スマブラのエロパロスレまとめ

空気読まずに続きできたので投下しにきた
とりあえずアイクは俺のry



最初の通行人が通るまでにそう時間はかからなかった。
およそ30秒ほどしか経っていないだろう。入れ違いというやつだ。
それで、気になる通行人だが……
濃い青のツンツン頭。
多少幼さが残るものの端正な顔立ち。
そして肩に担いだ大きな剣。
試合以外で武器を持ち歩くんじゃない、という突っ込みはさておき、
……そう、“良識人”剣士組の一人、アイクである。
どうやらトイレに行っていたようだ。なんという入れ違い。
「午前中は暇だな……組み手でもしにいくか」
アイクは今日の午前中は試合が組まれていないのだ。
暇なのは分かったからその前に足元のブツの処理を頼みたい。
見えていないのか彼はすたすたと歩いていく。
ぐしゃ。
「ん?」
結局気づかずに華麗に踏みつけたアイク。
そのまま拾え。そして焼却炉へ直行してくれ。
だが見事に足で表紙が隠れてしまった。
上から見たのでは何なのか分からない。
「何だ?本か?」
反射的に足をどける。
先ほどカービィが見たものと同じ絵が、アイクの目に映った。
「…………………………」
瞬間、耳まで真っ赤に染め上げ、沈黙に支配される。鼻血でも噴出しそうな勢いだ。
足を上げたまましばらく硬直。
このとき第三者がいたならばどれほど奇怪に見えただろう。
「なんだ、これは……?」
別にアイクはこれの正体とかを聞きたいわけではない。
ただ純粋に、なぜこんなものがここに落ちているのか聞きたいのだ。
とりあえず、これをここに放置しておくわけにはいかない。
混乱しかけた頭を冷やし、考える。
ちょうどラグネルがあるからこの場でぶった切るか?
しかし、彼は剣士組の中でもずば抜けたパワーを誇る。
加えて細かい動きは苦手で、どちらかといえば豪快に剣を振るう方だ。
そんなことをすれば付近の床や壁が只では済まないことは用意に想像がつく。
噴火で燃やしてしまおうかとも考えたが、床に突き刺す必要がある上にボヤ騒ぎになりかねない。
むしろ被害は後者の方が大きいだろう。
「くそ、どうしたらいいんだ?」
その場で腕組みをしてまで考え込む。
最善策は、とっくに分かっていた。どこぞのゴミ箱に捨てればいいだけの話だ。
分かっていたが実行したくなかった。
なんというか、これに手を触れたくないのだ。
良く分からないがとにかく触れたくない。
だから必死にこの場で処理できる方法を考えたが、それらはすべて周りに被害が及ぶ。
後々面倒ごとになるのは避けたい……しかし触りたくもない。
他人が通るまでに何とかしなければ。
そう思って焦れば焦るほど、何も思いつかなくなっていく。
触らないといけないのか?
それしか方法はないのか。
落ち着きをなくし、考えがそれだけに縛られてゆく。
「ちっ」
アイクは小さく舌打ちして、本の近くへしゃがんだ。
誰もいないことを確認してから本へと手を伸ばす。
どうやら覚悟したらしい。
ところが、もう少しというところで手がピタリと止まってしまった。
距離にして約五センチ。
当たり前だが、やはり抵抗があるのだ。
しかもそれだけではなさそうである。
「違う、違うんだからな。読みたいとかそんなんじゃない……」
声に出てます、オニーサン。落ち着け。
見る限りかなり純情だ。
過激な本とはいえ、表紙だけで耳まで真っ赤に染めたり、今も目をぎゅっと瞑ってできる限り見ないようにしたり。
かのミスター任天堂、マリオすら“強い”と認めたアイクが。
動きも喋りもしない、自分よりも遥かに小さい相手に悪戦苦闘している。
とても意外な光景だ。そして意外すぎる弱点だ。
誰かに知られようものなら引きこもってもおかしくないかもしれない。
「あとちょっとッ……」
もう躍起になって手を伸ばす。
ついに手が届いた。
すぐに握り締め、自室へ直行。
入ってすぐ厳重に鍵を掛け、本を全力で投げ飛ばしてラグネルを置き、床にへたり込んだ。
「なんか、疲れたな」
顔の赤みは少々引いたものの、今度は汗が。
アイク、お疲れ様。そしてお手柄だ。
これで通りすがった少年組が見てしまうという最悪のケースは免れた。

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