女神フィナ the goddess Fina
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girion_stray 2023年10月25日(水) 14:21:26履歴
１．前提となる情報 
２．和名から読み取れる情報
３．英名から読み取れる情報
「避けられぬ滅びの運命をはらんだ美しさ」を持つという伝説で知られる女神Finaさん。
Finaという名前は2つのルーツを持ち*6、そのどちらもが意味深だ。
1つ目の系統はFina → Josefina*7 → Josephine*8。
意味は"the Lord adds"、"God increases"、"God shall grow"*9など。目的語が何であるかによってその意味は「あなたがたの慈しみが結ぶ実を成長させてくださいます。」（コリント2 9:10）*10にも「神を信じる人を増やしてくださいます」にもなる*11ようで、根本的には「multiply：(…を)増す、ふやす」*12といったニュアンスがあるらしい。
これが系統1。
これらの情報を前提した上で女神フィナの名前を解釈してみると、個人的には「産めよ、増えよ / Be fertile and multiply;」（創世記 1:28）*13 *14 のニュアンスがあるのではないかと思う。ラテン語歌詞情報から見るにフィナには「生み出す力」があった*15ようだから。「フィナ、すなわち生殖の力を持つもの」という感じ。
そしてFinaという名前のもう一つの系統はFina → Serafina*16 → seraphim*17。
うん、セラフィム。熾天使。どえれえモンが出てきてしまった。熾天使って漢字を見れば分かるだろうけど、この系統に属する名前の意味は"fiery" とか "burning"。
そしてセラフィムの単数形セラフの語源は セラフ → Seraph*18 → שָׂרַף (saráf)*19。
שָׂרַף は「燃える」という動詞としての意味のほかに「毒液を分泌する / 有毒な / 悪意に満ちた 蛇」という意味を持つ。セラフィムの語源に「毒蛇」があるのは実に不思議だが、どうやら毒蛇に噛まれた時のカッとする熱さを「火に焼かれたよう」と表現したところからくるものらしい。そしてまた聖書外の情報も加味すればSeraphimはゲエズ語*20文献において「（地獄の別名としての）竜」とも言われている（もっとも現在においてSeraphimという語が熾天使以外を指すことはもはや無いのだけれど）。
これが系統2。
以上の情報とダークソウル世界における様々な情報を踏まえて女神フィナの名前を解釈してみようとすると意味深すぎて収拾がつかなくなる。
「火の」とか「燃えている」ということはフィナははじまりの火に何か関係があるのか？とか
ダクソ界において毒と言えば人間性だけど、ならばフィナは人間性の毒を持った竜もしくは竜のなりそこないなのか？とか
いや「生命の毒」とも言われるのだから、フィナは生命の毒を持ちなおかつそれを他者に与えることができる竜とかそこら辺なのか？とか。
「火」も「毒」も「蛇」も「竜」のいずれもダクソ界における最重要ワードだからそれらに渋滞されるとどうしていいか分からなくなる。個人的には「生命の毒を振りまける闇属性のなにか。根本的に神族とは異なる存在」ぐらいに解釈しているけれど、それも数多ある解釈のうちの一つに過ぎない。いい加減にしてほしい。まだ二つ名の考察にも入っていないんだぞ。
さて気を取り直して今度はフィナの二つ名"fateful beauty"について考察していきたい。
fatefulという英単語の意味は「運命を決する、重大な、致命的な、不吉な、決定的な、重大な、宿命的な、(不幸な)運命をはらんでいる、予言的な、存亡の、破滅的な」*21 *22 *23。割と直球に恐ろしい。どんな美だ。
とはいえそもそも fatefulはfatefulは fate + -ful*24。そして fate の類義語に doom とか death がある*25ことを考えれば自然ではあるが。運命、宿命とは本来とても恐ろしいものなのだろう。……なにかクァトめいたものを感じる。
時に人は破滅的なものに全てを賭けてしまうことがあり、それには若干の陶酔の快楽が伴う。そういった意味で確かに危険なものは美しい。だからフィナは美しいのだろう。
しかしフィナが悪意をもって出会った人を不幸に陥れているのか、それともフィナ本人とは関係なくフィナと出会った人が決定的に変わってしまうのかは分からない。前者は「悪い結果に誘う悪魔」のようなもの。相手に破滅をもたらすために本人が立ちまわっている。後者は自身の魅力に他者だけでなく自分自身すら振り回されている状況だ。「自分と出会った人はことごとく人が変わってしまう、自分はそれを望んでいないのに」という本人の苦悩とは関係なく周囲が勝手に破滅に向かっていく。まるで火に出会った蛾のように。
フィナの美がどちらであるかは分からない。手がかりが現状無いので。だからフィナが自分の美を己の力として行使するガラドリエル様タイプなのか、自分の魅力に周囲もろとも自分まで振り回されている馳夫さんタイプなのかは観測者次第である。
| 名前の考察 |
1つ目の系統はFina → Josefina*7 → Josephine*8。
意味は"the Lord adds"、"God increases"、"God shall grow"*9など。目的語が何であるかによってその意味は「あなたがたの慈しみが結ぶ実を成長させてくださいます。」（コリント2 9:10）*10にも「神を信じる人を増やしてくださいます」にもなる*11ようで、根本的には「multiply：(…を)増す、ふやす」*12といったニュアンスがあるらしい。
これが系統1。
これらの情報を前提した上で女神フィナの名前を解釈してみると、個人的には「産めよ、増えよ / Be fertile and multiply;」（創世記 1:28）*13 *14 のニュアンスがあるのではないかと思う。ラテン語歌詞情報から見るにフィナには「生み出す力」があった*15ようだから。「フィナ、すなわち生殖の力を持つもの」という感じ。
そしてFinaという名前のもう一つの系統はFina → Serafina*16 → seraphim*17。
うん、セラフィム。熾天使。どえれえモンが出てきてしまった。熾天使って漢字を見れば分かるだろうけど、この系統に属する名前の意味は"fiery" とか "burning"。
そしてセラフィムの単数形セラフの語源は セラフ → Seraph*18 → שָׂרַף (saráf)*19。
שָׂרַף は「燃える」という動詞としての意味のほかに「毒液を分泌する / 有毒な / 悪意に満ちた 蛇」という意味を持つ。セラフィムの語源に「毒蛇」があるのは実に不思議だが、どうやら毒蛇に噛まれた時のカッとする熱さを「火に焼かれたよう」と表現したところからくるものらしい。そしてまた聖書外の情報も加味すればSeraphimはゲエズ語*20文献において「（地獄の別名としての）竜」とも言われている（もっとも現在においてSeraphimという語が熾天使以外を指すことはもはや無いのだけれど）。
これが系統2。
以上の情報とダークソウル世界における様々な情報を踏まえて女神フィナの名前を解釈してみようとすると意味深すぎて収拾がつかなくなる。
「火の」とか「燃えている」ということはフィナははじまりの火に何か関係があるのか？とか
ダクソ界において毒と言えば人間性だけど、ならばフィナは人間性の毒を持った竜もしくは竜のなりそこないなのか？とか
いや「生命の毒」とも言われるのだから、フィナは生命の毒を持ちなおかつそれを他者に与えることができる竜とかそこら辺なのか？とか。
「火」も「毒」も「蛇」も「竜」のいずれもダクソ界における最重要ワードだからそれらに渋滞されるとどうしていいか分からなくなる。個人的には「生命の毒を振りまける闇属性のなにか。根本的に神族とは異なる存在」ぐらいに解釈しているけれど、それも数多ある解釈のうちの一つに過ぎない。いい加減にしてほしい。まだ二つ名の考察にも入っていないんだぞ。
| 二つ名 |
fatefulという英単語の意味は「運命を決する、重大な、致命的な、不吉な、決定的な、重大な、宿命的な、(不幸な)運命をはらんでいる、予言的な、存亡の、破滅的な」*21 *22 *23。割と直球に恐ろしい。どんな美だ。
とはいえそもそも fatefulはfatefulは fate + -ful*24。そして fate の類義語に doom とか death がある*25ことを考えれば自然ではあるが。運命、宿命とは本来とても恐ろしいものなのだろう。……なにかクァトめいたものを感じる。
涙の神クァトは哀しみに寄り添う慈愛の神という位置づけが一般的だが、一部では人を絶望の運命へと導く悪神とされている（クァトの鈴）*26
時に人は破滅的なものに全てを賭けてしまうことがあり、それには若干の陶酔の快楽が伴う。そういった意味で確かに危険なものは美しい。だからフィナは美しいのだろう。
しかしフィナが悪意をもって出会った人を不幸に陥れているのか、それともフィナ本人とは関係なくフィナと出会った人が決定的に変わってしまうのかは分からない。前者は「悪い結果に誘う悪魔」のようなもの。相手に破滅をもたらすために本人が立ちまわっている。後者は自身の魅力に他者だけでなく自分自身すら振り回されている状況だ。「自分と出会った人はことごとく人が変わってしまう、自分はそれを望んでいないのに」という本人の苦悩とは関係なく周囲が勝手に破滅に向かっていく。まるで火に出会った蛾のように。
頼んでないのに 皆勝手に都合のいい植物になり下がるんだよ…！ 自然はそのままで美しいのに…！！（聖☆おにいさん より、植物に好かれ過ぎてしまうブッダの台詞）
フィナの美がどちらであるかは分からない。手がかりが現状無いので。だからフィナが自分の美を己の力として行使するガラドリエル様タイプなのか、自分の魅力に周囲もろとも自分まで振り回されている馳夫さんタイプなのかは観測者次第である。
４．漢名から読み取れる情報
５．まとめ
「出会った人の人生を、不幸な方向へと向かわせてしまう破滅的な美」を生まれながらに具えている女神、フィナさん。その名前は「火」や「毒蛇」、「竜」という意味を含む。
６．考察
フィナが持つ美とは生命のことだろうか。生命はいずれ死ぬ。必ず果てる。それは絶対であり覆せない定め、運命、定命(ていめい)。メメント・モリ。だとしても人は生命に魅かれる。その最後が死という絶対的な悲劇で終わることを知っていてなお。フィナの美の恐ろしさは「生じること」へのおそろしさなのではないだろうか。生じれば老病死の運命を辿らねばならない。だからフィナに出会う、生じることは悲劇と個人的な終末の始まりであって、おそろしい。
しかし死が恐ろしいのは生きているからだ。いつかの破滅が怖いのは今が幸福だからだ。死者は死を恐れないし、今地獄を見ている人は破滅を怖がりはしない。生じたこと、生きている今に幸福を感じ、それを愛しているからフィナの美が恐ろしいのだ。
フィナの美は破滅の恐ろしさだけを示すのではない。「今」という瞬間への愛おしさもまた示している。多分。
しかし死が恐ろしいのは生きているからだ。いつかの破滅が怖いのは今が幸福だからだ。死者は死を恐れないし、今地獄を見ている人は破滅を怖がりはしない。生じたこと、生きている今に幸福を感じ、それを愛しているからフィナの美が恐ろしいのだ。
フィナの美は破滅の恐ろしさだけを示すのではない。「今」という瞬間への愛おしさもまた示している。多分。
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