言語考察勢の手前辞書

和名：竜狩りオーンスタイン*1
英名：Dragon Slayer Ornstein*2
漢名：猎龙者/屠龙者/古龙杀手　翁斯坦*3

時期は不明ながら、竜と敵対して戦っていたオーンスティーン/オーンスタイン*4さん。グウィンの竜狩りに参加していた可能性もある。

ドラゴンスレイヤー、オーンスタイン。竜狩りの最前線にいたっぽい。どの時代の竜狩りかは知らないが。

Ornsteinというのは実在する姓*5 *6だ。その意味は多岐に渡る。主にornの解釈を巡って。steinはStein、ドイツ語で「石」*7……というのは明白な部分なので。

ornは
ヘブライ語名Ahărōn / "殉教者の従僕"（このヘブライ語は古代エジプト語ꜥḥꜣ rw / warrior lion とも関連がある）*8由来だとも
ドイツ語Ohren（耳、聴覚）*9 *10由来だとも言われる。

そしてダークソウルにおいてはシンダール語orn（木、高い木）*11である可能性もある。オーンスタインはアノール・ロンドというエルフ語名を持つ都にいた騎士だからこれは見過ごせない。

ornがシンダール語であり、オーンスタインは「『石の樹』かもしれない」という情報はことはさん（@8mizuha8）のツイートより来ています。ことはさんにヴァラールの御光あれ！

そしてさらに別の可能性もある。Ornが古ノルド語ǫrn*12である可能性だ。ǫの音価は/ɔ̃, jɔ̃/*13であるから、ǫrnはɔ̃rn（オールン/オーン）などと発音しそう。そしてOrnsteinのOrn部分の公式発音はオーン。音は合う。そして古ノルド語ǫrnは「鷲」。


以上の情報から得られるOrnsteinの意味解釈は以下の通り。

• 殉教者の従僕の石 / 石の殉教者の従僕
• 戦士獅子の石 / 石の戦士獅子
• 耳の石 / 石の耳
• 木の石 / 石の木
• 鷲の石 / 石の鷲

なんにせよSteinが付いている以上オーンスタインは「石」属性だろうとは思うのだけれど。

「龍*14を猟*15 *16する者」、「龍を屠る者」、「古い龍の殺し手*17」である翁斯坦。古竜殺しというなら神代の竜狩りに参加していたのだろう。

斯坦*18はカザフスタンとかアフガニスタンとかの「〜スタン（国や地方の名称を形成する語尾）」*19の漢訳であるので、翁斯坦は「翁の地」という意味だ！と強弁できなくもないけどさすがにそれは無い。斯坦は地名語尾である。どちらかと言えばアインシュタイン / Einstein*20の漢訳「爱因斯坦」*21の方が近いように思う。ちゃんとSteinで繋がっているし。

であれば翁斯坦は音訳ではなかろうか。発音が「ワンスゥータン」でもあるし。ピンインは以下の通りだ。

• 翁：wēng　*22
• 斯：sī　*23
• 坦：tǎn　*24

グウィンの竜狩りに列した存在、オーンスティーンだかオーンスタイン。名前の意味は可能性が多岐に渡るので何とも言えないが、石属性ではあるのだろう。つまり竜属性。ダクソワールドで石と言えば古竜だ。竜の虐殺に手を貸した竜。そういう見方をするとオーンスタインがシースの同類に見えてくるから面白い。

個人的に今のところ推しているオーンスタインの名前解釈は「石の戦士獅子」と「石の鷲」。前者はオーンスタインの鎧姿にぴったりだし、後者は嵐の飛竜を連想するから。ほら嵐の飛竜って鳥類的翼を持っているし、鷲顔だし。

別に狙っているわけでもないのに「オーンスタイン＝嵐の飛竜」説に辿り着いたのが実に楽しい。この動画*25を見て以来、もしそうだったらロマンよなあと思っていたのでこの説を自力で補強できたのが愉快なのである。