あなたは自身の横顔に、強い視線を感じている。
目を覚ましている人間が二人しか居ない以上、それは当然少年のものだ。


『…………』


沈黙が痛い、とあなたは呻る。

戦闘中、あなたは頭部で大蜘蛛の足を受け止めた。
更にその後、体当たりによって地面をごろごろと転がったのだ。

魔力の保護により、兜はかろうじて無事である。
しかし残念ながら、あなたの顔を隠していたフードは当然のように千切れたボロ屑と化している。


……世界中の誰もが知る、大英雄の顔。
それと瓜二つのあなたの顔は今、何に遮られる事なく晒されてしまっていた。


やがて、沈黙を破り、少年が口を開く。


『……その顔、もしかして、あなたのお姉さんというのは……』


その声は低く、重い。
これまでの大半をにこやかに過ごしていた少年の顔は、不自然な程に強張っている。

大英雄の身内だと気付いた、それだけでは説明が付かない反応だと、あなたにも当然分かった。



>>↓1  どうする?

彼女と会ったことがあるのかと聞く


あなたは意を決して、少年に尋ねた。
大英雄と会った事があるのか、と。

少年は小さく頷いて、答える。


『……僕達は、森が迷宮に変じる、まさにその時に居合わせました。
 今でも夢に見ます。
 逃げようと走る僕達の後ろから、森が追ってくるんです』


少年は眠る少女の髪を撫で、続ける。


『たった昨日まで親しんでいた森が、瞬く間に化け物に成り代わって。
 歪んだ木から腕が伸びて、捕まえようと、逃がすまいと。

 ……もし、あの人に見つけて貰わなかったら、僕達はここに居なかったでしょうね』


『だから、教えて下さい。
 あなたの探し人は、あの大英雄なんですか?

 ……もしそうなら、僕は恩を返さなければならない。
 この子もきっと、僕が説得してみせます』



>>↓1  どうする?

そうと答え、でも私に対しては今まで通り接して欲しいと付け加える


あなたは肯定する他なかった。
顔を見られてしまったのは決定的だった。
姉の遺品探しと告げてあるのと合わせて考えれば、他人の空似というのは無理がある。

息を呑んで、少年が口を開こうとする。
それをあなたは止めて、更に続けた。

姉のした事の結果は、自分が受け取って良い物ではないと、あなたは考えた。
自分だけではない、他の誰もだ。
姉への感謝は姉のための物。
共有する資格を持つ者など、この世のどこにも居ないのだ。


だからあなたは、態度を変えず今まで通りに接して欲しいと、頭を下げて頼み込んだ。


『……分かりました、あなたがそう言うのなら。

 ただ、僕には出来ても、この子はきっと感情を抑えられません。
 僕の荷物にフード付きの防寒具がありますから、それを使って下さい。

 探索の目的も今のままで。
 幸い……と言って良いのかは分かりませんが、あなたのお姉さんは北へ踏み入った可能性が高いですし。
 理由までは、僕だけの判断で言える事ではないのですが』


あなたの望みを聞いた少年は、にこやかな顔に戻り、頷いてくれた。


『ところで、態度を変えるなというのでしたら、一つだけ。

 ……あなたのアレはカウンターじゃありません。
 ただの相討ちっていうんです』



何故かあなただけが生き残っちゃってるだけで。

笑顔を引きつらせた少年に指摘されたあなたは、当然反論のしようもなかった。



>>↓1  少女が目を覚ますまで自由に行動できます

蜘蛛を軽く料理


さて、真面目な話が終わった所で、あなたには気になる事があった。

大きすぎて動かすに動かせない、通路に横たわる大蜘蛛の死体。
あなたが蜘蛛を殺し、少年があなたの顔を確認するまでの間。

あなたの野生の獣じみた立ち回りに呆然としていた少年は、
現実逃避するように一つの言葉を漏らしていた。


『この蜘蛛は食料になるんですよねぇ……珍味ですよ、珍味……』


珍味である。
珍しい味である。

あなたは、ふつふつと好奇心が沸き立つのを感じた。


あなたは通路の部屋の入り口に近付き、少年へ振り向いて尋ねた。
知識といえば少年である。
きっと食べ方についても詳しいに違いない、という判断だ。


>>↓1  コンマ判定 【????????】

幸運 9

目標値 9


【????????】

目標値 9  出目 3

判定に成功しました


判定内容が開示されます

【????????】 → 【食い道楽の魔術師】

出現条件 : 迷宮内部で魔物料理を宣言する (一周回につき一回のみ)




その時だ。
返答は少年からではなく大蜘蛛の向こう、通路の側から返された。


『大蜘蛛の可食部は、この大きな腹の中身と太い足だ。
 内臓は良いぞ、特に生がいける。

 また、子蜘蛛が居るならば素揚げして塩を振ると良い。
 大蜘蛛の子ならば、生まれたてでも並の蜘蛛より大きく、食いでがある。
 食感も素晴らしいものだった……。

 ……残念ながら、これは火が通ってしまっているし、子持ちではないようだがね』


振り向いたあなたが見たのは、残念そうな顔で鬱々と蜘蛛の腹を撫でる、魔術師の男であった。

二度も酒場を訪れた経験のあるあなたなら、当然分かる。
焼いた鳥やら分厚い肉やらを陰気な顔で眺めていた、あの男だ。


それに気付いた少年が軽く挨拶をし、あなたへ紹介する。


『この人はこの辺りでは有名な人で……なんというか、食い道楽というか、ゲテモノ食いというか……。
 とりあえず、決して悪い人ではないですし、時折助かる事もありはするんですけど……』


紹介の言葉ははっきりとしない。
だがそれも仕方ないだろう。
どうにもこの男は、濃厚な変人の空気を纏っている。


『……私に時間があれば、調理法も詳しく解説したかったのだが。
 すまないが、今回の目当ての魔物は活動時間が限られている。

 手早く調理だけやってやろう。
 内臓と足、どちらが良いか?
 内臓ならば魔力消費の軽減、足ならば体力の維持に、それぞれ効果が高い。

 そら、早々に決めることだ』


魔術師は指先に集中させた魔力を青く光らせながら、問う。
判断に困って少年に目で問えば、任せても良い、という言葉が返ってきた

なんでも、魔物料理の布教のため、こうして調理を勝手に請け負ってしまうのだという。
常に失敗がなく、間違いなくプロの腕を持っているために、誰も文句を言わないそうだ。



■食い道楽の魔術師

◆特殊能力

【食い道楽】

このキャラクターは食材とその調理法に精通している。
食材に関する知識判定に確実にクリティカル判定を受ける。
また、魔物の調理が失敗せず、その効果が常に最大化する。


>>↓1  どちらを食べますか?

内臓


内臓を食べたい。

そう答えた次の瞬間、魔術師は指先から魔力の矢を放ち、腹部の外皮を取り去っていく。
思わず唸る程の職人芸である。
大蜘蛛は瞬く間にその内臓を露出させた。


『……蜘蛛の腹を食べるならば、心臓と紡績腺の腺腔を選ぶと良い。

 生物の魔力は心臓に宿る。
 また、通常の蜘蛛と異なり、大蜘蛛の糸は魔力で紡がれる。
 糸の原料となる分泌物は純度の高い魔力そのものと言えよう。

 これは常識であるから言うまでもないだろうが、魔力を豊富に含んだ食材はその味を増す。
 最も美味なのは、この二つだ』


男は解説しながらも手際良く内臓をむしりとっていく。


『すまないが、ここからは手順を魔法で省略させてもらう。
 時間がないものでな。

 やる事はそう難しくはない。
 潰してペースト状にし、味見をしながら調味料で整えるだけだ。
 パンがあるならばそれに、なければ穀物を練り焼いた携帯食でも構わん、塗って食べるがいい』


男の手の中で純粋な魔力が圧力を持ち、巨大な心臓をすりつぶしていく。
途中、男の荷物より浮き上がった何本かの瓶から油のような物が垂らされ、混ぜ合わされる。
恐らくは調味料なのだろう。
また、腺腔からの分泌物も、味を見ながら加えているようだ。

それから少しして、遠目にはジャムにも見える赤いペーストになって調理は終わった。
男はそれを掌に収まる程度の瓶に詰め、投げ渡してくる。


『そら、完成だ。

 ……残念ながら魔物の賞味期限は短い。
 明日の日が昇るまでが限度だろう。
 それ以降に口にして腹を壊さぬよう、気をつける事だ』


……男は去っていった。
楽しそうな気配を纏いながら、しかし顔は陰気なままで、全ての手順を恐ろしい速度で終わらせて。

紛う事なき変人であると、あなたは確信した。


果たして、そのペーストは驚くべき美味であった。

ネットリとした濃厚さで舌に絡み付き、心臓が持つ野趣溢れる旨みを存分に伝えてくる。
にも関わらず、油のような物の原料だろう豆のような香りのためか、しつこさがない。
また、僅かに残されたツブツブとした食感も心憎い。
しっかりと堪能した後に飲み込めば、突如放出された魔力がピリピリと喉を刺激し、あなたを楽しませた。

……あの男が作ったというのが納得のいかない一品。

三人前には丁度良い量のそれを、あなたは荷物に仕舞い込んだ。


◆ 【大蜘蛛の内臓ペースト】 を入手しました



>>↓1  少女はまだ起きていません どうする?

少年にこの先の注意点を聞く


あなたは未だ目覚めない少女の様子を確認し、今の内にこの先の注意点を聞いておく事とした。

少年が知る事は当然少女も知るだろう。
ならば説明はあなたのためだけに行われる。
少女が聞く必要はなく、時間の有効活用としては良い案だと思えた。


『地図を見る限りですと、恐らく北部はもうすぐですね。
 上手くすれば後は通路だけ、という事も考えられます。
 つまり、いよいよ彼らの……猿の縄張りに入ります』


猿。
初日に酒場で聞いた恐ろしい魔物である。
空を走り、集団で動き、風の刃を放つ。

あなたは自分一人ならどうやれば倒せるかと考え、その絶望的な難度に唾を飲み込んだ。


あなたのその様子を見て、少年は微笑んだ。


『彼らの恐ろしさを理解してくれているようで、何よりです。

 彼らは徹底的に射程外から攻撃を行ってきます。
 外敵が死ぬまで、絶対に自分から近付こうとはしないんです。

 全周から矢を射掛けられる様を想像して下さい。
 しかもその矢は肉眼では捉えられず、射手はあなたよりも素早く、空も飛ぶ。

 ……僕達はこれから、一国の軍を相手に潜入を行うのだと、考えて下さって結構です。
 いえ、恐らくはそれよりも一段難しい』


『僕達は今まで、見つからないように少しずつ地図を埋めてはこちらに戻り、
 ある程度地形を把握し終えたら一気に北を目指す、という方法を取っていました。

 ……ですが、今までは道程の半分を超えられたのが十回ほどです。
 どうしても、そこで見つかって囲まれてしまうんです。

 この森の霧は、最奥部に近付く程濃くなります。
 逆に言えば、遠ざかる程薄い。
 最北部の近くは、隠れる場所がどこにもありません。

 唯一の救いは、この子の魔法でしょうね。
 風を乱してもらって、彼らが混乱している間に脱出する、という選択肢が取れますから。
 彼らが縄張りから出る事はないんです』


少年はそこで一度言葉を切った。
長く話して乾いた喉を潤すためか、水筒から水を飲む。

何故だろうか。
重く苦い感情を同時に飲み込んでいるように、あなたには見えた。 


『……今回は、あなたが居る。
 僕達二人では取れなかった他の手も、あるかも知れません。

 この子が目を覚ますまでに、少しでも構いません。
 考えておいてください』


それからしばらくして、少女が目を覚ました。
大蜘蛛はどうなったと慌てる少女に、少年があなたの活躍を語って聞かせる。
少女は完全に化け物を見る目であなたを見つめた後、頭を抱えながらも安堵の息を吐いていた。


さて、大蜘蛛との戦闘で消耗した全ては、凡その回復を見せた。
あなたの負傷と、四分の一より少々少ない程度消費した魔力は、休息により補われた。

少女の方も、一度完全に魔力を使い切ったにも関わらず行動に支障はないという。
魔力の霧のおかげだろう。

どうするべきか、あなたは考えた。



>>↓1  行動を提案できます

魔物や罠に気をつけて少しずつでも進もう


あなたは、少しずつでも進んでいく事を提案した。
今すぐ猿の縄張りに挑むかどうかはさておいて、まずは道があるかを確認すべきだろう。

その提案に二人は賛成してくれた。


『そうね、まずは地図を埋めちゃいましょ。
 入り口に到着した気分で寛いでたら行き止まりでした、なんて間抜けはごめんだし』


あなた達は大部屋の西側の通路へ、再び少女を先頭にして踏み入った。

通路は右へ折れ、長く続いている。
その先をちらりと覗いた少女は、やはり夕暮れ時と同じように進む。
とうに日は落ち、辺りは闇に包まれているというのに、まるでお構いなしだ。

やがて、通路は分かれ道に差し掛かる。
正面へ続く道と、左へ折れる道。


その正面を見て、少女が口を開く。


『今回は素直な道だったみたい。
 ほらそこ、縄張りの印があるわ』


少女が示す木を見てみれば、そこには妙な模様が刻まれていた。
曲線と直線が組み合わさり、どこか文字のようにも見える。
縄張りの始まりを示すために猿が付けていくのだと、少女は言った。


『……ただ、こっちの分かれ道が厄介ね。
 さっきの大部屋からは魔物は入ってこないだろうけど、こっちはどうなってるやら。
 下手すれば猿から逃げてきて一息ついた所にガブリ、なんて事もあるかも』


少女は眉を顰める。
確かに、それは考えたくもない事態であろう。


『ともあれ、縄張りへの道は確認できたわ。

 これからどう攻略するか相談したいんだけど、どう?』



>>↓1  どうする?

大部屋に戻って相談しよう


大部屋に戻ったあなた達は、相談を開始した。
まずは改めて敵の能力を確認すべき。
そう考え、二人に思いつく限りの能力を、地図の裏へと書き込んで貰う。



◆ 魔物の情報を開示します


■不確定名 : 無毛の猿

極めて醜い姿を持つ、毛のない猿のような魔物。
皺だらけの肌色の皮膚、黄色く濁った瞳、ぶよぶよと膨らんだ頭部、顔より大きい異様な耳が特徴。

知能が高く、狡猾で、魔法を扱い、集団を形作る。

昼行性の個体と夜行性の個体が存在し、昼夜問わず縄張りの見回りを行っている。
ただし、夜はその数が少ない。

リーダーの存在は、少なくとも現時点では確認されていない。


【筋力】 不明
【耐久】 不明
【敏捷】  13
【感覚】  8
【知識】  9
【意思】  8
【魔力】  5


◆特殊能力

【集団行動】

この生物は高確率で複数体同時に現れる。
また、単体の場合は仲間を呼ぶ可能性がある。

あなた達はこの能力に関するこれ以上の情報を持たない。


【エア・ウォーク】

この生物は魔法によって空中を走る事が出来る。
走行可能な時間は魔力値によって変動する。
この生物の場合は三十秒毎に魔法を再使用する必要がある。


【エア・カッター】

この生物は魔法によって風の刃を射出する。
この魔法は肉眼で捉える事が難しい。
目視判定に-2の補正。
目視補正は魔力視によって無効化される。


【縄張り意識】

この生物は縄張りへの侵入者を許さない。
縄張りでの逃走判定に-2の補正。


【鋭敏な聴覚】

この生物は敏感な聴覚を持つ。
聞き耳判定に常に+1の補正。
また、一定距離内の音を絶対に聞き逃さない。


あなたは敵の能力を示すそれを眺めて、唸る。
どう考えても、潜入の成功率は低そうに思えるのだ。

少しでも突破口になりえる情報は、何かないだろうか……。


>>↓  終了が宣言されるまで、何度でも、自由に質問を行えます

風の刃はやっぱり魔法なのか、目視さえ出来れば異形の手袋でノーダメージで弾けるかな
けど、霧のせいで魔力視が機能し辛いとマイナス判定あるだろうし難しい?

猿を倒したことがあれば、
どのような方法で倒したかを聞く

聴覚が良すぎることを逆手にとれないかな? おっきい音を出してビックリさせるとか子守歌を聞かせて眠らせるとか

巨大な音を出せば混乱を狙えそうか
近くに囮に使えそうなモンスターは潜んでいるか
大蜘蛛の殻を敵の攻撃を防ぐのに使うことは可能か
霧も加味して武器を投げ付けたとして当たる可能性について

目標は猿の縄張りを反対側に抜けることで合ってるよね
風やフラッシュで混乱してる間全力で前に進んだ場合、どれくらいの距離を稼げそう?


◆ 風の刃の打ち払い

『今はそんなのがあるのね……。
 ずっと潜りっぱなしだから気付かなかった。

 そうね、捉えられれば問題なく打ち消せるはず。
 ただし風の刃は相当の速度よ。

 それと、魔力視は奥に進めば十分に機能するわ。
 道程の半分を超えられればね』


◆ 猿を倒した事はあるか

『あるわ。
 まだ子供だったんでしょうね、上手く飛べない小さな個体が居たのよ。
 いきなり目の前に落ちてきたから、思わず短剣で切りつけた。
 簡単に死んだわ。
 本当にあっさり、何の抵抗もなく。
 剣の届く範囲にさえ捉えれば、駆け出しでもやれるでしょうね』


◆ 聴覚を逆手に取れないか

『多分いける。
 私も大音で驚く事があるもの。
 ただし、半端な音じゃ逆に敵を集めるだけよ。

 子守唄って……。
 そういうのを専門にする特殊な魔法使いなら、まぁやれるかもね』


◆ 囮になりそうなモンスター

『縄張りの中は彼らだけのものです。

 ただ、こちら側にシックスレッグ・ラットという鼠の魔物が居ますね。
 夜に活発に活動する魔物で、大規模な集団を作ります。
 草食性で害はない、迷宮では珍しい部類に入ります。

 上手く誘導できれば、縄張りの中を一時的に混乱させる事は出来るかもしれません』


◆ 大蜘蛛の死体を利用できないか

『……考えた事もありませんでした。
 確かに硬度はかなりの物ですからね。

 二度、いや、運があれば三度は刃を防げるかも知れません』


◆ 投擲の命中可能性

『十分に目はあるわ。
 霧で見えないのは向こうも多分同じだし。

 問題は投げる物ね。
 あんたの剣は二本だし、私の魔力も限りがある。
 そこらの小石なんて投げても……あれ、あんたの馬鹿力ならもしかして、いける?』


◆ 目的について

『最北端への到達で間違いありません。
 彼らを倒す必要は、全く』


◆ 混乱させて稼げる距離

『風を乱すのは二回が限度ですね。
 それと、僕の光で驚かせるのは相当な回数可能ですが……彼らは学習能力が高く、魔力も扱う。
 僕が光源用に魔力を集めたら目を瞑る、という対処法はすぐに学ぶでしょうね。

 僕達の魔法で混乱させて進める距離は、道程の半分が限度でしょう』


◆ 大蜘蛛の爪先&牙

『確かに威力は抜群でしょうね。
 良い選択だと思うわ。

 ……あのサイズを持って走るのを考慮しなければ、だけど。
 あんたの馬鹿力なら何個かはいけるのかしら?』


◆ エア・ウォークの消費

『多くはないみたいね。
 少なくとも、今まで魔力切れした奴は数えるくらいしか見てない。
 それに数が多い事を考えたら、交代して休憩されたらそれでお仕舞い。

 ……あんた、マナ・ドレインとか使えない?
 だめかぁ、残念』


◆ 魔力切れ関連

『この霧がある限りは……。
 少しずつ消費する程度なら、狙うのは難しいでしょう。
 ただ、奥へ進んで霧が薄まれば、恐らくは。

 もしくは、さっきこの子がやったように、一度に大きく使ったなら、いけるでしょうね。
 こちらの場合は、そんな魔法を使えるのかという点と、
 それを使われた時に僕達が耐えられるかどうか、という問題があります』


◆ 遠距離攻撃魔法について

『あるわ。
 エア・カッターが私も使える。
 ……ただし威力は期待しないで。
 一撃で命を取れるようなものじゃないわ。

 それに、私を攻撃に回すなら索敵精度が下がるのは覚悟して頂戴』


◆ ボス猿について

『そういった存在がいるかどうかは、まだ確認できていません。

 ただ、存在する可能性はあるでしょうね。
 その場合、リーダーを失った群れがどうなるかは未知数ですが。

 長が殺された事に激昂するのか、恐怖するのか……賭けになるかと思います』


◆ 弱点らしい弱点

『膨らんだ頭部、かしら?
 普通に考えれば脳が入っていると思うし、首を刎ねれば当然終わりでしょうね。

 習性としての弱点なら……そうね。
 あいつらは侵入者を絶対に許さない。
 最後の最後まで、絶対に追いかけるわ。

 ……誰か一人を囮にすれば、数は間違いなく分散して減るはずよ』


◆ 会敵時はどうしていたか

『基本的に逃走一択です。
 こちらが一度攻撃する間に、何倍もの攻撃を受けます。
 とても戦って勝てる相手ではない、と僕達は判断していました』


◆ 布ある?

『あんたのボロボロフードがそこに落ちてるじゃない……。
 っていうか、こいつの防寒着借りてまで顔見せたくないわけ?』


◆ 攻撃を受けた経験

『あるわよ。
 威力はそれほどじゃないわ。
 少なくとも、直撃したって腕が落ちたりはしない。
 こいつの魔法で簡単に治せる。

 ただし、当たり所が悪ければ当然重傷になるし、縄張りの中で治療する余裕はないでしょうね』

作戦候補の安価を取ります


あなたが二人へと提案した作戦は……


1)
宝を探して金集めて人雇って討伐隊結成
数には数で戦争に持ち込む


2)
あなたがフィジカルブースト耐久5を行使して
何匹か猿を縄張りぎりぎりまで釣ってきて
エルフと少年にバックアタックさせる


3)
分担はエルフが索敵と風、少年が光とかで混乱誘う、貴女がガードと投石での牽制
見つかったらブースト敏捷+3で少年と速度を合わせる、ガードは主に手袋で


4)
布と爪でスリング作成を試し、石を広い集めておく
全員蜘蛛の殻の中に籠もって移動 壊されたら少女・少年の魔法で錯乱 錯乱中に投擲による攻撃を狙う


5)
分担はエルフが索敵と万が一で風、少年が光とかで混乱誘う、貴女がガードと投石での牽制
投石用の石を集めるのと突入前にペーストを貴女と少女使用
ブーストは敏捷3耐久5


>>↓

先に三票獲得した物に決定します
40分までに三票集まらなければ多い物を、最大獲得数が複数あれば先に集まった物になります
自分の意見に自分で票を入れても構いません


作戦が決定されました


突入前に投石用の石を集め、ペーストをあなたと少女が使用します。
少女が索敵と万が一のための暴風役。
少年が光による混乱役。
あなたが防御と投石での牽制役。
あなたはフィジカル・ブースト敏捷3耐久5を使用します。
作戦決行は夜。




あなたは長い思考の末、二人へと作戦を提案した。

凡そ正攻法と言って良いだろう。
今まで二人がやってきた突入法、そこにあなたの能力を加算した、奇を衒わない物だ。

だが、それだけ、と言える程あなたの力は小さくはないはずだ。
今までの二人には存在しなかった、攻撃と防御の手。
その影響は突入前の時点では未知数であるが、少なくとも二人の心に小さな希望を宿すには十分であった。


『……そうね、それで行きましょう。
 急に大きくやり方を変えても、十分に対応が出来るかは分からない。
 シンプルな方がこっちもやりやすいわ』


『僕も同意見です。
 ただ、一つだけ修正案を。

 僕も使えるから分かりますが、フィジカル・ブーストの全力使用は、決して軽い魔力消費ではないはずです。
 彼らは外敵の発見後、攻撃を行う前に仲間を呼びます。
 全力使用は、仲間を呼ぶ声が聞こえてからで良いでしょう』



※ 発見されるまでは敏捷3のみを使用しているものとして、魔力が消費されます
※ 発見後は自動的に敏捷3耐久5が適用されます、行動宣言は必要ありません


あなた達はまず、投石用の石を拾い集めた。
重すぎず軽すぎず、あなたの手に馴染み、投げやすい物を選別する。

幸い、この迷宮は草に覆われただけの極普通の土の地面となっている。
石は数多くあり、そう時間はかからなかった。


石を集め終えたあなたに、少女が声をかける。


『はい、これ。
 そのまま持っていくんじゃ、余計な音が出るわ。
 一個ずつ、これに包んでおいて』


少女が差し出したのは、布の切れ端だ。
その材質にあなたは見覚えがある。
あなたの顔を隠していた、今はボロ屑になってしまったフードの切れ端だろう。
短剣で何かをしているのは視界の端に映っていたが、どうやらこれを加工していたらしい。

あなたはありがたく布を受け取り、石を包んだ。


【投石用の石 x20】 を入手しました。


そして最後の準備、魔術師の手によって作られた、蜘蛛の心臓ペーストを携帯食に塗り、食べる。

使うのはあなたと少女、二人のみ。
瓶の中には一人分が残されている。
突破が出来ず撤退したとしても、あと一回は使う事が出来るだろう。
勿論、魔術師が語ったように、その期限は短い物であるが。

携帯食を齧る、軽い音が部屋に響く。
少年もあなた達に付き合い、何も塗らない物を口にしている。

突入前の緊張感からか、その場は沈黙が支配する。

縄張りの中、聴覚に優れた猿の前で会話を行う余裕は当然ないだろう。
あなたが二人に何かを伝えたい事、あるいは聞きたい事があるならば、これが最後の機会となるはずだ。


>>↓1  どうする?

撤退の目安について
例えば1/5進む前に発見された場合とか?


◆ 二人の合計友好度判定……成功



『僕達はこれまで、強行突破は2/3のラインを想定していました。
 その時点で十分な余裕が残っていなければ、絶対に突破は不可能だろうと。
 勿論、そこに辿りついた事すらありませんが。

 逆に撤退のラインは1/3です。
 そこに達する前に発見された場合は、即時撤退。
 これを徹底してきています。

 ですが、今回は……』


『今回は、あんたが居る。
 化け物としか思えない、訳の分からない戦闘能力を持った、あんたがね。

 私達はずっと挑み続けてきたわ。
 森が迷宮になってからずっとずっと、何年も。
 これで突破できないなら、私達にもう希望はない。

 ……撤退の判断は、あんたに任せるわ』



※ 自由なタイミングでの全員の撤退判断が可能になりました


◆ 【蜘蛛の内臓ペースト】 の効力により、これより二時間、魔力消費が30%軽減されます



そうして全ての準備が完了した。
あなた達は通路、縄張りの始まりを示す印の前に立つ。

踏み込んだ以降は声を発する事は自殺に等しい。
全ての情報を無音で伝えるためのハンドサインを確認しあう。

それを終えて、少女はあなたの背後に回った。


『……これ、あんたの荷物に入れておくわ』


少女があなたのリュックを開け、一片の羊皮紙を無理矢理に突っ込む。
何事かとあなたが問えば、少女は通路の先を睨み、答えた。


『もしもの時のためよ。

 最北端には、私が居ないと入れない。
 強行突破を選んだ時に、最後まで私が生きているとは限らない。
 もし私が死んだら死体か、邪魔なようなら首か心臓を持っていって。
 それで入れるはずよ。

 ……そうなった時に、最北端でやって欲しい事と、安全に脱出する方法を書いておいた。
 この中で一番死ににくそうなのはあんただからね。
 勿論、そうならないのが一番だけど』


そう言うと、あなたに口を開く暇も与えずに、少女は縄張りへと踏み入った。



◆ 白の森北部 【猿の縄張り】 の特殊攻略を開始します


縄張りの中は、一見してこれまでの様子と変わりはなかった。

白の霧、絡み合う木々の壁、頭上に張り出す枝葉……。
森の中で、あなたが十分に見慣れた物ばかりだ。

だが、ここは既に死地。
あなたの背後にぴたりと寄り添う死神が居る事を、忘れてはならないだろう。


あなた達は一塊となって、深い闇の中を進む。
先頭はこれまで通り少女が務め、索敵を担う。


通路はすぐに左へと折れていた。
少女はまず耳を澄まし……


◆ 少女の能力により聞き耳判定に自動成功します


そして、僅かに顔を出し、窺う。
ややあって上げられた手は、異常なしを示していた。


しかし、道を曲がり少し進んだ後、すぐに少女は手を上げた。
【静かに】 と告げられている。

道が二つに分かれた内の、右手側。
そちらから何かが動く音が聞こえたようだ。
何かとはつまり、ここでは猿に他ならない。





少女はあなたへ振り向いて、判断を待っている。
周囲は霧に包まれ、あなたに道の先の様子を見せようとはしない……。


>>↓1  どうする?

警戒、音消し、正面へ


あなたは音を消しながら正面へ進むと示した。
それに従い、十分な警戒を払いながら、あなた達は慎重に足を進める。


>>↓1 コンマ判定 【隠密】

敏捷 4
ブーツ 1
慎重 2

目標値 7


……その瞬間。
あなたの足元から、パキリ、と音が聞こえた。

見ればそこには一本の枯れ木。

少女と少年が無音の驚愕を纏い、慌ててあなたを見つめる。



>>↓1 コンマ判定 【不運の回避】

幸運 9

目標値 9

【不運の回避】

目標値 9  出目 10

ファンブル!!



幸運とは一体なんだったのか……


ギィ、としわがれた声が、あなたの耳に届いた。

始めは一つ。
すぐに二つ。
返して四つ。

まるで雪崩れ始めた山のようだ。
鳴き声は瞬く間に数を増やし、樹上を駆ける足音までが響きだす。


『こんの馬鹿……!
 完全に見つかった!

 逃げるわよ、いいわね!?』


少女が明確な怒気を孕んであなたを罵倒する。
最早隠密の意味は無い。
不埒な侵入者を排除せんと、樹上の音はあなた達を取り囲もうとしている。


>>↓1  どうする?

撤退


……あなた達はすぐさま踵を返して縄張りを脱出した。

不幸中の幸いである。
縄張りの入り口も入り口でしかなかったお陰で、猿達の行動があなたを害する事はありえない。


が、猿の代わりに怒れるエルフがあなたの胸ぐらを掴み上げる。


『何やってんのあんた!
 こんな一歩目で枝踏むって、馬鹿じゃないの!?
 私達の最初の頃だって、こんな無様なかったわよ!』


少女は胸ぐらを掴んだまま、あなたをグラグラと揺さぶる。
少年も、まぁまぁ、などと取り成しながらも積極的に少女を止めようとはしない。
よくよく見れば、笑顔ではあるもののその目は笑っていなかった。


……縄張りからは、ギィギィと騒ぐ猿の声が聞こえる。
侵入者が他に居ないか、総出で探しているのだろう。

この分では、今夜の潜入は諦める他はない。

あなた達はすごすごと、大部屋へと戻り、座り込むのだった……。



>>↓1  どうする?

隠し通路でも探す…?


【隠し通路探し】




>>↓1  どこを探す?

蜘蛛ジャムが…
未探索箇所にでも行くか


重々しい沈黙に耐えかねたあなたは、立ち上がり声を上げた。

そうだ、隠し通路を探そう。

……その声への返答は、冷えた二つの視線だった。
少年と少女は座ったまま、じっとりとあなたを睨み上げる。

そのまま数秒、あなたの頬を冷や汗が伝い始めた頃。


『……はぁ、もういいわよ。
 あんたは慣れてないわけだしね。
 次からは私がもう少しフォローするわ。

 で、通路探し?
 じっとしてても仕方ないし別に良いけど……』


少年が地図を広げる。


『未探索箇所でも探ってみましょうか。
 この大部屋までの通路は二回も通っています。
 隠し通路があるなら、この子が見逃すとも思えません』


何とかそういう事に落ち着いてくれた。
あなたはほっと息を吐き、腰の双剣の感触を確かめ、探索に備える。


さて、未探索箇所へ繋がる道は二つ。
大部屋からすぐ西の分かれ道の先と、最初の小部屋からの道。
どちらを探るべきだろうか?

縄張りを夜に攻略すると決めた以上、睡眠は昼か夕に取る事になるだろう。
未だ夜は半ばを超えていない。
時間は十分にあるはずだ。


1) 縄張り前からの分かれ道

2) 最初の小部屋からの道


>>↓1  どうする?

1)


大きく回って縄張りへ繋がるとして、怪しいのは当然西だ。
あなた達は大部屋を出て、通路へ移動する。

その途中、あなたは二人の背に声をかけた。


"さっきは、ごめんなさい"


少年はにっこりと微笑んで頷き、
少女は少し考えた後、悪戯でも思いついたような顔で振り向いた。


『酒場で、私はあんたを殺しかけた。
 で、さっきあんたは私を殺しかけた。

 おあいこよ。
 これで対等って事でいきましょ』


今までも十分に対等な態度であったように思う。
などとは勿論あなたの口からは出なかったが、やはり少女に対しては一言多い少年が言うのだった。


◆ 今更ですが、少女の能力により聞き耳判定の大半が、少年の能力により知識判定の全てが省略されています





あなた達が縄張り前を左に曲がってすぐに、あなたの耳は音を捉えた。

無数の足音だ。
小さな何かが草を掻き分け走る音が、正面から聞こえてくる。

襲撃に備え剣に手を伸ばそうとするあなただったが、それを少年が止めた。


『安心して下さい。
 シックスレッグ・ラットの群れです。
 こちらに目もくれずに走り抜けると思います』


少年の言の通りだった。
すぐに姿を現した大き目の鼠達は、あなた達から距離を取るように壁際を、
あるいは器用に壁の木を掴んで走り、凄まじい速度で大部屋へと駆けていく。


『こいつらは群れの中の一匹を犠牲にする事で罠の有無を探ります。
 大部屋に危険がない事をすぐに察知してしまうでしょうね。
 あの部屋で休むなら隣で走り回られるかも知れません。
 まぁ、害は無いので問題ありませんけど』


◆魔物の情報が開示されます




■シックスレッグ・ラット


不確定名 : 六足鼠 もしくは 鼠

ほぼ全ての迷宮に棲息する、鼠の魔物。
六本の足の先には鋭い鉤爪を持ち、それを用いた木登りが得意。

草食性であり、基本的には害は無いが、
共生関係にある魔物へ危害が加えられると集団で襲い掛かってくる場合がある。


【筋力】 1
【耐久】 1
【敏捷】 10
【感覚】 5
【知識】 1
【意思】 1
【魔力】 -


◆特殊能力


【集団行動】

この生物は高確率で複数体同時に現れる。
また、単体の場合は仲間を呼ぶ可能性がある。


【犠牲】

この生物は群れのために犠牲になる事を厭わない。
あらゆる罠を群れの中の一匹を犠牲にして看破する。


◆ 地図情報が更新されます





通路をまっすぐに進むと、再び分かれ道へ差し掛かった。
一つは入り口側へ、もう一つは森の奥へと伸びている。

少女は、そのどちらからもおかしな音は聞こえない、とあなたへ伝えた。


>>↓1  どうする?

入り口側

あなた達は入り口側へ向かった。

隠し通路探しが現在の主目的ではあるが、退路の確保も重要である。
ついでに確認できるならしておいた方が良い、という少年の意見によるものだ。


大部屋一つ分程の長い道を進み、右へ折れる。
すると少女が分かれ道で足を止め、おもむろに地図を広げた。

じっと地図を睨み……。


『……これ、下手したらこのまま通路だけで入り口に繋がってんじゃないの?』


うんざりとした声を出す。
実際、地図を見る限りその可能性は高そうだと、あなたにも思えた。





もしそうならば、あの大蜘蛛との戦闘は避けられる物だった、という事になる。
が、蜘蛛を倒したお陰で迷宮内の拠点を確保できた事も事実なのだ。
決して無駄ではなく落ち込む必要はないと、あなたは少女を慰めた。


地図をしまった少女が、あなた達二人に伝える。
正面から音が聞こえるようだ。

何かを咀嚼する音。
それは湿った感触に覆われているという。
恐らくは、道の先で肉食の魔物が獲物を食らっている。

音源は二つ。
餌に夢中になっている所を奇襲すべきか、それとも静かに入り口側へ向かい距離を取るべきか。


少年の知識によれば、この時間に狩りを行うのは狼である場合が多い。
特殊な能力はその体。
闇色の体毛に覆われたそれは、闇から闇へと瞬時に移動する力を持つらしい。

つまり、夜である今は、何の前触れもなく突如獲物の背中に牙を突き立てる事が出来るという事だ。

が、あなたのパーティーには光を操る少年が居る。
彼が無事である限りこの能力は封じられ、狼の脅威はその大部分が削り落とされるだろう。



>>↓1  どうする?

光を発して驚かせた所を投石する


あなた達は奇襲を選択した。

狼達は光に弱いという。
周囲は闇。
強烈な光で照らしてやれば、恐らく驚愕に動きを止める。

そこをあなたが投石で狙う。
静止した標的が相手だ。
命中率は高いだろう。


『ただし、問題は霧よ。
 上手く隠れて近付けたなら良いけど、
 遠ければ遠い程、光の効果も石の命中率も低くなる。
 十分に注意して』


>>↓1  戦闘準備を行えます

特にしなくていいんじゃないかな
ただ、投石に失敗したら耐久+3で


あなたは奇襲の準備を終え、二人へ頷いた。
片手には三個の石、もう片手には一個の石。
都合四回までは連続して投げる事が出来る。

あなた達はそっと道を進む。
少女は、縄張りでのあなたのミスを当然覚えている。
そのフォローに抜かりはなかった。

道の先は広く開けている。
どうやら大部屋のようだが、内部に狼が居る以上、大蜘蛛は居ないはずだ。



>>↓1 コンマ判定 【隠密】

敏捷 1
ブーツ 1
隠密支援 2 (支援者の敏捷の1/3、切り捨て)
食事中 3

目標値 7


音を消し、ゆっくりと近付くあなた達に、狼は気付いた様子はない。

ぶちぶちと肉を千切る音があなたの耳にも届く。
それによって、凡その位置は把握できた。
光に照らした後、標的の位置を探って一瞬動きを止める、などという無駄は省けるだろう。

ここで足を止める必要は、未だない。
もう少し近付けば十分な命中率が確保できる。


>>↓1 コンマ判定 【隠密】

敏捷 1
ブーツ 1
隠密支援 2 (支援者の敏捷の1/3、切り捨て)
食事中 3

近距離 -2

目標値 5


その時、肉を食む音がピタリと止んだ。


『今!』


少女の声が響く。
同時に、あなたの背後で白い光が弾けた。

完璧な接近には失敗した。
だがそれでも、あなたの両目がそれを捉えるには十分な距離だ。

部屋に漂う霧の向こうに、驚愕に動きを止める二つの闇が、確かにある。

その内の一つ、より近い方へと向けてあなたの腕が振るわれた。





>>↓1 コンマ判定 【投石の狙い】

筋力 4 (筋力敏捷複合判定 各1/2 切捨て)
敏捷 0 
装備 1
距離 1
静止 3

白霧 -1

目標値 8


【投石の狙い】

目標値 8  出目 1

クリティカル!!


あなたの動きはそれだけでは止まらない。

一投目を終えたその瞬間、流れようとする体を全身の筋力を以って振り回す。

あなたの背後に居た少年は、確かに見ただろう。
それは地面を陥没させるほどの一撃。
大地に叩き付けた踏み込みによって生まれた反動に乗り、予備の石全てが解き放たれた。

全ての石は吸い込まれるように、二頭の狼へと直撃する!




>>↓1 コンマ判定 【投石の威力】

筋力 9

目標値 9



>>↓1 コンマ判定 【投石の威力】

筋力 9
三連 3

目標値 12

間違えた、下の判定は↓2です
セルフ


◆ 本来は距離による威力減衰がかかりますが、命中クリティカルにより無効化されました
◆ 今回の場合の減衰補正は 【-2】 でした


【一投目】

目標値 9  出目 3

差 6


【二投目】

目標値 12  出目 3

差 9





あなたの投石は劇的な結果を齎した。
それを直視した少年と少女は息を呑む。


初めの一投は良いだろう。

頭部に直撃したそれは、何かを砕くような音を響かせ、狼を昏倒させた。
死んでいるかどうかは未だ不明だが、まずまともには動けまい。
こちらは、まだ常識的な結果である。


問題は、三つの石をその身に受けた奥の一頭だ。

胴に、穴が開いている。
あなたが投げたのはただの石だ。
鋭い刃を持つ物では、決してない。

にも関わらず、三つの内一つが毛皮を突き破り、その腹の内を蹂躙したのだ。

狼は口から真紅の血を吐き出し、苦しみ抜いた後に動きを止めた。



……あなたの完璧な投擲により、ここに勝負は決したのだ。


未だ息のあった一頭は、素早く近寄った少女の短剣により、その命を終えた。

部屋の中には二頭の狼の死体と、一つの食い荒らされた死体。
近くで観察できたあなたには、それが角のない鹿であると気付く事が出来る。


『……本当、筋肉だけはとんでもないわね、あんた』


少女の呆れる視線もやむ無し。
あなたが化け物である証拠は目の前にあるのだ。



◆ 地図情報が更新されます





>>↓1  どうする?



◆ 少年の知識により、魔物の情報が開示されます


■シャドウ・ウルフ


不確定名 : 闇色の狼

黒い体毛に覆われた狼。
闇から闇へと瞬時に移動する能力を持つ。


【筋力】 6
【耐久】 4
【敏捷】 8
【感覚】 9
【知識】 5
【意思】 5
【魔力】 2


◆特殊能力

【脆弱 : 光】

この生物は光に対する脆弱性を持つ。
光によって照らされた場合、敏捷の能力値に-2の補正を受け、影渡りの能力が奪われる。


【影渡り】

この生物は闇から闇へと瞬時に移動する。
この能力による奇襲を受けた場合、回避判定に-5の補正。
更に、被害判定の結果に関わらずダメージ量が+2され、ファンブル範囲が拡大する。


【闇色の体毛】

この生物は闇に溶け込む色彩の体毛を持つ。
暗闇での目視判定に-3の補正。
この能力は魔力視によって無効化される。


【鋭敏な嗅覚】

この生物は敏感な嗅覚を持つ。
嗅覚判定に常に+1の補正。
また、一定距離内の臭いを確実に感知する。



※ 今回は食事中のため、嗅覚補正は適用されませんでした


あなたは狼の死体を二人に任せ、鹿を観察する事にした。
狼の死体をどうするにしろ、知識に乏しい自分よりも二人の方が上手くやれるだろう、との判断だ。

緋色の毛皮を持つ鹿の体は乱雑に切り開かれ、内臓の大半が失われている。
それは極普通の、肉食動物の餌食となった草食獣の末路としか思えない。
そもそも、あなたが鹿の知識を持たない事は既に証明されていた。

だが、あなたのパーティーには白の森に関する膨大な知識量を持つ少年が居る。
少年は狼の死体から何かを剥ぎ取りつつ、鹿を気にするあなたに伝えた。


『ヴェンデッタ・ディアーのメスですね。
 複雑で動きの読みにくい動きをします。
 正面からぶつかるならやりにくい相手なんですが、この狼の能力の前では無力でしょうね』


>>↓1  どうする?

鹿肉で猿を縄張りの外におびき寄せれないか


鹿の肉を使って猿を縄張り外におびき出せないだろうか。
もし可能ならば、敵の数を突入前に減らす事も出来るはずだ。
あなたは少年へ質問を投げかけた。


『残念ながら、彼らは肉を好みません。
 口にするのは野草や果実、穀物といったところです。
 鹿肉を置いてみても、何の効果もないと思いますよ』


との事だった。
罠として使う事は難しそうだ。


>>↓1  どうする?

とりあえず焼いておけばある程度保存できる食料になるんじゃない


あなたは考えた。
少年の知識により、鹿が食べられる事をあなたは知っている。
これを焼いておけばある程度の食料となるのではなかろうか。

あなたはいそいそと器具を取り出し、調理の準備を整える。
それを見た少女が、またも呆れた声を出した。


『……あんたもあの変人魔術師の同類なわけ?
 迷宮内で料理なんて、何考えてるのよ。
 肉を焼く匂いで魔物が寄ってくる可能性もあるのよ?』


少女はあなたの調理に反対している。


>>↓1  調理を続けますか?

やめる


反対されているのに無理に続ける事もない。
あなたは渋々と調理器具を片付けた……。


二人は剥ぎ取りを終えたようだ。
何を入手したのかと聞けば、心臓であるらしい。

生物の魔力は心臓に宿る。
時間が立てば徐々に霧散するものの、完全に価値を失うまでは数日がかかるようだ。
それまでに街の魔道具店に持ち込めば金になるという。

換金性を考えれば、心臓が一番手軽だと、少年は語った。


剥ぎ取りも終わり、あなた達の手は空いた。
自由な行動が可能である。


>>↓1  どうする?

進もう





あなた達は地図を広げた。

大部屋からは西と南に通路が伸びている。
入ってきた通路へ引き返して入り口側に向かうのも含めれば、道は三つだろう。

あなた達が選んだのは……。


1) 大部屋から西へ

2) 大部屋から南へ

3) 引き返して通路の分かれ道へ


>>↓1

西へ



◆ 地図情報が更新されます





部屋を西に出ると、すぐに南北の分かれ道になっていた。
少女が耳を澄ませ、頷く。
どうやら異常は無いらしい。


1) 北へ

2) 南へ


>>↓1



◆ 地図情報が更新されます




北へ進むと、今度は東西の分かれ道であった。
左右を見渡すと、左方、つまり西の道の先は急激に霧の濃さが増しているのが分かる。

あなたは雑貨屋の店主の言葉を思い出す。
方位磁石がなければどちらを向いているかすら分からないという濃霧。
恐らく、これの事なのだろう。


『どうやら最奥部方面への道ね。
 濃霧が目印になってて分かりやすいわ。
 とりあえず、そっちには用はないわね』



>>↓1 コンマ判定 【幸運な出来事】

幸運 9

目標値 9


【幸運な出来事】

目標値 9  出目 5

判定に成功しました




その時、後方を歩いていた少年が声を上げた。


『……本当にありましたよ、隠し通路。
 もっとも、攻略に影響のある道ではないようですが』


あなたがそちらへ振り向けば、少年は木から垂れ下がる小さな青い木の実を指差していた。
少年はおもむろにその果実に触れ、目を瞑る。

魔力の扱いに長けたあなたならば分かる。
木の実へと向けて魔力を譲渡しているのだ。

数秒後、木の実は煙となってどこかへ消え、絡み合う木々が口を開いた。


『白の森の青い木の実は魔力を、赤い木の実なら生命力を、それぞれ譲渡する事で隠された道を開きます。
 ただ、力の制御が十分に出来ない場合は、容赦のない吸収が行われるので注意が必要です。
 もっとも、あなたなら当然問題ないでしょうけれど』



◆ 隠し通路を発見しました、地図情報が更新されます



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