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19年5月15日 第1分科会 議事録14

議事録1         10 11 12 13 >14 15


○品川委員 山谷補佐官、ご指摘ありがとうございます。提言のまず1のところなんですが、基礎・基本の徹底、これはすごく大事だと思います。私もこれはぜひ書いていただきたいと思います。

ただ、この冒頭に、毎回しつこく申し上げて恐縮なんですが、「個々の子供の認知と学習スタイルの多様性に応じて」とぜひ一言入れてください。そういたしませんと、未診断のLDの子供は何回やってもできないということでまた本人の努力が足りないと切り捨てられていきます。これは必ず入れてください。よろしくお願いいたします。

 それから「人間として最低限必要なきまりやルール」のところに自己理解、他者理解、セルフ・エスティーム(自尊感情)、これはキーワードになりますので、これも是非入れていただきたいと思います。そういったことがあってはじめて規範意識が身につくわけで、その段階を経ずしてさあ規範意識を身につけようと言ってもうまくはいかない。自分のことがわからない人が人のことをいじめていいか悪いかなんてわかりません。自己理解なければ他者理解はなく、そこに共感性とか規範意識は育たない。これはデータのあることですから、それを是非入れていただきたいと存じます。

 2の学校の危機管理のところについてですが。この問題解決専門家チームは、確かに今すぐできることとして、言葉が不適切かもしれませんが、今目の前にある学校や先生、保護者そして子供たちが抱える課題に対する対症療法としては、本当に今すぐ必要だと思います。

 ただ、繰り返し申し上げたいのは、こういった危機管理チームを今すでに持っている学校ですら、困っているのが現状なんですね。なぜか申しますと、この間、皆さんがいらっしゃるときには少ししか説明できませんでしたけれども、教育委員会に結局、問題親とかいじめのある子供とかに対して行政指導できる法的根拠がないからですね。そうすると、学校マネージメントがすばらしく、内部でも対策支援委員会を作り、外部専門家などともチームを組んで動き、教育委員会も一生懸命かかわっていたとしても、問題親が「じゃ、訴えるぞ、お前」と言ったときに、先生はやっぱり引いてしまいます。先生は個人で裁判を受けることになってしまいます。公的機関は個人を訴えられないからです。結局、現場で戦う教師を守るシステムが法律上ないんです。

 先ほど「いじめや暴力についていたずらに隠すことなく」という点で門川委員がおっしゃった「そういうふうな表現はどうか」ということについて、私も全く同感でございます。

 実際に隠していたところの教育委員会、マスコミで有名になっていないような学校や教育委員会に取材をかけると何がネックになるかといったら個人情報保護法でございます。いじめた側の個人情報をどうやって保護するんだ。それを公にしたらしたで今度は別の団体から人権蹂躙だとクレームを言われてしまう。結局、マスコミからも親からも抗議はやまない。本当にこうなってしまいますと、学校の先生は武器を持たないで戦えと言われているようなものなんですね。その間、子どもたちはどうなりますか? 保護者と教師間に緊張があるとき、子どもはなかなかいい教育は受けられませんよ。だから不利益を被るのはやはり子どもなんですね。そこで私はこの間、第三の行政機関が必要だというふうに申し上げました。

 ここにございますように連携はすごく大事ですが、連携というと、すごくセンスのいい人同士の連携は上手にクロスしてうまくできるんですが、センスのよくない連携という表現はよくないんですけれども、「ここまでは私、はい次はあなた、渡しました」というパターンになってしまうと、またニッチのところに落ち込んでしまうんですね。

 連携は、今の制度の中では唯一効果があってできることです。だけれども、連携というとものすごく個々の人の能力に応じてしまいます。つまり、できるところとできないところの差があるんですね。だから、本当に再生会議が先生方を応援したいのであれば、もっと別なシステムをつくらなければいけないと思います。連携は今ある制度の中でできるレベルです。この危機管理体制をつくって言っていきましょうという点ですけれども、現実的にはさっき言ったみたいに個人情報保護法とか問題親はすぐ訴えるとか、この間取材した例でいうと、数年にわたり教師のストーカーをしている人がいたり、気に入らない教師の車のタイヤをパンクして歩いたりする、親もいるんです。先生のことが好きになって断られると、死んでやるという保護者とか。基本的に学校が気に入らないとすぐに「じゃあ、うちの子は登校させません」と訳の分からないことを言っている。そういう保護者もいて、学校の教師はそういう保護者の対応もしなければならないんです。子供を人質にとるなんて、先生はもう手が出せませんよ、昔と逆です。皆さん笑っていらっしゃるけれども、現場は必死です。母親がダメなら父親ということで父親に来てもらうと今度毎日夕方の6時から夜の12時まで学校でどなり続けるとか威嚇するとか、そういった現状があるわけです。それらを踏まえたうえで先生方にこういうふうにしましょうと言いませんと、本当に先生方がお気の毒だと私は思います。先生を支えるということが結果的には子供の教育権、それから成長発達権を守るということに直結します。ぜひ第3次報告でもいいので、この間、私が申し上げたような、第二の教育機関や行政審判所についてご検討いただきたい。家裁は手続などに時間がかかりますし行政執行できません。

 学校側は保護者に家裁に言いますよと言ったりもします。でも、結局、公的機関だから学校側が学校として個人の親は訴えられないので個々の担任がやることになるんですね、担任とか被害を受けている先生がやる。でも先生は、ご存じのように、これだけ仕事があって家裁に訴えている時間もなくて、では教育委員会が代わりに弁護士費用をつけてくれるかといったら、それもない。先生方は辞めるか病気になるしかないんですね。やっぱり今できることはこれだけれども、やっぱり再生会議としては行政審判所をつくるような方向でやらないと、本当に10年後には、もっと大変なことになるのではないかと考えております。以上です。

○陰山委員 僕も品川委員の意見に賛成です。とにかく危機管理ですから、非常に問題がある人たちがいたら駆け込むところをきちっとつくって、いじめダイヤルもそうなんですけれども、そういうのをすっと出られるような体制づくりをしていただくということはものすごく大事だろうと思います。

 門川委員のおっしゃっていることもその通りなんですよ。要は、全体の問題と部分の問題なんです。全体がある程度うまくいっていることをいいことに、非常にひどい事例というものはその中に忍び込んでいるんです。これは非常に陰湿であると。だから、ここのところがえぐり出せるようにするということは全体の信頼にとっても重要なんで、ここのところはうまく書き分けをしていただけないかなということを思います。

 それからもう一つ、学力の問題についてなんですけれども、僕はこれ、いろいろさっきの議論もあったんですが、教育機関が一番反省しなきゃいけないのは、この10年間の間でこれだけのいろいろな変化が起きてくる中で指導方法のいわゆる改善が行われていないということなんですね。だから、僕は教育イノベーションみたいな概念を再生会議の方から提起していただきたい。今までのやり方ではだめなんですよということをね。それをしないと、結局、教師というのは態度と労力と時間なんだということになってきて、今までのやり方を多くするか少なくするかみたいなことになってくるわけなんですね。そうじゃなくて、小宮山委員も言ったけれども、さまざまな方法があるわけなんですよね。

 ところが、今までどおりのやり方でいるとやっぱり教師の方も楽だから、ほかの人たちがそのことをわかってくれない理由もいいことにしてやっぱり怠けるんですよ、これは。

 ですから、やっぱりお互いの意思疎通の中で双方とも最も一番知られたくない部分を実は隠しているわけですね。そういう点で、私は教育イノベーションというような新しい時代に対応した新しい指導法を考えなさいと。義家委員がおっしゃっておられるような教科の再編とともにこれを考えなさいと。ちょうど教職員が激しく入れかわる時期でもありますから、その点では私はむしろこれはチャンスではないかなという感じがします。

 それから、この内容について、これはその中で議論してもらったらいいことなんですけれども、もしここまで書かれるのであればもう1点つけ加えていただきたいことがあります。それは、日本語の文法に対する正しい理解です。つまり、言語事項のところが実は日本はものすごく薄いんです。だから、結局、感想を言いましょうの国語になっちゃっているわけなんですね。だから、何時間やっても結局分析ができないんです。ですから、やっぱり日本語に対する正しい理解とそれを活用する能力の育成。

 ここを見てもらったらわかるんですけれども、言語事項のことでいいことが書いてあるんですけれども、関心を持つと理解するんです。活用するというのはものすごく弱いんです。前にも言ったと思いますけれども、主語、述語は理解して終わりなんです。6年生になってもどれが主語なのということは、主語という言葉は知っているんだけれども、それを見分けることができないんですね。ですから、これをつけ加えていただくと教科書の検定にも大きく影響が出ますので、ぜひとも1項目書き加えていただきたいと思います。


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2007年06月20日(水) 12:22:06 Modified by ID:gLyvKbjeuA




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