朝鮮人戦時動員、いわゆる強制連行に関するウィキです。

ナチスによるホロコースト(ユダヤ人虐殺)については現在まで多くの書籍が出版されていますが、その中の一冊に『思いやる勇気 ユダヤ人をホロコーストから救った人々』があります。



周知のようにナチスドイツの時代、多くのユダヤ人が殺されました。そしてその時期、多くの非ユダヤ人はそのことに対して冷淡・無関心でした。しかしそうした中、数は少ないものの、迫害を逃れようとするユダヤ人に手を差しのべ、命を救った人々がいました。映画にもなったオスカー・シンドラーや日本人の杉原千畝は有名ですが、いわゆる「名もない」人々、市井の人々の中にもそういう人は存在しました。

「ユダヤ人の命を救ったのは、ドアを開ける、手を差しのべる、隠れ場所を提供する、見知らぬ人に食べ物を与える、秘密を守る、あるいはただ“うん”と言う、というようなささやかな行為がほとんどでした。こうした行為の一つひとつは、単純で小さなことのように見えます」
しかし、こうした小さな行為こそ、四○年前、ホロコーストという巨大な暗闇の中に射した一筋の光明だったのである。
(キャロル・リトナーによる「編者まえがき」より)


実は戦時中の日本にも同じように、過酷な動員から逃れようとする朝鮮人に手を差しのべた人々がいました。ユダヤ人を救った人々がそうであったように、その行為は様々です。個人の意思や権利が否定され「お国のために身を捧げる」ことが当たり前とされた時代、そしてその中でも特に朝鮮人が激しく差別され、より過酷な状況に立たされていた時代、多くの日本人が朝鮮人に対する自らの優位性を当然のごとく信じていた時代に、数少ないながらも「思いやる勇気」を持った人々―それによって自分の生活や、時には命が脅かされる危険があったにも関わらず―が存在したのです。ここでは、そうした「思いやる勇気」をもった人々を紹介したいと思います。

ただしそれは、単に「日本人がみな悪い人ばかりだったのではない」と過去の日本の過ちを擁護するためでもなければ、単に「感動的な話」として消費させたいからでもありません。

現在日本ではヘイトスピーチや歴史修正主義が横行し、政治家などの公人すらそうした言葉を口にすることがしばしばあります。また戦前への回帰としか思えない憲法改正や軍備拡張への流れ、いわゆる「右傾化」が加速しつつあります。さらに憂慮すべきなのはそうした状況に対して多くのマスコミが萎縮し「言論の不自由」の空気が広まっていることです。こうした流れに抗うことは非常に困難です。ですがかつての、現在よりずっと絶望的な状況下で、少数の人々が示した「思いやる勇気」は、現在の私たちにも勇気と希望、そしてヒントを与えてくれることでしょう。このページがその一助となれば幸いです。


鄭正模さんの話(1)
鄭正模さんの話(2)
崔在浩さんの話
鄭雲模さんの話
大坪金章さんの話

メンバーのみ編集できます