フリーゲーム「CardWirth」の世界観を元にしたPBCサイト「AdventureTownディグシード支部」のルールブック兼情報集積所です。

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百年先の水道設備がこの街には有る、と言っても言い過ぎにはなるまい。多分。
‥‥記者のつぶやき


水は蛇口をひねれば出て来るし、汚水はどこかへと流れ去っていく。
これが多くのディグシードの住人にとっては当たり前の水道の姿だろう。
だが周辺諸国を見渡してもこの街ほど上下水道が整備された場所はそうは無い。
今回はその水道の裏側を覗いてみるとしよう。

まずは「下水道」だが、これは先人の知恵を拝借する形で成り立っている。
この街が旧文明期の遺跡を礎にしている事を知っている読者も多いとは思うが、
下水処理設備は旧文明期に造られたものが今でもそのまま動き続けている。
これが街で出される汚水や悪天候時に港に過剰に流れこむ海水を
一時的に貯めこみ、浄化し、排水しているのだ。

かの遺跡はどんなに短く見積もっても五百年以上はその機能を維持し続けている。
改めて記事にしてみると、先人の遺した技術力に感嘆と畏怖を禁じ得ない。

では「上水道」はどうか。
実はこちらに使われている技術のほとんどは最新の魔法学と都市設計の結晶である。

この街の井戸水や近隣の河の水は河口に近い故に不純物が多く、処理なしでは飲用には適さない。
それ故に街とともに浄水設備も発展し、行政府レベルで安全な水の供給に力を注ぎ続けている。

多くの住民を喉を潤す水を確保する取水システムは街のいたる所に存在する。
驚くかも知れないが、ディグシードという街そのものが取水装置であると言っても過言ではない。

最も大規模かつ馴染み深いものは街の入口である細波広場。
広場全体が僅かにすりばち状となっており、広場に降った雨を集める構造になっている。
他にも一般住宅の屋根や道路に降った雨も雨樋や側溝を経由して取水され、
井戸水等とまとめて細波広場の中心部分にある噴水に集められる。
ここで水に圧力をかけ、循環させることで雑菌や不純物を取り除くのだ。
故に、間違っても噴水にコインやゴミを投げ入れてはいけない。
水道局の仕事を増やしてしまう事になる。ゴミは屑籠に、コインは募金箱に入れよう。
(*この噴水による浄化は現在のダムなどでも稼動しており、実際に見ることが可能です)

噴水で大半の不純物を処理した水は広場を見下ろす時計塔に送られる。
給水塔も兼ねているこの塔の中には水力と魔力で動く多数の機械や自動詠唱装置があり、
僅かに残った不純物を取り去る魔術処理、街全体に水を行き渡らせるための加圧などが
これらによって行われ、水道管を経由して一般家庭に供給される仕組みになっている。

なお、これらの設備の維持にかかるコストは市民の税金や水道代によって賄われている。
(ギルド所属の冒険者でも、依頼の仲介料や登録手続きの手数料の一部が税金としてここに使われている)
そのためダウンタウンの上水道の普及率は低く井戸水が主に使用されていたが、
給水塔の稼働とほぼ同時期に数カ所に共同水道(水汲み場・洗い場・水浴び場)が設置された。
子供が駄菓子を買う程度の使用料で利用でき、汲んだ水より安全に使えるという事で
ダウンタウンの経済的な理由で水道を引けない住民にも比較的好意的に受け入れられ、
徐々にこちらの利用へと切り替わりつつある。
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