『新しい門』

「へ?怖い夢を見た?」
「そう、それだけの話よ。二十歳にもなって相談するような内容じゃないでしょ?」
キョトンとする小波。早々に話を切り上げようとする冴花。


高校卒業して数年、小波はプロの世界に、冴花は大学に。
二人の道はそれぞれ別れてしまうが、小波と冴花は共に同じ道を進むことを選び、今では一つ屋根の下で暮らしている。
プロの世界で荒波に呑まれる小波、それを支える冴花。
楽しいことばかりではなかったが、これ以上なく幸せで満ち足りた生活を送っている。
そして小波もプロの世界でも頭角を現し出し、一軍で安定した活躍を見せるようになった頃、
シーズンオフのある曇り空の午後、小波は彼女の様子がどこかおかしいことに気付く。
目元は赤く腫れ、顔色も悪い。寝ながら泣いてしまったようだ。
かつて彼が言ったように強く振る舞おうとしてはいたが、いつものハキハキした様は無く、表情も陰っている。
心配に思った小波は「何かあったのか。相談に乗るから力になりたい、ならせて欲しい」と尋ねた。


ソファで横並びに座る二人。
小波は彼女のその返事を聞いた直後から、口角の上がりを必死に押さえている。
「何がおかしいのよ。」
鋭い目で睨んで威圧するも、その威圧すら彼には愛おしく見えた。
「いや、冴花も案外幼いところあって、可愛いなーって思っちゃって。」
「あ、あなたねえっ、そんな面と向かって…」
顔を朱に染める冴花。
その初な反応、それを隠そうとするいじらしさが、いつも小波を喜ばせ、つけあがらせている事には未だに気が付いていない。
気付いたとしても根っからの恥ずかしがり屋な彼女がそれを克服できるかは一生涯の問題になるだろう。
「とりあえず、どんな夢だったのか話してみないか?一度言ってみたら楽になるだろうし。」
「いいわよ別に…そんなことで一々相談するなんて情けないし、恥ずかしいし…」
「恥ずかしいことなんて殆どやってきたのに、今更夢の相談くらい…」
「そりゃそうだけど、ってそうじゃなくて!…とにかくそういう夢だったの!」
「そういう夢?俺に聞かれると恥ずかしいような…」
「それは、その…いや変な意味じゃ無くて!」
散々渋った冴花だったが、高校時代から小波の押しに勝てたことは無く、今回も彼の真剣な眼差しに負け、白状するハメに。

「お姫様になる夢を見たのよ。昔々のね。」
「また随分メルヘンな夢だな。ちょっと意外。言っちゃ何だけど、あんまり冴花らしくない感じ。」
「でも全然メルヘンでも何でも無いのよ。
 大国ではあるけど疫病は流行ってるし、政府は完全に腐敗してる感じで憲兵が町中をうろうろしてるの国なの。
 国民もすごく細々と暮らしてて、そんな中であたしはお忍びで町に入りながら
 町の人の現状を知ろうと、お忍びで町に出かけ、日雇いで働いてるヘンテコなお姫様だったわ。」
「前言撤回。すごく冴花らしい夢だ。」
「…褒め言葉として受け取っておくわ。」
冴花の眉がぴくりと動くのを見て小波は身をすくめる。
小波としては無駄なリアル感だけでなく、姫なのに真面目に働いている冴花に素直に感心していたのだが。
「町で働いてるうちに小波君とも出会ったわ。
 そこでの小波君は冒険家で、あたしを姫とは知らずに親しげに話しかけてくるの。
 二人はちょっとしたお友達になって…やっぱり夢の中でも小波君のことが好きになってた。」
「これまた随分と王道だね。」
「それである日、私は海賊にさらわれてしまうの。
 散々脅されて怖い目に遭って、もうダメだ…って思ったその時
 小波君が颯爽とあたしを海賊から助けてくれるのよ。」
「おぉ、夢の中でも俺と冴花はやっぱり…」
「話は最後まで聞きなさい。…そうだとよかったんだけど、夢って変な方向に進む物なのよ。」
「…?」
黙り込む冴花。どうにも夢の続きが気に入らないようだが、小波から目を逸らしつつ口を開いた。
「昔のお姫様だからね。一般人との結婚なんて許されるわけ無かったのよ。
 好きだってことすら隠して、ずっとその小波君を遠目で見つめてた。」
やたらとリアルというか、設定が妙に現実に律儀な夢だなぁ、と思う小波。
「…それでどうなったの?」
「どうって…後は簡単な話よ。結局あたしは何も出来ないまま、他国の皇帝と政略結婚して
 小波君とは離ればなれになって…そこで終わりよ。やな夢でしょう?」
「……」
「…なに?」
冴花の手を握り、じっと見つめる小波。その眼差しは彼女の真意を見透かそうとしている。
「…それだけじゃないんだろ?『怖い』夢っていうのは。」
「……………まぁね。確かにこれだけだったら悲しい夢で終わりだったわね。」
不安からか、冴花はそっと小波に寄り添う。それに合わせるかのように小波は彼女の肩に手を回す。
「その小波君の周りにはね…可愛い女の子がいたのよ。」
「女の子?」
「そう。夢の中だから顔は覚えてないけど、可愛い子が何人もいたの。それで小波君と仲良さ気に話してるの。
 …あたしの入る場所なんて最初から無かったみたいに。」
「そんなこと夢だけで、俺は…」
「もちろんそれはわかってるんだけどね。でも一番ショックだったのはその後、小波君が言ったことだったのよ。」
「俺が…言ったこと?」
自分が彼女を傷つける、どういう状況なのか想像もつかなかったし、そんな夢の中とは言え、自分が彼女に酷いことするとは思えない。

「最終的にあたしはどっかの皇帝と結婚するんだけど。最後まで期待してたのよ。
 今度は小波君があたしをさらってくれるんじゃないか、駆け落ちしてくれるんじゃないか、一緒に生きてくれるんじゃないか、って。
 そんな期待をしながら…結婚直前になんとか小波君と会えたの。」
「…それ、で?」
「………『がんばれよ』って言ってくれたわ。夢の中でも小波君は立派ね。あたしの進むべき道を応援してくれて。」
「えっ…?」
「夢の中の小波君には伝わってなかったのよ。あたしの本当の気持ちが。
 自分から歩み寄ることが出来ない、臆病な私に気付いてもらえなかった。
 あたしがやりたい道よりも、あたしの進まなきゃいけない道を選んでくれ…選んでしまったのよ。」
冴花は悲哀に満ちた表情で、寄り添わせていた身体を彼にしがみつかせる。小波はそんな彼女の頭を優しく撫でていた。
「何度も言うけど、ただの悪い夢だったんだから、気にしないでも…」
「そうなんだけど、そのはずなんだけど…怖いのよ。なんかあれはただの夢じゃなく感じるの。
 本当の、もう一人のあたしみたいに感じるの。だから…」
「…だから?」
「今みたいに二人一緒になれたから良かったけど
 もしあんなふうにすれ違って…小波君、またはあたしのどっちかが身を引いたりしてたら、とか
 もしあんな風に可愛い女の子達が私よりも先に小波君に近づいてたら、とか…考えると、なんだか怖くなって…」
小波と見つめ合うその目元には涙まで浮かんでいたが、以前の彼の言葉を貫こうと泣くのを懸命に堪えている。
「小波君だって、もし何も知らないでいたらあそこで『がんばれよ』って言っちゃうんじゃないかなっ、とかね…
 ただの夢だったはずなのに、わかってるのに…んむぅっ!?」
小波は寂しげに話す冴花の頭をいきなり手に取り、唇を奪った。
「んぅっ…むぅっ!……ぅんっ……」
そのまま舌を彼女の口の中にねじ込み、口内を蹂躙する。
舌を絡ませ口の中の味ではなく、感触を存分に楽しむ小波。
長々と責めていくうちに自然と冴花の舌も彼の口の中に進入するようになり、双方の舌が互いの口内を責め合う。
唾液を飲み合い、口周りをべとべとにして深く深く愛し合っていたが
しばらくして冴花が何かに気付いたかのように小波の胸を押さえて、なんとか彼を自分から引きはがした。
荒い息を突きながら彼に話を切り出す
「はぁ、はぁ、はぁ…い、いきなりなんなの?」
「えと、話してる冴花がなんか悲しそうだったから、なんとか止めさせてあげようとしたら、身体が勝手に…ははは…」
誤魔化しの照れ笑いを浮かべる小波。
この男、本当にどうしようもない。良くも悪くも。
「もし夢の世界なんてものがあって、そっちの冴花が俺と離ればなれになってても、この世界の冴花は俺と一緒にいるんだから。
 何も心配することはないんだ。…こっちを先に言うべきだったよな。」
何かを言おうと思った冴花だが、すっかり気が抜けてしまう。
気が付けば悪夢のことも忘れ、彼に夢中になっていた。
手段はともかく、情熱的なキスで、傷心の自分を悲しみからすくい上げてくれた事には変わりないのである。
彼は昔からこうなのだ。所々お馬鹿な部分もあるが、いつも自分のために行動してくれる。
そしていつも自分の力になってくれる。
だからこそ、冴花はここまで小波に惚れ込んでしまったのだ。

「あなたはいつも……………でも…ありがとうね。」
目を逸らしつつ、消え入りそうな小さな声で感謝の意を表する。より赤く染まる顔が実にいじらしい。
「そうそう!そんでもって…」
「ん?」
ぽんっ、と小波は冴花の両肩に手を乗せる。その実にさわやかな笑みを見た彼女は思わず首をかしげた。

「いやなことは忘れよう。そして目の前の事に集中しよう!…特に目の前にいる俺とか。」
グイッ
「え、えええっ!?ちょ、ちょっとぉ?」
ガシッと掴んだ冴花の身体を小波はいきなりソファに押し倒したのだ。
抵抗する間もなく、小波は何度も身体を交えた経験から冴花の服を易々とひん剥いていく。
ブラウスのボタンをプチプチと外し、ズボンを脱がしていき
下着をぽいぽいとはぎ取られ、あっという間に生まれたままの姿にされてしまう。
「いいだろ?悪い夢なんて生産的で建設的なことヤってればわすれちゃうって!」
「あなたこんな昼間から本当に!ちょ、やめ…ぁ…」
たわわに実った胸を揉みしだく。
お尻にばかり目がいきがちな冴花だが、胸も明らかに平均以上の中々の大きさ、しかも美乳である。
小波はその露出した美乳の片方の先にしゃぶりつく。
ヌルリとした刺激にびくんっと腰が浮いてしまう冴花。
「あぁ、……だめ、それ……そこ、舐めちゃだめぇっ…っ。」
そんな彼女の反応を更に楽しむ小波。
搾るかのように吸い付いたり音を立てて舐めたり、優しく噛んだりと、飽きさせないように責め込む。
先端が硬くコリコリと立ち上がったのを確認すると、もう片方に吸い付きながら、同じく硬くなったそれを指先でクリクリと弄ぶ。

「ひゃうっ……ぁああ……!グリグリいじっちゃだめぇっ!」
「冴花って本当に感じやすいよね。まだあそこ触ってないのに。」
「やめぇっ…んっ…!」
「ひょっとして俺より変態なんじゃない?おっぱいだけでこんなになっちゃうなんて。」
「ち、ちがぁっ!あたしはぁ…ひゃぅ…んっ…!」
無意識のうちに膣への愛撫を求め、秘所をもじもじさせてしまう冴花。
はっきり気付いてはいたのだが、小波はあえて気付かないふりをして胸を責め続ける。
べとべとになるまで胸をいじめられ、キスマークまで残されてしまう。
「やあぁあぁぁ…んんっ…はぁっ!」
「それじゃこっちも…いつも通りびしょびしょだね。本当に変態なんじゃ…」
「うるさっ…ひぁっ…んああぁっ!…やぁあああっ!」
「…本当に惚れ惚れするくらいエロい」
彼女の膣に指を突っ込みながら、勝手に感動している小波。
快楽を求め、うねうねと締め付けてくる魅惑の肉壷を掻き回すと、彼女の下半身がぷるぷると震えてくる。
「んんっ!…ふわぁああぁぁぁ!…んぁ……!ん……あっ!ぁあ……!」
指でいじくり回され、火照りきった膣に小波がしゃぶり付く。
もはや抵抗が無くなるどころか、逆に彼の頭を股間に押し付けてしまっている。
「そ、そこぉっ…いいぃのおぉっ!んぁああっ!」
一層舌が激しく動き、グチュグチュと掻き混ぜられる。その卑猥な水音が更に興奮を高め
縦横無尽に膣内を動き回る小波の舌で冴花は踊らされていく。
「やぁっ!もぉ…んあ、あっ!あっ!あぁっ!…ぅあぁあああああああっ!」
トドメにぢゅるるるるっと音を立ててクリトリスに吸い付くと、冴花の背中が大きく浮き上がり、嬌声が響き渡る。
全身に快楽信号が駆け巡り、ビクビクと激しい身震いをしながら深い絶頂に達した。

「はぁ…はぁ…」
「………」
いつものキリリと細められている瞳はトロンと蕩け、口の端からは涎まで垂らしている
だらしなく快楽に身をゆだている冴花の表情。
小波は喉をゴクリとならす。今の彼には刺激的すぎたようだ。
「さ、冴花…もう、いれちゃっていいよな?ちょっと我慢しすぎでヤバイ。」
「ちょっ、やすませ…んぅっ!や、やめなさっ…!」
小波は脱力しきった冴花を四つん這いに起こし、痛いほどに怒張したそれを彼女の膣にあてがう。
先端がくちゅりと当たるだけで彼女はビクンと反応してしまう。
もう辛抱堪らんとばかりに、その巨根を彼女に一気に突っ込む。
「ま、まだ…だめ…ふああああああああっ!あっ、あっ、あああっ!…ふかいっ、ふかひぃっ!」
「うぁ……全部入ったけど…やっぱり冴花のマンコ気持ち良過ぎて…やばい…」
「へ、へんなこといわな…ふあああっ、んああっ!…だめえええっ!」
冴花の言葉が終わる前に激しい抽送が始まる。
小波は手加減無しで己の劣情を冴花にたたきつける。
彼女の魅力的なお尻に、彼の鍛え上げられた腰が大きな音を立てながらぶち当たり
きゅうきゅうと締め上げる肉壷をかき分け、引くたびにカリ首がその中掻き回す。
凶器のような肉棒がズシンと突き立てられ、膣内を掻き回す度に  
冴花の身体には抑え難い程の快楽が注ぎ込まれ、電撃となって全身を駆け巡る。
顔を真っ赤にした冴花の目からは彼が禁じた涙すらこぼれ、多くの男に劣情をもたらすあでやかな物となっていた。
「あはぁぁぁっ、ふあぁあああっ、ふといのがっ、そこ、グリグリしちゃだめぇぇぇぇ!」
「…っ!冴花、えろすぎるよぉ…きもちいいよっ…くっ!」
冴花をそれほどまでよがり狂わせている小波自身も、同じ様に強烈な快楽を得ているのは言うまでもない。  
男を搾り取らんと絡み付き、極上の締め付けでもてなす冴花の名器。
それを彼女が悶えるほどに激しく突き、肉壁に擦りつけているのだ。男を獣に変えてしまうには十分すぎるほど甘美な感触だった。
「あ、あっ、そ、そんな激し、激しいのっ、らめぇっ!あたし壊れちゃ、壊れちゃうっ!
イクッ、イっちゃぅ…!ふあああああっ!ああっ!ああああああああっ!!」
「…ぐ…」
先に絶頂を迎える冴花。顔をソファにこすりつけるように倒れながら、その場にへたり込んでしまう。
それと同時に膣内も激しく収縮し、上側のざらざらとした感触が更に内部の肉棒を刺激し…
「さえかっ、さえかっ…さえかっ!」
「らめええええっ!いまびんかんなのおっ!びんかんでかんじすぎちゃうっ!かんじすぎちゃぁああぁぁ!」
新たな快楽にさらされてしまった小波には理性など欠片も無く
彼女の膣内に一刻も早く欲望のたぎりをぶちまけることしか頭にはなかった。
冴花の片足を抱え、怒涛の勢いで腰をたたきつける。
今まではその魅惑の尻肉によって進行を阻まれていたが、新しい体位によってより深く欲棒を突き刺しはじめる。
子宮を直接打つような衝撃が冴花の全身に走る。
「もぉ…っ!もぉだめぇっ!だめっ、いっちゃう、またイっちゃっ!イっちゃ、ぁ、あぁあああっ!」
「俺も、もう、冴花の、スケベマンコに、全部だすよっ!」
普段の聡明な顔つきからかけ離れた、快感に支配された冴花は、再び身体の最奥に直に刻み込まれる快楽に律動し、それをひたすらに受け入れるしかなかった。  
そして小波は悶え泣く冴花の中で最高の快楽と解放感を味わおうと、ラストスパートをかけ、ひたすらに、力の限りに腰を振るい…
「こなみくんっ!、こなっ…ああああぁぁぁああああぁぁあああぁぁぁあっ!!」
「さえかああぁぁああああっ!!」

ドピュッ!ドピュドピュッ!ドピュッッ!

絶頂と共に小波の欲望が解き放たれる。
最奥に加えられた新たな刺激に冴花が耐えられるわけもなく、嬌声を上げながらその場にへたり込んでしまう。
小波は小波で待ち望んだ大量射精に伴う圧倒的快楽、開放感でがたりと腰が砕ける
その拍子に冴花の中から小波のモノがにゅぽんっと引き抜かれ、中からとろぉ、と精液があふれ出た。
「また中に出したわね…」
「あ、その…次からは気をつけるよ…」
「……それ週に何回言ってると思ってるの?」
「ご、ごめんなさい…」




「先週の夢の話からちょっと考えたんだ。どうやったら冴花があんな夢を見て不安にならないか、って」
「そんなに気にしなくても良かったのに…」
「要領いいやり方がわからなかったからさ、簡単に考えて、冴花を不安にさせなきゃいいと思ったんだよ。」
「頼もしい話だけど、つまりどうするの?」
「えーと、その…なんだ、そう、プロ野球みたいな感じなんだ!」
「…はぁ?」
「昔、俺はプロに入るのがゴールだと思ってた。
 実際のプロ入りは、ゴールであるのと同時に厳しいプロの世界への第一歩でもあったんだ。
 一つの門で一つの門出、みたいな、くぐることで一つ終わって、新しく始まる、って感じ?」
「それとどういう関係が………え?」
「それと同じように、冴花と一緒に同じ門をくぐりたいんだ。
 冴花と一緒のゴールであって、冴花と一緒の世界への第一歩を。」
「…」
「ストレートに言えば、大学卒業したらすぐにでも結婚して欲しい。」
「……」
「…返事お願いします。」
「………」
「えーと…個人的にムード作ってみたつもりだったんだけど…ダメだった?」
「……………あたし、散々言われるんでしょうね…漫画みたいな恋愛とか、玉の輿とか。」
「まぁ、そこら辺は申し訳ない。」
「永久就職じゃなんのために大学出るんだか。」
「俺の栄養管理とかのサポートやってくれると嬉しいな。」
「というか何年も同棲しておきながらこんなに改まるってのも、なんか変な話よね。」
「ははは、厳しいなぁ冴花は。本当に嬉しくないの?」
「勘弁してよ…少しくらい憎まれ口叩いてないと嬉しすぎて泣いちゃいそうなのよ…」
「やっぱり冴花は強い子だな。うん、安心した。」
「浮気したら…本当に泣いちゃうからね。」

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