるビデオが溜まってて見る暇がないんだ」
シアン「そ、そうか・・・」(何でこんな馬鹿好きになっちゃたんだろう・・・)
10主「ねえ、それより資料と契約書見せてよ」
シアン「ああ、それにしても以外だな、君なら何も考えずにサインすると思ってたんだが」
10主「いや、その所為で去年の年俸がプロ野球最低年俸に・・・」
シアン「何だと、世の中にはそんなに酷い球団があるのか!」(あれ? 今私の中の大神が笑ったような)
10主「へ〜、この契約書読みやすいね。漢字には平仮名が振ってあるし、難しい単語には横に意味が書いてある」
シアン「感謝しろ、君の為に特別に作ったんだ」(徹夜の甲斐があった)   
10主「えっ、年俸一億円!」
シアン「当然だ! 君にはそれだけの価値がある」(生涯の伴侶が最低年俸では困るのでな)
10主「あれ? このナマーズ寮だけど・・・」
シアン「何、不満か? もしそれなら私の部屋に・・・」
10主「今よりずっと広いや〜」
シアン「そ、そうか・・・」
10主「それにしても良いのかな? 年俸といい、寮の件といい」
シアン「それが今の君に対する評価だ。気にするな」
   (まあ、年俸を五千万円にしろとか言っているふざけた奴には、出て行ってもらうことにしよう)

そのころナマーズ寮

ジン「呪いが・・・、呪いが発動しそうだマジン!」
11主「何だって!」


再びミルキー通り、某喫茶店内

    「さて、どうしよう?」
10主:Aサインしない(このまま読んでいってね!)
    Bサインする(今回受けたら考えよう。ただし11主人公が死亡するので・・・BAD確定?)
    C今回は保留する(今回受けたら考えよう・・・上がBADってことは?)

シアン「さあ、問題が無いのなら早くサインをしてほしいのだが」
10主「いや、一様最後まで読んでから」
シアン「・・・」(ドキドキするから早くしてくれ)
10主「・・・」
シアン「・・・」(頼むから早くしてくれ!)
10主「・・・、あれ?」
シアン「んっ、どうした?」
10主「ごめん、シアンこの話は無かったことに・・・」
シアン「えっ? なんで・・・」

再びナマーズ寮

ジン「呪いの発動が治まったマジン」
11主「誤作動か、脅かすなよ」
ジン(おかしいマジンね?)

・・・帰りの車の中

シアン「うっ、うっ、何が悪かったんだろう」
カイ「あの社長・・・ この『護衛五十人を常時配備する』じゃないですか?」
シアン「何を言っている! あの女から彼を守るためにはこれでも少ないぐらいだ」
カイ「社長、逆です。こんなことをしたら、ルッカに狙ってくれと言ってるようなものです」
シアン「そっちの女じゃない」
カイ「?」

・・・某ヒーローのアジト・・・

和那「ハックション!!」

完!?

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます