朝鮮人戦時動員、いわゆる強制連行に関するウィキです。

第八十五回帝国議会説明資料


…最近一般徴用実施せらるる旨発表せらるるや、一部知識階層並びに有産階級中には逸早く支那満洲国方面に逃カイし、或は住居を転々して当局の住居調査を至難ならしめ、或は急拠徴用除外部門への就職を企て一般階層に於ても医師を籠落仮病入院し、又態々花柳病に罹染し疾患の故を以って免れんと企て中には自己に於て手、足に傷つけ不具者となり忌避せんとする者甚だしきに至りては労務動員は邑面職員乃至警察官の専恣に因るものと曲断し之を怨み、暴行脅迫の挙に出づる等の事案は実に枚挙にいとまなく最近報告に接せる事犯のみにても二○数件を算する状況にあり。殊に先般忠清南道に発表せる送出督励に赴きたる警察官を殺害せる事犯の如きは、克く這間の動向を物語るものにて、特に最近注目すべきは、'’集団忌避乃至暴力行為にして慶尚北道慶山警察署に於て検挙せる不穏企図事件の如きは、徴用忌避の為青壮年二十七名が決心隊なる団体を結成し食料、竹槍、鎌等の武器を携行山頂に立籠り、あくまで目的貫徹を企図し居りたるもの''にして尖鋭化せる労働階層の動向の一端を窮知し得らるる所なり。以上の如き情況下に於ける今次の緊急大動員は実に容易ならざる事に属し、此の際警察に於ける濃厚なる指導取締の裏付を為すにあらざれば所期の動員至難なるのみならず、治安上に及ぼす影響又甚大なるものあるに鑑み、指導啓蒙を更に強化実施すると共に労務動員を阻害するが如き事案に対して厳重取締を為しつつあり。

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