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19年10月23日 総会 議事録3

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○野依座長 どうもありがとうございました。実は先日の運営委員会で第三次報告と最終報告の関係について議論いたしましたが、今後、これらの残された検討課題について、毎週1回のペースで合同分科会の形式で議論を行い、そして12月中をめどに第三次報告をまとめたいと思っております。

 そして、第一次、第二次、第三次報告をまとめた全体としての最終報告を来年1月をめどにまとめていこうということを考えております。

 このことも含めまして検討事項とフォローアップにつきましてご意見がございましたら、ご発言いただきたいと思いますけれども、まず池田座長代理のほうからお願いしたいと思います。

○池田座長代理 ただいま野依座長よりご案内がございました第三次報告と最終報告の件でございます。特に最終報告では私ども教育再生会議が目指しておりますところの教育についての理念や目標といったものを再度明確に示す必要があるのではないかと思います。我々の思いを象徴的なキーワードをもってメッセージとして発信すべきではないか。そういうことを強く感じさせられております。

 先ほど福田総理からお話がございましたが、大変ありがたいことに日ごろ総理がお考えになっておられることと、私どもが目指しております方向が一致しているというお話をいただきまして、大変意を強くしております。

 そういうことから申し上げるわけではございませんが、これから私どもが目指すべきキーワードの一つは、福田総理が所信表明演説でお話になられました「自立と共生」、これが教育における大変大きなメッセージではないかと常日頃から私自身は思っておりました。

 自立は、個々の尊厳といったものを尊重しながら、教育の現場におきましてそれぞれが自立していくように育んでいくということ。そして、その自立した個々人がお互いに助け合い、お互いの存在を尊重し合って共生していくということ。このことが、社会全体にとりましても重要なことである以上に、教育の現場におきましては最も重要なキーワードであると思います。ぜひとも最終報告の1つの理念、目標にこの自立と共生を中心に据えて議論をさせていただければ大変ありがたいと思っております。会議の冒頭でございますけれども、このことをご提案させていただいて、また皆さんのご意見をちょうだいしたいと思っております。

○野依座長 どうもありがとうございました。いかがでございましょうか。では、陰山委員。

○陰山委員 三次報告に向けての今後の検討課題の3のところの「社会総がかり、省庁総がかり、現場中心主義」のことについて1点お願いしたいことがあります。といいますのは、この一次、二次、三次に向けていくにつれて、社会として子供たちや学校をどう支援していくのかという観点が非常に弱くなってきているのではないかと危惧をいたしております。

 先日、イギリス、フィンランドを回ってきましたけれども、中学校の先生と行ったんですけれども、子供たちが問題行動を起こさないかという質問をよくされました。というのは、それほどお悩みになっているからだと思います。ところが、フィランドのほうに行きますと、全然それが話題にならない。なぜかというと、そういうふうな若者たちがたまっていくような場所がそもそも社会にない。もちろんコンビニみたいなものもありませんし、それから子供たちが見るテレビ番組にしましても、英語とかフランス語の字幕スーパーで読んでいるから、知らずに実は英語やフランス語の勉強をしてしまっているんだみたいな話もあって、子供たちが伸びていく社会環境というものが1つのインフラとしてあるんだと。

 その点で、私は子供を巡る社会環境についてということをもう一遍きちんと明記をしていただいて、社会全体で子供たちを伸ばすんだということを是非ともこの教育再生会議の場から発信していただくことをお願いしたいと思います。

○野依座長 では、川勝委員。

○川勝委員 「自立と共生」、これをキーワードにするということに賛成しております。特に福田総理の所信表明にございましたように、地方と都市とが共に支え合う共生ということですね。そして、それが教育によってどれぐらいそれに資するかということです。自立は所信表明の中では体験学習を通じた自立。それから徳育を通じた思いやりの精神、これを育むということになっていますね。我々の第二次報告でも心と体の調和した発展をということなんですが、しかしこれを小学校、中学校あるいは高校でして、最終的に高校を卒業いたしますと、いわば偏差値のランキングで東京に集中した大学に人々が来るということになりまして、なかなか共生の実を上げることができない、そういう実態があると思います。

 したがって、それをどのようにしたら是正できるかといいますと、1つには偏差値における一番トップにあって、しかも今日は来ていらっしゃいませんが小宮山委員が知の構造化と、すなわち最先端の知恵を体系化して、いかに子供たちに血肉化させるか、そういうご提言だと思います。最高偏差値のところで東京大学ですと教養学部だけですね。したがって、あと法学部あるいは経済学部、文学部、教育学部というのは、これはいわば知の非構造化、専門化ということになっておりますので、したがって教養学部を除いて東京大学の学部を順次撤廃していく。そして、知の構造化をするような、いわゆる文理融合の、そういう教養学部のみを残して、そして大学院のいわば先端知というものを世界と競争するような、そういうところに特化していくようにしていく。これは野依座長の言われる囲い込みを廃止するということに通ずると思います。

 そういたしますと、いわば中心が空洞化いたしますので、京大なり東北大なり北海道なり、そういうところがお互いに優秀な学生を募るために地域間の競争をする。それはいわば地方の自立を知の面で、あるいは学問の面で、教育の面で支援することになるというふうに思うわけです。

 そしてもう1つ教育院という、すなわち教育者をどのようにレベルを上げるかというときに教育院構想が出ております。これは今の東京大学の教育学部も廃止をして、そこを教育院にし、教養学部と連携して日本の最先端の知をそこで日本の各教員の先生方にインターンシップで勉強していただく。

 ということで、最先端の知を東京大学で大学院として特化する。そして、学部を漸次廃止する。そういうことがこの「自立と共生」という、それを教育面で実態化する1つの方法になると思います。

○野依座長 大学の問題はまた別の日に重点的に討議することになると思います。中嶋委員、どうぞ。

○中嶋委員 今後のスケジュールのことで申し上げたいと思います。この間の運営委員会でも私、発言させていただきましたけれど、福田内閣になるまでに1か月前後の空白がありまして、今度、また非常に力を入れてやっていただけると大変うれしいんですけれども、そのためにたくさん課題があるものが果たして12月に第三次報告としてまとまるかということには、ちょっと無理があるような気がします。もう1か月ぐらい延ばして、そして最終報告は年度内にきちんとまとめてはどうか。それこそまだやることがたくさんあります。特に高等教育に関していいますと、日本の大学、大学院はこのままいくと本当に世界で落ち込んでしまうのではないかという危機意識を持っておりますし、それらの問題を考えると、ちょっとスケジュール的には今から毎週やるといっても12月までに三次報告というのは、ちょっときついような気がしますので、その辺またご検討いただいたほうがいいのではないかと思います。

○野依座長 今の件は伺っておきまして、では渡邉委員、どうぞ。

○渡邉委員 これは今まで何回かお話ししているんですが、第三次に向けてお願いしたいのは概念として、自立、共生を掲げるのは、本当にすばらしいことですが、実際、私は今、教育委員会、今日もあったんですが、特別免許状ですとか、例えばゆとり教育の見直しというものが全く現場に落ちていっていない。つまりここで話し合われていることが何にも現実になっていかない。

 私は学校の経営もしているものですから、学校の経営という立場と、それから教育委員会という立場、この立場から見て、ここでの議論が何も下に落ちていっていないというのを正直実感しています。ですから、これから第三次に向けて、私はそれは概念ではなく、やはり仕組みに落とし込んでいかなければならないのではないか。先ほど大臣から言われましたように、私はバウチャーであるとか、もしくはバウチャーでないのだったら学校選択制、もしくは奨学金の強化という、この仕組みに落とし込んでいくという1つの視点をぜひこれから持っていただきたいというのがお願いであります。


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2007年12月03日(月) 19:10:05 Modified by ID:Su1KRnhZfQ




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