「行ってくるでやんすー」 
 「カンタ、武美に迷惑掛けちゃ駄目よ」 
 「分かってるでやんすよ!」 
 「じゃあなっちゃん。 カンタ君を一晩借りるからね〜」 
 「ふっふっふっ、今度こそ倒してみせるでやんす!!」 
 「ふふん、私は負けないよ〜」 
 「とりあえず二人とも、あまり夜更かししてゲームをしないようにね」 
 『はーい』 

  そう言って、武美とカンタ君は武美の家に向かって行った。それを見送る俺と奈津姫さん。 

 「行ってしまいましたね」 
 「ええ」 

  その姿は、おつかいに行く子供を見守る親のようだった。俺達は、顔を合わせてくすっと笑いあう。 

 「さ! お店開かないと」 
 「ええ、頑張りましょう」 
 「もちろん」 

  奈津姫さんからぎゅっと手を握られる。なんかちょっと恥ずかしい。 

 「ふふ、小波さん。顔が赤いですよ?」 
 「……奈津姫さんが魅力的だから、恥ずかしいんですよ」 

  仕返しとばかりに、頬にキスをする。不意打ち気味だったから、奈津姫さんの顔が多分俺以上に赤くなった。 

 「も、もう、小波さんってば!!」 
 「ははっ。さ、本当にお店準備しましょう」 
 「ええ」 

  名残惜しみながら手を放した。 
お店はいつも通りに開店して、いつも通りにお客さんがやってきた。 
  12月末のジャジメントとの試合に勝ってから、この街にもたくさんの人が訪れるようになった。 
  ほとんどの人が野球の試合でこの街に来てくれて、勝てば勝っただけファンは増えてくれている。 
  地方ではファンクラブが出来ているほどだと言う。前に比べて、本当に良い状態になった。 

  他の街からも、野球の試合を良く申し込まれる。監督がいなくなってから采配が大変だけど、どうにかこうにか勝ち進んでる。 

 「小波さん。これ、お願いします」 
 「解りました」 
 「頑張ってるな」 
 「ああ、食べに来てくれる人の期待に応えなきゃいけないからな」 
 「頼りにしてるぞ、キャプテン」 
 「何言ってるんだよ権田。チームが強くなったのは、俺だけの力じゃないだろ?」 
 「ははっ、違いねえ」 

  こうやって近所の人も食べに来てくれる。本当に、愛されてるお店だ。 

 「小波さん、次はこれを」 
 「今行きます。それじゃな」 
 「おう、頑張れよ」 

  でも多分、愛されてるのはお店じゃ無くて……。 

 「……」 

  そう考えると、ちょっとだけ嫉妬した。 

 「はぁ〜、疲れた」 

  お店の暖簾を下ろし、鍵を掛ける。 

 「お疲れ様です」 
 「後の片付けはやっておきますから、先にお風呂どうぞ」 
 「え、でも」 
 「結構お客さん来てましたし、疲れも出てますでしょう? 遠慮なさらず」 
 「そう……ですか?」 
 「ええ、任して下さい。これでも、野球をやってる従業員ですから」 

  むんと力瘤を作る動作をする。 

 「ふふ、頼りになりますね。では、お願いします」 

  奈津姫さんは店を俺に任せ、お風呂場へと向かっていった。 

 「よし、じゃあテキパキやるか」 

  期待に応えなきゃな。 



 「……よし、よし、よし、よーし、終わった」 

  指差し確認をして、とりあえず全ての業務を終えた。床の掃除、鍋の洗い、お皿の配置などなど……結構一人で全部やるのは大変だ。 

 「これを俺が入る前は一人で全部こなしてたんだよな……」 

  ……本当に、偉い人だ。 

 「小波さん、お待たせしました」 
 「あ、はい。こちらも終わり……って!!」 
 「ふふっ、お先に頂きましたよ」 
 「あ……」 

  俺は言葉を失った。いや、まさか 

「お、俺もお風呂頂きますね」 
 「ええ、どうぞ」 
 「か、片付けは全部終わりましたから、夕食、お願いします」 
 「はい、解りました」 

  その場を足早に去る。 
  ドクン、ドクン…… 
 何で、何で 

「バスタオル一枚だったんだよ」 

  恥ずかしくて体を凝視出来なかった。 
  ……まだまだ青いな、俺も。 



 「はぁ……」 

  何か、日に日にお客さんが増えてる気がするんだよなあ。 
  店にとっては良い事なんだけど、男性客が多いって言う所が 

「……何か、いらいらする」 

  まあ、女性客もけして少ない訳じゃない。前に比べれば増えたけど、男性客は目に見える位増えた。 

 「俺、こんなに独占欲強かったっけ……?」 

  駄目だな、欲深くなってしまったのは全部奈津姫さんのせいだ。 

 「……」 

  洞窟の中でのことが蘇る。……幸い、今日はカンタ君がいない。 
  此処までのチャンスが今までにあっただろうか。 

 「……って、駄目だ駄目だ」 

  これじゃ、ただの変態だ。 
  ……よし、気を取り直して夕飯の手伝いでもしようかな。 

 「出るか」 

  自分の中の邪念を振り払い、風呂場を後にすることに成功した。 



 「あーさっぱりした。奈津姫さん、お湯ありが……ってぇ!」 
 「小波さん。お夕飯の準備、もうすぐですよ」 
 「ゆ、夕飯の準備って言うよりですね。あ、あの、その……その恰好は」 

  下着も着けないでいつもの赤いエプロンだけ……所謂裸エプロン。 

 「……」 

  プツン 
 俺の中で、何かが弾けた。 

 「奈津姫さんっ!!」 
 「えっ、きゃっ!!」 

  ぎゅっと後ろから抱きしめる。 
  我慢していた理性が、何処かに飛んで行ってしまった。 

 「俺を魅了して……楽しいですか?」 
 「小波さん……」 
 「我慢できませんよ、そんな姿を見せられては」 
 「……いい、ですよ」 
 「え?」 
 「私は、そういう関係になるのを……望んでますから」 
 「奈津姫さん……」 
 「夕飯なら大丈夫です、冷めても、温めなおせば良いものにしておきましたから」 
 「……」 

  先ほどよりも力強く抱きしめて、唇にキスを落とした。台所で行為に及ぶのは、何かちょっとドキドキする。 

 「んっ、ちゅぱ」 
 「はぁっ、あむ、なつき、さんっ」 
 「あむ、ああっ、はげし、いですよっ、んんっ」 

  最初から手加減なく舌を潜り込ませる。 
  さっきだって、理性を総動員させて我慢してたんだ。 
  只でさえいつも魅力的な人が此処までやってしまったら、普通の男だったら基本的にこうなる。 

 「ぷはっ、んっ」 
 「あふっ、あっむむっ、いき……がぁっ」 

  立て続けにキスをする。どうしようも無く可愛いな。 
  これで未亡人だって言うんだから反側だ。前の旦那さんは街の人からとても羨ましがられただろう。 

 「はぁ……きゃっ」 

  エプロンの下から胸に手を当てる。久しぶりの感触に、俺はずっと興奮しっぱなしだ。 

 「ああんっ、そこ、よわいっ、のぉ……」 
 「知ってますよ。奈津姫さんのことは、全部」 

  乳頭をクリッとつねる。時には指先で弄り、両方を大胆に責めていく。 

 「あっ、んんっ!!」 

  奈津姫さんの身体が反応する。それを見る度に、俺の身体も反応する。 

 「下は、どうですか?」 

  くちゅっ 

「濡れ濡れですね。やらしいなぁ」 
 「っ!!」 

  恥ずかしそうに俯く。でも、今度は指で秘部も弄っていく。 

 「あうっ、あんっ、んっ、いやっ、ああっ、らめっ」 
 「イクならイッちゃってください。支えてますから」 

  指を中に挿入れていく。第一関節、第二関節。根元まで入り、そこでグリグリと中を掻き回す。 

 「やっ、やぁああぁぁ!!」 

  ビク! 

  奈津姫さんの身体が痙攣する。 
  それと同時に、透明な液体が床に飛び散った。 

  ビクッ! ビクッッ!! 

 「ああ……はぁあ……」 
 「イッちゃいましたか?」 
 「何か、ふわふわしてます」 
 「それは良かった。でも正直、俺ももうこんなんなってまして」 

  お風呂上りの軽装な衣類では俺のモノを隠せる訳も無く、服の上からはっきりと主張していた。 
  ズボンとパンツをずらすと、そこから生々しく大きくなっていたモノが眼前に現れた。 

 「……入れていいですか?」 

  ゴクっと唾を飲み込み、先を宛がおうとする。 

 「ちょっと待って」 
 「え?」 
 「今日は、私が気持ちよくさせたいの。……いや?」 
 「……いやなわけが無いです」 
 「ふふっ、いつも、リードされてるから、お返し」 
 「……そういうこと言うと、どんどん理性が無くなりますよ?」 
 「いいの、あなただから」 

  ちゅっと俺のモノに口付ける。舌の使い方、口の使い方……そして手の動き。 

 「くぅっ、上手すぎですって」 
 「ほうかひら?(そうかしら)」 
 「ええっ、っ、すぐ出しちゃいそうです」 
 「……あむっ、ちろ、れろ」 
 「っっ」 
 「此処も、舐めないとね」 

  奉仕して貰う前までで、既にもう出しそうだったんだ。 
  その状態でカリ裏や裏筋までしっかりと舐められたら……本当にやばい。



 「くぁああああ、奈津姫さん、もうっ、おれっ!!」 
 「口の中に出していいからね」 

  口で咥えて、奥まで押し込まれる。その感触が、俺のモノに与えた最後の刺激だった。 

 「ううっ、くぅうううう」 

  ドピュ!! 

 「んんっ!!」 

  俺は奈津姫さんの頭を無意識に押さえ、先端が喉に当たった所で放出した。それは一回だけに止まらず、二回、三回と……奈津姫さんの口の中で暴れる。 

 「んっ、んんっ」 

  ぷはっっとモノが解放された。口を開けながら白濁した液を味わっている姿が、妙に艶めかしい。 

 「あむ、んっ、れろ」 
 「……」 
 「んっ……。ふふっ、飲んじゃった」 

  口の中で味わった後、ゆっくりと飲み込んでいた。その光景は、ばっちりと俺の頭の中に記憶させられる。 

 「……本当、確信犯ですよね」 
 「喜んで貰えた?」 
 「……そりゃあ、もう」 

  キスをする。自分の精液の味なんて構ってられない。奈津姫さんに、とにかくキスがしたかった。 
  今の俺は、ケダモノと言われても、きっと言い返せない。 

 「まだ、終わらないわよ?」 
 「へ?」 
 「そこに仰向けになって」 

  言われた通りに仰向けになる。さっきほどじゃ無いけど、俺のモノは上に向いていた。 

 「えい」 
 「!!?」 

  モノの上に乗っかってきた。……入れた訳ではない。乗っかって、上下に動いている。 

 「こ、これはっ」 
 「んっ、んっ、気持ち、いい?」 

  先ほどとは違って、力強い刺激が俺のモノから伝わってくる。それよりも 

「んっ、あっ、んんっっ、あっ、ああっ」 
 「……」 

  俺の上で乱れている奈津姫さんに興奮する。数分も経たない内に、俺のモノは回復していた。いや、回復どころかそれ以上に大きくなっていた。 

 「あっ、熱くなってる……」 

  くり、くりっ 

「……奈津姫さん」 
 「な……んですか?」 
 「奈津姫さんから、入れて貰えませんか?」 
 「……はい」 



 「もうちょっと良く見せて下さい」 
 「っ……」 

  自分の手で秘部を開いている。そしてその秘部は、俺のモノを徐々に飲み込んでいった。 

 「見な……いでぇっ」 
 「……それは無理です」 

  俺は凝視していた。 
  奈津姫さんの動きがいやらしくて、秘部の動き、飲み込んでいる感覚、何一つとして見逃せなかった。 


 「あっ、あっ、んっ……」 
 「……根元まで入りましたね」 
 「熱い……です」 
 「動いて貰えますか?」 

  ゆっくりと動いていく。最初はゆっくり、徐々に早く。途中から、自分の快楽を求めるように動いているように見えた。 

 「はっ、はっ、あっ、らめっ、らめらよお」 
 「凄い乱れっぷりですね。凄く可愛いですよ」 
 「だって……だって、怖かったのっ」 
 「怖かったっ、って?」 
 「食べに来る女の人達……魅力的な人たちばかりだった。私でも知ってる大企業の女の人も来てた。んっ、それで、いつか取られたらと思うと……怖くて怖くて……」 
 「……奈津姫さん」 

  ズンと、奥に一突きする。 

 「ああっ!!」 
 「一緒ですよ。俺も、同じです。他の男なんかに、奈津姫さんを盗られたくない!!」 

  奈津姫さんの動きに合わせるように、今度は俺から攻めていく。奈津姫さんの腰を俺の手で持ち上げて落とす、持ちあげて落とす。 

 「あっ、んああっ、あふ、あふあああああっ!!」 
 「……イッちゃいますか?」 
 「あ、あっ、ああ、あん、あんっ、んんんんっ!!!」 
 「乱れて下さい。乱れた姿を全部見せて下さい。他の男じゃなくて、俺だけに」 
 「イク、イク、イクゥウウウウウっ、ああっ!!!!!!!」 
 「出しますよっ!!くぅうううううっ!!」 

  ビュルルッ!!!!! 

 「あふああああああぁぁ!!! らめ、らめぇええええええっ!!」 

  ドク、ドク、ドクッ!! 

  奈津姫さんの太ももに手を置いて、結合部を逃さない。 

 「はっ、ふう、ふぅ……」 

  つ、疲れた……。 
  でも……最高だ。本当に、気持ち良かった……。 

 「大好きですよ、奈津姫さん」 
 「わた……しも……、だい、すき」 

  奈津姫さんを抱きしめる。とりあえず、汚れた身体を洗うために、お風呂にまた入らなきゃな。 
  今度は一緒に。 

 「可愛いです、奈津姫さん」 

  おでこにキスをした。 

 「あっ……もう」 

  恥ずかしそうに頬を染める。その姿も、妙に色っぽかった。 

 「……さいね」 
 「え?」 
 「……ずっと、傍にいて下さいね」 
 「……ええ、誓いますよ」 

  今日、何度目か解らない、キスをした。 .
 


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