[目次]
ロバに跨り闊歩する騎士風の男は願った
『世界最強最悪の魔王を倒して世に名声を響かせたい』
そして迷宮はその願いに応えた
『世界最強最悪の魔王は今この迷宮の最奥に座している』
ある日、1人の見窄らしい姿の騎士風の男が
「最近見たこともない獣が屯している洞窟がある」
という噂を聞きつけ
大きな空洞のある木の根っこに入っていった
彼は妄想癖の強い英雄病であり
「このような誰も入り込まないような所には、誰の手にも追えないような巨悪が潜んでいるに違いない」
「そして、そのような者を打ち倒し村の者達に見せびらかせば、その巨悪が及ぼす筈だった惨事を未然に防いだ英雄と讃えられるに違いない」
彼は根拠のない青写真を胸に迷宮の中に入って行った
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