「綾華のやつ、こんな時間に何だろう……」 

 季節は秋口、真夏の暑さが僅かに残る日の時刻は深夜12時過ぎ。 
 明日は試合が無く、練習も休みなので遊ぶ為に早目の就寝でも、と考えていた小波の元に突然、 
 綾華から「今から外に来てほしい」との電話があったのはそんな時だった。 

 一方的な内容に戸惑いつつも、眠りかけていた頭を立ち上げ、 
 小波は古沢さんに気付かれない様、寮の外へ向かった。 

 電話の際、彼女の声が妙に艶やかだった事が気になった。 

 『真夜中の散歩』 

 外へ出ると当然そこには闇が広がる。 
 辺りには街灯が幾つかあるのみで、人通りも無い。 
 静寂な雰囲気が闇と相まって、何か不気味な世界を醸し出している。 

……何かあったのだろうか。 

 普段、デートに誘う時も小波から、という場合が多い。綾華から誘うという事は皆無と言っていいだろう。 
そんな彼女から、しかもこんな時間に突然の呼び出し。 
 急用だろうか、彼女の身に何かあったのだろうか―― 
そんな心配を抱いている内に、近くの街灯の下に彼女の姿を発見した。 

とりあえず無事である事に一安心し、彼女に近づく。 
しかし、何か今日の彼女は雰囲気が違う気がした。 
 夏は過ぎたとは言えまだ着るには早いコートを羽織り、物思いにでも耽るように俯き加減にしている。 
そんな様子に疑問を覚えつつ、彼女に声をかける。 

 「綾華、どうかしたのか?」 
 「あら……」 

こちらに近付くと、綾華は静かに顔を上げた。 

――やはりいつもと違う。 

 普段は何を考えているか悟らせない表情で、 
こちらを射抜くような視線を向けてくる綾華。 

しかし今の表情は気怠げで、たった今目覚めたかの様だ。 
 少し閉じられた瞳は、何故だか潤み、 
その上、妙に頬が上気していて小波をドキリとさせる。 
 白い肌の中で、口紅に彩られた唇の紅がとても印象的だった。 

 思わず見惚れてしまった小波に対し、綾華がクスリと笑った。 

 「待ってたわ……」 

 静かな彼女の声。 
しかしその声は艶が篭っている。 
 何か一夜にして成熟してしまった感じだ。 

 「どうかしたのか?」 
 「あら、何か?」                               
 「いや……何か普段と違うぞ」 
 「そうかしら?別に変わらないわよ……ねえ、それより散歩に行きましょ?」 

その為に貴方を呼び出したの、と綾華は腕を絡めて来る。 
それだけ?と拍子抜けした小波だったが、甘いシャンプーの香りが鼻を擽り、 
 彼女の長い艶かな黒髪がヒラリと舞う様子に翻弄されるままだった。 

 「こんな時間に、空いてる店なんて限られてるぞ?」 
 「ふふ、違うわよ」 

 妖艶な微笑み、背筋がぞくりとした。 
そんな小波に構わず、綾華は小波の腕を引き、深夜の散歩に連れて行く。 
 疑問を抱きつつ、無言のまま綾華に連れていかれた先は、そう遠くない公園。 
こちらも明かりは幾つかの街灯のみ。その中央にある噴水の水に、満月の光が反射している。 
 水がある為か空気は冷えており、深夜という事もあって人影は他に無い。 

 日中はまだ暑い日が続いているが、季節は既に秋口。 
 夜ともなれば流石に冷え込んでくる。 
しかし右腕を引いている綾華の手は、異様に暖かい。 
 彼女の頬も朱に染まり、心なしか呼吸も荒い。 

……風邪でも引いているのか? 

 「調子が悪いなら無理しない方が……」 
 「調子?どうして……?」 
 「いや、顔が赤いし、それに普段と雰囲気が……」 
 「……ふふ、それは興奮してるからよ……」 
 「?」 

 散歩で興奮? 
どういうコト?と問い掛ける前に、 
 綾華は身体を預けるようにしていた小波の腕を取り、そしてコートの上から自身の秘所の上にあてがった。 

 「!?」 

 突然の彼女の大胆な行動に困惑するが、掌に伝わる感触にさらに衝撃を受ける。 

 「お、おいっ!?ま、まさか……」 
 「そう、何にも着てないの……ブラジャーもショーツも……このコートと靴だけ……」 

ね、興奮するでしょ?と、漆黒の瞳に危険な色を浮かべる。 

 小波はすっかり動転していた。 
 確かに興奮する状況ではあるが、それは普段の彼女ではない。 
 何かと挑戦的な彼女であるが、決して露出趣味がある訳ではない。 
 何かがおかしい。 

 「ほ、本当にどうしたんだ!?」 
 「どうしたか、ですって?そうね、最近あまり相手をしてくれない誰かさんの所為かしら……」 

 確かに最近はシーズンも佳境を迎えている事もあって 
以前よりも会う機会は少なくなっているけど…… 

すると綾華のコートのポケットから一つのビン容器が落ちた。 
それを拾い上げ、ラベルを見てみると、 

 『ホーレル:女性用 アンドロゲン、エストロゲン含。 
  コーヒーやアルコール等でお飲みください』 

……これは世間一般で言う媚薬では……。 

そんな小波の内心を他所に、綾華の行動はさらにエスカレートした。 
 戸惑う小波の掌を両手で掴むと、秘所により強く引き当てる。 
 布地と擦れ、淫靡な水音が響く。 
 小波がそれを耳にして生唾を飲んだのを確認すると、手はそのままに、 
 綾華はこちらの耳元に吐息と共に静かに囁く。 

 「分かるかしら?もう濡れてるのよ……濡れて、溢れて、膝まで垂れて……。 
  それに下着を着けずに歩くと、布でクリトリスが摩擦されて凄く良いのね、イッちゃいそうで……。 
  ここまででニ、三回かしら……?」 
 「あ、綾華……」 

 綾華の口から飛び出す、素面じゃとても言えないであろう台詞の数々。 
さらには見る?と媚びるようにコートの裾を膝上まで持ち上げ、 
 彼女の細く白い美肢を晒してくれる。 

 「見えるかしら?」 

 確かに白く美しい太股の上に、ネットリした愛液の筋が垂れて妖しく光っていた。 
 染みなど一片もない純白の細い脚線と、月の光が紡ぎ出す妖しきコントラスト、 
あまりに刺激的な情景に心臓が跳ね上がった。 

 「ここでしない?」 
 「こ、ここで?」 

 最早、彼女は止められない。 
 小波にははそれが十分過ぎる程に理解できた。 
 問題も何処でするか、に変わっていた。 

それに野暮ったさの欠片も無い、神々しい彼女のこんな媚態に魅せられたら、 
どんな男でも、即座に理性は消え飛ぶ。 
 当然、小波も例外ではなかった。 

 「前に、外でしたがっていたでしょう?」 

 確かに言ったけど、あの時はぶっ飛ばされて…… 
その後は悲惨な目に……思い出すだけでも怖い。 

 「で、でも……」 
 「また待たす気なのかしら……?ね、見て」 
 「ちょ、ちょっと……」 

コートの下の部分のボタンを外し、綾華は暗闇にも鮮やかな白い太股の間隙を見せる。 
 気品すら感じさせるデルタ、そしてその下に息づく真紅の華。 
 絹よりも滑らかそうな輝く柔肌の中で、対象的な真皮の器官は目立つ事この上ない。 
 透明なゼリーのような粘液が妖しく光り、周囲をコーディネートしている。 
あまりの淫靡さに中てられ、下半身に血液が集まり、暴発しそうになる。 

 「フフ、大きくなった……」 

 綾華はこちらの膨らみを見て取り、妖艶な笑みを口元に浮かべ、 
 右手でズボンの上を優しく撫で回す。 
そして、ジッパーを下ろして得物を取り出すと彼女の白い掌に収めてしまった。 

 「貴方も元気ね……」 

 綾華は自分の秘所にも手をやると、合わせ目に沿って指を滑らせた。 
 幾度か往復させ、手に愛液を塗りたくると、 
 指先に纏わりつく液体が糸を引く様を見せ付けながら、こちらの物に擦り付けた。 

 「くっ!」 

 思わず呻いてしまう。 

 女性の液を使っての手淫、野外ではかなり危険な状態であるが、 
 彼女の粘液と絹の様に滑らかな感触の手の味は、とてつもなく心地良い。 
 皮膚と粘膜の間を、綾華の粘りが引っ張る様な感覚。 

とてもじゃないが、ここで終わりとは言えない状態。 
それどころか、このまま彼女に流されてしまいそうだ。 

 「どうかしら?」 
 「そ、そりゃ良いけど、こんなの誰かに見られたらマズイ……」 
 「いいじゃない、その時は見せつけてあげれば……」 
   
  …………。 

 全く動じない綾華の行動は、益々エスカレートする。 
こちらを握りつつ、空いている左手の指先を口に咥え、唾液を付着させると、 
 下からコートを押し上げている胸の先端を、指で触り始める。 

くふん、と鼻に掛った甘い吐息を漏らし、 
 何度も口と胸を往復する綾香の指。 
 布地が唾液で濡れて、微妙な凹凸が浮き彫りになり、更なる艶やかさを醸し出す。 
 下の息子が、はち切れんばかりに硬くなる。 

 「え、えと、綾華さん……?」 

 終いには、綾華はコートのボタンを全て外してしまった。 
 開かれた場所から、彼女の全てが見える。 
 半球型の美しいバストと、その頂点に位置する朱鷺色の突起。 
 胸骨から折れそうに細く引き締まった腰、 
 絶妙なラインで構成される、なだらかな腹部から下肢への曲線、 
ほっそりとした太股の間にある、露わになった陰唇の花弁。 
さらに彼女自身の持つ、神秘的な雰囲気と上品さ……。 

 何処にも贅肉など無い、実に豊かなラインを持つ躰は、 
 手触りの良さそうな白い肌と、女体の起伏が創る影が、 
 見事な陰影のコントラストを演出し、溜息をつく程に美しい。 

 美人であるとは知ってはいたが、目の前のこの姿は芸術品以外の何物でもない。 
いや、芸術品ですらこの魅力に及ばないかもしれない。 

それら全てが醸し出す色気の魔力に、小波が抗う術はなかった。 

 「どうかしら?」 
 「ああ、綺麗だ……言葉に表せられない程綺麗だ」 
 「嬉しいわ……」 

 綾華はコートを開けたまま跪く。 
こちらの腰に手を回すと、そのまま自分の粘液で濡れた陰茎を口内に導いた。 

 快感を得ると共に、小波は驚いた。 
 普段、プライドの高い彼女が自らフェラなどしてくれることなど無い。 
これも媚薬の力と、闇に浮かぶ月の光の魔力だろうか。 

 熱い口内の感触を受け、彼女の舌の上でビクンと脈打ってしまった。 

 「く、つ……」 

 舌が絡み付く。 
 唇が幹を上下し、喉奥で先端が嬲られる。 
いつもと異なる、情熱的な綾華の口陰、場所も忘れて快感に脳が沸騰した。 

 「で、出るっ……」 
 「ん、んぅ……」 

ものの数十秒で、あっさり不覚をとってしまう。 
それを綾華は喉を鳴らして嚥下した。 

 「濃くて美味しいわ……ん、少し早すぎな気もするけど……」 

そう言いながら、飲み残した白濁液を口から紅の唇に垂らす綾華。 

 「あ、綾華!!」 

 遂に理性を保っていた糸が切れ落ちた。 
 綾華が何を考えてるのか解らないが、何でもよかった。 
ここまで来たら、最後までやり通すべきだ。 

 彼女を押し倒して、犯して、蹂躙したかった。 

 「フフ、早く来て……」 

 公園の隅に植樹されている銀杏、そこなら目立たない。 
 太い幹に綾華の背を押し付け、あてがうのももどかしく、一気に挿入した。 

 「あ、ああぁん……っ!」 

 皮を剥かれるみたいな圧倒的な快感。 
そして初めて聞くような、吹き込まれる多分に媚びを含んだ綾華の嬌声。 
 瞬時に性感が爆発した。 

 「は、はあ……いいわ、もっと深く、動いて……」 

 立位のまま、綾華の右足が持ち上がり、腰の後ろに回された。 
 自然に力が入った秘裂が、搾るように捲き付いて来る。 

 雁字搦めになった中を強引に動くと、何千もの濡れた羽毛に包まれた感覚で、今にも爆発してしまいそうだ。 
 先に口で出していなければ、とっくに果てているだろう。 

 「ああ……凄いわ……あ、あん、いつもよりも大きい…… 
 そ、外でして興奮してるのかしら?それとも私の格好の所為……?」 
 「どっちもだよ。頭が海栗になりそうだ……」 
 「いいわ、とことんしてね…… 
 ん、終わってもお口で勃起たせるあげますわ……お尻も胸も……全部貴方のモノよ……あんっ!」 
 「綾華っ……!」 

 濡れてヌルヌルとした感触の摩擦、 
だが中にはざらついた場所が在り、擦るようにすると削られる感じになる。 

 「ん、あ、浅く突いて……そう、いいわ……今度はゆっくり、深くよ、あああっ! 
  んん、気持ちいい……あ、あん!何度でも……あ、んんんぁっ!!」 

 快楽に目をトロンとさせながらも、綾華が行為をリードする。 
 普段は嬌声を上げるにも抑え、どこか冷めた印象のある彼女だが、今夜は積極的だった。 

 「あ、あはぁっ!……も、もっと激しく……あああああぁ!」 

 彼女のしなやかな肉体が、淫靡に腰を振り躍っている。 
 珠のような汗が、朱色に上気した素肌に浮かび艶めかしい輝きを放つ。 
 相当に感じているらしく、何時になく彼女の躰は火照っていた。 

 彼女の背中が大きく反り返る。 
こちらを離さないかのように中を締め付ける。 
 「あ、ああっ!……は、はあ……ん、溶けそう…… 
 早く出して……中に貴方を直接感じたいの」 
 「いいのか?」 
 「いいのよ……一杯にして……」 

 腰を左右に捻り催促する。 
 既に我慢は限界、直にでも果てることが出来る。 
あとは、最高のタイミングを待つだけ。 
 銀杏の木との間、体重を掛け遮二無二に挑む。 

 肉と肉が鬩ぎ合う音が響き、結合部からは淫水が滴り落ち、 
 辺りに淫媚な香りが立ち込めた。 

 「あ、ああ、はああああ……っ!」 

 絶頂直後の敏感な躰は、彼女に忘我のエクスタシーを与えている様で、 
 長い官能の喘ぎに喉を震わせている。 
 半ば抱き付き、肩に顔を埋められている体勢で、綾華の声が耳に心地好い。 
それだけで何度でも出来そうだ。 

 「あ、綾華、出るっ!!」 

 生き物の様に蠢く、粘膜の襞で形成された女の器官を、躰ごと捏ね回し、 
 彼女が与えてくる快感に耐え切れず、背筋が寒くなる程の最高の頂点で解き放った。 

 「くぁっ……!」 

 何かが躰から無くなっていく、喪失感と引き換えの快楽。 
 自分でも信じられない大量の液体が出た。 

 「は、あん、あぁああぁ……っ!!」 

 電流が流れたかの様に、綾華の躰が震え、 
 膣壁は急激に収縮して、こちらから全てを奪おうとする。 

ほろ酔いしている様な赤い顔で瞳を閉じ、切な気に柳眉を寄せて射精を味わっている。 

 「あ、ああ……貴方が、染み込んでる……」 

 半開きの口唇から一筋の唾液が滑り落ち、 
 喉を伝わり鎖骨まで濡らしている光景が、とてもエロティックだ。 
 普段はどこか距離を置いた様な、そんな彼女が見せると最高に美麗な感じがする。 
……そして興奮する。 
 「んぁ……あん……あら、あれだけ出したのに……?」 
 「綾華が魅力的過ぎるからだ……信じられないくらいに綺麗だ」 

 真剣な声で言ってしまった。 
 普段聞かない調子だったからか、綾華は一瞬驚きの色を瞳に浮かべたが、 
 言っていて恥ずかしくない?、と囁くと、 

 「フフ、まだ足りないみたいね……」 

そしてまた、歳に似合わぬ色香の溢れた顔で、続きを促す。 
こちらには抵抗の気力など無い。 

 小波の首に手を回し、腰を動かす綾香。 
ストロークは短いが、不規則な捻りを演出する。 

 「こういうのはどう……?」 
 「え、なっ!?……い、いつもと違う場所が擦れる感じだ……くっ、綾華!」 
 「気に入ったみたいね……」 

 優しく頬にキスをされ、頭を抱き込まれる。 
 柔軟な硝子で出来ているのかと錯覚しそうな程滑らかな肌に、 
 彼女の汗と甘い体臭を直に感じる。 

 度数の高い酒で、瞬時に酔った様に朦朧とする。 

 「あ、そ、そこ……ん、先が今当たってるところ、 
  あぁっ!‥‥‥んぁあ‥‥‥いいの、漏らしちゃいそうに感じるわ……」 
 「ここか?」 

 小刻みに上下する綾華は、正に女だった。 
 解れた髪に、長い睫毛、鼻梁の線、全部が清楚と対極の美となっている。 
ん、んぁ、と切れ切れに漏らされる鼻からの息を聞くだけで、気が狂う。 

 彼女も快楽に耽り、悦びに陰をしとどにしている。 
 隠された女を全開に、貧欲にこちらを求め、乱れていた。 

 「そう、も、もっとそこだけ擦るみたいに……あ、ああ、いいわ……」 
 「くっ、奥からどんどん溢れてくる……」 
 「か、感じて……ああ、もっと抉って、お、奥もいいの……あ、ああぁ!」 
 「ん、この辺りか?」 
 「ひ、ひうんっ!?ええ、そこ……あ、ああぁっ!!」 

ビクリと痙攣する綾華。 
 襲われる絶頂に、言葉を途切らせながらも自分の弱点を暴露し、より身悶えさせる方法を囁き、性感を享受している。 
 普段なら絶対にありえない状況なだけに、小波の興奮も衰えるどころか、増す一方だ。 

もう一度綾華の中に吐き出し、甲高い嬌声をあげさせた。 
そして体位を変え、綾華の両手を木に付けさせ、 
 今度は彼女の形の良いヒップから貫いた。 
 「あ、あぁ……垂れてきたわ……」 
 「いい眺めだよ、コートからお尻だしてる綾華でしてるんだから」 
 「んはあっ……ああ、私のお尻、いいかしら……?」 
 「最高だ、形も揉み心地も……」 
 「フフ……味わってね……」 

 目眩く性交に溺れる二人。 
 地面に落ちた二人の腺液が、湯気を上げている。 

 「あ、ああっ!!」 

 背後から綾華を存分に貫き、擦り切れる程紅の陰唇を摩擦する。 
 綾華の切ない程甘美な嬌声を聞き、果てる。 
 力を失った躰を抱き、また前からの交合。 

いくらやっても飽きること無く性欲が発生し、 
 彼女も卑猥に躰を濡らして淫婦となって狂喜する。 

 桜より可憐な口にも、梅の様にほんのり紅い胸にも、菊の華のような後ろにも、 
 散々に綾華の美貌へと欲望の白濁を振り撒き、自分の匂いを付けてやる。 

 終いには、彼女が少し動く度に、中に放った精が溢れて滴るようになった。 
 白い肌には、小波のつけた鬱血のあとが盛大に残っている。 

「あ、ふぅ……躰中ドロドロね……」 

 最初の格好に戻り、最後とばかりに交わりあう中、 
 夢見心地の顔で、綾華は頬に付いた精液を掬うと、 
こちらを挑発する様に、その指を口に運ぶ。 

 恍惚の表情で、こちらに流し目を向けてくる綾華。 
 頬が蠢き、チロチロと舌先が唇を割って、指先でそれを絡めていた。 

ニチャニチャと淫靡な音。 

 「フフ、甘くて美味しいわ……ああ、また……」 

 鼻を抜ける、脳天まで痺れそうな綾華の音色。 
 痛い程に硬くなる。ゆっくりと綾華の最深部まで突き上げ、残りの全てを注ぎ込んでやる。 

 「あ、あぁああっ……!」 

 感極まった、甲高い嬌声に喉を震わせ、肢体を弓なりにする。 

 艶めかしいヒップから背筋を昇る淫靡な震え。 
 絶頂の余韻に浸る綾華は、ゆっくりとこちらに振り向くと、 
 心底満たされた女の貌で一言呟いた。 

 「満足かしら……?」 
 「あ、ああ……ん?綾華?」 
 「フフ、良かった……。じゃあ、これから私の家へ来ない?」 
 「え?別にいいけど……まだするのか?」 
 「どうかしら……」 

まあ何もないから良いか。たまにはゆっくりしよう。 
そんな楽観的な小波に聞こえない様、一言。 

 「ネギがあったかしらね……?」 

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