認知症の診断
最終更新：ID:MOI6u90uFQ 2012年06月21日(木) 22:02:27履歴
認知症
認知症の診断には、問診やさまざまなテスト・検査の結果から、総合的に診断されます。
ではどのような内容で進んでいくのでしょう。
まず、受信すると、「問診」が行われます。
その後、症状や困っていいることなどから認知症が疑われる場合「認知機能テスト」が行われ、
何が原因となっているのかを確認するために
「血液検査」「脳脊髄液検査」「画像検査」などの検査が行われます。
問診
どのような症状があり、それがいつ頃から、どのようなかたちで現れてきたのか詳しく聞かれます。
日常生活の状況や、本人や家族の病歴なども大切な情報です。
些細なことと思われても、日常生活にどのような支障が現れているのかは、重要なポイントとなります。
質問に対して、本人は記憶が抜け落ちていたり、質問をはぐらかしたりすることがあるために、
家族などの周囲の人が付き添って受診すると良いでしょう。
そして、必要な場合は、付き添った家族が、本人の症状や様子について、医師を伝えましょう。
ただし、本人に代わって答える場合、認知症の人の“人としての尊厳”を傷つけないよう、説明の仕方には配慮しましょう。
問診は診断のために最も重要なので、症状や困ったことなどはメモをしておき、受診時に持参すると良いでしょう。
認知機能の程度を調べる
認知機能がどの程度なのか調べる為に認知機能テストが行われます。
日付や時間、場所など、記憶力を調べる為の質問が口頭で行われます。
テストの内容は医療機関によって多少異なりますが、
多くは「MMSE」と「長谷川式簡易知能評価スケール改訂版（HDS-R）」が基盤となっています。
MMSE
「今日は何日ですか？」「ここは何県ですか？」等の、11問の設問に答えていきます。
30点満点で、一般に23点以下だと、認知症の疑いがあるとされています。
国際的に、最も広く用いられている簡易テストです。
長谷川式簡易知能評価スケール改訂版
年齢、時間、場所などの9つの設問に答えていきます。
30点満点で20点以下だと、認知症が疑われるとされています。
この点数を認知症の判断の材料にしますが、点数だけではなく、
テストを受けている間の様子などもよく観察され、それも判断材料になります。
さらに、視空間の認識や構成機能をみるために、
「時計と文字盤と、支持された時刻を指す針を紙に描く」などの、
より詳しい検査が行われることもあります。
血液検査
血液検査は、認知症を引き起こす内科的な病気の有無を鑑別する為に行われます。
たとえば、ビタミンB₁₂の吸収が低下して生じるものや、「甲状腺機能低下症」などの有無を調べます。
血糖値やLDLコレステロール値などをチェックし、生活習慣病の有無を調べておくことも重要です。
脳脊髄液検査
脳と脊髄は骨に守られており、その周囲は「脳脊髄液」という透明な液体で満たされています。
この脳脊髄液を調べることは、慢性の「髄膜炎」など、
認知症の原因となる病気を発見するために有用です。
そこで、腰椎に針を刺して、脳脊髄液を採取する検査が行われることがあります。
アルツハイマー病の診断に役立てるために、脳脊髄液の中に含まれる
「アミロイドβ」や「タウたんぱく」などについての研究も進められています。
ただし、現在は、認知症の診断の為に用いる場合は、健康保険は適用されません。
画像化して脳の萎縮や、血流の状態などを調べる
画像検査で見る脳の画像は、脳の形を調べる「形態画像」と、
脳の動きを調べる「機能画像」に分けられます。
・形態画像
脳の萎縮を画像化して見る事で、脳の萎縮や脳梗塞などの有無、程度などがわかる。
検査方法には、「CT（コンピュータ断層撮影）」や「MRI（磁気共鳴画像）」などがあります。
CTでは、エックス線を多方向から照射することで、輪切り状の画像が得られます。
MRIは、磁気を利用して画像化する方法で、認知症の原因を調べる際によく用いられる。
・機能画像
脳の血流や糖代謝の状態などの脳の働きを画像化する方法で、
「SPECT（単一フォトン断層撮影）」や「PET（ポジトロン断層撮影）」などがあります。
SPECTは、放射性医薬品を静脈注射したあとに撮影し、脳内の血流の状態を調べます。
PETは、「陽電子（ポジトロン）」という粒子を放出する
物質を含む医薬品を静脈注射したあとに撮影する方法です。
認知症の診断では、ブドウ糖に良く似た物質である
「FDG（フルオロデオキシグルコース）」を利用して、脳の糖代謝の状況を調べます（FDG-PET）。
脳内のアミロイドβの蓄積状況をPETによって画像化する「アミロイドイメージング」も期待されています。
認知症の診断は、以上のような問診や検査の結果を総合して行われます。
●問診
どのような症状があるのか
・生活への支障はどの程度なのか等
●認知機能テスト
・MMSE
・長谷川式簡易知能評価スケール改訂版等
●血液検査
・赤血球数 ・白血球数 ・血沈（赤沈）
・肝機能 ・腎機能 ・電解質
・血糖 ・アンモニア ・甲状腺ホルモン
・ビタミンB₁ ・ビタミンB₁₂
・梅毒血清反応等
●脳脊髄液検査
・細胞の種類や数
・脳脊髄液の圧等
●画像検査
・MRI
・CT ・SPECT（スペクト）
・PET（FDG-PET、アミロイドイメージング）等
認知症の診断基準としては、アメリカ精神医学会の
「精神障害診断基準第4版（DSM-�検法廚�広く使われています。
◆参考HP http://www2f.biglobe.ne.jp/~boke/dementiakiso.html
DSM-�犬任蓮�以下の5つの条件をすべて満たした状態を認知症と定義しています。
�ゝ�憶障害がある
�⊆差圈ぜ最Аぜ左譟⊆孫垉’従祿欧里匹譴�ある
��上記のため社会生活に支障をきたす
�ぞ綉�の状態の脳などの身体的な原因があるか、あると推測できる
�グ媼云祿欧呂覆�
短期記憶の障害が特徴的です。昔のことは覚えていても、つい数分前のことを覚えていません。
改訂版長谷川式知能評価スケールやミニメンタルステート検査が、スクリーニング検査としてよく使用されます。
簡単な判定方法として「年齢」を聞くことでおおよそ判断できます。
失行，失認，失語、実行機能障害は、いずれも代表的な高次脳機能障害です。
特に、実行機能障害は遂行機能障害とも言われ、前頭前野の機能障害により生じます。
ある状況に置かれたときにその状況を総合的に観察し判断しそれに相応しい適切で的確な行動をとる機能です。
前頭前野機能検査として、仮名拾い検査やストループテストなどが使用されます。
社会生活に支障をきたすという部分が、老化による生理的記憶障害との鑑別のため重要です。
認知症の前段階としての軽度認知障害（Mild Cognitive Impairment）では、
もの忘れの自覚があっても日常生活に基本的な支障はないという特徴があります。
身体的な原因があるとは、認知症は脳の器質的な原因による疾患群によるものであることを意味します。
意識障害がないという項目は、せん妄の除外において必要です。
せん妄とは、軽度意識障害に幻覚や妄想を伴う不穏状態のことを意味します。
日内変動などがあり、症状が一定しないことが特徴です。
簡単に言うと、短期記憶障害を中心とした記憶障害と計画立てて行動する機能の障害があるために
社会生活能力に障害がある場合、認知症を疑います。
その後、認知症に似た症状を示す他の病気を除外し、
認知症の原因疾患を探るという順番で診断をつけます。
認知症と区別すべき記憶関連障害と精神疾患
認知症の診断には、認知症に似た記憶関連障害と精神疾患と区別します。
�ゝ�憶関連障害
○生理的記憶障害：多くの健康な高齢者に認める生理的な記憶障害で年齢相応な記銘力障害はるが
日常生活に大きな支障はありません。
○軽度認知障害：英語のMild Cognitive Impairment(略称：CMI)との訳語で
おおよそ次の５つすべて満たす状態とされます。
「もの忘れの自覚がある」
「客観的に記憶障害がある」
「認知機能全般に大きな障害はない」
「日常生活に基本的な支障はない」
「認知症ではない」
�∪鎖声栖�
○健忘症：頭部外傷などによる著しい記憶障害があり日常生活に支障はあるが、
全般的な認知機能は保たれています。
○うつ状態：うつ状態は、抑うつ気分、食欲がないなどの身体的訴えが多い、
不眠になりやすいなどの状態で、注意が散漫になり記憶障害がある印象を受けますが、
日常生活で必要な基本的でかつ新しいことは正確に覚えています。
○せん妄：意識障害に幻覚や妄想を伴う不穏状態です。
軽度の意識障害の場合、認知症と見間違うことがあります。
○妄想症：被害妄想が多く「お金が盗まれた」などの訴えがあり妄想は長期わたり変化しなくなります。
妄想はあるが記憶障害はなく自立した生活は可能です。
○幻覚妄想状態：「布団の上に猫がいる」など通常ありえない物が見えたり、
ありえないことを思い込んでいる状態です。薬剤の副作用として生じることもあります。
認知症の診断には、問診やさまざまなテスト・検査の結果から、総合的に診断されます。
ではどのような内容で進んでいくのでしょう。
まず、受信すると、「問診」が行われます。
その後、症状や困っていいることなどから認知症が疑われる場合「認知機能テスト」が行われ、
何が原因となっているのかを確認するために
「血液検査」「脳脊髄液検査」「画像検査」などの検査が行われます。
問診
どのような症状があり、それがいつ頃から、どのようなかたちで現れてきたのか詳しく聞かれます。
日常生活の状況や、本人や家族の病歴なども大切な情報です。
些細なことと思われても、日常生活にどのような支障が現れているのかは、重要なポイントとなります。
質問に対して、本人は記憶が抜け落ちていたり、質問をはぐらかしたりすることがあるために、
家族などの周囲の人が付き添って受診すると良いでしょう。
そして、必要な場合は、付き添った家族が、本人の症状や様子について、医師を伝えましょう。
ただし、本人に代わって答える場合、認知症の人の“人としての尊厳”を傷つけないよう、説明の仕方には配慮しましょう。
問診は診断のために最も重要なので、症状や困ったことなどはメモをしておき、受診時に持参すると良いでしょう。
認知機能の程度を調べる
認知機能がどの程度なのか調べる為に認知機能テストが行われます。
日付や時間、場所など、記憶力を調べる為の質問が口頭で行われます。
テストの内容は医療機関によって多少異なりますが、
多くは「MMSE」と「長谷川式簡易知能評価スケール改訂版（HDS-R）」が基盤となっています。
MMSE
「今日は何日ですか？」「ここは何県ですか？」等の、11問の設問に答えていきます。
30点満点で、一般に23点以下だと、認知症の疑いがあるとされています。
国際的に、最も広く用いられている簡易テストです。
長谷川式簡易知能評価スケール改訂版
年齢、時間、場所などの9つの設問に答えていきます。
30点満点で20点以下だと、認知症が疑われるとされています。
この点数を認知症の判断の材料にしますが、点数だけではなく、
テストを受けている間の様子などもよく観察され、それも判断材料になります。
さらに、視空間の認識や構成機能をみるために、
「時計と文字盤と、支持された時刻を指す針を紙に描く」などの、
より詳しい検査が行われることもあります。
血液検査
血液検査は、認知症を引き起こす内科的な病気の有無を鑑別する為に行われます。
たとえば、ビタミンB₁₂の吸収が低下して生じるものや、「甲状腺機能低下症」などの有無を調べます。
血糖値やLDLコレステロール値などをチェックし、生活習慣病の有無を調べておくことも重要です。
脳脊髄液検査
脳と脊髄は骨に守られており、その周囲は「脳脊髄液」という透明な液体で満たされています。
この脳脊髄液を調べることは、慢性の「髄膜炎」など、
認知症の原因となる病気を発見するために有用です。
そこで、腰椎に針を刺して、脳脊髄液を採取する検査が行われることがあります。
アルツハイマー病の診断に役立てるために、脳脊髄液の中に含まれる
「アミロイドβ」や「タウたんぱく」などについての研究も進められています。
ただし、現在は、認知症の診断の為に用いる場合は、健康保険は適用されません。
画像化して脳の萎縮や、血流の状態などを調べる
画像検査で見る脳の画像は、脳の形を調べる「形態画像」と、
脳の動きを調べる「機能画像」に分けられます。
・形態画像
脳の萎縮を画像化して見る事で、脳の萎縮や脳梗塞などの有無、程度などがわかる。
検査方法には、「CT（コンピュータ断層撮影）」や「MRI（磁気共鳴画像）」などがあります。
CTでは、エックス線を多方向から照射することで、輪切り状の画像が得られます。
MRIは、磁気を利用して画像化する方法で、認知症の原因を調べる際によく用いられる。
・機能画像
脳の血流や糖代謝の状態などの脳の働きを画像化する方法で、
「SPECT（単一フォトン断層撮影）」や「PET（ポジトロン断層撮影）」などがあります。
SPECTは、放射性医薬品を静脈注射したあとに撮影し、脳内の血流の状態を調べます。
PETは、「陽電子（ポジトロン）」という粒子を放出する
物質を含む医薬品を静脈注射したあとに撮影する方法です。
認知症の診断では、ブドウ糖に良く似た物質である
「FDG（フルオロデオキシグルコース）」を利用して、脳の糖代謝の状況を調べます（FDG-PET）。
脳内のアミロイドβの蓄積状況をPETによって画像化する「アミロイドイメージング」も期待されています。
認知症の診断は、以上のような問診や検査の結果を総合して行われます。
●問診
どのような症状があるのか
・生活への支障はどの程度なのか等
●認知機能テスト
・MMSE
・長谷川式簡易知能評価スケール改訂版等
●血液検査
・赤血球数 ・白血球数 ・血沈（赤沈）
・肝機能 ・腎機能 ・電解質
・血糖 ・アンモニア ・甲状腺ホルモン
・ビタミンB₁ ・ビタミンB₁₂
・梅毒血清反応等
●脳脊髄液検査
・細胞の種類や数
・脳脊髄液の圧等
●画像検査
・MRI
・CT ・SPECT（スペクト）
・PET（FDG-PET、アミロイドイメージング）等
認知症の診断基準としては、アメリカ精神医学会の
「精神障害診断基準第4版（DSM-�検法廚�広く使われています。
◆参考HP http://www2f.biglobe.ne.jp/~boke/dementiakiso.html
DSM-�犬任蓮�以下の5つの条件をすべて満たした状態を認知症と定義しています。
�ゝ�憶障害がある
�⊆差圈ぜ最Аぜ左譟⊆孫垉’従祿欧里匹譴�ある
��上記のため社会生活に支障をきたす
�ぞ綉�の状態の脳などの身体的な原因があるか、あると推測できる
�グ媼云祿欧呂覆�
短期記憶の障害が特徴的です。昔のことは覚えていても、つい数分前のことを覚えていません。
改訂版長谷川式知能評価スケールやミニメンタルステート検査が、スクリーニング検査としてよく使用されます。
簡単な判定方法として「年齢」を聞くことでおおよそ判断できます。
失行，失認，失語、実行機能障害は、いずれも代表的な高次脳機能障害です。
特に、実行機能障害は遂行機能障害とも言われ、前頭前野の機能障害により生じます。
ある状況に置かれたときにその状況を総合的に観察し判断しそれに相応しい適切で的確な行動をとる機能です。
前頭前野機能検査として、仮名拾い検査やストループテストなどが使用されます。
社会生活に支障をきたすという部分が、老化による生理的記憶障害との鑑別のため重要です。
認知症の前段階としての軽度認知障害（Mild Cognitive Impairment）では、
もの忘れの自覚があっても日常生活に基本的な支障はないという特徴があります。
身体的な原因があるとは、認知症は脳の器質的な原因による疾患群によるものであることを意味します。
意識障害がないという項目は、せん妄の除外において必要です。
せん妄とは、軽度意識障害に幻覚や妄想を伴う不穏状態のことを意味します。
日内変動などがあり、症状が一定しないことが特徴です。
簡単に言うと、短期記憶障害を中心とした記憶障害と計画立てて行動する機能の障害があるために
社会生活能力に障害がある場合、認知症を疑います。
その後、認知症に似た症状を示す他の病気を除外し、
認知症の原因疾患を探るという順番で診断をつけます。
認知症と区別すべき記憶関連障害と精神疾患
認知症の診断には、認知症に似た記憶関連障害と精神疾患と区別します。
�ゝ�憶関連障害
○生理的記憶障害：多くの健康な高齢者に認める生理的な記憶障害で年齢相応な記銘力障害はるが
日常生活に大きな支障はありません。
○軽度認知障害：英語のMild Cognitive Impairment(略称：CMI)との訳語で
おおよそ次の５つすべて満たす状態とされます。
「もの忘れの自覚がある」
「客観的に記憶障害がある」
「認知機能全般に大きな障害はない」
「日常生活に基本的な支障はない」
「認知症ではない」
�∪鎖声栖�
○健忘症：頭部外傷などによる著しい記憶障害があり日常生活に支障はあるが、
全般的な認知機能は保たれています。
○うつ状態：うつ状態は、抑うつ気分、食欲がないなどの身体的訴えが多い、
不眠になりやすいなどの状態で、注意が散漫になり記憶障害がある印象を受けますが、
日常生活で必要な基本的でかつ新しいことは正確に覚えています。
○せん妄：意識障害に幻覚や妄想を伴う不穏状態です。
軽度の意識障害の場合、認知症と見間違うことがあります。
○妄想症：被害妄想が多く「お金が盗まれた」などの訴えがあり妄想は長期わたり変化しなくなります。
妄想はあるが記憶障害はなく自立した生活は可能です。
○幻覚妄想状態：「布団の上に猫がいる」など通常ありえない物が見えたり、
ありえないことを思い込んでいる状態です。薬剤の副作用として生じることもあります。
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