冷戦時代の核実験や民間防衛をめぐるカルチャー

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Testament (1983)


監督Lynne Littman
制作Jonathan Bernstein
原作Carol Amen: "The Last Testament (1981)""
脚本John Sacret Young
出演Jane Alexander, William Devane, 他
音楽James Horner
撮影Steven Poster
編集Suzanne Pettit
配給Paramount Pictures
公開日1983/11/04
上映時間90分
言語英語
wikipedia:Testament (filem)

Testament (1983)はCarol Amen(1934-1987)の"The Last Testament"()を基にした、監督Lynne Littman、脚本John Sacret Youngのドラマ映画である。核戦争が外界の文明を破壊して、次第に崩壊していくサンフランシスコベイアリア近郊の小さな町のストーリーを語っている。

もともとPBSのAmerican Playhouseシリーズとして制作されたが、パラマウント映画により劇場公開された(翌年にはPBSでテレビ放映された)。出演は、Jane Alexander, William Devane, Leon Ames, Lukas Haas, Roxana Zal, 有名になる前のKevin Costner, Rebecca De Mornayなどである。Alexanderはアカデミー主演女優賞にノミネートされた。


プロット

ウェザリー家、夫トム(William Devane)と妻キャロル(Jane Alexander)と子供たちブラッド(Ross Harris)とメアリー・リズ(Roxana Zal)とスコッティ(Lukas Haas)は、トムが働いているサンフランシスコから車で90分のところにある、カリフォルニア州の架空の町ハムリン近郊に住んでいる。

いつもの午後、キャロル(主婦であり、学校劇の指導などの学校ボランティアをしている)が、夕食には帰宅するという留守番録音の声を聞いている。スコッティがテレビでセサミストリートを見ていると、画面が突然ホワイトノイズになり、ブラッドがテレビの上のアンテナを叩いている。突然、サンフランシスコのニュースキャスターが画面に出て、「ニューヨークからの放送波が途絶えました。ニューヨーク及び東海岸の複数個所で核爆発が起きています」と告げた。ニュースキャスターの映像が切断され、民間防衛のマークが表示され、緊急放送に切り替わり、アナウンサーが「ホワイトハウスの指示で番組を中断します。大統領が演説しますので、しならくお待ちください。電話は使わないでください」と言った。大統領演説の導入があり、大統領の紋章がテレビに表示される。電話が鳴り、キャロルが電話に出たが、テレビや電気とともに電話も切れる。突然、核爆発の閃光が窓から差し込んでくる。町の空襲警報サイレンが鳴り、家族はパニックになりながら、床の上で片寄せあった。数分後、近所の人々が通りに出てきて、恐怖と混乱で呆然としていた。家族はトムが帰ってくるのを期待したが、状況は無視できないくらい深刻である。


ハムリン近郊はサンフランシスコから、はるか遠くにあり、爆風の被害を受けず、比較的被害は小さく、生き延びている。怯えた住民たちは、アマチュア無線家の老人ヘンリー・エブハート(Leon ames)の家に集まる。彼は田舎や国外の生存者とコンタクトしていて、アイオワ州ケオククより東とは連絡が付かないと、キャロルに言う。標的を逸れたミサイルが命中したヨセミテ国立公園では、樹木や岩が雨のように空から降ってきていると、無線は告げている。彼は、ベイエリア全体及び米国の主要都市の無線は沈黙していると言う。攻撃の翌朝、Larry (Mico Olmos)という子供がキャロルのところに来て、両親が仕事から帰ってこないとい言う。彼はすぐに家族の一員になるが、後に、放射線障害に倒れる。エブハートの努力にもかかわらず、攻撃の理由も、誰が攻撃したかもわからない。他の無線家たちは、ソビエトの先制攻撃やテロなど様々な噂をしている。

学校劇「ハーメルンの笛吹」のリハーサルは爆撃の前日だった。日常を取り戻そうとして、町の住人は学校劇を上演する。親たちは笑って、拍手するが、無理矢理な笑いである。ハムリンは爆弾のダメージを逃れていたが、放射性降下物の影響からは逃れていなかった。攻撃の翌々日、子供たちは朝食の皿がジャリついているのに気付く。爆発によって巻き上げられた放射性降下物が地上に降ってきていた。住人たちは、行政サービスの喪失や、食料や燃料の不足や、放射線障害による家族の死に対処しなければならない。最初の犠牲者スコティあ裏庭に埋葬される。キャロルはカトリックの司祭に、をお気に入りのテディベア(行方不明になっている)と一緒でないとスコティを埋葬したくないと泣きつく。人々がどんどん死んでいくので、薪が間に合わず、木の小箱が仮想の燃料に使われる。同じく放射線被曝でメアリー・リズが死亡し、キャロルはベッドシーツで、埋葬布を縫う。

多くの子供たちが死んでいき、老人たちは急速に呆けていく。警察や消防の人々も放射線障害で減ってきて、次第に町の秩序は崩壊していく。若いカップル(Kevin Costner and Rebecca De Mornay)は子供を喪ったあと、安全で慰めになる場所を探して、町を出ていった。キャロルは電池を探していて、留守番録音に入った夫の最後の声を聞く。悲しいことに、最初の時は聞いていない、トムのメッセージをキャロルは聞くことになる。トムは攻撃の日、サンフランシスコで遅くまで仕事をすることにしていた。今や、キャロルはトムがいつか帰宅するという希望を失う。息子のブラッドは大人にならざるを得ず、母を助け、ヘンリー・エブハートの死後、その無線を引き継ぐ。ブラッドをいじめていた男が家に押し入る。ブラッドは追い払おうとするが、キャロルがその男を怖がらせて追い払う。男はブラッドの自転車を盗み出し、ブラッドは父親のバイクを使うようになり、象徴的に家の主になる。家族は、トムが子供たちと一緒に、釣りによく連れて行っていた、精神障害のある子供ヒロシ(Gerry Murillo)を、ヒロシの父親マイク(Mako Iwamatsu)の死亡後に、引き取る。

ある夜、キャロルは外で、埋葬される死体が積み上げられているのを見る。立ち止まって、炎を見つめると、キャロルは泣き崩れる。キャロルは、自分とブラッドとヒロシが、放射線障害で緩慢に苦しみながら死んでいくのではなく、一酸化炭素中毒で生命を断つべきだと決意する。3人はステーションワゴンに座り、エンジンをかけ、ガレージの扉を閉じる。しかし、キャロルは実行しきれない。3人は、ケーキの代わりにグラハムクラッカーを使い、ブラッドの誕生日を祝う、キャンドルの明かりの中に座る。何を願うべきか問われて、キャロルは、良いことも悪いことも覚えいていること全て、と答える。そして、キャロルはキャンドルを吹き消す。映画の終わりは、トムのためのサプライズ誕生日パーティのときの映像で、そこにはケーキのキャンドルを吹き消すトムの姿が映っている。


制作

撮影は、ロサンジェルス近郊のSan Gabriel Valleyに位置するSierra Madreの町で行われた。



なお、本作品はAmazon Videoなどで販売・レンタルされている。






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