19年5月15日 第1分科会 議事録１１
議事録１ ２ ３ ４ ５ ６ ７ ８ ９ １０ ＞１１ １２ １３ １４ １５
○渡邉委員 やはり先ほどの門川委員、陰山委員のお話を聞いていると、どうやって土曜日を休みのまま継続させようかというスタンスを当然先生方のことをおもんばかっていると思うんですが、やはりここで考えなきゃいけないのは、今、義家委員がおっしゃったように、絶対量があるんですよ。そのことを教えるためには土曜日がなくしてどうしてできるんだろうかと、逆に。ですから、今、私は私学ですべての教科を見ていますけれども、その段階で土曜日を休みにしたら絶対教えられないなと思うわけで、だから今、陰山委員が言うように教師が怠け者だなんて言っているわけではないですし、また先ほど門川委員がおっしゃったように、夏休みが十分取り切れない。それは方法論の問題であって、今ここで議論しなきゃいけないのは絶対量が本当にこれでいいのかと。そして、その絶対量を教えるに当たってどれだけの時間が必要なのかということを議論するべきだと思うんですよね。土曜日はどうだこうだ、先生が休む休まない、そんな低い次元の議論をするべきではないと、そう思います。
○陰山委員 学力低下の問題についてどうとらえるかということが実証的に検討されていないと思うんですね。世界的に見て中国も学校５日制なんです。要するに、時間数の問題ではなくてやり方の問題であったりとか、子供たちに例えば時間数をふやして指導すれば頭の中に入っていくのかという問題がそもそも根本にあるわけですね。だから、私はそれは無理でしょうと。子供たちの頭に知識が入っていく状態じゃありませんよということを提起して、それが単に理屈ではなくて、こうしたらこうなりましたということを実証するデータを出したわけなんですね。
○渡邉委員 ごめんなさい、土曜日をやるともういっぱいになっちゃうということですか、子供たちの頭が、今おっしゃっていることは。要するに、今やり方、幾つも変数がありますね、物事の考え方というのは。例えば、やり方もよくして、時間数もよくして、その全部がいい状態で僕はぎりぎり土曜日の午前中が必要だという判断なんですね。ですから、やり方をもっとよくすれば金曜日でもできるじゃないかということを言う議論では今ないんです。
○陰山委員 だから、僕は例えば朝日を見た子供たちがもう都市部なんかはほとんどいないみたいなデータも出てきていますよね。30年前に比べて子供たちの生活体験が圧倒的に不足をしているんですよ。兄弟の数が減っています。だから、物を分け合うという経験がないから、例えば幼稚園の先生に話を聞くと「ずつ」という言葉が最近の子供たちはわからなくなってきているというんですね、分けた経験がないから。
○白石主査 ２つずつ取りなさいとか。
○陰山委員 そうそう、２つずつ取りなさいとかというような。ですから、実は子供たちの生活体験であるとか親子の触れ合いであるとかという教育のさらにベースにある部分を、ここのところをきちっとやりましょうというのがもともと学校５日制のベースにあるわけなんですよ。だから、本当に実際に実証的にやってみたらいいと思うんだけれども、小学校のどこかで時間数をふやして何が伸びてくるか。だから、そこのところは実証的にやってみられたらいいと思って、これを画一的に提言だから我々の方針だとどんと出すというのは、ちょっと僕、責任を持てないです。
○義家委員 今考えなきゃいけないのは、時間数をふやせば学力が上がるか。これは主要５教科の時間数をふやすということじゃなくて、英語教育が増えますよね。それから、徳育の教科化。だから、要するにそれがふえちゃうから、ただでさえ今までどおりの教科の時間数が減っているわけですよね。それがさらに増えていくから、その増えた部分の手当てをどうするのか。だから、学力を上げる、単純に考える、これは教科再編を考えればいいわけですよね。この教科をこれだけやって、あとの教科はもう全部、さっき言った体験だったら本当に学校から総合学習を全部取っちゃって、体験であるならばね。じゃ、これ全部、地域学習をやってくださいという話、学校のできる限界を設定するというやり方があります。
そうすると、この人たちはそんなにまでできないと、共働きでというわけですから、学校がある程度担うしかない。担うとしたら教科数がふえちゃうから、これ以上教科の時間を減らすわけには、これ以上減らせないからどこにそれを持っていくかという議論。
○小野副主査 そこはやっぱり７時間にするという方法とかいろいろあるんですが、世界先進国はすべて学校５日だということをとりあえずご理解いただく上で……
○渡邉委員 それは余り関係ないと思う。
○小野副主査 それは関係ないのかもしれない。関係ないのかもしれないんですけれども、これ、労働問題にもちろんその後関連しますから。
○渡邉委員 労働問題としたらわかります。
○小野副主査 労働基準法でまた別の補てんも必要なんですが、それは置いておいても、今、私学は確かに学校５日なんだけれども、それに従わなくても特段罰則はありませんから私学は土曜日に授業をやっているんです。公立は一方、一応、学校週５日制にしましたから、公立は土曜日に正規の授業はなかなかできにくい状況になっている。若干、確かに不合理があるんです。学力を確かに高めるために授業時数が多いのはいいんですけれども、土曜日に家庭で親子の触れ合いをやりましょうとか、あるいは土曜日に地域の活動をしましょうということで学校週５日制を一応スタートしているんです、今までの流れとしてね。
それを前提にしながら、しかし時計の振り子を逆に戻すんだけれども、それでも土曜日に授業をした方がいいという方向性はあり得ると思うんですよ。それはかなりの決断が私は必要だと思うんで、そこはぜひ全体会の意見なりを聞いていただきたいと私は思う。これ、いろいろなことに影響しますから。単なる学力だけの問題じゃないんで。
○白石主査 変数が幾つもあって、例えば今ここでの議論というのは授業時間数をふやせば絶対量を消化できるということは学力向上するという仮説に立脚しているわけですけれども、果たしてそれが真偽のほどはどうなのかというところも突き詰めて考える必要がありますし……
○小野副主査 時計の針を戻してもやるんだという判断も僕はあり得ると思いますので、それは私も個人的に一部あるんですけれども、かなり時計の針を逆に戻す話ですから、ぜひここは慎重に議論しませんかね。
○葛西委員 「時計の針を戻す」というよりは、「脱線したものを線路の上に戻す」というふうに私は思うんですよね。やらなくてはいけない科目があって、それに対して時間が足りないときにどうやったら伸ばせるかという問題の１つの解だと思います。共働きで家に帰っても親がいないということもあり、学校という立場から見ると、地域や家庭の話は自分たちの制御できない世界にあるわけですよね。
○小野副主査 ふだん子供と触れ合えないから土曜日に触れ合おうということをやったこともあるんです。
○葛西委員 それは希望的観測であって、現実には多くの人間が同じパターンの生活をしているわけではないから、その言い分は単に子供教育の責任を家庭に押しつけただけの話になると思います。私は、まず学校は必要な科目について必要な学力を十分つけてあげるということに徹すべきなんだと思います。そのために何が必要かという観点こそが一番大切だと思いますよね。
○白石主査 手短にお願いします。
○品川委員 今おっしゃったことですが、大きな影響があるということに、私も全く同感でございます。そういうことを研究されている方がいらっしゃると思います。ですので以前も申し上げましたが、週５日を６日に戻したらどういう社会的な影響があるか、政治とか労働環境が変わるか、その連携分析のデータみたいなものを出していただきたいと思います。そういったエビデンスベースのデータがあってはじめて成り立つ議論だと思っております。それをぜひ出していただきたいなと思います。
○義家委員 この体制を堅持するなら総合学習あるいは特別活動などを抜いていく方向に進みかねない。と。自分はそれはまずいと思っているから土曜日活用と言っているわけで、週休２日を堅持してハッピーマンデー法の月曜日祭日もやるというんだったら、それはもうそういうふうに総合学習とかを抜いていくしか教科担当としては方法がない。そうじゃなかったら、受験の知識を与えることが保障できないから。教科書を最後まで終われない、今の状態では。
○白石主査 わかりました。今、皆さんに原則��で場合によっては�△箸いΔい蹐い躇娶�があって、その裏側にはそれぞれお持ちになっている仮説も違うと思いますので、一たん主査、副主査で引き取らせていただいて、このパターンであればどういうことが考えられるかとか、ほかに方法論がないかということでもう一度全体会に諮らせていただくということでよろしゅうございますか。
○山谷総理補佐官 それでは、18日の合同分科会で議論を行うということで。
議事録１ ２ ３ ４ ５ ６ ７ ８ ９ １０ ＞１１ １２ １３ １４ １５
○渡邉委員 やはり先ほどの門川委員、陰山委員のお話を聞いていると、どうやって土曜日を休みのまま継続させようかというスタンスを当然先生方のことをおもんばかっていると思うんですが、やはりここで考えなきゃいけないのは、今、義家委員がおっしゃったように、絶対量があるんですよ。そのことを教えるためには土曜日がなくしてどうしてできるんだろうかと、逆に。ですから、今、私は私学ですべての教科を見ていますけれども、その段階で土曜日を休みにしたら絶対教えられないなと思うわけで、だから今、陰山委員が言うように教師が怠け者だなんて言っているわけではないですし、また先ほど門川委員がおっしゃったように、夏休みが十分取り切れない。それは方法論の問題であって、今ここで議論しなきゃいけないのは絶対量が本当にこれでいいのかと。そして、その絶対量を教えるに当たってどれだけの時間が必要なのかということを議論するべきだと思うんですよね。土曜日はどうだこうだ、先生が休む休まない、そんな低い次元の議論をするべきではないと、そう思います。
○陰山委員 学力低下の問題についてどうとらえるかということが実証的に検討されていないと思うんですね。世界的に見て中国も学校５日制なんです。要するに、時間数の問題ではなくてやり方の問題であったりとか、子供たちに例えば時間数をふやして指導すれば頭の中に入っていくのかという問題がそもそも根本にあるわけですね。だから、私はそれは無理でしょうと。子供たちの頭に知識が入っていく状態じゃありませんよということを提起して、それが単に理屈ではなくて、こうしたらこうなりましたということを実証するデータを出したわけなんですね。
○渡邉委員 ごめんなさい、土曜日をやるともういっぱいになっちゃうということですか、子供たちの頭が、今おっしゃっていることは。要するに、今やり方、幾つも変数がありますね、物事の考え方というのは。例えば、やり方もよくして、時間数もよくして、その全部がいい状態で僕はぎりぎり土曜日の午前中が必要だという判断なんですね。ですから、やり方をもっとよくすれば金曜日でもできるじゃないかということを言う議論では今ないんです。
○陰山委員 だから、僕は例えば朝日を見た子供たちがもう都市部なんかはほとんどいないみたいなデータも出てきていますよね。30年前に比べて子供たちの生活体験が圧倒的に不足をしているんですよ。兄弟の数が減っています。だから、物を分け合うという経験がないから、例えば幼稚園の先生に話を聞くと「ずつ」という言葉が最近の子供たちはわからなくなってきているというんですね、分けた経験がないから。
○白石主査 ２つずつ取りなさいとか。
○陰山委員 そうそう、２つずつ取りなさいとかというような。ですから、実は子供たちの生活体験であるとか親子の触れ合いであるとかという教育のさらにベースにある部分を、ここのところをきちっとやりましょうというのがもともと学校５日制のベースにあるわけなんですよ。だから、本当に実際に実証的にやってみたらいいと思うんだけれども、小学校のどこかで時間数をふやして何が伸びてくるか。だから、そこのところは実証的にやってみられたらいいと思って、これを画一的に提言だから我々の方針だとどんと出すというのは、ちょっと僕、責任を持てないです。
○義家委員 今考えなきゃいけないのは、時間数をふやせば学力が上がるか。これは主要５教科の時間数をふやすということじゃなくて、英語教育が増えますよね。それから、徳育の教科化。だから、要するにそれがふえちゃうから、ただでさえ今までどおりの教科の時間数が減っているわけですよね。それがさらに増えていくから、その増えた部分の手当てをどうするのか。だから、学力を上げる、単純に考える、これは教科再編を考えればいいわけですよね。この教科をこれだけやって、あとの教科はもう全部、さっき言った体験だったら本当に学校から総合学習を全部取っちゃって、体験であるならばね。じゃ、これ全部、地域学習をやってくださいという話、学校のできる限界を設定するというやり方があります。
そうすると、この人たちはそんなにまでできないと、共働きでというわけですから、学校がある程度担うしかない。担うとしたら教科数がふえちゃうから、これ以上教科の時間を減らすわけには、これ以上減らせないからどこにそれを持っていくかという議論。
○小野副主査 そこはやっぱり７時間にするという方法とかいろいろあるんですが、世界先進国はすべて学校５日だということをとりあえずご理解いただく上で……
○渡邉委員 それは余り関係ないと思う。
○小野副主査 それは関係ないのかもしれない。関係ないのかもしれないんですけれども、これ、労働問題にもちろんその後関連しますから。
○渡邉委員 労働問題としたらわかります。
○小野副主査 労働基準法でまた別の補てんも必要なんですが、それは置いておいても、今、私学は確かに学校５日なんだけれども、それに従わなくても特段罰則はありませんから私学は土曜日に授業をやっているんです。公立は一方、一応、学校週５日制にしましたから、公立は土曜日に正規の授業はなかなかできにくい状況になっている。若干、確かに不合理があるんです。学力を確かに高めるために授業時数が多いのはいいんですけれども、土曜日に家庭で親子の触れ合いをやりましょうとか、あるいは土曜日に地域の活動をしましょうということで学校週５日制を一応スタートしているんです、今までの流れとしてね。
それを前提にしながら、しかし時計の振り子を逆に戻すんだけれども、それでも土曜日に授業をした方がいいという方向性はあり得ると思うんですよ。それはかなりの決断が私は必要だと思うんで、そこはぜひ全体会の意見なりを聞いていただきたいと私は思う。これ、いろいろなことに影響しますから。単なる学力だけの問題じゃないんで。
○白石主査 変数が幾つもあって、例えば今ここでの議論というのは授業時間数をふやせば絶対量を消化できるということは学力向上するという仮説に立脚しているわけですけれども、果たしてそれが真偽のほどはどうなのかというところも突き詰めて考える必要がありますし……
○小野副主査 時計の針を戻してもやるんだという判断も僕はあり得ると思いますので、それは私も個人的に一部あるんですけれども、かなり時計の針を逆に戻す話ですから、ぜひここは慎重に議論しませんかね。
○葛西委員 「時計の針を戻す」というよりは、「脱線したものを線路の上に戻す」というふうに私は思うんですよね。やらなくてはいけない科目があって、それに対して時間が足りないときにどうやったら伸ばせるかという問題の１つの解だと思います。共働きで家に帰っても親がいないということもあり、学校という立場から見ると、地域や家庭の話は自分たちの制御できない世界にあるわけですよね。
○小野副主査 ふだん子供と触れ合えないから土曜日に触れ合おうということをやったこともあるんです。
○葛西委員 それは希望的観測であって、現実には多くの人間が同じパターンの生活をしているわけではないから、その言い分は単に子供教育の責任を家庭に押しつけただけの話になると思います。私は、まず学校は必要な科目について必要な学力を十分つけてあげるということに徹すべきなんだと思います。そのために何が必要かという観点こそが一番大切だと思いますよね。
○白石主査 手短にお願いします。
○品川委員 今おっしゃったことですが、大きな影響があるということに、私も全く同感でございます。そういうことを研究されている方がいらっしゃると思います。ですので以前も申し上げましたが、週５日を６日に戻したらどういう社会的な影響があるか、政治とか労働環境が変わるか、その連携分析のデータみたいなものを出していただきたいと思います。そういったエビデンスベースのデータがあってはじめて成り立つ議論だと思っております。それをぜひ出していただきたいなと思います。
○義家委員 この体制を堅持するなら総合学習あるいは特別活動などを抜いていく方向に進みかねない。と。自分はそれはまずいと思っているから土曜日活用と言っているわけで、週休２日を堅持してハッピーマンデー法の月曜日祭日もやるというんだったら、それはもうそういうふうに総合学習とかを抜いていくしか教科担当としては方法がない。そうじゃなかったら、受験の知識を与えることが保障できないから。教科書を最後まで終われない、今の状態では。
○白石主査 わかりました。今、皆さんに原則��で場合によっては�△箸いΔい蹐い躇娶�があって、その裏側にはそれぞれお持ちになっている仮説も違うと思いますので、一たん主査、副主査で引き取らせていただいて、このパターンであればどういうことが考えられるかとか、ほかに方法論がないかということでもう一度全体会に諮らせていただくということでよろしゅうございますか。
○山谷総理補佐官 それでは、18日の合同分科会で議論を行うということで。
議事録１ ２ ３ ４ ５ ６ ７ ８ ９ １０ ＞１１ １２ １３ １４ １５
2007年06月20日(水) 12:24:54 Modified by ID:gLyvKbjeuA