スマブラのエロパロスレまとめ

・ポポ→ナナ×ルカ(もしくは逆)
・ポポが微妙にヤンデレ
・文体がおかしい部分が多々見受けられる



楽しかった夏は過ぎ、すっかり秋の様相を見せ始めたこの頃だが。
大会は未だに冷める様子もなく、むしろ熱気を増していた。各ファイターも新しい場に馴染み、貫禄が出てきたように見える。
期間中、寮で暮らすファイター達もそこでの暮らしにすっかり慣れた頃…

「…ふぅ…まったくナナも自分の部屋くらい自分で片付けてよね」
今、独り言をぶつくさと言いながらはたきを手にしているのは二人組登山者の青いほう、ポポ。
アイスクライマーとして有名な二人だが、部屋は別々である。
なんでも、創造主の右手様が
「いくら身体が小さくてもだな…オトナのジジョウという物がある」
だとかなんとか言って分けたそうだ。
そんな事は関係無く色事は起こっている訳だg(ry
今日は女性陣全員が料理講座に出かけているので、寮では男性陣がお留守番中。
ポポはナナに頼まれて、彼女の部屋を掃除しているのだそうだ。

「それにしても…ここ、ホントに女の子の部屋?」
ポポが愚痴るのも無理はないだろう。
ゴミ箱は溢れて異臭を放ち、床は足の置き場も見つからない。漫画は開きっぱなしで、お菓子の食べかすがページの間に挟まっている。
おまけに衣服や下着も出しっぱなしである。健全男子のポポには刺激が強いので、速攻で片付けた。
乱闘時にハンマーを振り回しているナナに、女の子らしさを求めるのは間違いなのだろうか。
そんな事も考えながら掃除を進めていく。

おおかた片付いたところでふと、ある物が目に入る。
ナナが大事そうにしまっている筈の、彼女のアルバム。この前までは普通に二人で見ていたのに、半年くらい前から見せてくれなくなった。
それもあからさまに、自分には特に見せたがらないような、そんな感覚。
(それと同じくらいの頃からかなぁ…ナナがよそよそしくなっちゃったの…。僕、何か悪い事しちゃったっけ。)

ともかく、アルバムを開く。
相変わらず可愛らしい彼女の写真。ぺらぺらとページをめくっていく。
乱闘中の勇ましい姿、日常で見せた些細な表情…いつ見ても顔がほころんでしまう。
「…、ここから見てないや……」
今まで見覚えのない写真と、そこに写るナナ。
満面の笑みの隣には、…隣に居たのは…蒼い体毛と赤い眼の、彼。見た事の無い写真の大半が、彼とのツーショットだった。
一瞬、僕は僕の目を疑った。
「…る…ルカ、リオ…?」
今回の大会から新しく参加した波導ポケモン、ルカリオ。そして、亜空事件で僕等が二番目に出会ったファイター。
故に親交も深く、寮でも仲良くなれた。
それなのに。
「…………。」
僕はしばらく、放心していた。
これが、ナナが僕を避けていた理由だったのか。
そういえば、半年前と言ったら…丁度、バレンタインの時期。もちろん僕もナナからとびっきり美味しいチョコを貰った。けれど。
僕はあの時、ナナが持っていたもう一つの包みの相手が分からなかった。
…無論、今ならその相手は容易に分かる。何より彼はチョコが大好物だ。

悲しさと、戸惑いと、怒りと…様々な感情が渦巻いた。
ルカリオと僕もナナ同様にに仲は良いつもりだった。ナナは言うまでもなく僕の大切なパートナーだ。
それだけに…この事実はかなり堪える。
「…二人とも、酷いよ…」
僕は只、写真の中で笑う二人を見ながら泣いていた。

ナナが帰ってきても、僕は複雑な心境のままでいた。夕食の時もなんだか上の空で、食事の内容も良く覚えていない。
部屋に戻り、ベッドに寝転がる。
(…これが良く聞く“胸に穴が開いたような気持ち”なのかな?
あのチョコは…僕の事を弄ぶために作ったの?ナナ…)
見慣れた天井も今日は何処か違う雰囲気を見せている気がする。そんな事を考えていると、不意にノックの音がした。
「? はーい…」
ベッドに座り直し、扉のほうを向く。
扉の向こうから顔を覗かせたのは、…ルカリオだった。

「…ちょっと、良いか?」 「う…うん。」
ルカリオが扉を閉め、僕の隣に座る。
ぎしり、とベッドが軋む。小柄な割に、彼は結構重い。
「珍しいね、ルカリオが僕に用なんて…」
彼が大きな瞳で此方を見る。
「ポポ…。もう気付いているんだろう。」
「…え…?」
「日中、何やら様子がおかしかったので、食事の時…勝手に波導を読ませてもらった」
心臓が、びくんと跳ねた。
そうだよね。冷静に考えれば分かるのに…
「………。」
「私とナナの関係…知ってるんだろう」

*ルカリオ(ポケモン図鑑より)
あいての はどうを みることで
かんがえや うごきを よむことができる。

「…ぅ…」
こうなるのは分かっていた。分かっていたのに…何故か、熱い物がこみ上げてくる。
「うわあぁぁぁん!!ひっく…ぅっ…うぇええぇん…」
僕はしばらく、隣の彼にすがって泣いていた。彼は恋敵なのに。僕から大切な人を奪った、張本人なのに。

ちょっと時間が経って、涙腺が落ち着いた頃。僕はルカリオに洗いざらい話した。
今日の掃除の時の事、最近の僕に対するナナの態度、そして…アルバムの話。
ルカリオは黙って、僕の話を聞いていた。時折、彼も苦しそうな顔をした。
「…ぐす…ん…ごめ……」
「いや…大丈夫だ。」
苦しい。胸が、張り裂けそうだ。声を出すのも辛い。

「…ルカリオ…。僕からお願いなんだけど…」
…こんな事、言いたくない。
「ナナを…僕の大事なナナを、傷つけるようなことはしないでね。」
…言いたくない、けれど…
「だって、大切な…パートナーだもん。」
…それで…ナナが幸せになるなら…
「僕は…君とナナの時間を邪魔しないように、気をつけるから…」

僕は強ばった笑顔を見せながら、ルカリオに言った。
「…ポポ……。すまない…」
彼は深く…深く頭を下げ、部屋を去った。
ルカリオが去った後、僕はベッドに横たわった。今日はもう寝よう。時間が経てば…落ち着くはず。
眠りにつくまでの時間は、とても長く感じた。

だが、朝が来ても僕の虚無感が和らぐ事はなかった。
昨日一日のことを悪い夢だと思いたかったが、その思いは廊下に出た瞬間破れることになる。
がちゃり。
「あ…」
「!…ポポ…」
隣室――ナナの部屋から、部屋の主と…ルカリオが出てきたのだ。
この光景は、僕の中の何かを崩した。
「お、おはよう…」
見るからに動揺しているナナ。相棒にこんな場面を見られたのだから、無理もない。
「ポポ、こっ、これには理由が…」
「ナナ」
僕の口が、勝手に言葉を紡ぐ。
「ナナ。君はもう、すっかりルカリオに染められちゃったんだね」
「…ポポ…?」
認めたく無かった。
「君と 長い間一緒に過ごしてきたけど、僕の想いは伝わらなかったんだ…」
ナナはもう 僕から離れてしまった――その変えられない事実を。
僕じゃない“僕”が、感情の赴くままに突き動かした。

今まで僕がどんなに君の事を想っていたか 知ってる? 乱闘の時も 登山の時も いつだって君の事を 考えてた。

それなのに。それなのに。どうして 気付いて くれなかったの?

ルカリオの事、僕よりも 好きだったから? 僕の事、ルカリオよりも 嫌いだったから?

ぼくのことが きらいだから?

「違う…違うの、ポポ…ちが…ぅ…」
ふと我に返ると、彼女は泣いていた。大粒の涙が頬を伝う。ルカリオがナナの肩を抱いていたが、その眼はこちらを睨み付けていた。
無言ながら、怒りの満ちた瞳だった。
「…ぁ…」
僕は今、何をしてしまったんだろう。昨日ルカリオに あんな事言っておいて
今 彼女を傷つけているのは 僕じゃないか。
「ご、ごめ…」
『…去れ』
唸るような低い声が、僕の頭に響いた。ルカリオが直接話しかけているらしい。
戸惑っていると、今度は怒鳴りつけるように。
『去れッ!!!』
僕は逃げるように走った。振り返らず、ただその場から離れる事だけを考えて。

今の僕は 彼女にとって どんな存在だろう。もはや相棒ではないのは確かだ。
僕は 彼女のために 何をしてあげられただろう?
僕は なんだ。
僕は――――



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