静かにベッドから身を起こす。

じっと寝ていても、何も進みはしない。
あなたの姉の遺品を探すには、心を奮い立たせて迷宮に潜る他、手段はないのだ。



※ 獲得した魔物の情報、及び持ち帰り完全鑑定に成功したアイテムの情報を整理します


■不確定名 : 緋色の鹿 / 角付き

白の森に棲息する緋色の鹿、その角を持つ個体。

筋肉が盛り上がった強靭な体と、赤みがかった体毛を持ち、
頭部に左右に広がる巨大な角が生える。


【筋力】 6
【耐久】 5
【敏捷】 7
【感覚】 6
【知識】 不明
【意思】 不明
【魔力】 -


◆特殊能力

【強靭な毛皮】

この生物は強い毛皮に覆われている。
物理的ダメージ判定を常に1軽減する。


【後ろ足の一撃】

この生物は背後の外敵に対し、極めて強力な蹴りを放つ。
蹴りの回避判定に-2の補正。
この攻撃の回避、もしくは防御に失敗した場合、強制的に転倒し、気絶判定が発生する。


■緋色の鹿の角

槍のように鋭く尖る、巨大な角。
特別な能力は持たない。

売却値 : E

白の森に多数棲息する緋色の鹿は割合狩り易く、
雌を逃がすために立ち塞がる事の多い雄は特に供給が多い。
必然、高値がつく事はまずありえない。


街の様子は先日となんら変わりない。
あなたが行う事の出来る行動は、初日と全く同じである。

財布の中身も半分程度は残っている。
同じ程度の買い物ならば可能なはずだ。


日は高い。
行動の余裕はまだまだあるだろう。


>>↓1  どうする?

どこかの店に鹿の角を売ってみる


あなたはまず、ベッドの脇に転がる鹿の角を売り払う事にした。
二束三文の値しかつかない事は、既に鑑定士の手により判明している。
しかし、このまま置いていても邪魔にしかならないのだ。

あなたは自身の知る店を思い返し、売却先を……


1) 雑貨屋に決定した

2) 防具屋に決定した


>>↓1 どちらにする?

雑貨屋で


あなたは雑貨屋を訪れ、店主に鹿の角を見せた。
店主は微妙そうな顔で、店の一角を指し示す。

そこには、鹿の角を加工したアクセサリーが並んでいる。
どれもこれも綺麗に並べられ、誰かが手に取った様子も、売れた様子も全くない。
探索道具などに使い道はないのかと聞いてみれば、
もっと適している上に値も変わらない素材があるのだという、残念な答えが返された。


◆ 鹿の角は子供の小遣い程度の値で売れました……



まだ日は高い。
行動の余裕はまだまだあるだろう。


>>↓1 どうする?

防具屋を覗いてみる





あなたは雑貨屋を出て、すぐ近くの防具屋に入る。
途端、店の入り口近くで見本を磨いていた職人の少年があなたに気付き、嬉しそうに駆け寄ってきた。


防具屋に並んでいる物を買い、そのまま身につける冒険者はまず居ない。
その店の職人によって、体に合うように微調整を行う必要があるのだ。

もしあなたが防具を購入するならば、それには多少なりとも時間がかかるし、
購入数が増えればその分だけ当然伸びるだろう。



>>↓1 防具屋で何をする?

防御能力のある手袋の購入


◆ 購入可能な手用防具の一覧を表示します


■革製の手袋

攻撃補正 0
防御補正 0
敏捷補正 1


■緋色鹿革製の手袋

攻撃補正 0
防御補正 1
敏捷補正 1


■異形の手袋  ※ 高級品 ※

攻撃補正 0
防御補正 0
敏捷補正 1

【魔力遮断】
この防具は外部からの、手への魔力の影響を完全に無効化します


■スパイダーシルク・グローブ  ※ 高級品 ※

攻撃補正 0
防御補正 1
敏捷補正 1

【魔力糸】
この防具は魔力を消費する事で、掌の部分に強力な接着性を持たせる事ができます

【脆弱 : 炎】
この防具は炎に触れると、あらゆる判定を無視して消滅します


>>↓1  どれを購入しますか? (購入しなくとも構いません)

※ ただし高級品を購入すると、以降買い物が不可能になります


あなたは異形の手袋を購入した。

厚みは殆どなく、薄い物だ。
ガントレットとの併用も、問題ないだろう。

職人の少年が言うには、魔力を完全に遮断する魔物の甲殻を、粉状にして使用しているという。
話に聞いた無毛の猿の風の刃も、打ち払えるに違いない。
ガントレットの下につけるならば、当然ガントレットは犠牲になるだろうが。

また、自身の側から放出する魔力は素通しするらしい。
自分達職人の研究と努力の結晶です、と胸を張る少年が、
お前は何も関わってねぇだろう、と親方に拳骨を落とされる頃、調整は終了した。


◆ 異形の手袋 を入手しました


あなたの財布の中身は、ついに銀貨数枚を残すだけとなった。
数日分の宿代や食費には問題なかろうが、これ以上の浪費は無理だろう。
あなたは財布の紐を固く縛り、買い物を切り上げる事とした。


日は天頂を越えた頃だ。
まだ数回の行動は可能であると思われる。


>>↓1  どうする? (金が必要な行動は無効化されます)

水を入手しないと...


あなたが職人の少年に水はどこで手に入るか、と聞くと、少年は答えた。

『水だったら店の裏に井戸がありますよ!
 必要なら、俺が汲んできますよ、水袋か水筒はありますか?』

勢いに押されつつも、戦士の男から貰った水筒を取り出す。
少年はそれを受け取り、あなたに手を振りながら裏へと走っていった。




……水を汲むだけならば少しだけ不自然な時間が経過した後、少年は戻ってきた。

走ったせいだろうか、顔を赤らめながらあなたに水筒を返す。
中はたっぷりの水で満たされていた。


◆ ?水筒 の水が満タンになりました (三日分)


店を後にするあなたの後ろで、少年は自分の唇をそっと撫でた……。


少年のお陰で、あなたは水の入手に時間を取られなかった。

日は天頂を越えた頃だ。
まだ数回の行動は可能であると思われる。


>>↓1  どうする? (金が必要な行動は無効化されます)

他の冒険者を探そう


あなたは他の冒険者を探す事にした。

情報を求めるにしても、仲間を探すにしても、まずは冒険者相手でなければ話にならない。
あなたが探す事にした場所は……。


1) 先日も訪れた酒場だ

2) 冒険者向けの店が並ぶ区画だ

3) 白の森に最も近い門だ

4) 自由安価 冒険者が居そうな所を指定してください


>>↓1

酒場でいいかな


酒場に辿りついたあなたは、その中で冒険者に見える者を探した。

目に付いたのは……


1)酒場の様子に眉を顰める、精悍な顔つきの戦士らしき男

2)店の中央を睨み舌打ちをするエルフの少女と、必死にそれを宥める聖職者の少年

3)我関せずと分厚い肉を眺める、魔術師風の男

4)三人の娼婦らしき女性に実演付きで冒険譚を披露する、巨大なハンマーを持った大男


>>↓1  誰?

2


あなたは、エルフの少女と、聖職者の……正確には異端者の少年に近付く。

ハンマーを振り回す大男のせいだろう。
二人はあなたがすぐ近くに来るまで、気付きもしなかった。

あなたはテーブルのすぐ横に立ち、声をかける。
すると、驚いた二人は慌てて振り向いた。



エルフの少女が顔を歪める。
だが、あなたの予想に反して、それは怒りではなく……。


『その、悪かったわよ、この間は……。
 冷静に考えれば、あんたに私を侮辱するつもりがないのは、簡単に分かった事だわ。

 ……ごめんなさい』


少女は頭を下げ、続ける。


『これ、あんたが払った分。
 あんな事したんだもの、受け取れないわ』


少女が差し出した袋が揺れ、硬質な音を立てる。
どうやら、硬貨が入っているようだ。

あなたはそれを……。



1) 受け取る

2) 受け取らず、他の条件を提示する


>>↓1

2
仲間に誘う


あなたは少女の差し出した袋を、手で押し返した。
そして、それはいらないから、お詫びというなら仲間に入れてくれないか、と持ちかけた。


『仲間……?
 あんたね、何考えてるの?』


少女は呆れた声で続ける。


『あんた、私に何されたか忘れたの?
 殺されかけたのよ?
 こっちは腕の一本取られるぐらいは覚悟して来てるのよ?

 馬鹿じゃないの? ねぇ、あんた馬鹿なんでしょ!?
 一番背中預けちゃいけない相手に何言ってんのよ!
 危機感ってもんが、あんたにはないの!?』


少女はどんどんとヒートアップしていく。
最早謝りたいのか怒りたいのか、さっぱり分からない。


荒れ狂う少女を持て余すあなたを見かねてか、少年が立ち上がり少女に耳打ちした。
聴覚に優れたあなたは勿論、それを聞き取る事ができたが、それはあなたの知らない未知の言語である。
急に冷静さを取り戻した少女が、こちらもやはり意味不明の言葉で少年と話し合いを始める。


ややあって、少女は不満そうな顔で、少年はにこやかな笑顔で席についた。
そして、まずは少女が口を開く。


『……こっちも戦力が必要なのは確かだしね。
 ただし、幾つか条件を提示させてもらうわ。

 まず、こっちは絶対に譲れない目的があって白の森に挑んでいるの。
 あんたもそれに付き合ってもらう。

 私達の目的は、迷宮最北部への到達。
 そこに何があるかは言いたくない。
 少なくとも、殆ど初対面みたいなあんたにはね。

 一応言っておくけど、最奥部とは全く違う方向よ。
 あんたの目的地がそっちなら、私達についてくるのは時間の無駄だから』


続いて、少年が口を開く。


『それと、僕の事情ですね。
 あなたには教えましたけど、僕はほら、これですから』


少年は自分の胸元を一度指で叩き、微笑む。
それを見た少女がぎょっとした顔をするのを無視して、続ける。


『この後すぐにでも白の森に入ります。
 そうしないと、僕死んじゃいますからねぇ』


ケラケラと笑う少年に、あなたはなんと言って良いのかと困惑した。


二人組みの提示する条件は、この二つのようだ。
あなたはこの条件を……。


1) 呑む

2) 呑まない


>>↓1

呑む


あなたは二人の提示する条件を呑んだ。

あなたは姉が最後に戦った場所を知らない。
最奥部であるかも知れないし、都合良く最北部である可能性もある。
どこにあるか分からないならばどこへ向かおうとも同じだという判断だ。

少年の条件の方も問題ない。
既に財布の中身も心許なく、街中でやれる事は情報収集くらいのものだ。
それだって、少年にかけられた呪いの事を考えれば、白の森の経験は豊富で、当然あなたとは比べ物にならない知識があるだろう。
つまり、もう街に用は無い。


『そう、分かったわ。
 じゃあ最後に試験ね。

 ……最北部は無毛の猿の縄張りよ、足手まといは連れていけない。

 ついてきなさい。
 私と一勝負、戦ってもらうわよ』


少女は研ぎ澄まされた強者の気配を纏って立ち上がり、あなたを促した。




※ 対友好的NPC戦闘を行います
※ この戦闘であなたが死亡する事はありません


少女はあなたを連れて、人気のない空き地にたどり着いた。
その中央に大股で立ち入り、そして精神を集中する。

魔力の扱いに長けたあなたなら、間違いなく分かる。
あなたには及ばないまでも、濃密な魔力が凝り固まり、物質と化そうとしているのだ。

集中は十秒程か。
少女の手には三本の刃物が握られていた。
【マナ・エクスチェンジ】 の魔法だ、とあなたは気付いた。


『あんたの得物、腰の双剣よね。
 似たようなの作ってあげたから、これ使いなさい。
 見た目は刃物だけど、人の皮も切れないナマクラに調整しておいたから』


少女は魔力で作られた双剣を投げて寄越す。
受け取って構えてみれば、愛用の守り刀ほど手には馴染まないが、大きな違和感はない。

残りの一本は少女の得物のようだ。
刀身の長さは腕の先から肘とほぼ同じ。
形状はナタに近い。


『……さ、いいわよ。
 どっからでもかかってきなさい』


少女は半身になって腰を深く落とし、刃を体の後ろに隠している。


>>↓1  どうする?

とりあえず魔法が使えることを示すために
フィジカルブースト、敏捷1耐久1を使って
後はカウンターを狙う


あなたはまず、自身の能力を強化する事にした。
全身に薄く、両手足にやや厚く、魔力を纏わせる。


◆ フィジカル・ブースト

耐久 7 → 8
敏捷 1 → 2


敵の少女の能力は未知数、警戒に越した事はない。
また、これが試験である以上、魔法を扱う能力がある事を示すのは大きなプラスになるはずだ。

そのあなたの考え通り、少女は敏感に反応した。


『……へぇ、フィジカル・ブーストよね、それ。
 見事なもんだわ、魔力の流れに無駄がない。
 悔しいけど、私よりずっと魔力の扱いが上手いみたいね』


その口からは感心したように声を漏れたが、しかし構えを解く事はない。
あわよくばこのまま合格になりはしないかとあなたは考えたが、そうは美味い話はないようだ。

カウンターの体勢を取り、じっと少女の動きを待つ。


『ふぅん、私相手にカウンターね……。

 舐められたもんだわ!』


次の瞬間、少女の姿が霞んだ。
突進してきたのだ、とあなたが気付けたのは、
少女の加速の犠牲となった土が飛ぶ方向が目に入ったという偶然があったためだろう。

一瞬で距離を詰めた少女は、殆ど倒れこむような姿勢から、
あなたの腹部を逆袈裟に切り上げるよう、ナタを振り上げんとしている。

>>↓1 どのように対処する?


※カウンターが宣言されているため、対処に成功すると反撃判定が発生します

>>↓1

無視して双剣を挟み込むように振り下ろす


あなたが少女の動きを無視して双剣を振り下ろさんとすると、少女は驚愕に目を見開いた。

当然の事である。
カウンターというのは通常、避けて斬る、という物である。
あなたが鹿に対して行ったような、受けて斬る、などという物は、
極一部、希少も希少、常人の想像の埒外に存在する天才のみが行える異常行動なのだ。

振り上げられるナタの勢いは止められない。
両者の刃は掠る事もせず、互いの肉体に直撃する!



>>↓1 コンマ判定 【物理的被害の軽減】

耐久 8
皮鎧 1

目標値 9


>>↓2 コンマ判定 【双剣の一撃】

筋力 9
双剣 1
双剣 1
想像の埒外 3

目標値 14



※ これらの判定は、目標値と出目の差によって結果が変動します


【物理的被害の軽減】

目標値 9  出目 4

判定に成功し、その差は5


【双剣の一撃】

目標値 14  出目 3

判定に成功し、その差は11





先に届いたのは、やはりナタ。
熟練の暗殺者が見れば即座に勧誘にかかる程の見事な一撃はあなたの腹部に吸い込まれ……


そして、何の結果も残せなかった。

皮鎧には一筋の傷すらない。
全ての衝撃は表面に纏わせた魔力に打ち消され、ただ力なく弾かれるのみ。


本人としては、恐らく会心の一太刀だったのだろう。

あなたの剣がその両肩に叩きつけられる直前の、
何が起こったかわからない、という、ぽかんとした顔が印象的であった。


『……絶対死んだと思ったわ。
 一瞬走馬灯が見えたもの。
 何なのよあんた、この、化け物……』


勝負の後、少女はそうあなたを罵った。
だがその言葉にも力はない。
憔悴しきったような顔で言われても、ただ気まずさがこみ上げるだけだった。


あなたの振り下ろした双剣は、少女に直撃したと思った瞬間に霧散した。

模擬戦用の武器は少女が魔力を用いて作り出した物である。
それが本来の持ち主に何の効果も与えられないのは、当然の法則だ。

だが、それが本物の刃であればどうなっていたか。
どれほど運が良くとも少女の両腕は根元から千切れ飛んでいただろう。
それを理解した少女は素直に敗北を認めていた。


『ともかく、あんたの腕は良く分かったわ。
 むしろこっちから同行をお願いしたいぐらいよ。

 これからよろしく。
 頼りにするわよ?』


へたり込んだまま伸ばされた少女の手を握り、あなたも、よろしく、と返すのだった。


※ 白の森へ向かう途中、あなたと二人は互いの能力に関する情報を交換しました
※ NPCの能力を開示します



■異端の少年

【筋力】 5  【耐久】 5
【敏捷】 4  【感覚】 3
【知識】 5  【意思】 8
【魔力】 4  【幸運】 1


◆職業

【異端者】

NPC専用職業
迷宮外で24時間以上を過ごすと死亡する


【侍祭】

低難度の魔力行使が確実に成功する
魔力による治療行為が可能になる



◆特殊能力

【ライト・キュア・ウーンズ】

このキャラクターは魔法による軽症の治癒を行える。
回復量は使用者の魔力と対象者の耐久を用いた判定によって決定される。
この判定は失敗しない。


【コンティニュアル・ライト】

このキャラクターは魔力による光源を用意できる。


【フィジカル・ブースト】

このキャラクターは魔力により自身の能力を強化できる。


【異端の焼印】

一日と置かず迷宮に潜り続けねばならない、神殿製の特大の呪い。
このキャラクターは白の森に関する膨大な経験と知識を持つ。
白の森での生存判定に有利な補正を受け、知識判定に自動成功する。


■エルフの少女

【筋力】 4  【耐久】 3
【敏捷】 8  【感覚】 9
【知識】 4  【意思】 5
【魔力】 6  【幸運】 2


◆職業

【エルフの狩人】

NPC専用職業
一部の魔法を自動習得する
一部感知判定が有利になり、敵を発見できた場合の先制判定が確実に成功する



◆特殊能力

【???????】

あなたはこの能力に関して、詳細な情報を持たない。


【???????】

あなたはこの能力に関して、詳細な情報を持たない。


【マナ・エクスチェンジ / 刀剣】

このキャラクターは魔力を刀剣に変換して運用できる。


【鋭敏な聴覚】

このキャラクターは敏感な聴覚を持つ。
聞き耳判定に常に+1の補正。
また、一定距離内の音を絶対に聞き逃さない。


【逆鱗】

このキャラクターは他者に触れられたくない過去を持つ。
友好度が一定以下の状態で踏み込んだ場合、積極的敵対行動を取る。


※ 白の森に向かう途中、あなたの事情に関して説明を行う事が可能です


>>↓1  どの程度教えますか? 教えなくとも構いません

姉の遺品を探している
素性は明かさない


食事&風呂タイムで一時中断します。
今晩中には再開しますね。


■NPCに関して


◆NPCの行動

NPCはそれぞれ固有の行動基準を持ち、自動的に行動を選択します。
彼らの行動をあなたの指示で変更するには、友好度が一定値を超えている必要があります。


◆NPCの友好度

友好度は数値化されません。
NPCがどれほどあなたに友好的かは、描写から想像して下さい。
友好度はあなたがNPCに対して適切な行動を行うほど、
また、あなたが探索において頼もしいほど、上昇していきます。


◆NPCの目的

NPCはそれぞれ固有の探索目的を持ちます。
この探索目的を達成したNPCは探索意欲を失い、パーティーは解散されます。
ただし、友好度が一定以上かつ、あなたが引きとめたならば、その限りではありません。


◆NPCの死

NPCのみが死亡した場合、コンティニューは出来ません。
また、パーティーを組んでいたNPCの場合、死亡したNPCの仲間が探索意欲を失う事があります。


◆その他

NPCは、迷宮の中でも一定の条件を満たすと登場します。
今回の二人組みの場合は、白の森の北部へ移動しようとした場合、登場する可能性がありました。

無理に街行動のみでパーティーを組もうとする必要はありません。


互いの情報の交換は、白の森への行程の半分程で終了した。
必然、話題を失ってあなた達は沈黙に包まれる。

それに耐えかねたか、それまで情報交換を少女に任せて一歩下がっていた少年が、あなたに話しかけた。


『そういえば、そちらの目的は何なんですか?
 ほら、僕達は手伝ってもらうわけですし、もし手助けできるならと思いまして。

 あ、勿論こっちの目的は曲げられないので、その範囲で、ですけど』


あなたはそれに何と返すか、少し悩む。
姉の遺品探し、というのは教えても問題ないだろう。

だが、その姉の正体を知られてしまうというのは、避けたいと思えた。
あなたの姉は余りにも特別すぎる。

世界に五人しか居ない大英雄、その一人の妹であると、告げたとしよう。
きっと、この二人はあなたに期待するはずだ。
大英雄の妹であり、模擬戦で少女を完全に圧倒したあなたを、英雄に並ぶ程の絶対強者だと考えてしまうだろう。

もし、そのような大きすぎる期待を裏切ってしまったとしたら。

その時、心を折らずにいられる自信を、あなたは全く持てなかった。


結局、あなたは姉の遺品探しであるとだけ伝えた。


『遺品探し、ですか……。
 すみません、悪い事を聞いてしまったようで。

 ですが、それですと僕達についてくるのは、余り意味がないかと思いますよ?』


少年が困ったように言い、少女がその先を継いだ。


『森の北側はとんでもない魔境よ。
 ちょっとでも情報収集をしたまともな冒険者なら、無毛の猿の縄張りには絶対に入らない。
 あんたのお姉さんが、北に入った可能性は低いと思う』


少女が申し訳なさそうに言うそれを聞いて、あなたは逆に安心した。
まともではない事をあっさりとやり遂げていたのが、あなたの姉である。
むしろ北に踏み入った可能性は増したようにも思えるし、
他の進入者が少ないならば、他の人間の遺物を姉の物と間違えるなどという間抜けな事態は起こらないはずだ。


『そう?
 まぁ、あんたが構わないっていうなら、それでもいいけど。

 ……っていうかあんた、仮にも仲間になったんだから顔くらい見せたら?
 ちょっとそのフード取って見せなさいよ。
 オーガみたいな顔が隠れてないか、確かめさせなさい』


あなたは白の森への残りの道中、フードを取り払おうとする少女の手を、必死に避けるのだった。


やがて、白の森の入り口、その広間へとあなたは辿り着いた。

少女とあなたの攻防は辛くもあなたの勝利に終わった。
あなたの素性については、今の所無事に守り通せている。
もっとも、少女の方も本気で取ろうとしていた訳ではなかった、とあなたは感じていた。


『さて、それじゃあ突入するわけだけど……。

 私とあんた、どっちが先を歩く?

 あ、こいつは論外よ。
 索敵は苦手だし防御も苦手、私が居ないととっくに森の栄養になってるような奴なんだから』


少女は少年をけなしつつ、あなたに問いかける。

耐久力はあなたが、索敵能力に関しては少女が、それぞれ優れている。
どちらを選んでもそれなりのメリットがあるだろう。


>>↓1  どうする?

少女


『そ、了解。
 まぁ妥当な選択よね。

 この耳が伊達じゃないってとこ、見せてあげるわ』


少女は胸を張り、長い耳を手も触れずに上下に動かす。
索敵にはどうやら絶対の自信があるようだ。

この白の森では視界が利かない。
彼女の聴覚を頼りに、あなた達は進んでいく事と決定した。


◆ 情報交換により、地図情報が更新されました




あなた達は地図を広げ、確認する。

二人との情報交換によって、未知の部分にも通路と部屋が書き込まれていた。
その中の、最も大きな部屋を指差し、少年は言う。


『この部屋は、少なくとも昨日の時点では大蜘蛛が巣を張っていました。
 あなたの一撃の威力を考えたら、やれなくもないとは思いますが、無駄な危険に飛び込む必要はないでしょう。
 こちらの、上の小部屋からも道が繋がっている以上、今回はこちらから攻めます。

 ……本当は昨日の時点でもう少し進んでたはずなんですけどね。
 後ろから突然鹿が、それもメスが来ちゃって消耗してしまいまして』


はぁ、と少年は情けなさそうにため息を吐く。


『オスならどうとでもなるんですけど、メスは動きが読みにくくて』


気付いたら背中を取られてたりするんですよ、などと嘆く。

……もしや昨日、自分を見て逃げ出した個体だろうか。
そう思い至って目を泳がすあなただが、フードのお陰でばれる事はなかった。



>>↓1  道程に意見がある場合、伝える事ができます

最初の小部屋から左は何かありそうか訪ねる


あなたは一つ目の小部屋を指し、その先には何がありそうか尋ねた。

北に向かう道が、そこから繋がっていない可能性も、なくはない。


『うーん、そっちは多分、最奥部への道だと思うのよね。
 あくまで今までの傾向では、って程度の予想だけど。

 でも確かに、一度南側に回ってから北に繋がる、っていう組み代わりが起こった事もあるわ。

 ……その時はそんな可能性考えてなくて、散々時間取られたもんよ』


君が絶対隠し通路があるなんて言って固執したからね、などと少年が余計な事を言い、少女を拗ねさせる。
それを横目に、あなたは考えた。



1) 北の小部屋を目指す案に乗る

2) 最初の小部屋から西に進もうと提案する


>>↓1

1


あなたは当初の案に賛成した。
少女の口ぶりからすると、最北部を目指すには素直に北に進むのが一番可能性が高そうだ。

意見が一致した事で、準備は完全に整った。

あなた達はこれより、白の森の攻略を開始する。


通路に踏み入ったあなた達だが、いきなりあなたを驚かせる事態が起こった。

先頭の少女がずんずんと進んでいくのである。
まるで無人の野を行くようだ。
昨日のあなたの慎重さとは全くかけ離れている。

慌てたあなたは、少女に声をかけ、確認した。


『ん? あぁ、そんな事。
 入り口辺りにいる連中で、音で探れない奴は大蜘蛛だけなのよ。
 その大蜘蛛は大部屋にしか居ないし、私にはこの耳がある。
 だから心配しなくてもいいわ』


『それに、今の時間帯、夕暮れ時は活動している生物は殆ど居ないんです。
 昼の魔物は睡眠の準備に入りますし、夜の魔物はまだ目覚めていません。
 白の森では、今の内に距離を稼いでおくのが得策です』


足を止めずに二人はあなたに解説する。
あなた達は少女の迅速な先導により、あっという間に何事もなく北の小部屋に到着した。


『さて、それじゃあここからね』


少女は呟いて、その進行速度をやや落とした。
ここから先は未知の領域である。

小部屋を通り過ぎ通路に入る。
通路はすぐに左に折れていた。
脳裏で地図を描いてみれば、すぐ南の大部屋から伸びる通路と同じ場所へ伸びているようだ。
あなたがそう考えていたその時。


『……最っ悪。
 やっぱついてないわ、私』


先行していた少女は忌々しげに声を出し、足を止めた。


道の先は、大部屋になっていた。
内部はそれなりの広さがあるようで、霧のためにろくに見通す事ができない。


『……こっちの部屋も巣になってる。
 あんた、魔力視くらい出来るでしょ。

 見てみなさい、こいつの糸は魔力で出来てるからハッキリ分かるわ』


少女の言葉に従って魔力を集中させる。
すると、部屋の入り口をびっしりと覆う細い糸が、僅かに青い光を放つのが、あなたの視界に捉えられた。


『魔力視を使わないと、糸は殆ど不可視と同じよ。
 かといって、魔力視を使うと霧のせいで何も見えなくなる。
 そんで、まともに音も出しやしない。

 ……これだから嫌なのよこいつ。
 どうにかして絶滅してくれないかしら』


少女の言の通りだ。
魔力が可視化した視界の中では、白かったはずの霧は青く染まり、その濃さを一層増して見える。
その視界の狭さは、通常の視界の比ではない。


『面倒くさい敵だけど、やってやれない相手じゃないわ。
 今はあんたも居るしね』


『僕達に欠けていたのは、一撃で勝負を決める決定力です。
 大蜘蛛は隙が少なくて攻撃できる機会は多くありません。
 僕達だけじゃどうしても長期戦を余儀なくされていました。

 この部屋の突破の鍵は、あなたです』


二人はそう言うと、明確な期待を籠めてあなたを見つめる。
模擬戦での圧倒ぶりが頭にあるのだろう。
過剰すぎる評価はやめてほしい、と頭を抱えたい思いだった。


『じゃ、作戦よ。
 あいつの糸はそれほど魔力が篭ってる訳じゃないわ。
 私の剣を使えば簡単に断ち切れる。

 私が蜘蛛を引き付けて、何とかチャンスを作るから、それまで気配を消して耐えて頂戴。
 あいつが私を狙って動きを止めた瞬間に、あんたがズドン、よ。

 ……異論はある?』


>>↓1  意見があれば伝える事が出来ます

火を使って糸を燃やすのはどうかと提案


あなたはふと、防具屋で見たスパイダーシルク・グローブを思い出す。
職人の少年は、確かに大蜘蛛の糸は火に極端に弱いと言っていた。
ならば当然、この部屋の巣も火を付ければ燃え上がって無効化されるのではないだろうか?

そう考え、糸への着火を提案する。


『はぁ? そんな事したら……いや、その手も確かにあるわね』


あなたの意見を即座に却下しようとした少女は、突然考え直して思案している。
その少女に代わり、少年が答える。


『……巣の無力化は、確かに可能です。
 ただ、巣を燃やされると、大蜘蛛は凶暴化します。
 動きは滅茶苦茶になりますし、一撃の威力も重くなる。

 だけど代わりに隙だらけにもなります。

 僕達だけじゃ手に負えないので、その手段は頭から抜けていましたが……』


『こっちの手段も、結局あんたが鍵ね。
 一番重要な役目を担うんだから、決めるのはあんたでいいわ。

 ……あぁ、霧で火が消える心配はしなくていい、私が魔法でカバーできる』



作戦の選択権は、どうやらあなたに委ねられたようだ。



>>↓1  どうする?

火をつけたあと通路待機
逃げ場のない所で肉弾カウンター


『…………は?』


あなたの作戦を聞いた少女は、ぽかんと口を開けてそんな声を出した。
少年の方も、声を出さないだけで似たようなもの。

それだけ、命知らずで馬鹿馬鹿しい作戦であった。


『……それって、あれよね?
 私相手にやった、あの、馬鹿みたいな、あれ……』


少女の言葉の方が馬鹿みたいになっている、とはあなたは言わなかった。
代わりに少年が口にし、頬を抓られている。


『確かに、多分あいつは通路に入ってくる……。
 でも、絶対に危険よ。
 あんたが失敗しても、こっちが助けに入れる可能性は低いわ。
 それでもやるの?』


あなたは頷いた。

チャンスを待ち、正確に一撃を叩き込む。
暴れ回る蜘蛛を追い、切り払う。
どちらも難しい事に思える。

それならば、今まで通り、受けて斬る。
そちらの方がよっぽど楽ではないだろうか、とあなたは考えていた。



拾い上げた枯れ枝に着火し終え、少女は大部屋の入り口へ向かう。
そして振り向いて、あなたの準備を待った。
火は自然の法則に逆らって枝の先端に留まり、燃え広がる様子は無い。
恐らく、少女の魔法だろう。


『あいつのメインの攻撃手段は噛み付きと、足先の爪よ。
 そのどっちも、毒はないけど鉄程度なら簡単に引き裂くわ。

 ……十分に注意してよ。
 目の前で死なれでもしたら、悪夢でも見そうだわ』



>>↓1  自由に戦闘準備を行えます

耐久5筋力1振りフィジカル


魔力が、燃え上がった。

少なくとも、エルフの少女にはそうとしか見えなかった。
あなたの体を青い炎が包み込む様を直視し、少女は頬を引き攣らせて、思う。

"なるほど、こいつはオーガじゃなくて、実はドラゴンか何かが変身してるのね"

と。

エルフとして平均的な魔力を持つ自分と同等の魔力を、
自分よりも遥かに流麗に扱い、
なおかつ未だ余裕すら見せる、正真正銘の人型の怪物。

自分の目の前に居るのは、そういう信じがたいものなのだと、少女は受け入れた。



◆ フィジカル・ブースト

筋力 9 → 10
耐久 7 → 12



あなたは準備を終え、少女へと頷く。

呆けていた少女ははっとして、慌てて大部屋へと向き直った。


少女が未知の言語を素早く唱える。
すると、あなたの背後から風が吹いた。

正確には、あなたの背後からだけではない。
木々に覆われる上空から、あるいは大部屋から、
ありとあらゆる方向から、少女の手の中に風が集まり凝縮されていく。

そして、それが燃える枯れ木へと向け、解き放たれる。

一瞬にして、大部屋の全てが炎上した。
糸など残る訳もない。
荒れ狂う暴風は炎を食らい、禍々しい赤で視界の全てを染めていく。


あなたはエルフの少女のその力量に、戦慄を禁じえなかった。
まるで人型の怪物である、と。


風が消え去るのと同時に二つの事が起こった。

まず、少女が崩れ落ちる。
少年が素早く駆け寄り支えたが、手足はぐったりと垂れ、意識があるかは怪しい所だ。

次に、大部屋の中から、明確な憎悪の気配を伴った絶叫が上がる。
続くのは、大剣を地面に振り下ろしたかのような轟音。
それが幾つも連続し、大蜘蛛がこちらに駆けてきているのだとあなたに伝えてくる。


『この馬鹿……!

 大蜘蛛はすぐに来ます、何とか倒して下さい!
 こいつの無茶のお陰で大分弱っているはずです!』


少年は少女を抱えて、あなたの後方へと走り去る。

……少女が、矢面に立つあなたを案じて無茶をやらかしたのだと、あなたは理解した。
人を馬鹿だ馬鹿だと随分と罵倒してくれたが、少女だってよほど馬鹿である。
初対面からそう時間も経っていないというのに、何が少女をそこまで駆り立てるというのだ。

目を覚ましたら一度くらいこちらからも馬鹿にしてやろうと、あなたは双剣を握る手に力を籠める。


二人と入れ替わるように、大蜘蛛はその無残な姿を現した。


大岩のごとき大きさの、元々は白かったのだろう腹部は黒く焦げ、
一本切り取るだけでそのまま馬上槍にでもなりそうな足は、その甲殻が剥げ落ちんとしている。

恐らく無傷なのは黒い八つの目と、長く伸びた白い牙くらいのものだ。

巣を奪われ、全身に無数の火傷を負い、一切の冷静さを剥ぎ取られた大蜘蛛が、
足の一本を長く伸ばし、あなたの頭上から叩きつける!


>>↓1  どう対処しますか?

カウンターは当然する
狙うは甲殻剥げかけた部分


少女は言った。
足先の爪は鉄を引き裂く、と。

あなたは考える。
今の自分の体と鉄の鎧、どちらが硬いか、と。

答えは余りにも明白に過ぎた。



防御など考えず、両手の双剣を甲殻が剥がれかけた箇所へと、全力で振るう!



>>↓1  魔力撃を使いますか?

使う
魔力3消費で


>>↓1 コンマ判定 【物理的被害の軽減】

耐久 12
兜 2

目標値 14


>>↓2 コンマ判定 【双剣の一撃】

筋力 10
双剣 1
魔力撃 3

目標値 14



※この判定は、目標値と出目の差によって結果が変動します


【物理的被害の軽減】

目標値 14  出目 8

差 6


【双剣の一撃】

目標値 14  出目 3

差 11





爪の一撃は、凄まじい衝撃を伴っていた。
兜の上から叩き付けられたそれはあなたの頭部を激しく揺らす。

頭蓋の内部が白熱し、食いしばる歯の数本が欠け、眼球は弾け飛ぶ寸前にまで歪む。
恐らくは耳にも影響が出た。
左の耳が聞こえない事に気付き、それでもあなたは一度目の攻防の勝利を確信する。


太い足に深々と食い込み、その内部で魔力を爆発させた双剣の一撃は、足の一本を完全に吹き飛ばす事に成功していた。
それだけではない。
衝撃は足を通して胴体にまで伝わったのだろう。
大蜘蛛の体、その焦げた部分が裂け、体液が噴出している。


だが、怒りに我を忘れ、死に向かう自身の惨状すら思考の外に置いた大蜘蛛は止まらない。
爪が通じないならば、噛み殺すまでと、崩壊を始めた足で水平に跳躍し、あなたの胴目掛けて口を開く。


通路は狭く、大蜘蛛の体で全てが埋まっている。
逃げ場無し。
しかし、遠かった頭部が自分から飛び込んできた今この時こそが好機であると、あなたに流れる血が告げていた。



>>↓1  どう対処する?

跳躍からの渾身の振りおろし


迎え撃つ。
一撃で落とす。

吐き出されるのは裂帛の気合。
大蜘蛛の跳躍に遅れる事一瞬。
食らうのはこちらだと言わんばかりに跳躍し、その双剣を八つの目玉が宿る頭部へ振り下ろす!





>>↓1 コンマ判定 【物理的被害の軽減】

耐久 12
皮鎧 1

目標値 13


>>↓2 コンマ判定 【双剣の一撃】

筋力 10
双剣 1

目標値 11



※この判定は、目標値と出目の差によって結果が変動します


【物理的被害の軽減】

目標値 13  出目 2

差 11


【双剣の一撃】

目標値 11  出目 2

差 9





激突の次の瞬間、あなたは宙を吹き飛んでいた。

当然の事である。
相手は人を超える巨体であり、それが跳躍してきていたのだ。
その慣性を止められない限り、この結果は避けられなかった。

だが、それでも。


"殺った……!"


宙を舞いながら、あなたは自身の攻撃の結果を目にし、安堵する。

あなたの斬撃は見事に頭部に吸い込まれ、それを丸ごと斬り飛ばしていた。
頭部が消えた以上、あなたに牙が届く事はなく。
そして、体当たりで吹き飛んだ程度で今のあなたが傷付く事はないのだ。


後方に下がっていた二人の下へ、転がりながら辿り着く。
あなたの回転が止まるのと、大蜘蛛が慣性を失い静止したのは、ほぼ同時の事であった。


……蜘蛛は崩壊寸前の足を痙攣させるだけ。

傷は決して浅くなく、少女は気を失ったままであるが、あなたは道行きを塞ぐ障害を、今確かに除去したのだ。


※ 獲得した魔物の情報を開示します (少年の情報によるものも含まれます)


■ジャイアント・スパイダー

不確定名 : 大蜘蛛

【筋力】  10
【耐久】  14
【敏捷】  5
【感覚】  7
【知識】  5
【意思】  4
【魔力】  3


◆特殊能力

【魔力糸】

この生物は魔力で作られた不可視の糸を操る。
接触した場合、拘束判定が発生する。
また、この糸の目視判定に-2の補正。
目視補正は魔力視によって無効化される。


【遠隔触覚 : 糸】

この生物は糸に触れた物質の情報を完全に知覚する。
糸に接触した場合、無判定で発見される。


【脆弱 : 炎】

この生物は炎に対する脆弱性を持つ。
炎によるダメージ量が増大し、魔力糸の能力が無効化される。


【凶暴化 : 炎】

この生物は炎による攻撃を受けると凶暴化する。
凶暴化時、筋力と敏捷の能力値に+2の補正。
代償として知識と意思の能力値が1に固定され、感覚の能力値に-2の補正を受ける。
また、凶暴化した状態では絶対に逃走しない。


【無音】

この生物は魔力糸の能力を使って移動する限り、音を発しない。
聞き耳判定に-3の補正。


【迷宮の珍味】

この生物を食料として扱った時、幸運判定が発生する。
成功すると有益な効果が得られる。






◆ 【あなた】 のステータスが更新されました



【女性 / 19歳】


【筋力】 9  【耐久】 7
【敏捷】 1  【感覚】 7
【知識】 1  【意志】 3
【魔力】 8  【幸運】 9


【魔法剣士】

低難度の魔力行使が確実に成功する
物理攻撃時、魔力を消費する事で威力を増加させるコマンドを任意で使用可能


【探索目的】

姉の遺品を求めて


■ 所持品一覧

 【使い慣れた双剣】

 【緋色鹿革の兜 +1】
 【鉄製のネックガード +1】
 【使い慣れた皮鎧】
 【使い慣れたガントレット】
 【異形の手袋】 ←NEW
 【使い慣れたブーツ】

 【携帯食 x6】
 【?水筒 / 満】 ←NEW

 【ポーション x2】

 【方位磁石 x2】
 【携帯用調理器具一式】
 【地図用羊皮紙 x4】
 【描きかけの地図 / 白の森・入り口】


■ 習得魔法一覧

 【魔力撃】
 【フィジカル・ブースト】


◆ 地図情報が更新されました




◆ 十分な時間の余裕があるため、少年によるあなたの治療判定はスキップされます





大蜘蛛を倒した後、あなた達は意識のないままの少女を連れ、大部屋へと入った。
これは少年の提案によるものである。


『大蜘蛛が巣食っていた形跡が強く残る部屋には、危険性の高い魔物は近寄りません。
 この部屋もあと二日ぐらいは安全でしょう。
 少なくとも通路に居るよりはマシです』


との事だ。

白の森に関して少年以上の知識を持つ冒険者は居ない。
少年の事情を知るあなたには十分に理解できるその事実に従い、
今あなた達は大部屋の壁にもたれて休息を取っている。

当然、休息前にあなたの治療が行われた。
あなたの状態を見た少年は長時間の魔法行使を覚悟したそうだが、予想に反してそれは数分で終わっている。
あなたは本当に人間ですか、とは呆れた少年の口から出た言葉だ。



さて、少女の状態を調べた少年の言によれば、少女は魔力さえ戻れば何事もなく目を覚ますらしい。
回復には恐らく一時間から二時間、と言っていた。


つまりそれは、気まずい時間が長く長く続く、という事を意味していた。

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