デウエスとの戦いの後、開田くんが戻ってきてパカは部屋を追い出された。
その代わり、ミーナさんと共に行動するようになった。
ミーナさん達の活動については既に知っているだろうから割愛するが、
その活動のために俺達は、しばらく顔を合わせないでいる。
そんな中、ミーナさんが気を使ってくれたのか、俺は久しぶりにパカとデートをすることになった。
「お二人とも、青春真っ只中なんだからデートの一つでもしてきたらどうですか?」とはミーナさんの言。
ミーナさんの活動に影響が出るんじゃなかろうかとは思ったが、あの何か微笑ましいものを見ているような
眼差しで見られたら、何も言い返せなくなってしまう。
俺の提案で、デートの場所は二人で行ったあの遊園地になった。

そういうわけで、俺はパカと遊園地にいる。前にも来たことがある場所だから、
文句の一つや二つは覚悟していたが、前にも増して楽しんでいるように見えた。
王子のコスプレは相変わらず。遊園地だからなのか違和感はないが、
今日くらいは普通の服を着て欲しかった。
もっとも、そんなことを言ったら叱られそうだが。

アトラクションには殆ど乗り終わり、俺達は売店の近く椅子に腰掛けていた。
開園からぶっ通しで遊んでいたから休む暇が無かったのだ。
もう午後を2時間程過ぎたというのに、昼食をとっていないせいで腹が減って仕方ない。
値段が高い割に食欲が損なわれるようなハンバーガー? を昼食にすることにした。
しかし、このハンバーガー? はこの遊園地の名物の一つでもあったりするのだ。
「……ずいぶん変な色だな。チェーン店のもののほうがよっぽど……」
「そういうことを言うもんじゃない。それに案外旨いんだぜ、これ。なんとも言いがたい味がするけど」
「う、うむ……しかし、この原色ばかりというのは些か食欲が失せるような……」
「いいから黙って食え」
俺はパカに食べるよう催促した。パカも覚悟を決めたのか、一気にかぶりついた。そして咀嚼。
「むむむ……これは……確かになんとも言いがたい味じゃな。しかし、旨いといえば旨い」
やっと旨さを分かってくれたようだ。俺達はしばらく無言でこのハンバーガー? を食べていた。
「病みつきになるようでならないような……だがなんだかんだで旨かったのは事実だ」
「気に入ったようでよかったよ」
案外早く食べ終わり、まだまだイケると思うが、パカはそうでもなさそうだ。
目は口ほどになんとやら、さっさと済ませろと言っているような気がする。
「……アトラクションはもう殆ど乗っただろ。あとは何をするんだよ」
「お前の頭蓋骨には何が詰まっておるのじゃ。赤味噌でも詰まっておるのか?」
「酷い言われようだな、オイ」
「いや、もしかしたら白味噌かも知れんぞ。それとも合せ味噌……」
「もう味噌の話はいいよ!」
「ほっほ、これくらいのジョークは受け入れる寛容さがないといかんぞ」
「いや、ジョーク以前の問題だから」
「さて、米みそが詰まっているお主の話は置いておくとしてじゃ」
だから、いつまで味噌ネタを引っ張るつもりだ。なんて言ったら負けな気がする。
「気づかなかったか? まだ乗っていないアトラクションがあるじゃろ」
「流石に気づいてるよ。殆どとは言ったけど、全部とは言ってない」
「そんなで言い回しで誤魔化すでない。面倒な奴め」
「面倒なのはどっちだよ。素直に観覧車に乗りたいって言えばいいじゃないか」
「それではつまらないではないか」
「……つまり、俺から誘えと」
パカは無言で睨んでいる。そういう事なのだろう。本当に面倒な奴だ。
「わかったよ。パカ、観覧車に乗ろう」
おれはパカの手を引いて観覧車まで連れていった。


観覧車前に到着したとき、客は全くいなかった。
今の時間帯は他のアトラクションに行っている客が多いのだろう。
ヒーローショーとかの時間帯とも被っているから観覧車には必然的に人が少なくなんだろう。
それでもちらほらといるにはいるが、それでも混んでいるようには到底見えない。
観覧車の中に乗り込み、俺とパカは対角線上に位置するように座った。
「まったく……お前は乙女心というものを全くわかっておらん」
「はいはい、すみませんでした」
「まあよい。ところで、お主の話をなんでもいい、聞かせてはくれぬか」
それから俺達は様々なことを話した。俺がコーチをやっている野球部が秋季大会で準決勝まで進んだこと。
野球部にいる個性的なチームメイトの話。
それから、パカがミーナさんたちとしている活動について、たくさんのことを聞いた。
話は長く持ったと思っていたが、観覧車はまだ三分の一も行っていなかったみたいだ。
さすがに、これは観覧車が遅いのではないだろうかと思う。
話の種は尽きた。何を話したものか。微妙な空気のまま終わるのは……流石に嫌だ
「あー、えっと、その……ミーナさんに感謝しなきゃな」
「む……あ、まぁ、そうじゃな」
パカもなんとなくこの微妙な雰囲気を感じ取っているのか、どこがぎこちない。
「やっぱ、その、こういう機会は滅多に無いからさ、あはは……」
「…………」
駄目だ、やっぱり会話が続かない。どうしようも無いと思ったが、そんな考えは5秒で吹き飛ばす。
ああ駄目だ、やっぱ辛気臭いのは駄目だな。
俺はパカをぎゅっと抱きしめた。服の上からでも、肌の柔らかさが伝わってくる。
「な、いきなり何をするのじゃ!」
突然抱きしめられたからだろう、パカは動揺している。
「ずっと寂しかったんだ。長いこと会えなくて、それで、お前とこうして居られるのが嬉しくてたまらないんだ」
「小波……」
「やっぱりさ、俺、パカが好きなんだよ。声も、髪も、瞳も、性格も、何もかも全部好きなんだよ。
その生意気な態度も、背が小さいくせに高慢ちきなところとか、そういう悪いとこも含めて全部、な」
気がつけば、俺はパカを押し倒すような姿勢になっていた。
「う……ま、待ってくれ。まだ、心の準備が……」
「パカは、俺のことは嫌いか?」
「嫌いなわけがないだろう! そういうことじゃなくて、こんな場所で……」
「こんな場所でって……あ」
どうやら、いつの間にか俺の下半身にいるジョニーが臨戦態勢に入っていたらしい。
こんな急接近していて、肌の柔らかさを感じ、女の子特有のいい匂いを嗅いでいたのだ。
それなのに、ジョニーが興奮しないわけがない。正直、俺も半ば興奮している。
たぶん、パカにもこいつの感触が伝わったのだろう。
「いったい、ナニを想像してたんだ? お前」
「……そんなことを、女子の口から言わせるな」
俺は顔をニヤつかせ、目の前で顔を紅潮させているパカを見て、さらに顔をニヤつかせた。
「悪いな、そういうことを敢えてお前の口から言わせたいんだよ」
「……お前という奴は、どこまでも意地悪だな」
「ああ、意地悪さ。意地悪な奴だよ。それでだ……その、して、欲しいのか?」
頬の筋肉がつりそうなくらい顔がニヤついているのがわかる。
「勝手にしろ!」
パカは顔を赤らめたままそっぽを向いた。


もうすぐ頂上に来る。なら、やはり"あれ"だろう。
「ん……」
まずは、軽い口付けを交わした。
「これは、前来た時のお返しな」
「いちいちそういうことを……んっ、んぐっ!」
二回目は、舌をねじ込んでやった。
「ん……んちゅっ、くちゅっ、んむ、んっ……ぷはっ、んんっ!」
舌と唾液同士が絡まり合って、粘り気のある音が耳に入ってくる。
二度、三度と繰り返す間に、服の下から手を入れた。
いったいどこから入れるものか困ったが、案外簡単に服の中に入った。
服の下から、女性の象徴でもある二つの膨らみの片方を掴んだ。
柔らかい。
それが、初めて触ったこの膨らみに対する感想かもしれない。
パカは着痩せするタイプだから、見た目によらずスタイルは良い。
というより、体型が年相応であると言う方が正しい。同い年の女性よりは身長が低いだけだ。
「んむ……ちゅっ……ぷはっ……パカって、でてるところはちゃんと出てるんだよな。ちゃんとした女性の体で……」
「そ、そういうことを言うなぁ……恥ずかしいではないか……ひゃうっ!」
膨らみの先にある小さなものを軽く刺激しただけなのだが、かなり感じているみたいだ。
だが、このままではもう片方の手が手持ち無沙汰でちょっぴり寂しい。
服を一気にまくり上げて、空いてる方の膨らみの先を、口で刺激した。
もう片方の手は、下半身へと移動させた。
パカの膨らみの先にあるそれは、既に硬くなっていた。
「パカ……もう、こんなに硬くなってるよ」
「あ、はぁっ…… こ……小波ぃ……そういうことを……ふああっ……」
強がっている割には、ずいぶんと体は正直らしい。
同時に、もう片方の手を下へと移動させ、タイツの上からパカの秘所を擦った。
タイツの下は何も履いていないのは感触でわかる。
「小波っ! そ、そこは……んんっ!」
少し擦っただけで、パカのここがずいぶん濡れているということを理解した。
俺はパカの秘所に指を入れ、内部を強くかき回した。
陰核も軽く転がすように刺激した。
「ああああああああああっ! こ、小波っ! 小波ぃっ!」
パカは絶頂寸前になっているのだろう。
ただ、このまま昇天させるのは癪に障るので、ちょっといじめてやろうと思う。
そこで俺は、パカの二つのふくらみと、秘所への刺激を止めた。
「はあ、はあ、こ、小波……?」
「お前だけ先にイくというのは、ちょっと気に入らなくてね。それと、俺のジョニーも、ずっと戦闘態勢に入ってるからさ」
俺はベルトを外し、ジッパーを下げ、膨張しているジョニーを見せつけた。
「こ、こんなものを、入れるというのか?」
「……もしかして、初めてなのか?」
「あ、当たり前だ! 婚前交渉など、私は……」
「婚前交渉がダメなら、ここでやめようか?」
「……お前は、本当に意地悪だな」
「不完全燃焼のまま終わるのは嫌だろ? それに、俺も我慢出来ないし」
「くっ……こ、今回だけだからな! 特別だからな!」
俺は、うん、とだけ返した。


タイツを片方だけ脱がせたのは、完全に俺の趣味だ。全部脱がせるよりは、半脱ぎの方がいい。
俺はこいつをパカの秘所へと照準を合わせた。
「じゃあ、入れるぞ……」
「ええい! か、覚悟はできておる! 煮るなり焼くなり――っ!!」
パカの中へ入っていく。さっきの愛撫では不十分だったのか、スムーズには入らない。
中でぎゅうぎゅうと絞めつけられているのがわかる。
「――――っ! あ、は、ああああああああああああああっ! あ、あ、こ、小波ぃっ!」
「はぁっ、が、我慢して……くれ……」
「あ、ふ、ううっ、だ、大丈夫だ、こんなもの……んんんっ!」
声にこそ出さないが、相当痛いに違いない。初めてだから、血も出ている。
きっと、パカは苦痛を耐えようと必死になっているんだろう。
だけど、決して「痛い」とは言わない。恐らく、俺がためらうことの無いように。
罪悪感を感じながらも、同時に快感の波が少しづつ押し寄せていた。
「パ、パカ……っ! 全部、入ったよ……! きつ、い、けど、すごく、気持ち、いい…………」
「はあっ、ああっ、こ、小波っ……小波のが、中で、大きく……」
それから、俺はパカの中を無我夢中にかき回した。理性も、何もかも吹き飛ばして。
「はぁっ、あ、パ、パカぁっ、好きだっ、パカぁっ!」
「はあああああんっ! こ、小波、私も、は、ああんっ!」
俺達はただ、お互いに名前を呼び合うしかできなかった。
「パ、パカっ、俺、もう、そろそろ……っ!」
「小波っ! わ、私も、ひあっ! もう、限界……」
「パカ、だ、出すよっ!」
「こ、小波いいっ!、あああああああああああああああああああああああああああっ!!!!」
俺達は同時に果てた。俺は、欲望の塊たる白濁液を、一方的にパカの中へ注ぎ込んだ。
ここ最近、仕事が忙しくずっと自慰もして無かったものだから、かなり溜まっていたのかもしれない。
すべて注ぎ終わって、俺はパカの中に挿し込んでいたものを抜いた。
そして、茫然自失となっているパカに再び"あれ"をした。

「う、う〜〜馬鹿者っ! よりにもよって観覧車の中でっ!」
観覧車から降りて、パカが完全に正気に戻ったとき、俺は両頬にビンタを食らった。
あと一、二分で元の場所に戻ろうというところで、慌てて服を直していたのは微笑ましいものがあった。
とはいえ、ギリギリ間に合ったから良かったものの、間に合わなかったらどうなっていたことか。
「うう、お前のせいでまだ痛みが……」
「えっと、その、本当にごめん」
俺は、謝ることしかできなかった。ジョニーがどうこう言っても、結局は俺の意志でやったのだから言い訳をしていいはずがない。
「小波、余は帰るのじゃ。もう疲れた」
「……了解」
正直、俺もかなり疲れている。だが、パカはそれ以上に疲れている。まあ、俺のせいなのだけれど。
俺はパカの手をとった。が、パカは動かない。
「? 帰るんじゃないのか?」
「疲れたと言ったろう! だから、その、歩けなくてだな」
そういう事か、横着な奴め。いや、原因は俺にあるんだけど。俺はパカを背負うことにした。
「よしよし、それでいいのじゃ」
「ちゃんと捕まってろよ」
パカは俺の首に腕を巻きつけて、足を腰に回した。かなり密着しているものだから……
「? どうした」
「いや、その……何でもない」


とりあえず、俺はアパートへと連れていった。開田くんは就職先を求めていろんな場所を
点々と移動しているので、今日は帰ってこないらしい。
「どうしよっか」
「どうするもこうするも、何もすることが無いではないか」
「……第二ラウンド、いっちゃいますか?」
「それは断る。……まだ、痛みが少し残っておるからな」
観覧車の中でのことを思い出す。思い出すだけで恥ずかしくなる。
「いや、あの、悪いとは思ってるよ? ちょっと、やりすぎたって言うか」
「悪いと思っているのなら、まあ、良いのじゃ。それより、あの、あ、"あれ"をだな」
俺はパカの顔を見て、ふふっと笑った。
「わかったよ。それなら、いくらでも」
そう言うと、俺はパカに口づけをした。今度は、最初から舌を入れて。
「んっ……くちゅ……んんっ、んむ……ん……はあっ、んぐっ……」
どれくらいしたただろう。五、六回はしたと思う。
「ちゅ……んにゅ……んくっ……はぁ、はぁ、むちゅ……ぬちゅ……」
やばい。やばい。とにかくやばい。またしても俺のジョニーが臨戦態勢に入り始めている
我慢できなくなった俺は、自然にパカの下半身へ手を伸ばしていた。
「こ、小波っ! それは駄目っ!」
その一言で、ようやく俺は正気に戻った。
「あ、ご、ごめん!」
「そ、それは駄目だと言ったではないか……」
「あの、その、すごく、気持ちよくて……つい」
「うう……に、二回目からは、契りを結ぶまでお預けじゃ!」
「ああ、うん、そういうことにしよう」
「で、でも、"あれ"なら好きなだけ……」
「うん。でも、今日はこれで最後にしよう。またいつか、再び会ったとき、な」
俺は、今日最後の"あれ"をした。

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