あらゆる架空国家が併存するモザイク世界

ハッピーパークの溺水事故とは、2017年6月14日にインドシナ連邦に当時あったレジャー施設「ハッピーパーク」のプールにおいて、10歳と9歳の姉弟が溺死した事故である。
この事件は、当時の東南アジアで頻発していた施設内水難事故の典型例の一つとして報じられた。

事故概要

事故が起きたプールは、東南アジアのとある国にある政府系企業が出資する国内最大規模のウォーターパークだった。
その施設は屋内型の巨大なプールや、流れるプールなどの設備があり、特に大きな目玉として全長50mにも及ぶ長さのウォータースライダーがあった。このウォータースライダーは世界最長であり、またその全長は世界一だとされていた。
そしてそのウォータースライダーには世界最長の記録をさらに更新するため、高さ30メートル、傾斜角度60度というギネス記録も保持しているという触れ込みであった。
そのような状況の中、姉弟の溺死事故は起こった。
事故の始まりは、開園からおよそ2時間後のことである。まず最初に異変に気付いたのは、ウォータースライダー近くの監視台にいた係員だった。その係員によると、最初はプールを泳いでいた利用客のうち何人かが、突然バタバタと暴れ出したのだという。それを見た他の利用客たちは慌ててプールから出ていったのだが、ウォータースライダーから動かなくなった人が出てきて、そのまま沈んでしまったという。
そこでようやく騒ぎに気付いた職員たちがプールに入り、救助に当たった。しかしその際には既に10歳の姉の方が亡くなっており、弟の方はまだ息をしていたものの意識はなかったそうだ。
その後すぐに救急隊が呼ばれ、弟の方は病院へ搬送された。そして医師の判断では、彼は重度の低体温症に陥っていたということだ。
弟もほどなくして死亡したが、姉の方は事故の原因について調査が進められることとなった。
当初はプールサイドに残っていた水の中に原因があると考えられたが、姉弟はウォータースライダーから出てきた時には動かなくなっていたことから、スライダー内部に原因があるとされた。
そして調査の結果、スライダー内の排水管が故障して中に水が満ちており、二人は数分に渡って呼吸できない状態であったことが分かった。

ハッピーパークのその後

ハッピーパークは事故後すぐに調査委員会を設置し、報告書を提出した。
それによると、原因は老朽化によって生じた排水管の故障であること、またウォータースライダーの滑車部分の老朽化が著しく、今後修理しても安全性を確保できない可能性が高いことが認められた。
また事故発生時の監視員の証言によれば、姉弟がプールに入った時点で既に水位は低くなっていたため、姉弟が溺れたのは不運な偶然によるものであった。さらに監視員は他の利用客たちから、彼らが騒いでいる様子は見ていないという報告も受けていた。よって今回の事件については、不幸な事故として処理されることが決まった。
しかし、この事故をきっかけにハッピーパークの経営状態は急速に悪化していった。それは経営の悪化に加えて、経営陣がウォータースライダーの安全性に疑問を抱き始めたことが理由であった。その結果、2018年12月には経営陣が総退陣し、経営権も別の企業へと譲渡されることとなった。
こうしてハッピーパークは事実上倒産することとなった。

訴訟

姉弟の遺族は、溺水事故はは安全管理の不徹底が原因であるとし、合計約7500万円の損害賠償をハッピーパークに求める民事訴訟を起こした。
ハッピーパーク側は姉弟の死の責任はないと主張し、また姉弟の遺体を引き取りたいと主張した。しかし裁判所はこれを却下して、姉弟の遺体は遺族に引き渡し火葬された。そして遺骨は姉妹の共同墓地に埋葬されることになった。
裁判の結果、ハッピーパークは要求通りのの賠償金を支払うこととなり、負債は約1億2000万円にも上った。

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