【定義】
�‐召忙�た常緑樹で、このてがしわのこと。なお、インドでは仏像を彫るのに白檀を使っていたが、中国では手に入りづらかったため、栢樹で代用したとされる。
��道元禅師の『正法眼蔵』の巻名の一。95巻本では35巻、75巻本では40巻。仁治3年（1242）5月21日、興聖寺にて学人に示された。
【内容】
�｜羚饒欺，隷篏�従諗に以下の問答が残されている。
祖師西来意とは、達磨がインドから中国に来たことの真意を問う問答であるが、いわば仏法の肝心なところは何かということでもある。これに対して、「庭にある栢樹子」だと答えた趙州は、決して境でもって示したのではなく、ただ仏像になる樹としての栢樹子を示すことにより、まさに今後仏像に加工されることで成仏の可能性に満ちている栢樹子、或いは仏祖そのものとしての栢樹子を明らかにしたのである。
��道元禅師は�，量篥�を受けて、趙州従諗の道業を鑽仰しながら、坐禅弁道の結果として得られた、趙州の問答を賞賛されて、まさに趙州の言葉が諸仏の言葉に他ならないことを示す。
また、後半にはさらに趙州の問答を採り上げて、栢樹子が仏性そのものであることを拈提される。
そこで、道元禅師は栢樹子が成仏するということの真義について、様々に学人が問うてみるべきだとしながら、同時にその手掛かりを与える。
栢樹子が、本当に仏像の原料となるとすれば、まさに発心・修行・成仏という一連の階梯を歩む学人の例えになるのは明らかであるが、一方で虚空としての栢樹子であるとすれば、栢樹子そのものが発心・修行・成仏するという論理にもつながってくる。なお、同巻の最後には、成仏と仏性の関係を指摘している。
�‐召忙�た常緑樹で、このてがしわのこと。なお、インドでは仏像を彫るのに白檀を使っていたが、中国では手に入りづらかったため、栢樹で代用したとされる。
��道元禅師の『正法眼蔵』の巻名の一。95巻本では35巻、75巻本では40巻。仁治3年（1242）5月21日、興聖寺にて学人に示された。
【内容】
�｜羚饒欺，隷篏�従諗に以下の問答が残されている。
趙州、因みに僧問う「如何なるか是れ、祖師西来意」と。州云く「庭前の栢樹子」と。僧曰く「和尚、境を以て人に示すこと莫れ」と。師云く「吾、境を以て人に示さず」と。僧曰く「如何なるか是、祖師西来意」と。師云く「庭前の栢樹子」と。
祖師西来意とは、達磨がインドから中国に来たことの真意を問う問答であるが、いわば仏法の肝心なところは何かということでもある。これに対して、「庭にある栢樹子」だと答えた趙州は、決して境でもって示したのではなく、ただ仏像になる樹としての栢樹子を示すことにより、まさに今後仏像に加工されることで成仏の可能性に満ちている栢樹子、或いは仏祖そのものとしての栢樹子を明らかにしたのである。
��道元禅師は�，量篥�を受けて、趙州従諗の道業を鑽仰しながら、坐禅弁道の結果として得られた、趙州の問答を賞賛されて、まさに趙州の言葉が諸仏の言葉に他ならないことを示す。
趙州より起首せりといへども、必竟して諸仏の渾身に作家しきたれるところなり。たれかこれ主人公なり。
また、後半にはさらに趙州の問答を採り上げて、栢樹子が仏性そのものであることを拈提される。
大師、僧有りて問う「栢樹、還、仏性有りや、也、無しや」と。大師云く「有り」と。僧曰く「栢樹、幾時、成仏せん」と。大師云く「虚空の落地を待たん」と。僧曰く「虚空、幾時、落地せん」と。大師云く「栢樹子の成仏を待たん」と。
そこで、道元禅師は栢樹子が成仏するということの真義について、様々に学人が問うてみるべきだとしながら、同時にその手掛かりを与える。
成仏する栢樹あり、修行する栢樹あり、発心する栢樹あるべきか。栢樹は成仏あれども、修行発心等を具足せざるか。栢樹と虚空と、有甚麼因縁なるぞ。
栢樹子が、本当に仏像の原料となるとすれば、まさに発心・修行・成仏という一連の階梯を歩む学人の例えになるのは明らかであるが、一方で虚空としての栢樹子であるとすれば、栢樹子そのものが発心・修行・成仏するという論理にもつながってくる。なお、同巻の最後には、成仏と仏性の関係を指摘している。
たれか道取する、仏性かならず成仏すべしと。仏性は成仏以後の荘厳なり。さらに成仏と同生同参する仏性もあるべし。しかあればすなはち栢樹と仏性と異音同調にあらず。為道すらくは何必なり、作麼生と参究すべし。
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