最終更新:ID:ubYQ4OeIcg 2024年02月29日(木) 19:32:14履歴
「ご指名ありがとうございます……あ、I:Pマスカレーナと申します……!」
煌びやかな街の光の中、人目を避けるようにひっそりと明かりを放つ建造物。非合法の高級ソープランドの個室では、茶髪をツインテールに結んだ美女が三つ指をつき、深々と頭を垂れた。
「今宵はどうぞよろしくお願いしますね……お客様」
高級感溢れる装飾が施された部屋で、その美女は薄布一枚纏っただけの恰好をしている。
しかし、そんなマスカレーナの内心は……
何であたしがこんな場所でこんな恰好して、こんな格好の相手に頭下げなきゃなんないの……!
内心では屈辱と怒りに震えてはいた。だが、それも仕方ない。彼女は本来裏社会で名をはせる運び屋なのだから。
マスカレーナがなぜソープで働くことになったのか、それは数日前にさかのぼる。
「へっ!?なんで壊れてるのよ……!?」
その日、マスカレーナはとある仕事を受けていた。運ぶのはとある骨董品の壺。依頼人からは細心の注意を払って運んでくれと言われ、壺に何かがあったらその賠償額を支払わされる羽目になると脅されていた。
その分報酬は過去類を見ないほどの高額な、まさしくハイリスクハイリターンの依頼。マスカレーナとしてはこんなおいしい仕事、受けないという手はなかった。
しかし、そもそもこの壺に少しの揺れで崩れてしまう細工が施されており、この依頼はマスカレーナを陥れるための罠であった。
「もしかしてハメられた……!?だとしても……!」
結果としてマスカレーナは依頼人に損害賠償を求められることになった。どうにもハメられた証拠を掴めなかったマスカレーナは、依頼人がオーナーを務める違法ソープランドで働いてその賠償金を返すこととなったのだ。
マスカレーナが特に気にしているのは、源氏名を使わせてもらえず、普段活動する際の名前をこの店でも使わされていることだろう。
「へぇ、本当にあのマスカレーナさんなんですね。まさに噂通りの美女だ」
今日の客は若い青年だった。それぐらいの歳であればわざわざこんな店に来なくとも十分相手は見つかるだろうに。
しかし、彼のような若い男でもこの店に来る理由はマスカレーナも理解できる。
このソープランドは売り出し中のアイドル、インフルエンサーといった表の世界で活躍する者から、マスカレーナのような裏の世界に生きる者まで、裏表関係なしに名の知れた女性が様々な事情で嬢として働く店なのだ。
そんな極上の女を金さえ払えば好きにしていいとなれば、金を持て余す金持ちの男たちが来ないわけがない。
「それではまずは衣服の方、脱がさせていただきますね。失礼します」
マスカレーナはお得意の作り笑顔を浮かべて、客の服を脱がしていく。マスカレーナも身売りをして生計を立ててきた時期もあり、今でもハニートラップを仕掛けることもある。服を脱がせる手つきは慣れたものだ。そしてその服を脱がせていく中で相手が一体どんな人間であるかを伺うこともできる。
今回の客はこれまでの客の中でも特に金を持っているらしい。ただ気になることがあったとすれば、服のセンスが随分と若い。20代どころか10代の学生なんかに流行っているブランドで固められている。
もしかして学生?って言っても、そもそもこの店自体が違法なんだし、そこまで気にしなくてもいいか。
客の服を脱がせて全裸にしたところで、マスカレーナも自身の衣服に手をかけていく。
肩ひもを下ろすだけで簡単に下着姿になれるキャミソールとワンピースを合わせたような煽情的な衣服は、客の視線を奪って離さない。
「あ、あまりジロジロ見ないでくださいね……?恥ずかしいですから……」
マスカレーナはすこし引きつらせた笑みを見せる。それでも彼は服を脱ぐマスカレーナを見世物でも見るようにじっくりと見つめている。
その視線が彼女にとっては不快でならないのだが、その感情を表に出す訳には行かない。
「それでは...まずはお背中を流しますね」
マスカレーナはボディーソープを手に取り泡立てると、青年の背中に手を当てていく。繊細な手つきで泡の塗り広げていくが、彼の反応はどうやらイマイチらしい。
覗き込むように顔を伺ってみると、ガッカリといった様子を隠さず、どこかつまらなそうにしている。
「あの…もっと身体を使って洗えませんか?ほらマットを使って」
「……はい、申し訳ございません……」
マスカレーナもこうして文句を言われて頭に来ないわけではないが、こうして賠償分働かされている以上は文句を飲み込んで対応しなくてはならない。
マットに寝転がる青年の横に膝をつくと、マスカレーナは胸を押し当てるように身体を密着させていく。
身体を上下させるようにこすりつけ、時に泡を潤滑油にして彼の身体を洗っていく。
「どうでしょうか?気持ちいいですか?」
「えぇ、さっきよりも全然いいです」
どうやらようやく彼のお気に召したらしい。それならばと、マスカレーナはこの洗体奉仕を続けていく。
マスカレーナは青年の腕を自身の腿で挟み、腰を前後させて股をこすりつけていく。必死に声を出さないようにはしているが、その彼の腕には泡以外の滑り気が出始めてしまっているが、マスカレーナは気にしないふりを決め込んで奉仕を続ける。
「はい…お身体の洗浄はこれで終わりになります」
マスカレーナは奉仕を終えると、すぐに彼の身体から離れてシャワーで泡を洗い流していく。
このまま本番になだれ込むのは避けたいと、マスカレーナはすぐに部屋の恥から一本のボトルを取り出す。
「このままローションでマッサージしていきますね」
マスカレーナはローションを手に取ると、自身の身体に垂らしていく。艶がかったその肢体はそれだけで男を誘うような妖しさを秘めている。
ちらりと青年の反応を見てみると、彼もこちらをじっと見つめている。どうやらお気に召したようだ。
「それでは、失礼しますね……」
マスカレーナはマットの上で仰向けになった青年の上に覆いかぶさるように身体を密着させて、ローションに濡れたその肢体で彼の身体を撫でまわすようにマッサージをしていく。天を突くように勃起した彼のモノを腿に挟みながら、竿に優しい刺激を与えていく。
「あっはは…すごいですね…とても気持ちいいですよ……」
「はい…ありがとうございます」
青年の口から出た誉め言葉に、マスカレーナは上っ面の感謝の言葉を返す。これはあくまで、本番を避けるために行っていること。こんな奴の誉め言葉なんて、本当にどうでもいい。
淫らな水音が部屋に鳴り響く。彼も興奮しているのか、熱い吐息が漏れてマスカレーナの肌をくすぐっていく。
良い兆候だ。このまま一回果てさせてしまえば、本番に行く前に時間や体力の限界で終われるかもしれない。
マスカレーナはそのまま腿で挟んだ竿を扱いて吐精を促していく。
「ふふっ…乳首同士をぴったりとくっつけて…全身であたしの身体を味わってください」
「すごいですね…これは……」
マスカレーナは彼の身体に自身の身体を預け、胸同士を密着させて擦り合わせていく。ローションで滑りやすくなった身体同士は面白いように滑り合っていき、乳首同士もまたぴったりと重なり合う。
青年への快感も相当なものだろうが、彼はそれでも紳士ぶった様子でマスカレーナの奉仕を受けている。それがマスカレーナにとっては余計に気に障った。
そもそもこんな店に来ておいて紳士もクソもないだろうに……
マスカレーナはそんなことを想いながらも、決してそれを表に出さない。彼が果てるまでひたすら奉仕を続けていく。
腿からはみ出た亀頭を指先で優しく撫でまわし、カリ首も丁寧に擦る。
マスカレーナが擦る度に、彼の口からは甘い声が漏れ出る。彼の限界が近いのだろう。
「すごく……気持ちいいです……もう」
「いいですよ……そのままお出しください……」
マスカレーナがそう促すと、さらに竿は震えだして、そして……
「くっ……!うぅ……!」
彼はマスカレーナの身体に精を吐き出す。生暖かい白濁とした液体がマスカレーナの身体を汚していく。
マスカレーナは一瞬兼男の表情を浮かべるが、彼に見られないように、すぐに作り笑顔に切り替える。
「はい……ちゃんと出しましたね」
「すごく気持ちよかったです……ありがとうございます」
彼はそう言いながら、マスカレーナに笑みを向けてくる。マスカレーナも彼に合わせるように、上っ面の笑みを浮かべて返す。
すると青年はマスカレーナの腕をつかんで、そのままマットに押し倒す。思わずマスカレーナは驚きに目を見開いた。
彼はマスカレーナに馬乗りになって、興奮を隠そうともせずにマスカレーナを見つめている。
「ちょっと何を……!?サービスにないことは……!」
「そのまま休んでいてください。今度は私が気持ちよくして差し上げますよ」
彼はそう言うと、マスカレーナの秘所に指を入れ、優しく撫でるように責めていく。さらにマスカレーナの乳房を片手で寄せると、自身の肉棒を挟み込ませていく。
「ん……くぅ……!あんたいい加減に……」
お礼などと言いながら、彼は自身の快楽のためにマスカレーナの身体を性玩具のように扱っている。客相手だからと大目に見れる範疇を超えており、マスカレーナもいよいよ愛想のいい仮面が外れて、素の口調が出そうになっていた。しかし…
「そういえば、僕がここのVIPだって知ってました?」
青年はなんてことのない様に言ってのける。それに対してマスカレーナは自分の耳を疑っていた。
青年が着ていた服は高級なブランド品で固められている。だがその程度、この店に来る客なら珍しいことはない。それゆえにマスカレーナはその言葉に疑念を持っていた。
しかし、これがもし本当であれば、下手に失礼な態度をとれば、さらに店から賠償を請求されかねない。
「そうでしたか……それは失礼しました」
マスカレーナは青年の機嫌を損ねないように、必死に笑顔を作って謝罪の言葉を述べる。彼はマスカレーナが従順になったことに気を良くしたようで、気を取り直して彼女の身体を使って自身の性処理を再開させる。
「いっ…いかがでしょうか……?あたしのおっぱいの使い心地は……んひっ……!」
青年はマスカレーナにこれ以上喋らせないとばかりに、彼女の乳首を強くつねって言葉を遮らせる。マスカレーナはその刺激に思わず喘いでしまうが、彼はそれでも構わず、自分の欲望に従ってマスカレーナの身体を使っていく。
本気で抵抗すればすぐにでも逃げられそうな状況だが、これ以上状況を悪くするわけにはいかないと、マスカレーナは男から与えられる快楽に必死に耐え続けた。
「ほらほら、もっと奉仕してくださいよ。金払ってるんだから、ちゃんとしないと」
「んあぁ……ッ!わかっ……わかりましたぁ……!んはぁ……!」
馬乗りにされ青年の好きなように身体を使われているマスカレーナは身動きをとれず、彼女にできることは腕で胸を寄せて乳圧を強める程度だった。
しかもそれのせいで両手が開いた青年によってさらに身体をまさぐられて、快感をこらえることがますます困難になっていく。
「ちゃんと僕のことを満足させてくださいよ?満足させられなかったらお仕置きですからね?何が良いかな〜?オクスリでも良いし、裏動画に流すのもありかな〜?きっとすごい反響が出るだろうなぁ〜……ねぇ?マスカレーナさん?」
「ッ!わかりっ……ましたぁ……!んちゅっ…!じゅぞっ…!」
彼の脅迫のような言葉に、マスカレーナも屈するしかなかった。自身の乳房の間からはみ出たそれを、口に含んで奉仕を始める。
彼がVIPであると断言が出来なくとも、その意に反することはあまりにもリスクが大きいように思えてしまった。
完全に彼に主導権を握られ、マスカレーナはいいように弄ばれる。
「パイズリフェラすごっ……こんなのこの店の子でもそうそうできませんよ……!もともとこういうのが好きだったをじゃないんですか…?」
嘲笑のような言葉とともに、青年はマスカレーナの秘所に指を入れ、膣内を掻き回す。身体を抑えられて身をよじらせることも叶わず、口も塞がれているマスカレーナはその刺激に耐えるしかない。
「んぶっ……んんんっ……!!」
「あはは…こんなにまんこも濡らしちゃって……結構興奮してるじゃないですか」
「んふうぅぅ……!」
マスカレーナは否定したくても、口を開けば嬌声が漏れ出てしまい、その言葉に説得力を持たせてしまう。秘所からとめどなくあふれ出す愛液が、青年の指を濡らしていく。もはや抵抗することも出来ず、マスカレーナはただただ青年に身体を弄ばれるだけ。
口の中に独特な苦みが広がっていき、それに不快感を覚えながらでも奉仕を続けるしかない。
「んむっ……んじゅっ……!じゅぞぞっ……!」
「ははっ……!本当に上手ですね……そんなに僕のちんぽが美味しいですか?」
青年はマスカレーナを嘲るように笑いながら、さらに激しく責め立てていく。次第に瞳に涙が溜まっていき、マスカレーナの瞳には青年の姿がぼやけて映る。しかしマスカレーナは、青年の機嫌を損ねないように奉仕を続ける。
「んぶっ……!んぢゅっ……ずぞぉ……!」
「あーもうダメ。イくっ……!」
青年が限界を迎えると同時に、マスカレーナの口の中に劣情が放たれる。今日二回目とは思えないほど多く、マスカレーナの口が青年の精液で満たされていく。
「んむっ!?んんっ……!」
「ほら、飲んでください。飲み干さないとお仕置きですよ?」
所謂「ごっくん」も、別に料金を求められるオプションなのだが、青年は当然のようにマスカレーナに指示をする。マスカレーナもここで抵抗してはまずいと、諦めてその指示に従って精液を嚥下していく。苦い、しょっぱい、そして喉にまとわりつくような粘り気。
お世辞にも美味しいと言えるものではないが、飲まなければ何をされるかわからない。マスカレーナは青年の指示に従うしかなかった。
「んぐっ……んんっ……!」
「ちゃんと全部飲み込めました?じゃあほら、ちゃんと口の中も見せないと」
青年の言葉に、マスカレーナはゆっくりと口の中を開いていく。それを覗き込んで、すべてを飲み込んだことを入念に確認すると、満足げな表情を浮かべる。
「よくできました。ご褒美に、僕のちんぽを挿れてあげますよ」
「え…!?あ、いえ……あたしは……」
青年は今もなお硬さをとどめているそれをマスカレーナの淫裂にあてがう。何とか避けようとしていたことを始めようとする彼に、マスカレーナは動揺を隠せない。
「何嫌がってるんです?僕はあなたとセックスをするためにここに来たんですよ?」
「せっ…せめてゴムを……!」
「そんなの付けるわけないじゃないですか。あなたの子宮に直接注ぎ込んであげますよ」
「え……!?やっ……待っ……」
マスカレーナの懇願もむなしく、青年のそれがマスカレーナの中に侵入していく。別に初めてだったというわけではない。しかしだからと言って誰とでも寝たいわけではない。こんな欲望に忠実な男に犯されるとなるとなおさらだ。
「んあっ……!ああっ……!」
「お、意外と結構良い締まりしてますね……遊んでるならもっとガバガバかと思ってましたが」
「いやっ……!やめっ……!」
青年の腰の動きが、マスカレーナの中をかき乱していく。まるで性玩具を扱うような乱暴なその腰つき。それなのに重点的にマスカレーナの弱いところを責め立ててくる。
「あぁ、やっぱり入口が弱いんですね……突くたびにまんこが締まって……気持ちいいですよ」
「ちっ……違うっ……!そんなに弱いとこばっか……んひっ!?」
青年はマスカレーナの言葉に耳を貸さずに、そのまま腰を打ち付けていく。口では嫌がっているが、身体はその快感に反応し続けてしまっている。青年の激しい責めに、マスカレーナは喘ぎ声を漏らしながら彼の欲望を受け止め続ける。
「ほら、口も近づけて。ご褒美にまたキスしてあげますから」
「んっ!?んぢゅる…んれぇ……!」
青年はマスカレーナの頭を両手で押さえると、再び強引に口づけをする。その強い力に抗うこともできず、マスカレーナはされるがままになるしかない。
無理やり舌をねじ込まれ、口の中を貪るように犯される。今度は先ほどと違い拒むことも出来ないまま、青年の舌使いに翻弄されていく。
「んぢゅっ……れろぉ……!んんぅ……!んっ……!」
「ぷはっ……ははっ…!マスカレーナさん、すごい顔になってますよ?」
青年に指摘されて、マスカレーナは自分がどんな表情をしていたのかを知る。目は虚ろで涙を流し、口の端からはだらしなくよだれが垂れている。
自分の顔ながら、見られたものではない。マスカレーナは羞恥で顔を赤らめるが、それを隠すことは許されない。今度は腕を強く掴まれて、その顔を間近でまじまじと観察される。
「ほら、もっとちゃんと見てくださいよ。あなたのだらしのない顔……」
「もういやっ……やめてください……!」
その快感におびえた様子のマスカレーナは、最初に青年とあった時の経験豊富そうな雰囲気など見る影もない。生娘のように弱弱しい声で許しを請うが、それは逆に青年の劣情を煽るだけの結果となった。
「おぉ……良い声ですね……!もっと虐めたくなります……!」
「んあぁっ!?やめっ……!んあっ!」
青年の腰の動きがより一層激しくなり、マスカレーナの口からは嬌声がひっきりなしに漏れ出る。顔を真っ赤にし、涙とよだれでぐしゃぐしゃになった顔で必死に懇願する。
「お願いします……もう許してください……」「嫌ですよ。これはお金を払ってあなたを買ったんです……あなたが僕を満足させるまで僕は止めませんから」
そう言って青年はさらに腰を強く打ち付けてくる。押し寄せる快楽にマスカレーナは抵抗などできず、ただ喘ぐことしかできない。
それに、何度も青年に絶頂させられて身体は敏感になっており、彼に抵抗する力が残っていない。このままでは本当におかしくなってしまいそうだ。
しかしマスカレーナの不安は的中し、すぐにその時は訪れた。
「イキますよ……!中に全部注ぎますからね……!」
「いやっ!それだけはっ!んあっ……!イっ……!」
青年が限界を迎えて、マスカレーナの中に精液を吐き出した。膣内に熱い液体が注ぎ込まれていき、その感覚でマスカレーナは絶頂を迎えた。
「んあっ……!やっ……あぁっ……!」
身体を痙攣させて、足をピンと伸ばす。快感が全身に広がり、呼吸がうまくできない。脳天まで貫くような絶頂の感覚が身体を支配する。
それと同時に膣が強く締まり、先ほど果てたにもかかわらず青年の肉棒を締め上げていく。最後の一滴まで搾り取ろうとするようなその強烈な刺激に、青年は苦しそうな声を上げる。
「くぅっ……!射精し終わったからってそんな締め付けないでくださいよ……!」
「はあっ……あっ……」
当然、今のマスカレーナに意図的にそんなことが出来る余裕はない。意識を保つことで精いっぱいだ。
やがて膣内を埋め尽くしていた青年のモノが引き抜かれると、開いた膣口からどろりとした精液が流れ落ちる。
呆然とした表情でそれを眺めることしかできないマスカレーナは、ただ青年になされるがままにされたことを悔しく思うだけだった。
「ふぅ……なかなか良かったですよマスカレーナさん」
「っ……!」
動けるようになるまでもう少し時間が必要そうなマスカレーナを一瞥して青年が立ち上がると、カバンから何枚か紙幣を取り出すとマスカレーナに投げ捨てるように手渡す。
「これ、チップです。いいサービスだったので」
そう言い残して青年はシャワーを浴びて部屋を出る準備を始める。チップと言っていた金は彼が勝手に行ったオプション料を下回っており、それでもマスカレーナには口を出す権利も文句を言う権利も存在しない。
「また来ると思うのでその時はよろしくお願いしますよ」
「まっ…待って!」
部屋を出ていこうとする青年に、マスカレーナは力を振り絞り声をかける。
まさか止められると思っていなかった青年は、驚いたように目を見開いてマスカレーナの方を振り返る。
「今度はいつ来てくれるんですか……?」
「あはは!あんなに嫌がっていたのに、次が恋しくなっちゃったんですね!…そうですね、次に来るのは……」
そんなマスカレーナの口から出た言葉に、青年はにやつかせるように口角を上げて、得意げに話し始めるのだった。
「開けろ!警察だ!」
数日後、マスカレーナが働かされていたソープに警察が訪れていた。
入口の方から怒鳴り声が聞こえ、入り口が少しでも開いた瞬間に警察が店内に入っていく。
「従業員も客も全員取り調べる!おとなしくしろ!」
十数分もしないうちに、警察と共に店の従業員や客が連れ出されていく。その中には例の青年も混じっていた。
後に知ることになるのだが、彼はこの店のVIPでもなんでもない、ただの成金の家の子供だったらしく、この店以外でも目をつけられていたらしい。
「うんうん、あいつもちゃんといるわね」
マスカレーナは店の入り口を遠く離れた場所から確認すると、ニヤリと笑みを浮かべる。
ポケットから通信端末を取り出して慣れた手つきで操作すると、とある人物と通話を始める。
「ありがと〜小夜丸ちゃん♡ちゃんと逮捕されたわ〜!さすがS-Forceのエースね♡」
『えへへ…どういたしまして……って、違います!こんな管轄違いの事案を私に通報しないでください!』
スピーカーから大音量の女性の声が響き、マスカレーナも思わず耳から離してしまう。
警察にこの店の通報を行ったのはマスカレーナ本人だった。
自分の身体をさんざん汚してくれたあの青年に次に店に来る日を聞いたのも、自分を騙したこの店のオーナー共々、一網打尽にしてもらうためだったのだ。
『私たちは普通の警察では相手にならないような凶悪犯を捕まえるための組織なんですから!そりゃあ困ってる方々がいれば私たちも動きますけど……』
「ふ〜ん…あたしのことも困ってたら助けてくれるんだ〜♡」
『はい、当然ですよ』
マスカレーナはそんな小夜丸の当然といった返事に思わず言葉を詰まらせてしまう。マスカレーナもなかなかな悪人だというのに、平然とそんなことを言える小夜丸はド級のおバカさんなのか、それともド級のお人よしなのか、マスカレーナは測りかねていた。
「小夜丸ちゃんが男の子だったら、あたしも彼氏にしてたんだろうな〜」
『んなっ…!何を馬鹿なことを言ってるんですか!」
再び大音量の怒声がスピーカーから響き、マスカレーナが耳から離して笑みをこぼす。
「あははっ!冗談冗談!」
『まったくもう……!』
「ま、今日は助かったわね、今度お礼させてよね〜?」
そう言い残して、マスカレーナは通話を切る。実際の所、先ほどのマスカレーナの言葉は本心だったのだが、どうしようもない仮定の話である以上、これ以上まじめに考えるような話ではない。
「さてさて、次はどんな案件を受けようかな……」
マスカレーナはタブレットを取り出して次の仕事を探し始めるのだった。
煌びやかな街の光の中、人目を避けるようにひっそりと明かりを放つ建造物。非合法の高級ソープランドの個室では、茶髪をツインテールに結んだ美女が三つ指をつき、深々と頭を垂れた。
「今宵はどうぞよろしくお願いしますね……お客様」
高級感溢れる装飾が施された部屋で、その美女は薄布一枚纏っただけの恰好をしている。
しかし、そんなマスカレーナの内心は……
何であたしがこんな場所でこんな恰好して、こんな格好の相手に頭下げなきゃなんないの……!
内心では屈辱と怒りに震えてはいた。だが、それも仕方ない。彼女は本来裏社会で名をはせる運び屋なのだから。
マスカレーナがなぜソープで働くことになったのか、それは数日前にさかのぼる。
「へっ!?なんで壊れてるのよ……!?」
その日、マスカレーナはとある仕事を受けていた。運ぶのはとある骨董品の壺。依頼人からは細心の注意を払って運んでくれと言われ、壺に何かがあったらその賠償額を支払わされる羽目になると脅されていた。
その分報酬は過去類を見ないほどの高額な、まさしくハイリスクハイリターンの依頼。マスカレーナとしてはこんなおいしい仕事、受けないという手はなかった。
しかし、そもそもこの壺に少しの揺れで崩れてしまう細工が施されており、この依頼はマスカレーナを陥れるための罠であった。
「もしかしてハメられた……!?だとしても……!」
結果としてマスカレーナは依頼人に損害賠償を求められることになった。どうにもハメられた証拠を掴めなかったマスカレーナは、依頼人がオーナーを務める違法ソープランドで働いてその賠償金を返すこととなったのだ。
マスカレーナが特に気にしているのは、源氏名を使わせてもらえず、普段活動する際の名前をこの店でも使わされていることだろう。
「へぇ、本当にあのマスカレーナさんなんですね。まさに噂通りの美女だ」
今日の客は若い青年だった。それぐらいの歳であればわざわざこんな店に来なくとも十分相手は見つかるだろうに。
しかし、彼のような若い男でもこの店に来る理由はマスカレーナも理解できる。
このソープランドは売り出し中のアイドル、インフルエンサーといった表の世界で活躍する者から、マスカレーナのような裏の世界に生きる者まで、裏表関係なしに名の知れた女性が様々な事情で嬢として働く店なのだ。
そんな極上の女を金さえ払えば好きにしていいとなれば、金を持て余す金持ちの男たちが来ないわけがない。
「それではまずは衣服の方、脱がさせていただきますね。失礼します」
マスカレーナはお得意の作り笑顔を浮かべて、客の服を脱がしていく。マスカレーナも身売りをして生計を立ててきた時期もあり、今でもハニートラップを仕掛けることもある。服を脱がせる手つきは慣れたものだ。そしてその服を脱がせていく中で相手が一体どんな人間であるかを伺うこともできる。
今回の客はこれまでの客の中でも特に金を持っているらしい。ただ気になることがあったとすれば、服のセンスが随分と若い。20代どころか10代の学生なんかに流行っているブランドで固められている。
もしかして学生?って言っても、そもそもこの店自体が違法なんだし、そこまで気にしなくてもいいか。
客の服を脱がせて全裸にしたところで、マスカレーナも自身の衣服に手をかけていく。
肩ひもを下ろすだけで簡単に下着姿になれるキャミソールとワンピースを合わせたような煽情的な衣服は、客の視線を奪って離さない。
「あ、あまりジロジロ見ないでくださいね……?恥ずかしいですから……」
マスカレーナはすこし引きつらせた笑みを見せる。それでも彼は服を脱ぐマスカレーナを見世物でも見るようにじっくりと見つめている。
その視線が彼女にとっては不快でならないのだが、その感情を表に出す訳には行かない。
「それでは...まずはお背中を流しますね」
マスカレーナはボディーソープを手に取り泡立てると、青年の背中に手を当てていく。繊細な手つきで泡の塗り広げていくが、彼の反応はどうやらイマイチらしい。
覗き込むように顔を伺ってみると、ガッカリといった様子を隠さず、どこかつまらなそうにしている。
「あの…もっと身体を使って洗えませんか?ほらマットを使って」
「……はい、申し訳ございません……」
マスカレーナもこうして文句を言われて頭に来ないわけではないが、こうして賠償分働かされている以上は文句を飲み込んで対応しなくてはならない。
マットに寝転がる青年の横に膝をつくと、マスカレーナは胸を押し当てるように身体を密着させていく。
身体を上下させるようにこすりつけ、時に泡を潤滑油にして彼の身体を洗っていく。
「どうでしょうか?気持ちいいですか?」
「えぇ、さっきよりも全然いいです」
どうやらようやく彼のお気に召したらしい。それならばと、マスカレーナはこの洗体奉仕を続けていく。
マスカレーナは青年の腕を自身の腿で挟み、腰を前後させて股をこすりつけていく。必死に声を出さないようにはしているが、その彼の腕には泡以外の滑り気が出始めてしまっているが、マスカレーナは気にしないふりを決め込んで奉仕を続ける。
「はい…お身体の洗浄はこれで終わりになります」
マスカレーナは奉仕を終えると、すぐに彼の身体から離れてシャワーで泡を洗い流していく。
このまま本番になだれ込むのは避けたいと、マスカレーナはすぐに部屋の恥から一本のボトルを取り出す。
「このままローションでマッサージしていきますね」
マスカレーナはローションを手に取ると、自身の身体に垂らしていく。艶がかったその肢体はそれだけで男を誘うような妖しさを秘めている。
ちらりと青年の反応を見てみると、彼もこちらをじっと見つめている。どうやらお気に召したようだ。
「それでは、失礼しますね……」
マスカレーナはマットの上で仰向けになった青年の上に覆いかぶさるように身体を密着させて、ローションに濡れたその肢体で彼の身体を撫でまわすようにマッサージをしていく。天を突くように勃起した彼のモノを腿に挟みながら、竿に優しい刺激を与えていく。
「あっはは…すごいですね…とても気持ちいいですよ……」
「はい…ありがとうございます」
青年の口から出た誉め言葉に、マスカレーナは上っ面の感謝の言葉を返す。これはあくまで、本番を避けるために行っていること。こんな奴の誉め言葉なんて、本当にどうでもいい。
淫らな水音が部屋に鳴り響く。彼も興奮しているのか、熱い吐息が漏れてマスカレーナの肌をくすぐっていく。
良い兆候だ。このまま一回果てさせてしまえば、本番に行く前に時間や体力の限界で終われるかもしれない。
マスカレーナはそのまま腿で挟んだ竿を扱いて吐精を促していく。
「ふふっ…乳首同士をぴったりとくっつけて…全身であたしの身体を味わってください」
「すごいですね…これは……」
マスカレーナは彼の身体に自身の身体を預け、胸同士を密着させて擦り合わせていく。ローションで滑りやすくなった身体同士は面白いように滑り合っていき、乳首同士もまたぴったりと重なり合う。
青年への快感も相当なものだろうが、彼はそれでも紳士ぶった様子でマスカレーナの奉仕を受けている。それがマスカレーナにとっては余計に気に障った。
そもそもこんな店に来ておいて紳士もクソもないだろうに……
マスカレーナはそんなことを想いながらも、決してそれを表に出さない。彼が果てるまでひたすら奉仕を続けていく。
腿からはみ出た亀頭を指先で優しく撫でまわし、カリ首も丁寧に擦る。
マスカレーナが擦る度に、彼の口からは甘い声が漏れ出る。彼の限界が近いのだろう。
「すごく……気持ちいいです……もう」
「いいですよ……そのままお出しください……」
マスカレーナがそう促すと、さらに竿は震えだして、そして……
「くっ……!うぅ……!」
彼はマスカレーナの身体に精を吐き出す。生暖かい白濁とした液体がマスカレーナの身体を汚していく。
マスカレーナは一瞬兼男の表情を浮かべるが、彼に見られないように、すぐに作り笑顔に切り替える。
「はい……ちゃんと出しましたね」
「すごく気持ちよかったです……ありがとうございます」
彼はそう言いながら、マスカレーナに笑みを向けてくる。マスカレーナも彼に合わせるように、上っ面の笑みを浮かべて返す。
すると青年はマスカレーナの腕をつかんで、そのままマットに押し倒す。思わずマスカレーナは驚きに目を見開いた。
彼はマスカレーナに馬乗りになって、興奮を隠そうともせずにマスカレーナを見つめている。
「ちょっと何を……!?サービスにないことは……!」
「そのまま休んでいてください。今度は私が気持ちよくして差し上げますよ」
彼はそう言うと、マスカレーナの秘所に指を入れ、優しく撫でるように責めていく。さらにマスカレーナの乳房を片手で寄せると、自身の肉棒を挟み込ませていく。
「ん……くぅ……!あんたいい加減に……」
お礼などと言いながら、彼は自身の快楽のためにマスカレーナの身体を性玩具のように扱っている。客相手だからと大目に見れる範疇を超えており、マスカレーナもいよいよ愛想のいい仮面が外れて、素の口調が出そうになっていた。しかし…
「そういえば、僕がここのVIPだって知ってました?」
青年はなんてことのない様に言ってのける。それに対してマスカレーナは自分の耳を疑っていた。
青年が着ていた服は高級なブランド品で固められている。だがその程度、この店に来る客なら珍しいことはない。それゆえにマスカレーナはその言葉に疑念を持っていた。
しかし、これがもし本当であれば、下手に失礼な態度をとれば、さらに店から賠償を請求されかねない。
「そうでしたか……それは失礼しました」
マスカレーナは青年の機嫌を損ねないように、必死に笑顔を作って謝罪の言葉を述べる。彼はマスカレーナが従順になったことに気を良くしたようで、気を取り直して彼女の身体を使って自身の性処理を再開させる。
「いっ…いかがでしょうか……?あたしのおっぱいの使い心地は……んひっ……!」
青年はマスカレーナにこれ以上喋らせないとばかりに、彼女の乳首を強くつねって言葉を遮らせる。マスカレーナはその刺激に思わず喘いでしまうが、彼はそれでも構わず、自分の欲望に従ってマスカレーナの身体を使っていく。
本気で抵抗すればすぐにでも逃げられそうな状況だが、これ以上状況を悪くするわけにはいかないと、マスカレーナは男から与えられる快楽に必死に耐え続けた。
「ほらほら、もっと奉仕してくださいよ。金払ってるんだから、ちゃんとしないと」
「んあぁ……ッ!わかっ……わかりましたぁ……!んはぁ……!」
馬乗りにされ青年の好きなように身体を使われているマスカレーナは身動きをとれず、彼女にできることは腕で胸を寄せて乳圧を強める程度だった。
しかもそれのせいで両手が開いた青年によってさらに身体をまさぐられて、快感をこらえることがますます困難になっていく。
「ちゃんと僕のことを満足させてくださいよ?満足させられなかったらお仕置きですからね?何が良いかな〜?オクスリでも良いし、裏動画に流すのもありかな〜?きっとすごい反響が出るだろうなぁ〜……ねぇ?マスカレーナさん?」
「ッ!わかりっ……ましたぁ……!んちゅっ…!じゅぞっ…!」
彼の脅迫のような言葉に、マスカレーナも屈するしかなかった。自身の乳房の間からはみ出たそれを、口に含んで奉仕を始める。
彼がVIPであると断言が出来なくとも、その意に反することはあまりにもリスクが大きいように思えてしまった。
完全に彼に主導権を握られ、マスカレーナはいいように弄ばれる。
「パイズリフェラすごっ……こんなのこの店の子でもそうそうできませんよ……!もともとこういうのが好きだったをじゃないんですか…?」
嘲笑のような言葉とともに、青年はマスカレーナの秘所に指を入れ、膣内を掻き回す。身体を抑えられて身をよじらせることも叶わず、口も塞がれているマスカレーナはその刺激に耐えるしかない。
「んぶっ……んんんっ……!!」
「あはは…こんなにまんこも濡らしちゃって……結構興奮してるじゃないですか」
「んふうぅぅ……!」
マスカレーナは否定したくても、口を開けば嬌声が漏れ出てしまい、その言葉に説得力を持たせてしまう。秘所からとめどなくあふれ出す愛液が、青年の指を濡らしていく。もはや抵抗することも出来ず、マスカレーナはただただ青年に身体を弄ばれるだけ。
口の中に独特な苦みが広がっていき、それに不快感を覚えながらでも奉仕を続けるしかない。
「んむっ……んじゅっ……!じゅぞぞっ……!」
「ははっ……!本当に上手ですね……そんなに僕のちんぽが美味しいですか?」
青年はマスカレーナを嘲るように笑いながら、さらに激しく責め立てていく。次第に瞳に涙が溜まっていき、マスカレーナの瞳には青年の姿がぼやけて映る。しかしマスカレーナは、青年の機嫌を損ねないように奉仕を続ける。
「んぶっ……!んぢゅっ……ずぞぉ……!」
「あーもうダメ。イくっ……!」
青年が限界を迎えると同時に、マスカレーナの口の中に劣情が放たれる。今日二回目とは思えないほど多く、マスカレーナの口が青年の精液で満たされていく。
「んむっ!?んんっ……!」
「ほら、飲んでください。飲み干さないとお仕置きですよ?」
所謂「ごっくん」も、別に料金を求められるオプションなのだが、青年は当然のようにマスカレーナに指示をする。マスカレーナもここで抵抗してはまずいと、諦めてその指示に従って精液を嚥下していく。苦い、しょっぱい、そして喉にまとわりつくような粘り気。
お世辞にも美味しいと言えるものではないが、飲まなければ何をされるかわからない。マスカレーナは青年の指示に従うしかなかった。
「んぐっ……んんっ……!」
「ちゃんと全部飲み込めました?じゃあほら、ちゃんと口の中も見せないと」
青年の言葉に、マスカレーナはゆっくりと口の中を開いていく。それを覗き込んで、すべてを飲み込んだことを入念に確認すると、満足げな表情を浮かべる。
「よくできました。ご褒美に、僕のちんぽを挿れてあげますよ」
「え…!?あ、いえ……あたしは……」
青年は今もなお硬さをとどめているそれをマスカレーナの淫裂にあてがう。何とか避けようとしていたことを始めようとする彼に、マスカレーナは動揺を隠せない。
「何嫌がってるんです?僕はあなたとセックスをするためにここに来たんですよ?」
「せっ…せめてゴムを……!」
「そんなの付けるわけないじゃないですか。あなたの子宮に直接注ぎ込んであげますよ」
「え……!?やっ……待っ……」
マスカレーナの懇願もむなしく、青年のそれがマスカレーナの中に侵入していく。別に初めてだったというわけではない。しかしだからと言って誰とでも寝たいわけではない。こんな欲望に忠実な男に犯されるとなるとなおさらだ。
「んあっ……!ああっ……!」
「お、意外と結構良い締まりしてますね……遊んでるならもっとガバガバかと思ってましたが」
「いやっ……!やめっ……!」
青年の腰の動きが、マスカレーナの中をかき乱していく。まるで性玩具を扱うような乱暴なその腰つき。それなのに重点的にマスカレーナの弱いところを責め立ててくる。
「あぁ、やっぱり入口が弱いんですね……突くたびにまんこが締まって……気持ちいいですよ」
「ちっ……違うっ……!そんなに弱いとこばっか……んひっ!?」
青年はマスカレーナの言葉に耳を貸さずに、そのまま腰を打ち付けていく。口では嫌がっているが、身体はその快感に反応し続けてしまっている。青年の激しい責めに、マスカレーナは喘ぎ声を漏らしながら彼の欲望を受け止め続ける。
「ほら、口も近づけて。ご褒美にまたキスしてあげますから」
「んっ!?んぢゅる…んれぇ……!」
青年はマスカレーナの頭を両手で押さえると、再び強引に口づけをする。その強い力に抗うこともできず、マスカレーナはされるがままになるしかない。
無理やり舌をねじ込まれ、口の中を貪るように犯される。今度は先ほどと違い拒むことも出来ないまま、青年の舌使いに翻弄されていく。
「んぢゅっ……れろぉ……!んんぅ……!んっ……!」
「ぷはっ……ははっ…!マスカレーナさん、すごい顔になってますよ?」
青年に指摘されて、マスカレーナは自分がどんな表情をしていたのかを知る。目は虚ろで涙を流し、口の端からはだらしなくよだれが垂れている。
自分の顔ながら、見られたものではない。マスカレーナは羞恥で顔を赤らめるが、それを隠すことは許されない。今度は腕を強く掴まれて、その顔を間近でまじまじと観察される。
「ほら、もっとちゃんと見てくださいよ。あなたのだらしのない顔……」
「もういやっ……やめてください……!」
その快感におびえた様子のマスカレーナは、最初に青年とあった時の経験豊富そうな雰囲気など見る影もない。生娘のように弱弱しい声で許しを請うが、それは逆に青年の劣情を煽るだけの結果となった。
「おぉ……良い声ですね……!もっと虐めたくなります……!」
「んあぁっ!?やめっ……!んあっ!」
青年の腰の動きがより一層激しくなり、マスカレーナの口からは嬌声がひっきりなしに漏れ出る。顔を真っ赤にし、涙とよだれでぐしゃぐしゃになった顔で必死に懇願する。
「お願いします……もう許してください……」「嫌ですよ。これはお金を払ってあなたを買ったんです……あなたが僕を満足させるまで僕は止めませんから」
そう言って青年はさらに腰を強く打ち付けてくる。押し寄せる快楽にマスカレーナは抵抗などできず、ただ喘ぐことしかできない。
それに、何度も青年に絶頂させられて身体は敏感になっており、彼に抵抗する力が残っていない。このままでは本当におかしくなってしまいそうだ。
しかしマスカレーナの不安は的中し、すぐにその時は訪れた。
「イキますよ……!中に全部注ぎますからね……!」
「いやっ!それだけはっ!んあっ……!イっ……!」
青年が限界を迎えて、マスカレーナの中に精液を吐き出した。膣内に熱い液体が注ぎ込まれていき、その感覚でマスカレーナは絶頂を迎えた。
「んあっ……!やっ……あぁっ……!」
身体を痙攣させて、足をピンと伸ばす。快感が全身に広がり、呼吸がうまくできない。脳天まで貫くような絶頂の感覚が身体を支配する。
それと同時に膣が強く締まり、先ほど果てたにもかかわらず青年の肉棒を締め上げていく。最後の一滴まで搾り取ろうとするようなその強烈な刺激に、青年は苦しそうな声を上げる。
「くぅっ……!射精し終わったからってそんな締め付けないでくださいよ……!」
「はあっ……あっ……」
当然、今のマスカレーナに意図的にそんなことが出来る余裕はない。意識を保つことで精いっぱいだ。
やがて膣内を埋め尽くしていた青年のモノが引き抜かれると、開いた膣口からどろりとした精液が流れ落ちる。
呆然とした表情でそれを眺めることしかできないマスカレーナは、ただ青年になされるがままにされたことを悔しく思うだけだった。
「ふぅ……なかなか良かったですよマスカレーナさん」
「っ……!」
動けるようになるまでもう少し時間が必要そうなマスカレーナを一瞥して青年が立ち上がると、カバンから何枚か紙幣を取り出すとマスカレーナに投げ捨てるように手渡す。
「これ、チップです。いいサービスだったので」
そう言い残して青年はシャワーを浴びて部屋を出る準備を始める。チップと言っていた金は彼が勝手に行ったオプション料を下回っており、それでもマスカレーナには口を出す権利も文句を言う権利も存在しない。
「また来ると思うのでその時はよろしくお願いしますよ」
「まっ…待って!」
部屋を出ていこうとする青年に、マスカレーナは力を振り絞り声をかける。
まさか止められると思っていなかった青年は、驚いたように目を見開いてマスカレーナの方を振り返る。
「今度はいつ来てくれるんですか……?」
「あはは!あんなに嫌がっていたのに、次が恋しくなっちゃったんですね!…そうですね、次に来るのは……」
そんなマスカレーナの口から出た言葉に、青年はにやつかせるように口角を上げて、得意げに話し始めるのだった。
「開けろ!警察だ!」
数日後、マスカレーナが働かされていたソープに警察が訪れていた。
入口の方から怒鳴り声が聞こえ、入り口が少しでも開いた瞬間に警察が店内に入っていく。
「従業員も客も全員取り調べる!おとなしくしろ!」
十数分もしないうちに、警察と共に店の従業員や客が連れ出されていく。その中には例の青年も混じっていた。
後に知ることになるのだが、彼はこの店のVIPでもなんでもない、ただの成金の家の子供だったらしく、この店以外でも目をつけられていたらしい。
「うんうん、あいつもちゃんといるわね」
マスカレーナは店の入り口を遠く離れた場所から確認すると、ニヤリと笑みを浮かべる。
ポケットから通信端末を取り出して慣れた手つきで操作すると、とある人物と通話を始める。
「ありがと〜小夜丸ちゃん♡ちゃんと逮捕されたわ〜!さすがS-Forceのエースね♡」
『えへへ…どういたしまして……って、違います!こんな管轄違いの事案を私に通報しないでください!』
スピーカーから大音量の女性の声が響き、マスカレーナも思わず耳から離してしまう。
警察にこの店の通報を行ったのはマスカレーナ本人だった。
自分の身体をさんざん汚してくれたあの青年に次に店に来る日を聞いたのも、自分を騙したこの店のオーナー共々、一網打尽にしてもらうためだったのだ。
『私たちは普通の警察では相手にならないような凶悪犯を捕まえるための組織なんですから!そりゃあ困ってる方々がいれば私たちも動きますけど……』
「ふ〜ん…あたしのことも困ってたら助けてくれるんだ〜♡」
『はい、当然ですよ』
マスカレーナはそんな小夜丸の当然といった返事に思わず言葉を詰まらせてしまう。マスカレーナもなかなかな悪人だというのに、平然とそんなことを言える小夜丸はド級のおバカさんなのか、それともド級のお人よしなのか、マスカレーナは測りかねていた。
「小夜丸ちゃんが男の子だったら、あたしも彼氏にしてたんだろうな〜」
『んなっ…!何を馬鹿なことを言ってるんですか!」
再び大音量の怒声がスピーカーから響き、マスカレーナが耳から離して笑みをこぼす。
「あははっ!冗談冗談!」
『まったくもう……!』
「ま、今日は助かったわね、今度お礼させてよね〜?」
そう言い残して、マスカレーナは通話を切る。実際の所、先ほどのマスカレーナの言葉は本心だったのだが、どうしようもない仮定の話である以上、これ以上まじめに考えるような話ではない。
「さてさて、次はどんな案件を受けようかな……」
マスカレーナはタブレットを取り出して次の仕事を探し始めるのだった。
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