最終更新: xrs1c1qdm2 2024年06月15日(土) 21:32:51履歴
2021年12月17日に実装された、アイドルサバイバル in フラワーガーデン直前のお話。
瞳子さんを主役とし、先んじて友人となっていた美優さんと留美さんと出会う、バレンタイン反省会の3人のファーストコンタクトが描かれた。
この年になってアイドルの世界に足を踏み入れた二人が、この年になってもアイドルを諦められなかった瞳子さんに話を聞く。
20代も半分を過ぎた今になってアイドルをする理由、瞳子さんが思う「運命」とは。
瞳子さんを主役とし、先んじて友人となっていた美優さんと留美さんと出会う、バレンタイン反省会の3人のファーストコンタクトが描かれた。
この年になってアイドルの世界に足を踏み入れた二人が、この年になってもアイドルを諦められなかった瞳子さんに話を聞く。
20代も半分を過ぎた今になってアイドルをする理由、瞳子さんが思う「運命」とは。
瞳子 | ……? |
??? | ……。 ……。 |
瞳子 | ……ふふっ♪どうぞ。興味があったら、近くで見ていいわよ。 |
美羽 | わっ、ば、ばれちゃってるっ!ど、どうしよう、加奈ちゃんっ! |
加奈 | ど、どうしよう美羽ちゃんっ!……えとえとっ、覗いちゃったりしてすみませんっ。素敵なお花の飾りだなぁって……! |
瞳子 | フラワーアレンジメントっていうのよ。こうして……いろいろな花を並べて、活けていくの。色合いを考えながら、ね。 |
加奈 美羽 | わぁ〜〜♪ |
美羽 | ……あ、わたし、矢口美羽っていいますっ!こちらが今日、お友だちになった加奈ちゃん! |
加奈 | はいっ、加奈ちゃんです!……じゃなくてっ、今井加奈です!よろしくお願いします! |
瞳子 | 私は服部瞳子。今日はよろしくね。私たちのフラワーガーデン、一緒に成功させましょ。 |
加奈 美羽 | はいっ♪ |
瞳子 | あら、貴方たちが持っているのも、素敵なお花ね? |
加奈 | 実は、ふたりで考えていたところなんです。せっかくのお花、どうしようって……。 |
美羽 | ステージで、花を使った……はなれわざ、を、なにかできないかな、と! |
瞳子 | ……なるほど。そうね。私が貴方たちなら、そのままで勝負すると思うわ。 |
加奈 | ……そのまま……? |
瞳子 | どちらの花も、みずみずしくて、可愛らしくて――眺めれば、心が暖かくなって。 |
瞳子 | ただそこに揺れているだけで、まわりの人は元気をもらえる。そういう花だと思うの。 |
美羽 | な……なるほどっ!素材を活かす、というやつですね!ありがとうございますっ! |
美羽 | わたしたちも頑張って、アレンジメントを極めんと……!いこっ、加奈ちゃん! |
加奈 | うんっ、美羽ちゃん! |
瞳子 | ……さてと。私も元気をもらっちゃった。……それにしても―― |
瞳子 | 今朝はやけにお客さんが多いわね。 |
美優 | い、いえ……その……別に隠れていたわけでは……す、すみません……! |
留美 | はじめまして、になるかしら。服部瞳子さんよね。私は和久井留美。こちらが三船美優さん。 |
瞳子 | 服部瞳子です。よろしくお願いします。おふたりとも、今日の共演者ではないようだけれど……。 |
留美 | 見学させてもらえるよう、頼んできたんです。瞳子さん、貴方の噂はよく耳にしているから。 |
瞳子 | あら、どういう噂?25にもなってアイドルにしがみつく、執念深い女――とか、そういう? |
美優 | あ、いえっ、そういうことじゃ―― |
留美 | ええ。まさにそのとおりよ。 |
美優 | る、留美さんっ……!? |
留美 | 歳を言うなら、私も美優さんも貴方と同じくらい。でも、何の因果か、アイドルをやっていくことになった。 |
留美 | 今日は、噂の貴方の仕事ぶりを覗かせてもらいにきたの。盗めるところは、盗みたいと思ってね。 |
美優 | そ、そうなんです!ぜひ、勉強させてもらえたら、というわけで……よ、よろしくお願いしますっ。 |
瞳子 | ふふふ……!はっきり言うわね。でも、好きよ。真正面から接しようとしてくれるところ。 |
瞳子 | 留美さん……貴方はきっと仕事ができる人でしょう。そんな人が、私の仕事を参考になんて、光栄だわ。 |
瞳子 | それから、美優さん。貴方はとても正直ね。相手によって態度を変えたりしない、純粋な人。 |
留美 | ……瞳子さん。……貴方は―― |
留美 | きっと私には想像もできない、貴方にしかわからない人生経験を経てきた人なのでしょうね。 |
美優 | あ……これって、フラワーアレンジメントですか?とっても綺麗……花びらがいっぱい溢れていて。 |
瞳子 | ふふ、ちょっと溢れすぎちゃったかしらね。 |
美優 | そんな……想いを感じられて素敵だと思います。まるで、大切な誰かへの贈り物のような……。 |
瞳子 | ええ。そういったところよ。一本一本、想いを込めてるの。 |
留美 | どんな想いか、聞いてもいいかしら? |
瞳子 | ええ。この一本に、必ず咲いてみせるのだという誓いを。この一本に、果てしない道のりを歩みつづける覚悟を。 |
瞳子 | そして、この一本に、私という花を見つけてくれた感謝を。 |
瞳子 | 忘れようとしていた夢を忘れてはいけないのだと、人生を一緒に賭けようと言ってくれたことへの―― |
瞳子 | って、ごめんなさい。重かったわよね、こんな話……。 |
美優 | いいえ、瞳子さんの気持ち……きっと、大切な人にも伝わりますよ。 |
留美 | それに、私たちはもう大人だもの……募ってやまない想いのひとつやふたつ、あるわよね。 |
瞳子 | ええ。……今日、私はこれからフラワーガーデンのステージに立つわ。 |
瞳子 | みずみずしくはない。光だけを浴びて、まっすぐ育ってきた花ではない。 |
瞳子 | でも、それでいいと私は思うの。堂々と晒すわ。精いっぱい咲く私自身を。 |
瞳子 | たとえ、執着であっても――みっともない足掻きでも――それが、私という花だから。 |
美優 | 瞳子さん……。 |
瞳子 | 私が一度、挫折したアイドルだということは知っているわよね。 |
留美 | ……ええ。調べてはいたわ。 |
瞳子 | だからかしらね。「人の運命には意志が宿っている」って……思うのよ。 |
美優 | 運命の……それそのものが持つ、意志……ということ、ですか……? |
瞳子 | 運命は一度、私を叶わない夢の中へ突き落とした。そしてまた、気まぐれのように手を差し伸べた。 |
留美 | その時は……一言では済まないような悲しい想いも……悔しい想いも、したんでしょうね。 |
瞳子 | そう……だからこそ、再び掴んだ夢を……大切な人の手を私は絶対に離さないわ。強くその腕にしがみつく。 |
瞳子 | そうすることで、私は咲くの。無垢で透明なんかじゃない。執念の色にまみれた花よ。でも―― |
瞳子 | この世にたった一本くらい、そういう花があってもいいでしょ? |
美優 | ……はい。 |
留美 | ……ありがとう。今日のステージ、学ばせてもらうわ。私も精いっぱいで、ね。 |
留美 | それから……またお会いできるかしら。いつかお時間のあるときにでも。 |
瞳子 | ええ。こちらこそ、お願いしたいわ。貴方たちのお話も、ぜひ聞かせて。 |
留美 | じゃあ、私たちはそろそろ行くけど……貴方はもうしばらくここに? |
瞳子 | ええ。待つわ。もうすぐ寄ってくれる気がするの。私の「運命」さんがね……♪ |
美優 | ここには、いろんな花が咲いているんですね。この花……綺麗……とても色が深くて……。 |
留美 | 「運命そのものに意志がある」……か……。 |
留美 | おとぎ話みたいで、以前の私……アイドルになる前の私なら、信じなかったでしょうね。 |
美優 | さっきの瞳子さんの言葉ですか。彼女らしい……強さのある言葉でした。 |
美優 | 運命の持つ意志に、ただそのまま身を委ねるのではなく、無意味に抗うのでもない――。 |
留美 | 運命を愛する、とでもいうのかしらね。 |
美優 | はい。過去の重みを知っているからこそ……今この場所にいる理由があるからこそ、輝く言葉でした。 |
美優 | ……あっ、そろそろお客さんが入りはじめていますね。オープンステージですから、きっと偶然観ていく方も……。 |
留美 | ええ。ステージの上に、みんな今日はさまざまな花を見るのでしょう。 |
美優 | さまざまな形や色をした花たち……瞳子さんという花も、その中にあるんですね。 |
留美 | もしかするとその花は、すべての人にとって目を奪う花ではないのかもしれない。けれど―― |
留美 | 誰かにとっては、彼女の花の色こそが、心のどこかでずっと待ち焦がれていた色そのもの、ということだってあるわ。 |
留美 | 彼女が彼女のままに咲くその姿が、誰かに勇気や希望を与える。とてもアイドルらしい姿だわ。 |
留美 | 服部瞳子さん。貴方と出会った今日こそが、きっと誰かにとって、運命の日になるのでしょうね。 |
瞳子 | あら、いらっしゃい。どう?素敵な花になったでしょう? |
瞳子 | さて、ご注文をどうぞ。貴方好みの……コーヒーでいいかしら。なんてね♪ |
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