スマブラのエロパロスレまとめ

リンクxゼルダ。しかしエロなし。前回ウナコーワと名乗った者です。
すみません、散々議論されてますが、自分はアホでアップロードの方法とかよく分からないんです・・・今回で投稿を終えますので、許してください。
スマブラx参戦までの妄想。取り敢えず自分の妄想はこのレベルどまりです。
ちょっと生々しい(そんな大したこたあないですが)敵の描写あり。お気をつけ下さい。↓↓


リンクはいつもと同じように、自然に目を覚ました。
寝ぼけた頭を抑え、体を気だるげに起こす。
いつもなら、村の子供達の「遊んでー」という声や、イリアの目覚まし怒声で起きるのに、今日は珍しく一人で目覚めた。
さて、今日は何をする予定だったか・・・。
そこまで考えて、リンクの怠惰な思考と動作がぴたりと止まる。
「しまった!!」
何をのんびりと構えているのだろう。
自分は、意思を持っているとしか思えないような光に襲われたではないか!
我ながら、平和ボケした精神状態に舌打ちする。
一気に回り始めた思考は、まず状況判断を優先した。
いつでも抜けるよう剣の柄を握りしめて隙のない構えを取り、気配を殺して、鋭い視線を四方に飛ばす。
――オルディン大橋?
場所は、そこで違いない。
何度となく目にした、それは石造りの巨大な橋。
周囲は・・・異常ない。
遠くに鎮座する巨大な白亜の天守閣。広大な自然を有したハイラルの平原。そして、敵の気配もない。
一体どれほどの間眠っていたのか、平原は黄昏時を迎えて黄色く染まっている。
周りの風景に濃い影が差し、対照の際立つ一枚の美しい絵画のようになっているのを見て、そこで初めて、リンクは緊張を和らげた。
全身の筋肉の弛緩を許し、何の気なしに振り返る。
と同時に、血の気が引いた。
「――姫!!」
少し離れた所に、ゼルダが倒れていた。
慌てて駆け寄り、乱暴に肩を掴んで揺さぶる。
「姫! 姫! 大丈夫ですか!」
元々白い顔は今や生気を失い、揺さぶったリンクの手に抵抗することなく、体は力なく左右に往復した。



伏せられた目元は痙攣することすらなく、何の反応も示さない。
もしや――!
正常な判断力を失い、リンクは寝かせたゼルダの胸元に長い耳を寄せ、祈るような心地で目を閉じた。
トクン  トクン
遠慮がちに間隔を少し置きながら、しかし確かに脈動する心臓。
リンクは今度こそ、冷や汗を掻きながらも濃い安堵の息をついた。
「良かった・・・」
力が抜けて頭が落ちる。
悪意があったわけではない。邪な気持ちは微塵もなかったのだが・・・。
重力に従うままに、リンクの精悍な顔が、ゼルダの柔らかな胸元に沈んだ。

!!!

とんでもない化け物でも目にしたかのように、リンクは弾かれたように体を仰け反らせ、情けない姿でズザザッと後退した。
目を皿のように見開き、荒い息を殺してゼルダの様子を窺う。
相変わらず、昏々と眠り続けているようだ。
それでも、リンクの心臓は大暴走を続け、内耳の奥まで尋常でない動悸が聞こえてくる。
同時に、下半身を襲う痛み。
それに気付いたリンクは、真っ赤になりながらも、外気で頭を冷やそうと、力の限り首を左右に振った。
こんなときに何を考えてんだ!いや!違う!これはアレだ!そう!寝起きだから!いや!そうじゃなくて!・・・だーっ!何なんだ!俺は変態か!いや狼だろ!・・・ええぇ?!そこ?!
言葉にならない声が脳の中を駆け巡る。
混乱の捌け口を求めて、リンクは自分の頭をぐしゃぐしゃに掻きまわした。
ハイラルでは、リンクの年齢は立派な大人とみなされる。当然、リンクも自分の反応の正体や対処の方法を知っている。それが男としての印であるとも村で教えられた。
年頃の男子よろしく興味はあった。しかし、やんちゃではあるが誠実で真面目な性格故に、悪戯に誰かに手を出したことはない。
もう女を知っておく年頃だ、村から少し離れた場所にある遊郭に行こうと誘いを受けた事もあるが、それこそ驚いて断った。
気恥ずかしさもあったし、何より兄貴分であるモイから、
『女と見りゃ手を出すようなクソッタレになるな。俺のような愛妻家になれよ』
と酒の席で延々くだを巻かれ、後半はともかく、価値観としては賛同していたからだ。
なのに・・・よりによって!
自分で自分が嫌になる。これじゃ奇麗事を吐くだけの、ただのガキと同じじゃないか。
一通り髪をぐしゃぐしゃにして落ち着いたのか、リンクは胡坐を掻き、大きな溜息をついて王女を眺めた。



・・・自分とは違う。
牧童として、或いは戦士として、鍛えられた筋肉に覆われた自分の体。
この体がなければ幾度の戦いに生き残れたか分からないし、ましてや暴れ山羊を力ずくで押さえ込む事など到底無理だ。
目の前の生き物は、そんな自分とは対を成すようだ。
頼りなく、すぐに壊れてしまいそうな弱々しい体。
直線的な自分とは違い、絶妙といえる曲線美が、ゼルダの体の輪郭を手弱かに描き出す。
投げ出された細い腕は、敵を討つ武器を取るより摘んだ花を抱えるのが似合い。

男と女。

村にも女性はいたというのに、この明確な差を、今までリンクは意識したことがない。
同じ年頃の幼馴染も村の仲間も、もう家族のようなもので、改めて、という視点を持つことがない。
この目の前の人間は無意識下の内に、初めてリンクに異性を教えようとしている。
不思議と落ち着いた心地のまま、リンクはゆっくりとゼルダの脇に近付き、座り直して頬杖をついた。
王国の人間を統べる為には、運動能力に優れる体よりも、強い意志と幅広い叡智が必要なのだろう。
自分の使命を遂行する為に最適と判断したのか、印象に残る、容易に感情を面に出さない氷のような表情。人に畏怖の感情を抱かせようとも彼女に罪は無い。そうあることを求めたのは他ならない、自分達王国の民なのだから。
しかし、それは王女ゼルダという人間の一端の姿に過ぎないことも、リンクは今日、初めて知った気がする。
証拠が、今のこの無防備な表情。この眠っているゼルダの顔から、枝分かれするように様々な表情が生まれるのだ。
やはりまだ、笑わない表情の印象が強いが、だからこそ、先に見せたあの笑顔が鮮明に
記憶に残っている。
 時刻のせいばかりでなく、リンクの頬に微かに赤みが差す。
どんな美の女神でも尻込みしてしまいそうな、輝かんばかりの愛らしい笑顔だった。
それだけでない。
寂しそうな横顔、優しい微笑み、怯えた表情、悪戯っぽく見上げてくる瞳。
そうだよな。この人も王姫である前に、一人の女の人なんだ。
今更ながらに気付く。
他に、どんな表情を隠し持っているんだろう。
他の誰にも見せた事のないその表情を、俺は知りたい。
冷静な気持ちを保ったまま頬杖を解き、じっと王女を見降ろす。
ゆっくりと、規則正しく上下する胸元。そこを見ることで初めて、生きているのだと分かる。
人形のように端正な姿は、それくらい生々しさがなかった。
確かめるように、手をゼルダの頬に伸ばす。
 グローブの革越しにも分かる暖かな体温。滑らかな肌。
動悸が募る。リンクは無意識に息を呑み、その手を下へ下へと滑らせていった。
果実のような瑞々しい唇、きゅっと尖った顎、細い首、華奢な鎖骨。そしてドレスの隙から覗く、決定的に男と違う・・・
「ん・・・」
驚いて手を引っ込める。
 ゼルダの目が開くことはなかったが、微かに体が動く。
 悪い事をしているとは思わないのだが(自分の好意の形であると思えたからだ)、変な罪悪感と好奇心が湧き上がる。
 もっと触ってみたい。
しかし、彼女に断りもなく体に触るなど・・・していいものか。
良心の呵責に苛まれそうになった、その時。
あの地震に負けないぐらいの、大地を揺るがすような太く獰猛な声が、リンクの周りの空気を激しく揺らしたのである。



甘美な気持ちを放り投げ、リンクはすぐに警戒の態勢をとった。
声の源泉を目で追う。今度こそ、敵だった。
「キングブルブリン!?」
 巨大化した猪に跨る醜い生き物。皮膚は薬品負けしたように爛れているが、鱗に覆われた隆々とした筋肉は戦う為だけに鍛え上げられたそれだった。
 目の上の肉が垂れ下がり、目元も容易に覗けないが、突き出した口元が不気味に歪む事で何をしようとしているのかが手に取るように分かる。
 思わぬ獲物を見つけた――そんな感じだった。
 危険を感じ、鋭い鍔鳴りをさせ、背にした剣を抜き放つ。
突進ではね飛ばすか、遠方から撃つか、すれ違い様に刃を向けてくるか。
無行の位に構え、どんな攻撃にも瞬時に対応できるよう、期して待った。
その動きを威嚇と捉えたか、怒りを表したように息荒く暴れる猪。
巨大な槍のような牙を天に向かって突き出し、太く短い前足で、石造りの橋を苛立たしげに何度も削った。
騎乗した敵の赤黒く濁った目が歪む。微かに開いた口から、粘つく唾液を歯に絡ませているのが見て取れる。
許しを与えようと、ブルブリンは恍惚とした表情で、思い切り手綱を背に打ち付けた。
 待ち焦がれたように吠え、猪が上体を下げ、脇目も振らず突進してくる。
 言葉通りの猪突猛進。リンクはちらりと後ろを見た。
 王女が目を覚まさない限り、奴を無闇に避ける訳にはいかない。
 地鳴りが凄まじい速さで近付いてくる。
 刹那、決断を下したリンクは剣を掴んだまま、右手を弓に移し、引き抜いた矢を番えた。
 激しい上下運動。迫りくる巨体と威圧感。
 逡巡の暇もなく、リンクは猪の額に向かって矢を放った。
 しかし神の悪戯か、矢は谷間の上昇気流に微かに煽られ、猪の頭を掠めてブルブリンの局部に命中した。
 鋭い絶叫がこだまし、傾いだブルブリンの体はそのまま谷底へ落ちていった。
 しかし、主を失っても、興奮しきった猪の暴走は止まらない。
 舌打ちしている暇はなかった。
次の矢を構える時間も残されていない。
 剣で応じることのできる相手ではない。巨大な牙に阻まれるだけ。
 ならば、大きな山羊だと思え・・・!
 そう思って無謀な取り組みの構えをとったが、
 ――キーン・・・――
 空気を鋭く切り裂く高音が、リンクの耳を劈いた。
 途端、目の前に迫った猪の体が黄金の光に包まれ、それこそ光の速さと見紛う勢いで、猪自身何が起きたのか分からぬまま、塵のように吹き飛ばされたのである。
 見えなくなった猪を茫漠とした表情で見送り、何があったのか確かめるように、リンクは後ろを振り返った。
 そこだけが、切り抜かれた一枚の絵のようだった。
ドレスの裾と豊かな髪を棚引かせ、ゼルダが鋭い目をして立っていたのである。



その左手には、自分の持つ物より幾分か大きな造りの弓。
 右手には、それ自体が光を放つ美しい仕様の矢。
「・・・姫が?」
 やっとのことで口を動かす。俄かには信じ難いという表情であるが、リンクには確信もあった。ガノンドロフに戦いを挑んだ時、一度目にした技だったのだ。
「・・・危ないところでした」
 厳しい表情を崩さぬままの返答。短い間を置いて、リンクは大きく息をついて、はにかんだ。
「助かりました。正直体当たりには自信が持てなかったもんですから・・・」
「当たり前です。あんな大きな相手に素手で対抗しようなんて、馬鹿な方」
照れた表情で頭を掻いていたリンクは、違和感を覚えて訝しげに王女を見た。
 崩れると思っていた険しい表情は、まだゼルダの面を支配したまま。
夕日で陰影を深くした王女の顔は、元々の美しさも手伝って迫力のあるものだ。
口元を微かに震わせたかと思った瞬間、ゼルダはふいとそっぽを向いてしまった。
 ・・・怒っているのか? 何故?
 正直、ちょっと不快だった。
 必死で護ろうとした自分に、この対応は何だ。
 あの可愛らしい笑顔で応えてくれるのではないかと、内心期待していたのに。
 それとも、俺が何か悪い事をしたとでも言うのだろうか。
 ・・・あ。
大いに心当たりがある。
 リンクは顰めた眉を解き、恐る恐る、ゼルダの表情を窺った。
 そこに、既に怒りの表情はなかった。
 微かに目を伏せ、困ったように眉根を寄せ、口元に手を添え、頬を真っ赤に染めている。
 
ばれてる!!!!!
打ち首獄門か?

そんなことを考えながら、しかし同時に、不謹慎にも王女の恥ずかしげな表情に胸を躍らせていた。
 なんて可憐な表情だろうか。ヤバイだろこれ。
 
 あんな危険な賭けをするなんて。
失敗すれば大怪我だわ。なんて無謀なことをする人なの。
生きていてくれて本当に良かった。失う経験を重ねずにすんだ。
・・・本当に・・・あなたのその無鉄砲さには腹が立ってしまうわ・・・。
くすぐったくて目が覚めたときには、リンクの顔が目の前にあった。
 死ぬほど驚いて、でも凄く嬉しくて、体が震えてしまった。
 それに気付いて、リンクは私から手を離した。
悪戯をした少年のような、驚いた表情。手の角度を見て、リンクが私に触れていた事は想像がついた。
私は何だか気まずくて、眠っている振りを続けた。
リンクに悪くて。
・・・悪くて?ウソ・・・。
きっと、私はリンクにもっと触れて欲しかったのよ・・・。
何てことかしら。私がこんなことを思うなんて・・・。
願わくば、あの『夢』でシークにされたようなことをリンクに・・・。



「・・・城に帰りましょう」
 ゼルダの頭がぴくりと動く。気まずい沈黙を破るように、リンクが声を掛けた。
 照れ笑いを浮かべるリンクに、ゼルダもおずおずと顔を上げる。
「すっかり遅くなってしまいましたね。大丈夫ですか?」
「・・・あなたに連れ去られたとでも言えば、私に罪はないでしょうから」
「ええ?!」
しかし、冗談を言うところを見ると、ゼルダの怒りは収まったようだ。頬を膨らませて怒ったふりはしているが、目はいつものように優しい。
可愛い人だ。
 リンクは素直にそう思った。
そしてその想いから、何事にも代えられない、ある決心をリンクは見つけた気がした。
 エスコートし、リンクは橋を渡りきろうと歩き始めた。ゼルダは、その斜め後ろを伏し目がちについてくる。その様子をそっと窺い、微かに微笑んだリンクは、再び前を向いて歩みを進めた。
 近くに草を食むエポナがいる筈だ。早馬のように急がせれば、何とか遅くならない内に送り届けられる。
 そう思って、馬笛を取り出しながら歩みを進めていった。その時だ。
 先を行くリンクの体が、何か透明の障壁のような物に阻まれたのである。
 見事に鼻先をぶつけたリンクは、戸惑ったように二、三歩よろめいた。
「リンク?」
「何だ?これは・・・」
 鼻先を押さえ、恐る恐る手を伸ばす。
 先の風景は見えているのに、見えない空気の壁ができているようだった。
 パントマイムのような動きを繰り返すリンクの動きを不思議に思い、ゼルダも手を伸ばす。何度か擦った後、ゼルダは目を丸くして呟いた。
「こんな魔法・・・目に見えない結界なんて、そうそう作れるものではないのに・・・」
正体の分からない壁。不気味に感じ、二人は不安げに顔を見合わせた。
「あーいたいた。こんな所にいたよ」
「予定の場所から少しずれたみたいですわね」
突然、場の緊張を壊すような暢気な声が聞こえた。
高い耳を動かし、二人は警戒心剥き出しで振り返る。
そこには、いつの間に橋の上にやってきたのか、赤い帽子を被り、形良く黒髭を整えた小柄な男と、見事な刺繍とレースの飾りで彩ったドレスに身を包んだ可愛らしい女性が、傘をさして、風に身を任せる花びらのようにふわふわと舞い降りてくるところだった。



「久しぶりだねリンク」
「ゼルダ姫も。お元気そうで何よりですわ」
 まるで竹馬の友のように親しげに話しかけてきた二人を、リンクとゼルダは思いっきり不審者を見る目で睨んだ。
 しかし敵意のない、人懐こい目を見ているうちに、自分達の反応の方がおかしいのかと怪訝な顔になり、互いに目を見合わせる。
――お知り合いですか?
――姫は?
――でも、お二人は私達を知っているみたいですよ。
目だけで会話を交わすと、二人は再び向き直った。
「――あんた方は?」
リンクの粗野な物言いに、今度は髭の男と傘の女性が目をまん丸にする。
「リンク、何も覚えてないのか?」
「時のオカリナのリンクとゼルダ姫なのですよね?」
そこまで言って、はっとしたように二人同時に叫んだ。
「「まさか、時代が違うの(か)?!」」
何を言っているのか分からない。呆然とするリンクとゼルダを尻目に、二人は怒涛の論議を開始する。
「そういえば、二人とも雰囲気が違うよ!」
「リンクはもっとこう・・・タイツでピッチリしてましたわ」
「ピーチ姫そこ?!それに、ゼルダ姫はもっと胸が遠慮がちだったよな?」
「マリオこそどこで女性を区別してるんですの?!私のことも、この胸で見分けてるんですか?!」
「こんなイイ胸は滅多にないから君が好きなんだよ!サムスのはちとでかすぎる」
「結局胸なんかい!!」
「「あの・・・」」
「「何?!」」
不毛な会話に横槍を入れ、リンクとゼルダは物凄い目で睨まれた。
逆転してしまった立場に動揺しつつ、ゼルダがおずおずと口を開く。
「あなた方の言う時のオカリナ・・・、今はもう手元にはないのですが、先祖代々王家の宝物だった品です。でも、それが・・・?」
ピーチが噛み付く。
「それですわ!!それ、手元にないって、いつ頃なくなってしまったんですの?!」
「さあ・・・。確かなことではありませんが、約百年前の戦争の時に・・・」
「「百年前!!」」
 マリオとピーチが絶叫し、次いでがっくりと肩を落とす。深々と垂れた頭は哀愁漂い、しかし、こんなにコロコロと面白い動きをする人間を見た事がなかった二人には新鮮に映った。



「なんてこった・・・。じゃあこの二人は、あの時の二人の子孫か何かか?」
「全部一からやり直しですわね・・・。あんなに楽しかった思い出も、このゼルダ姫は持っていないなんて・・・」
「やりおったなリンクめ」
「だからそこかよ」
「あの・・・」
 いくらか警戒を解いたリンクが、納得のいかない表情で尋ねる。
「一体何がどうなってるんです?俺達二人とも、わけが分からなくて・・・」
マリオが帽子をきちんと被り直し、上目遣いにリンクを見る。
「黄色い光と地震に襲われただろ?」
「ええ。でも、こうしてまだ同じ場所に・・・」
「同じじゃないさ。ここは僕達、選ばれた戦士の修行の場。リンクもゼルダ姫も、ここで腕を磨く機会を与えられたってことなのさ」
 分かるようで分からない説明に、二人は首を傾げた。
 ピーチが苦笑しながら助け舟を出す。
「まあ、分からないのも無理ないですわ。私達だって、最初は戸惑うばかりでしたもの。一旦、お二人を皆の所へ連れて行って差し上げたらいかが?」
「そうだね。さあ、二人ともついておいで。ここにいたって何も解決しないさ」
 二人は目を見合わせた。
 どうやら危険な人物ではないらしい。限りなく怪しい人物ではあるが。
 何が起こっているのか、さっぱり見当もつかない今、ついて行くより他に選択肢はないだろう。
 そう結論付けた二人は、頷きを交わすと、マリオとピーチの方に向かって歩き始めた。
 彼女には、彼には、不安があるのではないか。
互いに互いを盗み見る。目が合って、恥ずかしそうに笑ってしまった。

私はもう、護られるだけの姫ではない。
あなたと肩を並べ、あなたと共に戦える。あなたを護ることだって。
ゼルダは心の中で、生まれたばかりのもう一人の自分に誓いを立てた。

あなたがどんな女性なのか、俺はまだよくは知らない。でも、遠い昔から知っていた気がするんだ。
たとえ何があろうとも、抱いた決心を固く貫いてみせる。
 リンクは心の中で、忠誠心とはまた違う誓いを、己の剣と命に立てた。
 
未だに緊張した表情の二人を、マリオとピーチは優しく見やり、奇妙な装置の所へ誘う。
やがてそれは暖かな光を発し、谷間を一陣の風が縫ったと思った次の瞬間、四人をその場から見事に消し去ったのである。

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