冷戦時代の核実験や民間防衛をめぐるカルチャー

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Protect and Surviveの歌


英国内務省の民間防衛ブックレット"Protect and Survive"が公開されると、"Protect and Survive"というキーワードは、ジャンルを問わず、英国の歌のネタになった。たとえば..
最初は、英国内務省のブックレットを指していた"Protect and Survive"だが、次第に、世界の終末や核戦争を象徴するキーワードとして、使われるようになっている。
The Dubliners (1987)

The Dubliners(1962-2012)はアイリッシュフォークソンググループである。"Protect and Survive"は1987年のアルバム25 Years Celebrationに収録された曲で...

「不意打ちくらって、死んだら役に立たない、生きてても役に立たないパンフレットの名前はプロテクト&サバイブ」と歌い、直接ブックレットをネタにしている。さらに「政府は4分前警告を出す、ぼくらがパニックする時間と、神に祈る時間をとれるように」と、実際には対処しようのない、UKWMOによる核攻撃警報もネタにしている。


Jethro Tull (1980)

Jethro Tull(1967-2014)は英国のロックバンドである。活動期間長く、そのスタイルもプログレッシブ・フォーク・エレクトロニックと変わっている。"Protect and Survive"は1980年のアルバム"A"に収録された曲で...

ブックレット"Protect And Survive"と英国の民間防衛組織UKWMOをネタにして、「郵便配達も、牛乳配達も、新聞配達もこないし、ラジオはEMPで壊れ、地下深くのシェルターにいる民間防衛指令部は何の役にも立たない」と歌う。

そして、"Protect and Survive"は「核戦争を生き残れるという、政府のありえない主張」といった意味合いで使われている。



当時の雑誌広告(Billboard 6 Sep 1980)には、ジャケット写真と曲リストが載っている。



Runrig (1987)

Runrig(1973-)は英国スコットランドのケルティックロックバンドである。
Runrigの"Protect and Survive"は、英国内務省のブックレットやテレビ放送用動画には触れていない。直接的に、核兵器や核攻撃や核戦争にも触れていない。なんとはなしに、世界の終末を感じさせる歌詞に、"Protect and Survive"が繰り返されているだけである。

ここまでくると、"Protect and Survive"というキーワードが、もともとの意味を離れて、世界の終末を意味するものになったようである。






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