[[遭遇>シナリオを自作する#Encounters]]
「
遭遇(Encounters)」というのは、PCがNPCや
動物、
罠など「
GMがシナリオに設定している事件」にぶつかることです。
遭遇には3つの種類――「計画的な遭遇」「即席の遭遇」「ランダムな遭遇」があります。しかし、これは
GMにとっての区別であり、プレイヤーにとってその遭遇がどの種類のものであるかを知る方法はありません。
●計画的な
遭遇(Planned Encounters)
これは予め
GMが準備しておきます。PCが、いつ
遭遇がおこる場所にやってきて、誰に(どんな
動物に/どんな
罠に)出会うのか――冒険の中で重要な役割を果たす
遭遇は、すべて事前に計画をたてておくべきです。
もちろん
遭遇がなにもかも計画通りにいくことはめったにありません。
GMはつねにプレイヤーの行動にあわせる準備もしておくべきです。たとえば、
GMが“ブルー・ボア”という用心棒との遭遇を計画していたとしましょうけれど、PCは一向にその場所に近づこうとしません。その場合、PCをその場所に移動させるため、なんらかのヒントを与えます――すこしやりかたを変えて、PCがふだん宿泊している宿屋の主人に“ブルー・ボア”のせりふを言わせるのもいいでしょう。より柔軟な対応ができれば、PCたちが“操られている”と感じることも少なくなります。印象というのはリアリティより重要なのです!
●即席の遭遇(Improvised Encounters)
これは、物語があらかじめ予定していた枠をはずれないように、
GMが「その場で」考える
遭遇です。もっとも単純な「即席の遭遇」というのは、1人の老人(酒場で見たことのある老人です)が道の前に現れて、「引き返せ!汝らは道を誤っておる!」と告げる........といったものです。PCは即席の
遭遇によって、正しい道に至るための手がかりやヒントなどを得ます。
即席の
遭遇は、プレイヤーたちがふつう考えないような行動をとったときにも使います。たとえばPCたちが、旅行中に山賊に襲われた公爵と出会ったとします。ヒーローたちは山賊を追い払って公爵を救います。公爵は家宝を見つけてくれたら報酬を払うと申し出ます。プレイヤーはそれを受理しました。しかし山賊も宝を狙っていたのだと考えて、手がかりを得るために彼らを狩り出そうと決心しました。あなたは単に公爵を関係づける手段として山賊を登場させただけなので、「山賊は見つからなかった。どうやらおそれをなして逃げたらしい」と言うこともできます。あるいはパーティに山賊を発見させて、無意味な
戦闘で打ち負かさせてもかまいません。しかし、
遭遇を即席で考えたほうが、より面白くなるでしょう。
もしヒーローたちが巧みに山賊を追跡して制圧し、尋問したときには、手がかりでそれに報いてもかまいません。つまり、山賊のうちの1人が、公爵の家に代々伝わるクロークの留め金を引っ張って宝石をとろうとしたとき、それが開いて古い
地図の破片が明らかになるのです!
●ランダムな遭遇(Random Encounters)
GMは
遭遇をランダムに作成することもできます。「ランダム
遭遇表」――サイコロの目に応じた
遭遇の一覧です――を用いるのは、こうしたやりかたの1つです。「
遭遇表の例」(477ページ)を参照してください。これは最も単純な例です。シナリオのなかには、イベント満載のランダム
遭遇表だけでできたものもあります。これを使えば、たとえ事前に準備をしていなくても、何時間も楽しむことができます。この種のシナリオを使うのは時間の節約にはなりますが、本当の意味での冒険にはなりません。
また、サイコロを振って、登場するNPCの数値を決定する方法もあります。
ランダムな
遭遇に大事な場面を頼るのでなければ、そのバラエティの豊富さによって、
GMはささいな
遭遇を考える手間から解放されます。しかしその場合でも、プレイヤーたちにランダムな
遭遇であることを知られてはいけません。もしその
遭遇が「プロットにないもの」だとわかってしまったら、プレイヤーはいつもと違った対応をするかもしれないからです。