「終電…」 「逃しちゃったねー」 御影京一、八坂透。
この二人の恋人達は真夜中のビル街の中、互いに同じ立場、同じ状況におかれて全く別の反応を示していた。
「初めての朝帰り…よからぬ期待で一杯ですかぁ、京一クン?」 「はしゃぐな、この酔っ払いが。」 「だってだってさぁ」 二十歳にもなって未だにあどけなさが抜けない透がキャッキャッと喜ぶ一方
まだ二十歳大学生なのに時折社会人とも間違われてしまう恋人兼お目付役の京一はどこか気怠げな顔をしていた。
「なんでこんなことになったんだか…」 「ハハ、詰井君のせいだよ、詰井君の。」
時は遡って約半日前 今日は年1で行われる開拓高校の同窓会だった。 一年ぶりに、といっても大体が農業推薦利用して似たような大学に行っていることが多く
結構顔を合わせることも多かったりするのだが
何にせよ開拓高校の同期の桜が集まってドンチャンする楽しい晩餐だったのである。
高校当時と殆ど変わらない面々(一部例外有り)と大いに食事を楽しみ、二次会まで参入した…まではよかったのだが
「まさかカラオケ2時間延長とはな…」
「詰井君完全にヤケクソだったよねー。なんでだろ?」 「…気付いてないのかお前」 「何に?」 多分二次会に参加した面々の大半は気が付いていたと思われるが
元から天然な上に酒で最高にハイになってしまった彼女に対して、そこまで察することを望むのは酷だろう。
「…いい加減寒くなってきたな。」 「厚手のコート着てくれば良かったねぇ。」 元々野球のシーズンオフを狙って決めた日程なので気温の低さは当然のこと。 二人はビルの隙間をくぐり抜けた冷風を凌ごうと互いに身を寄せ合って寒さを凌いでいた。
かつては手を繋ぐだけでも顔の火照りを感じた物だったが、残念ながら今はそれほど初な関係でもない。
とにかく、今は寒さを凌ぎきることだけを考えなくてはならない。
「朝帰りは仕方ないにして…どっか時間潰せる24時間営業の…」 『適当に時間潰せる24時間営業の店か何かはないか』と言いかけて、そこでストップした。 透が意気揚々と目の前の建物を指さしていたからだ。
その細い人差し指の先にあったのは妙にギラギラとしたネオン輝く看板、その後ろにある派手な外装でまとまったホテル。
「あそこでいいんじゃない?使ってみようよ!」 最近はファッションホテルだとか、カップルズホテルだとかの遠回しな言い方をすることもあるらしいが要はラブホである。
「…マジで言ってんのか?」 「普段家で済ませちゃうからこーいう所使ってみる良い機会でしょ?」 目を爛爛と輝かせる透。 掛け値無しに可愛らしいといえる笑顔だったが、可愛さ余ってなんとやらである。 普段ならこっちから誘っても恥ずかしがるはず。十中八九酒のせいだ。



「ねえねえ、いいでしょー。お金は私が持つからさぁ。」
「い、いや…ちょっと落ち着け。」 迫り来る身長150cm代の透相手に後ずさる180cm代の京一。
ハタから見ている分には滑稽な光景だが、彼にとっては堪ったものでは無い。
酔った彼女の相手をしたことはないが、彼女の酔いの悪さを念頭に置いてみればどうなるのか分かった物ではない。
そのまま後退を続けていると後方の人にぶつかってしまった。
「あっ、すいませ…って小波?」 「あっ、御影君。」 「や、八坂さんも?」 「小波君と冴花ちゃんだー!」

「なんでこんなことになったんだか…」 「京ちゃんさっきも同じこと言ってたよー、ハハハ!」
ガラス張りが目立つことを除けば中々小綺麗なインテリアでまとまった部屋の中、沈んでしまう京一。
それがおかしいのか透は高らかに笑っていた。
そして頭を抱えているのは京一だけではない。
「なんでよりによって状況が悪化してるのよ…」 先ほど遭遇したカップルの片割れ、木村冴花もずんと沈んでしまっていた。 「まぁまぁ、冴花ちゃん!これも良い経験だと思って!」 「…御影君、あなた一体どんな躾をしてるの?」 「俺は教育係じゃねえよ。」

どうやらあちらのお二方も御影・八坂ペア同様終電を逃してしまい、この同じホテルに行くかどうか決めかねていたらしい。
無論冴花は渋りに渋っていたようだが、酒入りでハイテンションの小波を押さえきれないでいるところを彼らに遭遇。 性別毎の立場を入れ替えてしまえば殆どこちらと状況は同じであった。
そしてこの4名が顔を合わせてしまった後、小波と、そして同じくハイになっていた透が意気投合してしまい
一緒にホテルに入るどころか『4人用』の部屋を借りてしまったのだった。
ちなみにこんな事に巻き込んでくれた当の小波は部屋の予約をした後
「今のうちに朝食用のパン買ってくる」と言い残してコンビニに向かってしまった。
「それにしても冴花ちゃん綺麗になったよね〜。」 「べ、別に顔いじったりはしてないんだけど…」 「違う違う、そうじゃなくて、なんかこう…自信が付いてる、っていうのかな?上手く言えないけど
 前よりもいい女になってるよ、間違いなく。ねぇ京ちゃん!」
「俺に振るな、俺に。」 恋人が他人の恋人(同性)にべたべたしてるのにも構わず、完全にそっぽを向いて部屋に備え付いているTVゲームで気を紛らわす京一。
どんな部屋なのか恐れていた割には、意外とやるものはそろっている様子。
ガラス張りが目立つことを覗けば別段変な部屋というわけでもない。ガラス張りを覗けば。
「このせくすぃーな服はどうしたの?冴花ちゃんらしからぬ派手さだけど…」 「えと、その…小波君が気に入ってくれたから…」 「ほぉほぉ…しおらしいなー、男殺しだなー。」 「あんまり人様の嫁に絡み過ぎんなよ。何かあって小波に怒られるのは俺なんだから。」 「よ、嫁って…」
まぁ先ほど透が言ったことにはおおむね同意である。
殆ど変化を見せない高校時代の顔ぶれの中、彼女だけは大いに変わっていた。



髪は綺麗なロングへと変化し、肩だしニットに膝上20cmのミニスカートという扇情的な格好を見事に着こなし
そして何より雰囲気がガラリと変わっている。
あの無機質な表情と威圧的な眼光はなりを潜め、クールな感じを崩さない程度に柔らかな物になり
女性としての自信も付いたのか、男心をくすぐるオーラが出ている。
表情の変化そのものも豊かになり、あの近寄りがたさが消え失せている。 元々顔立ちそのものはかなり整っていた部類で、透らの女子組からも『磨けば間違いなく光るタイプ』などと評されつつ あの鋭い三白眼と無愛想さ、どこか近寄りがたいオーラのようなものが足を引っ張り
地味だ地味だと残念美人の派生種扱いされていた高校時代から打って変わって、グッと垢抜けた女へと様変わりしていた。
…それで京一の心がなびくか、というのは全く別の話だが。

「それにしてもまさか4人して終電逃しちゃうなんてねぇ。」 「…詰井君ときたら、幹事担当したくせにロクなことしないんだから。」
(お前のせいだと思うぞ、間違いなく。)
詰井が密かに冴花に好意を抱いていたのは学校内ではそれなりに有名な話。
といってもそんな淡い好意は我らがキャプテンの彼女に対する猛烈な恋心の前に消え失せ
あっさり身を引いてしまったのもこれまた有名である。
…逃してしまった魚がここまで大きかったと知ってしまえば、自棄になるのも無理はない。
そう言えば去年は二人共来ていなかったからか、久方ぶりの再会だったのだ。
その分ショックも大きかったのかもしれない。
「京ちゃん残念だったねー、冴花ちゃんにアプローチしとかなくて。」 「…お前の泣きっ面を見たくはないからな。」 「えー、流石にそこまで子供じゃないよぉ。」 「ちょ、八坂さん!どこ触って…」 緩みかけた気持ちを再び引き締めて京一はゲームに取りかかる。 酔った透に絡むとろくなことがないのは前々から分かっていた。 「だ、だめ!無理矢理脱がしちゃ…!」 「良いではないか良いではないか!どうせこの後小波君に脱ぎ脱ぎしてもらうんだからさ♪」 「ら、乱暴にしないで、この服高かったんだから…ちょ、待って!」 「へへへ、無理に抵抗したら破けちゃうよ〜」 冴花の悲鳴と透の楽しげな鼻歌が聞こえてくるが、京一は無視してレースゲームを続行する。
しかし今の彼は最低レベルのCPUにすら追いつかれるほど集中力が低下していた。
「よいしょっ!まずは上から…ってええ!?」 「な、何よ……」 一際大きな声を張り上げる透。 京一視点からではよく分からないが冴花のほうが恐らく抵抗を諦めた、もしくは隙を突かれたかのどちらかだろう。 「うわっ、これすごっ!京ちゃん見てこれ!すっごいよ冴花ちゃんのカラダ!」 「ちょ、ちょっと、ホントにやめっ…」 後ろを振り向けば自慢の彼女とかつてのマネージャーがくんずほぐれつしているという蠱惑的な光景が見られる…
という誘惑になんとか耐えようとしている京一。
本人的にはゲームで気を紛らわせているつもりなのだが、先ほどから延々と逆走していることに気付いてすらいない。


後ろから響く黄色い声が好奇心と官能を揺さぶる

―――ついうっかりを装って振り返ってしまいたい…

(いやしかし余所様の女性の裸を覗くことになるがそれは正直…といってもそもそもこんな所に4人で入っている時点で手遅れか
そうだからといって自分から見に行くのと成り行き上仕方なくそうなりましたで終わるのかには雲泥の差があるだろ。
てか今小波は何してんだよ。なんで俺はこんな歯ぎしりしながらゲームしなくちゃならないんだ。
つーか俺はこれからどうなるんだ。乱交とかマジ勘弁。俺、他の男に自分の女を抱かせるような趣味ねーから。
そもそもどうしてこんな…)

「あぁ、冴花ちゃん、そっちはダメ!」
グルッ
「と、透!?」
彼女の悲鳴を耳にした瞬間、京一は悶々とした思考ループを一気にかき消し、慌てて振り返った。
そして首を90度くらい回したところで『あ、これ罠じゃね?』と気付いたが、時既に遅し。
イタズラっぽく笑う下着姿の透、トップレス状態まで追い込まれて泣きそうな冴花の姿がもろに飛び込んできた。
「やーい、引っかかった引っかかった!」 「お、お前なぁ…」 「もうっ、いい加減にして…!」 冴花が腕を振り上げたのとほぼ同時にジャンプして身を離す透。
ケラケラと笑う彼女をにらみつける冴花だったが、その様は喧嘩に負けて意地になっている小学生のようでどこか微笑ましい。
身体の方は小学生からはかけ離れていたが。
(あいつがあんなにはしゃいでたのは…そういうことか。)
一言で言ってしまえば『えげつない』体つきをしていた。
全体的に線が細いにもかかわらず、下品に感じないギリギリの境界線まで出るところが突き出た目にもまばゆい肉体。
かつて散々言われていたヒップは間違いなく90cmの大台に乗っているし
高校時代は隠していたのかは分からないが、今露わになっているバストのサイズも相当な物。
以前冗談で図ってみた透のそれと比較すれば確実に80cm後半にさしかかる値だ。
そうは言っても透も要所要所のサイズの比較ならともかく、全体的なまとまりという観点で比べれば見劣りはしないのだが…
(そりゃあいつがうらやましがりそうな身体では…って何真剣に分析してんだ俺は。)
再び二人の取っ組み合いが始まったのを機に体勢を戻す京一。
しかし流石に本人ももはやゲームなどに集中できるはずもなく、肝心のテレビの中ではコース選択画面でカーソルが意味もなく動き回っていた。


「ねぇ京ちゃんってばぁ…」
「う、うわっ!ひっつくな!」 矛先がこちらに変わった様子。 「ねぇ、そろそろしちゃお?ねっ?ねっ?」 「黙ってろ酔っ払い!」
このまま酔った透のペースに飲み込まれるわけにはいかない。
それ以前に他の女の前で行為に及ぶ気などわかない。
「…ってうおっ!?」
そして振り払おうと腕を振るった瞬間、透に同じ方向に引っ張られ透の下半身に飛びついてしまう。
「おおっ、京ちゃんもノリ気じゃん。」 「白々しいんだよ!」 思いっきり透にはめられてしまった。本人はハメられたがっているのだが。 「おっすただいまー。」
そして最悪のタイミングで小波が帰ってきた。
「おっ、御影君達ヤる気満々じゃん。そんでもって冴花は脱いじゃってるし。」 「えっ、これは違…八坂さんが勝手に…」 「んじゃその続きを味合わせて貰います!」 「………まぁそうなるわよ…ね」 溜息をつく冴花の横顔は、どこか満更でもなさそうにみえた。

「んちゅる、じゅる…んぅ、ちゅうっ…ぢゅううっ…」 「…や、やっぱ冴花、すごい…ね…っ…」 膝を伸ばして座り込む小波の股間に食らいつくように丹念な口淫を施す冴花。
いやらしい水音が部屋中に響き渉り、時折小波の口から切なげな声が漏れる。
純情な中学生なら見ているだけで達しそうなほどいかがわしい光景だった。 「す、すごいね。冴花ちゃん…」 「…相当仕込まれたんだろうな、キャプテンに。」 先ほどまで透にいじめられて顔真っ赤になっていた女と同一人物とは思えない淫らな表情で肉棒をしゃぶりつくす。 「んっ、ふぅ…ちゅう、ちゅるる、れろ…んっ…ちゅるる…」 「…うっ……はぁっ……」
ただしゃぶり続けるだけでなく口から肉棒を離し、舌を器用に使って根元から亀頭まで余すところなく舐め回し
その間に小波の反応をうかがい、恍惚としたその表情に満足したら再び亀頭を口内でいじめ、竿を手でシゴきぬく。 一朝一夕では到底身につかないようなテクで小波のそれをひたすらに愛で続ける。

(…なんなんだあいつらは。)
部屋に入るなり小波は速攻で冴花の唇を奪って長々としたキスを施したかと思うと
先ほどまで散々恥ずかしがっていたはずの冴花は熱に浮かされたかのように小波に奉仕し始めた。
同棲していると耳にする二人の性生活の内容が垣間見えてくるが なにがどうあっても、目の前のあまりにも淫らな雌の奉仕を見ていると、それだけで否応なしに生唾を飲まざるを得ない。
ふと京一が横を見ると、先ほどはあんなにもはしゃいでいた透が固唾を呑んで二人を見つめているのに気が付く。
(わ、私も…ああいう風にしてあげたほうがいいのかな…?)
透が僅かに首をかしげた直後、突然京一が飛びかかった。
「んうぅっ!?」 「んっ…ちゅぅ…んぅううっ!」 小波に対する対抗意識か、それともただの欲望の高鳴りの表れか
先ほどのあっさりとした態度が嘘のように京一は透の唇に吸い付いた。
透が驚いたのも最初だけですぐに舌を伸ばして彼のキスに応戦し始めた。


んっ…んぅ…ぷはっ!…うわっ!?えっ?きょ、京ちゃん!?」
「誘ったのはお前だからな。」 開き直ってしまったのか、京一は透の後ろの回り込むように抱きしめて ほどよい大きさの胸を揉みつつ、潤滑液に満ちた割れ目に指を沈める。 「ちょ、だめぇっ!こ、こっからじゃ見られちゃ…はぁんっ」 「うるさい。」
この体勢だと小波達のほうから丸見えになってしまう…というか京一はそれを狙ってわざと彼女の足を開かせながら
ピンク色の亀裂に入れた指を掻き回すように責め立てる。 「あぁっ、ちょっ、待って、京ちゃ…んあぁあっ!」 悦びの混じった甘い悲鳴が部屋中に響きわたる。 「お前、いつもより濡れてんぞ。」 「だ、だって…」 「…なんかムカつくな。」 「ひゃうぅっ、だめっ、だめだめぇっ、そこつまんじゃぁあっ!」
「…じゅるるるるるっ!」 「うわあぁっ、さ、冴花?」
まじまじと別のカップルの痴態を見ていた小波に、冴花がキツイ一撃をお見舞いした。
自分も気になって気になって仕方なかったのは確かだし、ついそちらに視線をやってしまうのもまた仕方がないとは思うが それでも人が熱心に奉仕している最中に他の女を見ているというのは少しばかり気に入らない。 何より彼女がされてるみたく、自分の事も可愛がって欲しい…
そんな嫉妬と期待を胸に秘め、このまま彼をとっとと口の中でイカせてしまう事に決めた。
「ぢゅぼ、ぢゅるる、ぢゅぼっ、ぢゅぼっ…んんっ、ぬぷぷ、ぢゅぽっっ」 「さ、さえか、そんな、そんなにされると…!」 口内できつくきつく締め上げたまま、顔を上下させ吸い上げる激しいバキュームフェラ。 下品な水音を立てながら激しく吸い付き、強烈にシゴきまくる。 強烈な快楽に耐えようにも、それ以上に精を彼女の淫靡な口の中に放出したいという欲求が強まっていく。 「ぢゅぽぢゅぽぢゅぽ…ぢゅる、ぢゅぽぢゅぽぢゅぽっ!」 「ぐぅぅ…」 締めとして今まで以上に激しく吸い上げ、亀頭が変形するくらいぎゅうぎゅうと刺激しする。 完全にトドメを刺そうとする彼女の舌技に、小波はなすすべも無く限界を迎えた。 「も、もう出ちゃ…うあああっ!」 「んんっ!…ん…ん…んぐぅ…」 勢いよく射精が始まったが、冴花は怯むこと無くいつも通りに彼の精を飲み干していく。
「ひぃいいんっ…そ、そこ、だめっ!だ、だからぁ、つまんじゃだめぇっ!」 京一に執拗な責めに悶える透。
いつもならもっとゆったりとした愛撫を施してくれるのだが、今日の彼の指の動きはいつも以上に執拗でねちっこい。
やはり状況が状況なだけに対抗意識のようなものが出てしまっているのだろうか。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ…」 季節外れの汗がにじみ、息も絶え絶えになったころ ようやく透は解放されやわらかなカーペットの上に倒れ込んだ。 「うはぁ、御影君結構えぐいね。」 「い、いつもそんな感じなの…?」 「…おまえらに言われたくねーよ。」 言い返しながら服を脱ぎ捨てる京一。 「とりあえず場所を移した方がいいな。」 「わっ」
そう言いながら小波はひょいっと冴花を抱きかかえてしまう。
いくら細身とはいえ成人女性を何の苦もなく持ち上げられる身体能力は流石新人王と言ったところか。
「ほ、ほら、透も行くぞ!」 京一も遅れながらにぐったりしている透を抱え上げた。


「んっ…柔らかいなぁ」
「ちょ、噛んじゃ…っ!」
ベッドに場所を移し、冴花の豊満な肉体をその身で感じ取る小波。
右の手でたわわに実った乳房を揉みしだきながら舌で味わい もう片方の手で下半身をなで回す。大きなお尻から太ももの付け根まで余すことなく。 「やっぱりこういうときとかに冴花を選んで良かったなぁ、って実感できるんだよね。」 「そ、それって…身体で、っ、えらんだ、ってこ…ん……」 不安げな顔になった冴花の顔を覆うようにし、彼女の潤んだ唇に口付ける小波。 「またそういうこと言うんだから…こんなに綺麗で可愛いのに…」 「だって、小波君が、変なことぉ、いう、からっ…んっ、はぁん、そ、そこ、つねられるとぉ…」 痛そうで痛くないギリギリのラインの力の強さで彼女の乳首をつまみ上げる。 彼女の身体の大部分は小波が開発し、どこをどうつくとどう反応するかが文字通り手に取るようにわかっていた。 「んっ、も、もう…いいでしょ?」 「何が?」
もどかしさと恥ずかしさが同居した赤い顔で小波に目で懇願する冴花。
先ほどから彼に体中を嬲られながらも、決して秘所には触れてもらっていなかったのだ。
ほどよい肉付きの太ももの付け根、蜜がこぼれ出る淫肉の間を執拗にくすぐられもう我慢の限界だった。
「どうして欲しいの?」 「は、早く…小波君のを…い、入れ…」 「んぁはあああああああっ!」 冴花のおねだりを待ち望んでいた小波の耳に甲高い嬌声が響く。 隣のベッドの方を向いてみれば、京一が座位の体勢で透を突き上げていた。 「ああんっ、ふぁあ、ら、乱暴すぎぃっ!いつもより、きつっ、だめぇっ!」 「………っ…!らあぁっ!」
かけ声と共に一際強い打ち込みが食い込み、透の小柄な一瞬肉体が宙に浮いた。
強烈な一撃の後も躊躇いもなく肉槍をガンガン突き刺す京一。 先ほどから興奮材料を提供されまくった彼には余裕も躊躇いもないようだ。
「……」 「あんなふうに…して欲しい?」 仰向けのまま思わず息を呑んで彼らの姿を見ていた冴花に、小波が問い掛ける。 一瞬戸惑いを見せた冴花だったが、すぐにこくりとうなずいた。 「まぁ、俺自身そうするつもりだったんだけど。」
にやりと笑いながら、小波は彼女の濡れぼそった割れ目に剛直を一気に突き入れた。
「あぁああああああああああっ!!」 透より少し低いトーンの甘い悲鳴が部屋中に響き渉った。 「うっ…わ…」 「はぁん!んっ、すごっ、すごいぃっ!や、やぁあっ、はげしいぃ、こんなのはげしすぎぃ!」
シチュエーションのせいなのか、冴花の身体はいつも以上に淫らに反応していた。
小波の剛直にうねうねと肉ヒダを絡ませ、最奥に達する度にきゅんきゅん締め上げる。
お互いの性器と性器がくねり擦りつき絡み合い、極上の快楽がそれぞれの身に走る。
「お、おっぱい、つねっちゃ、あぁあっ!」 両の手で豊かな胸を揉みしだくのも忘れない。 「はぁっ、はぁっ、さ、さえかん中、きもちよすぎ…っ!」 「わ、わ、わたしもぉっ、んっ、よ、よすぎて、あああっ、ふぁああああっ」 肉棒を離すまいとばかりに膣内が強く締まる。 込み上がる射精感を堪えつつ、歯を食いしばって彼女の中を穿ち続けた。


「と、透…っ…うっ、うぅっ…」
「きょ、きょう、ちゃ…あああああぁぁああぁぁああああっ!!」
ペニスの強烈な攻めと膣の無意識のカウンターの応酬が続く中、冴花のものではない派手な嬌声が響く。
ふと隣りに視線をずらしてみると、京一が強く抱きしめるようにして透を押さえつけていた。
恐らく二人して同時に絶頂を迎えたのだと思われるが もはやそんなもの、目の前の愛する人が与えてくれる悦楽に比べれば気にするものでも何でもない。 「やばっ、イキそ…」 「そ、そのまま、だして!わたしのなかで、ぜんぶ、ぜんぶだしてぇっ!」 限界を迎えようとしている小波を膣内射精の甘美な快楽へと誘う冴花。 彼を誘惑しようという意思は微塵もないのだが、名器の具合とその美しくも淫らな艶顔はどうしようもなく小波を狂わせる。 限界が刻々と迫る小波の腰に、冴花の白い足が絡み付き、ギュッと抱きしめる。 「さえ、か…あぁああっ……ッッ!!」 「いっ、い、きちゃ、あああああぁぁぁあああああああ!!」
どくんどくんと彼女の中に欲望を放出する小波。
冴花もひしと彼を抱きしめ、並々と注がれる精液を受け止めた。 蕩けるような絶頂感を二人で共有し合う。
「…できちゃう、かも……」 長い射精が終わった後、ぼそりとそんなことを呟く冴花。 「んっ…ふぁ、んんぅ…ちゅるる…」
それはそれでいいかな、と思い始めている自分に呆れと恐れを抱きながら首を横に向けてみると
透と京一が抱きあいながら上と下で繋がっていた。
(奥手に見えて…結構二人とも進んでるのね。)
決して激しい動きでは無かったものの、どこかうっとりした透の顔は女の自分から見ても艶めかしく感じてしまう。
「…!?」 暢気に構えていた冴花だが、まだ中に入っている彼のモノが再び起き上がったのを感じた。 『女性の自分でも艶めかしく感じる。』つまり男性の彼が見たら…そういうことである。 「ちょ、ちょっと…少し休ませ…」 「…無理。」 突如として動き出す小波の肉槍。それと同時に再び響き始めた冴花の甘い叫び声。
…悦びの宴はまだ続くようだ。

「ブクブクブクブク…」 「ガキじゃないんだからやめろ。」 「…はーい。」
先に入浴してくれ、と言われたのでお言葉に甘える京一と透。 浴槽のサイズを見るに、4人での入浴も可能で(部屋の用途を考えれば当然とも言える)
小波もそれを提案していたのだが、二人同時に断った。
一緒に入浴するのも初めてのことだというのに、他のカップルと一緒というのは流石にレベルが高すぎる。


「小波君…また飲もうとしてたね。」
「あいつお前と違ってそこまで飲んでなかったし…飲み直したかったんじゃないか。」 「そうかな。」 「そうだろ。」
……
「さ、冴花ちゃんのお説教…長そうだった、ね。」
「そりゃ、スポーツ選手なんだから飲み過ぎはいけないとか…そんな感じだろ。…木村はさっき見た感じ飲んでなかったし。」 「そうかな。」 「そうだろ。」
……
微妙に歯切れの悪い会話を続ける二人。
初めての共同入浴ということで緊張している、というのもあるかもしれないが…
「……なんか言えよ。」
「恥ずかしかったね。」 「……それは言うなよ。」
二人とも完全にシラフに戻ってしまい、気恥ずかしくて堪らないことばかりなのだ。 「今、思うと…なんかごめんね…」 「いや、俺も悪ノリはしてたから…」 普段から情事に関しては、年齢の割に慎ましやかな二人。 友人に見られながらというのは言うまでも無く
恥じらいもなく貪欲に互いを貪り合う、という事実が二人ともこの上なく恥ずかしくてたまらなかった。
しかしもう一つ共通する意見を上げるとすれば
「まぁ、悪くはなかったよね…?」
「…た、たまには、な。たまには。」

ガラス越しに見えるはずの小波と冴花の姿は見当たらない。
場所を移したところで先ほど見たお説教が続いていたようだ。
そろそろ彼らに変わるべきだろう、そう思った二人は腰を上げて浴室から出る。
透明なガラス張りの妙に落ち着かない脱衣所で身体をふきっこしあった。 「ひゃん、くすぐったいよ…」 「変な声出すな。」 「そ、そういわれてもぉ…」 「い、いいから黙ってろ!」
このままではせっかく汗を含む色々な体液から身を清めたというのに第二ラウンドが始まってしまう。
変なことが起きる前にとっとと着替えをすませてしまう。 「これからは定期飲酒してみる?」 「…見当だな。」

「おーい、小波、木村…風呂上がった…ぞ?」 「まだ温かいから…って…え?」
カランと転がるビールの空き缶2本。
そのすぐ側で、床に押し倒された小波。馬乗りになって唇を押し付けている冴花がいた。
「はぁ、はぁ…こ、こなみくん…もいっかい…もいっかい…」 「ま、マジでやんのか?あんなにやった…んぅっ」 小波の声を封じるかのように唇を押さえつけ、じゅるりじゅるりと音を立てて口内を貪り始める冴花。 最初は抵抗するそぶりを見せていた小波も、あっさりと彼女のキスを受け入れながらその大きな胸の膨らみを揉み始めた。 「ん、ちゅぅ…んぅ、ん…ふぁ、ちゅる…」
「…やっぱ、冴花ちゃんすごいね。」 「だからさっきあいつ一滴も飲んでなかったのな。」 「……ところで…京ちゃん。」 「………お前もか。」

この夜
宿泊料金を払った四人は結局一睡もすることはなかったという。

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