「「「「いただきま〜す!」」」」

暖かい部屋にテーブルを囲んだ四人の弾んだ声が響き渡る。
今日は12月24日。美零と星南が待ちに待ったクリスマスパーティの日である。

「「おいしい!」」
「うんうん、やっぱりママの料理はおいしいね、ミレちゃん、セナくん」
「そう言ってくれると嬉しいわ。さあ、どんどん食べて」

雅美が腕によりをかけて作ったごちそうに小波たちは舌鼓を打った。
そして、そんな楽しい時間もあっという間に過ぎ去っていった。
美零と星南は、もう布団の中ですやすやと寝息を立てている。

「二人とも、ぐっすりですね」
「ええ、そうね」

そんな二人の寝顔を見て、小波と雅美は笑みをこぼす。

「さて、と」

小波は二人を起こさないようにそっと枕元に歩み寄ると、
あらかじめ用意しておいたプレゼントを静かに置いた。

「……これでよし」

慎重に枕元を離れ、二人の様子に変わりのないことを確認すると、
小波はホッと一息ついた。

「それとなく聞いておいたんですけど、ミレちゃんもセナくんも喜んでくれますかね?」
「大丈夫よ。小波君、わたしと同じくらい、いやそれ以上にあの子たちに懐かれてるから。きっと喜んでくれるわ」
「だといいんですが」
「……ねえ、あの子たちも寝たことだし、少し飲まない?」
「ええ、いいですよ」

二人が寝ている部屋を後にすると、小波と雅美は居間へと向かった。
時刻も夜中へと近づきつつある。
小波と雅美、二人だけの時間が始まりを告げた。




「いやあ、雅美さんの料理、いつもながらおいしかったです」
「ありがとう。頑張った甲斐があるわ」

デウエスとの戦いに勝ち、それからしばらくのこと。
小波はそれまで住んでいたアパートを出ると、雅美の家へと移り住んだ。
かねてからそれを望んでいた雅美たち三人がとても喜んだことは言うまでもない。

「いえいえ、感謝したいのはこっちですよ。アパートに住んでた頃なんて……」

小波がここに来る前に経験してきたこと。
この家に住み始めてから今日まであったこと。
他にも色々なことを振り返ったり、話しながら、杯を重ねていく。

「(よし、……そろそろかな……)」

お互い口数が少なくなってきたところで、
ふと、小波が頃合いを見計らってつぶやいた。

「あの、雅美さん」
「ん? なに?」
「ええっと、……ちょっと待っててもらえます?」

そう言って小波はきょとんとする雅美を後にして部屋を出た。
すぐに小波は手を後ろに回して、部屋に戻ってきた。

「雅美さん。その……これ、受け取ってください」
「え?……」

小波はゆっくりと隠していた手を差し出す。
手の上には小さな箱。
小波がその箱を開け、中が露わになると、雅美は目を丸くした。

「……! こ、これって……!」

小波からのプレゼント。それは、美しく輝く指輪だった。
あまりの突然のことに、雅美は言葉を失ってしまった。

「ええっと、本当はもうちょっと早く渡したかったんですけど……
まあ、今日はちょうどいいかな、なんて思いまして」

そんな雅美をよそに小波は頭を掻いてはにかむ。
と、次の瞬間、小波は身体に柔らかいものがぶつかるのを感じた。

「って、う、うわぁ!?」
「うぅ……ぐすっ……ひっく……」

感極まった雅美が小波に抱きついたのだ。
そして、目には大粒の涙を湛えている。
夏、海に行った時のように今にも大声で泣き出しそうになっているのを見て、
小波は慌てて、なんとか雅美をなだめようとする。

「ま、雅美さん、落ち着いて!」
「ぐすんっ……、うっ、うん……ごめんね……」
大丈夫……うっ、ぐすっ、……あ、ありがとう……」

小波の胸に顔を埋め、すすり泣く雅美。
小波は片方の手で雅美を抱き、もう片方の手でそっと頭を撫でる。
それからしばらくの間、雅美が落ち着くまで、小波は優しく撫で続けた。




「さっきはごめんね。……また、みっともないとこ見せちゃって」
「いえいえ。ちょっとビックリしましたけど。
まあ、でも喜んでもらえたようで、よかったです」
「うん。本当に、ありがとう」

ようやく落ち着いて泣き止んだ雅美は、隣に座っている小波に重ねて礼を言うと、
顔を上げ、小波の方に向き直る。

「ねえ、小波君」
「はい、何でしょう?」

自らの手を小波の手に添えると、小波の目をじっと見つめ、おずおずと話し始める。
先ほどとはまた違った意味で潤んだ瞳で雅美に見つめられると、
小波は胸が高鳴るのを感じ、雅美を見つめ返す。

「小波君、あたしのこと、好き?」
「ええ、もちろんですとも」
「ほんとに? じゃあさ、その……ちゃんと、言ってほしいな」
「……わかりました」

雅美の家に小波が住んでから、何度か行われたやりとり。
しかし、それはまた、二人にとっての合図でもあった。
少しの間の後、小波は軽く咳払いをすると、微笑んで答えた。

「…………愛してるよ、雅美」
「あぁ……嬉しい」

視線を交わらせていた二人は、どちらからともなく目を閉じると、
抱きしめあって、体を密着させた。
互いの身体の温もりを感じながら、二人は顔を近づけていく。

「ん、ちゅっ……」

やがて、唇が触れ合う。

「ん、んぅ……んむ……」

軽く、柔らかな口付けが続いたが、
ほどなくして、雅美の舌が小波の口内に入り込む。
小波もそれに応え、舌をのばす。
二人は舌と舌を絡ませ合い、確かめ合う。

「ぷぁ……」

一旦、唇を離して、小波は目を開ける。
目の前に、頬を染めた雅美の顔が映る。
その顔は、もはや二児の母の顔ではなく、
上気し、妖艶な表情で小波を誘う女の顔へと変わっていた。

「ま、雅m……ん、んぅ……く……」

再び雅美に口をふさがれ、小波は言葉を遮られる。

「んんっ、ちゅ……ぴちゅ、ちゅっ……んん、ふぅぅ……」

唾液を混ぜ合わせ、ゆっくりと味わう。
混じり合った唾液は、先ほどまで口にしていたアルコールと同じくらい、
あるいはそれ以上に二人の頭を痺れさせ、酔わせていく。
雅美の興奮が高まるにつれて、小波を抱きしめる腕に力がこもる。
雅美の柔らかな胸が押しあてられ、潰れる心地よい感触が小波を高ぶらせる。
少し息苦しく感じるくらい長く、濃厚なキスを終えると、唾液が名残惜しそうに糸をひいた。
雅美の唇は、唾液に塗れて妖しく光っていた。

「ぷぁ……ふぅ、雅美さん……相変わらず激しいですね」
「うん。小波君、おいしいから……それに、小波君も上手くなったんじゃない?」
「そ、そうですか?」

手を差し出し、小波の頬をそっとなぞる。
雅美のそんな些細な仕草でさえ、小波はドキリとしてしまう。

「……ねえ、あたし、もう我慢できない」

雅美はトロンとした目で小波を見つめ、視線を落とす。
そして、すでに硬度を増し、熱帯びた小波の逸物を軽く撫でる。

「ふぁっ……」

ズボンの上からとはいえ、思わず小波は声を漏らしてしまう。

「ま、雅美さん……ええ、俺もです」

すぐ近くの部屋で美零と星南が寝ていることに若干不安を覚えたが、
もう二人とも情欲を抑えることは不可能だった。



雅美の家に移り住んでからというもの、子供たちの目を忍んでは度々愛を交わらせていた二人。
流石に子供たちが寝ている横でするわけにもいかず、夜の営みは専ら別室で行われていた。
この日もまた、そのまま居間で致すことになった。

「今、気持よくしてあげるね」

そう言うと、雅美は椅子に座った小波の足元に跪く。
ズボンを下ろし、下着も脱がすと、起立した小波の逸物が曝け出された。

「ふふ、もうこんなにしちゃって……」

妖しく微笑むと、それを優しく握り、舌を這わせる。そして愛おしそうに口付すると、雅美は小波の逸物を咥えた。

「んん、……ちゅっ、じゅる……」

生温かい舌の感触に、小波は息を詰まらせる。

「ちゅる、じゅぷ、ちゅるっ……ぅ、じゅるる……」

下から見上げる雅美と目が逢う。少しずつ、しかし確実に逸物を吸い上げる水音は大きくなっていく。
雁首やら裏筋やら、敏感な部分を舐め上げられる度に下半身に走る快美感に小波は呻いた。
時々髪をかき上げ、懸命にむしゃぶりつく雅美の姿は非常に煽情的だった。

「あ、……あぁ……雅美さん、そろそろ……」
「ん……ぷぁ、いいよ……口に出して……
じゅるる!、ずちゅっ!、じゅるっ、じゅるるるっ!」

再び咥えると、雅美は小波の逸物を指で擦り上げながら、首を上下させ、絞り出そうとする。

「うぁ……ぁ…………っ!……」

先端が雅美の喉にぶつかり、堪らず、小波は雅美の口腔に精液をぶちまける。

「ん、んん!!…………ん……んく……こくん……いっぱい出たね」

飲みきれなかった精液の残滓を指で掬い、口に運びながら、雅美は嬉しそうに呟いた。

「小波君、お願い……」

小波に尻を向け、艶っぽい声で雅美は小波に服を脱がすよう促す。
スカートを脱がせ、更に上の服をめくり上げてブラジャーも取り去ると、
そのまま小波は雅美をそっと押し倒した。

「ちゅぷっ、んぷ……」
「ん、……あっ……はぁん……」

首筋の口付けから始まり、しだい顔を下の方へともっていく。
そして、露わになった乳房に顔を埋め、舌で味わう。
舌でくすぐられる感覚に、雅美は鼻にかかった声を漏らす。

「あぁ……んむ……!」

小波が胸の先端を舌先で転がすと、雅美は一瞬声を上げたが、すぐに口を閉じて、声を抑えた。
二人の子に聞こえないよう声を押し殺している、そんな雅美の姿に小波の嗜虐心が煽り立てられる。
口に含んだ乳首に対して、今度は軽く歯を立て、弱く噛みながら、もう片方の乳首をも指で責め始めた。

「あっ!?、んぁっ!」

指で何度も摘まんでいくうちに、次第に乳首がしこり立っていく。
その感触に小波は愉悦を感じた。
しばらくの間こねくり回して、その弾力を堪能してから、一旦乳首から指を離す。
次に小波は、雅美の下の方へと手をのばした。
そして、ショーツのシミになっている部分をなぞる。
布の上からでも、はっきりと濡れているということが感じられた。

「あぁ、……はぁん! ……あぁ!」
「ああ、雅美さん、もうこんなに……」
「い、いやぁ……」

小波に指摘されて、雅美は赤面する。
何度か筋をなぞった後、小波はショーツの中に手を突っ込み、直接秘所に指を触れた。
グチュ、グチュリと淫靡な水音を響かせながら、
蕩けきったそこへ小波は指を抽送させていく。

「や、だめ……! ぁ、……んむっ! ……んんっ! ……んんん!!」

小波の執拗な責めに、指を咥えながら、なんとか耐えようとする。
それほど長い時間ではなかったのだが、
しかし雅美にとってはその時間が何倍にも感じられた。

「……はぁ、はぁ、……もう、小波君の意地悪……」
「すいません。雅美さんが可愛くて、つい……」

いつも以上に激しい責めからようやく解放された雅美は、目に涙を浮かべ弱々しく呟く。
そんな雅美を見て小波は謝りつつも、更に情欲を燃やしていく。

「脱がしますよ」
「ぁ……」

脱力した雅美の足から、ぐっしょりと濡れ、恥丘に張り付いているショーツを脱がし、
雅美の秘所を露わにする。そこはすっかり濡れそぼり、蜜を溢れさせていた。

「きて、小波君……」

小波は腕をのばし、待ち構える雅美を抱き起こすと、そのまま腰の上に跨がせた。
そして雅美がゆっくりと小波に腰をおろしていくと、蜜に塗れた雅美の秘所が小波の逸物を飲み込んでいく。

「んんっ! あ、あぁん……! 」
「あぁ……雅美さん、好きなんですよね? ……これ」
「ぅ、ん……好きぃ……!」

対面座位。雅美が一番好きな体位だった。
小波の逸物が完全に雅美の胎内に収まる。

「んん、……ちゅっ……」

お互い相手に手をまわして抱き締めあうと、
繋がったまま、素肌をすり合わせ、キスを繰り返して、改めて愛を確かめ合う。
それからしばらくして、お互いに腰を動かし始めた。

「んっ、んんぅっ……んあぁっ……!」

小波を抱きしめる雅美の力が、一層強くなる。
指が食い込み、小波がわずかに痛みを感じるほどだったが、
下半身を、そして頭を痺れさせる快美感に比べれば、どうでもいいことだった。

「あぁっ、ぅ、……雅美……!」

射精感が高まっていき、小波は呼び捨てで名前を呼びながら、腰を雅美の太腿にぶつけていく。
肉と肉がぶつかり合う度に小波と雅美が繋がっているところから、
グチュ、グチョ、グチュリと、はしたない音を漏らしながら、交り合った二人の粘液が飛び散る。

「んん!、んぁっ!、ぁ、あ、あああ!!」

小波の激しい抽送に、もはや声を抑えることも忘れ、
雅美は出るに任せるまま嬌声を響かせた。

「ま、雅美……! もう……!
「ぁあ、ああぁ! あぁん!! あなた!出してぇ!! あぁ!!
あたしの、一番、ぉ、奥に!! 出してえぇ!!」

小波の精を求め、キュンと膣を締め付ける。
射精感に耐えてきた小波も、限界が近づいてきた。

「雅美、!……くぅ、!……あ、あぁ!!」
「あなたぁ! もうダメぇッ!!ああぁ!! イ、イクぅッ!! ああああぁぁぁん!!! 」

涎を吹き溢し、あられもなく叫びながら、雅美は果てた。
小波の脈動に合わせて熱い精液が胎内に吐き出されていくうちに、
身体全体が幸福感で満ち溢れていくのを感じた。

「はぁ、はぁ、……愛してるよ、雅美……」
「あぁ……はぁ、……あなたぁ……大好き……」

身を寄せ合ったまま、二人は心地よい余韻を味わった。

「久々だったから、すごかったですね。さっきの雅美さん」
「もう、言わないで。……恥ずかしいから」

行為が終わり、後始末を終えた後、二人は寝室に戻った。
幸い、子供たちも起きた形跡もなく、寝姿はあの時のままだった。

「じゃあ、小波君寝てていいよ。まあ、もうすぐ朝だから、すぐに起こすことになるけど」
「雅美さんは寝なくて大丈夫ですか?」
「平気よ。じゃあ、わたし朝ご飯の準備しなくちゃいけないから」

そう言うと、雅美は、寝室から出て行こうとする。

「あの……雅美さん」
「ん?」
「ええと、あんまり、無理しないでくださいね」
「ふふ、ありがとう。……でもそれは、お互いさまでしょ?『パパ』 」
「あ……は、はい!」

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