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19年9月12日 合同分科会 議事録9

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○池田座長代理 お話を伺っておりまして、葛西委員、渡邉委員、白石委員が言われることは全くそのとおりだと思います。また、門川委員のご意見も理解できます。私自身、考えが十分まとまっていないのですが、教育の現場を見ておりますと、量も必要だし、質も大事だと感じます。特に量が必要なところは、幼児教育から小学校教育だろうと思います。

 特に幼稚園、また小学校低学年はそうではないかと思います。概算要求・要望の概要で、教員の定数措置に関して、平成20年度から3年間で2万1,000人増という数字には、正直なところ、私も驚きました。しかしながら、今申し上げましたように、小学校教育にはやはり量的拡大が必要であるという認識をもっていただいているのであれば大変ありがたいと思います。

 財政が潤沢と言いますと語弊がありますけれども、ある程度融通がきくような港区ですとか、あるいは視察をさせていただいた杉並区あたりですと、区独自に教員を採用しています。そうしたことができるところはいいのですが、できないところにはやはり全国ベースで平均的になるよう何らかの措置を国が講ずる事も、私は必要ではないかという気がいたします。

 したがって、予算増という一面だけをみての総論ではなくて、それぞれの中身を吟味した論議をさせていただければ大変ありがたいと思います。

 安倍総理の辞任表明という大変な日に、合同分科会を開催させていただいていますが、本日はもともと第三次報告に向かっての方向づけをすべきと考えていました。

 教育再生会議は、日本の教育全体に対する国民の思いを私どもで受け止めさせていただいて論議をさせていただいているわけですから、国の教育のあるべき姿についての教育再生会議委員の思いを、一つ踏み込んだ形でこちら側から提言させていただいてもいいのではないでしょうか。次期総理にも我々の意を汲んでいただきたいと思っております。そうしたことについてのご意見もいただければ大変ありがたいと思います。

○葛西委員 質、量ともに重要だと思うんですが、マクロ的に言いますと、初中等教育における先生一人当たりの年間授業時間数を比較すると、フランスは日本の30%増し、米国は80%増しなんですよね。ということは、野依座長が言われるようにマネジメントの方をきちんとすることによって、同じ数の先生でも授業時間数を3割増し、8割増しにすることもできる余地があるということを意味します。

 大量退職のときに辞めた人の数を補充するだけでも、同じ質を維持することはほとんど不可能に近いわけですよ。それをさらに教員数の「増し採用」するということになると、教育の質は必ず落ちますから、やはり教育再生のためにはここでいったん踏み止まって質を高める、その上で何が必要かという点についてきちんと確信を持って充実させていくということが必要で、まだ増やす前にやるべきことは随分いっぱいあるような気がします。

○野依座長 いただいた時間があまりなくなってきました。品川委員、どうぞ。

○品川委員 ありがとうございます。先ほど、途中まででしたので続けます。私が先ほど申し上げたかったのは座長がおっしゃったような専門性を集中させて機能や効率を高めるることも大事であると同時に、現状でも校長先生の学校マネジメント一つで対応できることも多分にあり、そういった頑張っておられる現場をさらに応援していくようなシステムを提示していくことも大事ではないかということでございます。事務や業務を自治体ごとに集中化、専門化させていくことでコストの合理化にもなりますが、今頑張っている現場をさらに支援していくような制度、管理職の権限を強めると同時に責任も強めるとか、先進国並みの水準に教師の数を増やすとか、両方向での効果的な提案をしていくことが最終的には子どもたちの教育権の保障に直結すると考えます。
 一つのとてもいい例として、私がこの間、取材した舞鶴市立白糸中学校のパンフレットをお回ししますので、それをぜひご覧くださいませ。

 ここの学校は現後野校長が転勤されてきた平成14年ごろはものすごく荒れている学校だったそうですが、後野先生が学校マネジメントの5か年計画を立てられて教師一丸となって変えていかれたすばらしい実践のある中学校です。簡単に申し上げますと、まず教師が教育に専念できるように、学校へのクレーム処理など教育に直結しない業務を校長が一手に引き受けられました。校長、教頭、教務主任、生徒指導の先生の4人で学校経営戦略会議を作り今週、今月の課題、戦略、目的等を明確にし、それらを職員会議で伝えることによって情報の簡潔化、共有化を図り、単なる連絡だけの職員会議を減らしたりされました。また、教員の指導力向上を図るために全教員にシラバスを作らせてそれを各家庭に配布もしました。それがお手元にあるシラバスです。指導内容から評価の基準までを明確にしたことで、家庭からのクレームも減ったそうです。

 教師が頑張るばかりではダメですから、子どもたちのモーティベーションを上げるために運動部・文化部ともに部活動に力を入れ、部でなくても書道や俳句などあらゆる大会に参加させたりして、少しでもいい成績を残すと校長がお手製で垂れ幕を作って屋上からぶらさげるんですね。それから、学力向上のために毎日放課後に「とことん学習会」というものをやっておられる。これはまさに認知と学習スタイルの多様性のある子どもたちを視野にいれた、個別指導もしながら個々の能力を最大限伸ばすための工夫です。

 それから、子供たちのコミュニケーションの力を上げるような努力もされ、と同時に、教師と子どもだけが頑張るのではない、親も頑張ってもらわないとということで、親の指導力を上げるために「家庭教育の手引き」という指導書も今年作って配布されました。それもお手元に回してあるものです。これなどは、脳科学からのエビデンスベースの説明で、とってもよくできていると思います。

 要するに学校長が変わることによって、学校マネージメントが向上し、教師が教育に専念できる環境ができて子どもたちのやる気が増すような装置ができれば、日本の学校は十分に変わりうるポテンシャルの高さがあるということなんです。これはまさに再生会議でも視察した広島少年院で向井首席専門官がやっておられたことと同じです。向井首席は犯罪学、社会学、公衆衛生学、医学などのエビデンスベースで少年院のマネジメントモデルを構築され、法務教官たちと院生たちのモーティベーションを上げ、矯正教育の指導モデルを開発実践されて成果を上げておられましたが、後野校長は長年のご経験から学校マネジメントをてこ入れし、成果を上げておられる。そこに子どもたちと家庭を巻き込んでおられるのがポイントだと思います。でも、本当に現場の先生方は大変です。深夜の1時に家庭訪問したりするわけですから。そういった教育現場もあるということを見ていただきたい。まず、それが1点です。


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2007年11月03日(土) 07:16:36 Modified by nipponkamoshjka




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