19年10月23日 総会 議事録13
議事録1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 >13 14 15
○陰山委員 ここで私はカリキュラムの問題とか教育内容の問題が入っていないということが非常に不安なんです。僕も最近、いろいろな国々を回って、ようやく見えてきたんですけれども、例えば欧米なんかの場合であれば非常に簡単な問題から難しい問題へレベル的にアップしていくという感じなんですが、日本の指導要領の場合は非常に緻密なカリキュラムになっているんです。
例えば3年生で四角形の面積を学習して、4年生で三角形の学習をやって、そして3年生では半径とか直径とかを勉強して、5年生の3学期に円の面積を学習するようになっているわけです。これが4年生を飛んでしまうとどうなるのだろうかということなんですよ。
だから、そこら辺が今までのカリキュラム、いわゆる欧米のカリキュラムを見てきて、何で飛び級みたいなことが可能なのかなと思って教科書を見てみると、ああそういうことかと。だから、そこら辺のカリキュラム内容というものをきちんと見ておかないと、特に義務教育段階はその部分が非常に緻密にできています。それが昔と今の実態と、それから特に子供たちが中学校段階で習得できないということが 20年ぐらい前から始まりましたから、そのために無理やり間引いたのがかえって学力低下問題とかにつながってきているという実態があるわけなんです。
ですから、私は日本において義務教育段階で飛び級をするというのはあり得ない話だと思っているんです。これが例えばスポーツなんかではコースが非常にはっきりしています。
それは例えば部活動とかでやる。それは大いにやってもらったら結構なんですけれども、そこはちょっと違うのではないかと思うんです。
それからもう1つ、学力のことについて、これは現場を見て思うんですけれども、例えば今、習熟度別学級編成をやっていますけれども、僕は非常に慎重派なんです。といいますのは、できる子も絶対につまずきを持っているんです。必ずあります。
これはスポーツに置き換えてもらったら非常にわかりやすいんですけれども、マット運動が得意な子は水泳が得意とは絶対に限らないですね。同じように算数でも計算の得意な子が文章題が得意とは限らないし、図形の問題になると解けないということはよくあることなんです。
だから 90点、90点、95点、100点とってみても 10点、10点、5点とれない部分が残ってきているんですね。これが中学校のある段階になってくると、小さいけれども深い傷というのが一気に表面化してきて、小学校であれだけよかった子が中学校で伸びないとか、高校で伸びないということが起きてくるんですよ。
だから、僕らは現場にいて、できる子供たちを、とことん傷を見つけて、言葉は悪いんですが、そこをいたぶって、そうしないと自分はできるという思いがあるから気がつかないんです、教えてあげないと。ですから、そういうことがあるので、もうちょっとこの辺もエビデンスに基づいて、特に義務教育段階での飛び級については慎重であっていただきたいなと思います。
○野依座長 ここで言う飛び級とかそれから留年というのは圧倒的にできる子、それから明らかに学力が身に付いていない子、そういう子のことを言っているわけで、よく精査しなければ差がつかないようなことを問題にしているわけではないと思うんです。
だから、中には圧倒的にできる子、それから全然できていない子というのがやはりいるのではないでしょうか。
○陰山委員 だから、そういう子供たちは小学校3年生か4年生の勉強を捨てて小学校5年生に上がっても大丈夫だという話ですか。
○野依座長 圧倒的にできる子は。
○陰山委員 圧倒的にできる子は。
○野依座長 そういう子も中にはいますよね。ほかに。小野委員。
○小野委員 確かに今の件は本当に圧倒的にできる子を対象に考えるべきなんです。積み
上げていくというのは難しいと思うんです。だから、ごく少数の例外だと思いますが、少数の例外に道を開けるかどうかだと思います。
もう1つは、学力が十分でない子を無理やり原級留置するというのは、これは絶対にやめたほうがいいと私は思います。親が納得して、もう1回勉強しようというのであれば、それはかまわないと思いますけれども、やはり小学校で無理やり、あんたは成績が悪いから1学年下におりなさいというのはちょっときついかなと思います。
○野依座長 葛西委員、どうぞ。
○葛西委員 いろいろ考え方はあると思います。飛び級というと一般的に学年が上がるということを指すと直感的に思われているようですが、もう一方で学科によって得意なものは上級のクラスに加わるという考え方もあるわけです。これはどちらも矛盾していないような気がいたします。これら2つの考え方を両方取り入れるというのがいいのではないかと思います。
出来る子はどんどん伸びるときに伸ばすというようにしないと、結果的に時間を無駄にすることになります。それは国のためにも本人のためにも社会のためにも良くないという気がいたします。
○野依座長 浅利委員、どうぞ。
議事録1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 >13 14 15
○陰山委員 ここで私はカリキュラムの問題とか教育内容の問題が入っていないということが非常に不安なんです。僕も最近、いろいろな国々を回って、ようやく見えてきたんですけれども、例えば欧米なんかの場合であれば非常に簡単な問題から難しい問題へレベル的にアップしていくという感じなんですが、日本の指導要領の場合は非常に緻密なカリキュラムになっているんです。
例えば3年生で四角形の面積を学習して、4年生で三角形の学習をやって、そして3年生では半径とか直径とかを勉強して、5年生の3学期に円の面積を学習するようになっているわけです。これが4年生を飛んでしまうとどうなるのだろうかということなんですよ。
だから、そこら辺が今までのカリキュラム、いわゆる欧米のカリキュラムを見てきて、何で飛び級みたいなことが可能なのかなと思って教科書を見てみると、ああそういうことかと。だから、そこら辺のカリキュラム内容というものをきちんと見ておかないと、特に義務教育段階はその部分が非常に緻密にできています。それが昔と今の実態と、それから特に子供たちが中学校段階で習得できないということが 20年ぐらい前から始まりましたから、そのために無理やり間引いたのがかえって学力低下問題とかにつながってきているという実態があるわけなんです。
ですから、私は日本において義務教育段階で飛び級をするというのはあり得ない話だと思っているんです。これが例えばスポーツなんかではコースが非常にはっきりしています。
それは例えば部活動とかでやる。それは大いにやってもらったら結構なんですけれども、そこはちょっと違うのではないかと思うんです。
それからもう1つ、学力のことについて、これは現場を見て思うんですけれども、例えば今、習熟度別学級編成をやっていますけれども、僕は非常に慎重派なんです。といいますのは、できる子も絶対につまずきを持っているんです。必ずあります。
これはスポーツに置き換えてもらったら非常にわかりやすいんですけれども、マット運動が得意な子は水泳が得意とは絶対に限らないですね。同じように算数でも計算の得意な子が文章題が得意とは限らないし、図形の問題になると解けないということはよくあることなんです。
だから 90点、90点、95点、100点とってみても 10点、10点、5点とれない部分が残ってきているんですね。これが中学校のある段階になってくると、小さいけれども深い傷というのが一気に表面化してきて、小学校であれだけよかった子が中学校で伸びないとか、高校で伸びないということが起きてくるんですよ。
だから、僕らは現場にいて、できる子供たちを、とことん傷を見つけて、言葉は悪いんですが、そこをいたぶって、そうしないと自分はできるという思いがあるから気がつかないんです、教えてあげないと。ですから、そういうことがあるので、もうちょっとこの辺もエビデンスに基づいて、特に義務教育段階での飛び級については慎重であっていただきたいなと思います。
○野依座長 ここで言う飛び級とかそれから留年というのは圧倒的にできる子、それから明らかに学力が身に付いていない子、そういう子のことを言っているわけで、よく精査しなければ差がつかないようなことを問題にしているわけではないと思うんです。
だから、中には圧倒的にできる子、それから全然できていない子というのがやはりいるのではないでしょうか。
○陰山委員 だから、そういう子供たちは小学校3年生か4年生の勉強を捨てて小学校5年生に上がっても大丈夫だという話ですか。
○野依座長 圧倒的にできる子は。
○陰山委員 圧倒的にできる子は。
○野依座長 そういう子も中にはいますよね。ほかに。小野委員。
○小野委員 確かに今の件は本当に圧倒的にできる子を対象に考えるべきなんです。積み
上げていくというのは難しいと思うんです。だから、ごく少数の例外だと思いますが、少数の例外に道を開けるかどうかだと思います。
もう1つは、学力が十分でない子を無理やり原級留置するというのは、これは絶対にやめたほうがいいと私は思います。親が納得して、もう1回勉強しようというのであれば、それはかまわないと思いますけれども、やはり小学校で無理やり、あんたは成績が悪いから1学年下におりなさいというのはちょっときついかなと思います。
○野依座長 葛西委員、どうぞ。
○葛西委員 いろいろ考え方はあると思います。飛び級というと一般的に学年が上がるということを指すと直感的に思われているようですが、もう一方で学科によって得意なものは上級のクラスに加わるという考え方もあるわけです。これはどちらも矛盾していないような気がいたします。これら2つの考え方を両方取り入れるというのがいいのではないかと思います。
出来る子はどんどん伸びるときに伸ばすというようにしないと、結果的に時間を無駄にすることになります。それは国のためにも本人のためにも社会のためにも良くないという気がいたします。
○野依座長 浅利委員、どうぞ。
議事録1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 >13 14 15
2007年12月03日(月) 18:51:11 Modified by ID:Su1KRnhZfQ