軽度認知症には客観的な診断方法がないので、
本人や家族から話をよく聞いて、総合的に判断をしているのが現状です。
もちろんMRIなどの画像検査や、認知症のスクリーニング検査である「MMSE」も行われます。
しかし、「MMSEが○〜○点なら軽度認知障害」などといった基準は、一切ありません。
診断はあくまでも、家族からの問診で聞き取った内容や、本人の反応などに対する医師の観察が基になります。
診断でのポイントになるのは、記憶障害があっても「生活障害(日常生活への障害)」がないということです。

進行した認知症では、排泄や着替えなどにも介護が必要になっていきます。
しかし、軽度認知症では「もの忘れ」があっても、自分でこまめにメモをしたり、
家族のしょっとした支援があれば、それほど問題なく暮らすことが出来ます。

ただし、記憶障害現れ方は多様であり、生活障害の有無も、生活環境などによって異なりますから、
これも診断の明確な基準になるというわけではありません。
生活障害の一般的な例としましては、「同じ内容の電話を同じところに何度もかける」
「約束を守れなくなった」「車を運転してて迷子になる」「同じものを何度も買う」
「医療機関で処方された薬をなくす」などが挙げられます。
診断には本人の話が重要ですが、本人には問題が自覚できていない場合もあります。
家族など周囲の人にしか分からないこともあるため、受診する際は、些細なことでもよいので、
周囲の人が医師に伝えることが大変重要です。

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