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ずっと憧れてた。だって、ずっと眩しかった。 | |
手は届かないと思ってた。私には、遠いって。 | |
だけど、願いは叶った。それなのに……… | |
どうして? | |
ニンゲン | この化け物め!! |
ニンゲン | 出ていけ!早く!この町から出ていけ!! |
ニンゲン | 人間に化けるなんて……恐ろしいわ……! |
ニンゲン | 忌々しい妖め!! |
チヅル | 待って……私は……違うの……私は……違う……。 |
ニンゲン | ヒッ……!何か言ってるわよ……! |
ニンゲン | 耳を貸すな!喰われるぞ!! |
チヅル | そんな!私はそんなことしない!! |
ニンゲン | 嘘!私の親戚が喰われた人を知ってるって言ってたもの!ああ怖い!山へ帰ってよ!! |
チヅル | 話を聞いて! |
ニンゲン | 武器だ!何か武器を持ってこい!森に追い返すんだ!! |
チヅル | ……なんで?何がいけないの?だって……私は……私も……! |
チヅル | 私とアンタたちの、何が違うの!! |
??? | ……よくわからないな。人間も妖も、私には同じものだ。 |
全然違うじゃない。人間には、こんな醜いツノも牙も……ないもの。 | |
ユキミ | チヅルは……ともだち。人間でも……妖でも……私は……好き。 |
でも……人間と妖は……仲良く……できない……。 | |
ミユ | 人間に……憧れ……?そんな……ダメよ……人間は……平気で子供を捨てるのに…… |
母様だって……私と向き合ってくれないじゃない……。 | |
チヅル | ……おかしいな。見えるよ……人間に無いはずの、ツノと牙が……。 |
チヅル | (なんだったの……私が憧れたものは……人間って……こんなに醜い生き物だったの……) |
チヅル | (そうか……私は、勝手に期待してただけだったんだ……) |
チヅル | ……帰ろう。 |
チヅル | でも…… |
チヅル | どこに……? |
――ずっと、疑問に思ってた。 | |
このツノはなんだろう、この牙はなんだろうって。 | |
里のみんなにあるもの。ツノや、牙や、翼や、鱗。 | |
そんなものはヒトにはなくて。私は、無駄なもののない彼らが羨ましかった。 | |
私は……ツノや牙がなくても、可愛くなんてなれないけれど。それでも…… | |
こんなもの、なければいいのに。 | |
私も…… | |
人間になりたい。 | |
それなのに。 | |
……あのまま里にいれば、 | |
私は幸せだったのだろうか。 |
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ボスユニット『チヅル』
登場 | チヅル「このツノと牙さえなかったら…もう少し可愛いはずなのに…」 ???「(でもそれは、あなたになければならないものよ) 」 |
LIVE | ハァ…鏡見るの、やだな… |
LOSE | なんで私は妖なんだろう。なんで…人間じゃないんだろう |
DRAW | 人間の町、吉野町と、妖の里…距離はすごく近いのに… |
WIN | チヅル「小さい頃は気にならなかったのに…今は…本当に嫌い」 ???「(思春期なのかしらね。…大丈夫。いつか解る時がくるわ) 」 |
シナリオ
時は、少し前に遡る―― | |
チヅル | ……ただいま。…はぁ。こんな時間に、母様が居るわけない、か。 |
??? | ……ごめんください……! |
チヅル | はい。どうぞ、開いてます。 |
ユキミ | ……チヅル、こんにちは。 |
チヅル | ああ、ユキミ。こんにちは。今日も来たんだ。 |
ユキミ | ……チヅルと、遊びたい……。チヅル、今日は何するの……? |
チヅル | 今日は……森に行くの。楽しいことなんてないから、ついて来ない方がいいと思うけど。 |
ユキミ | …………いっしょに、行く。 |
チヅル | …………。……ねぇ、ユキミは……私なんかといて楽しい? |
チヅル | もっと友達作ったら?わざわざこんな……半端者の半妖なんかに懐かなくても。 |
ユキミ | ……私、チヅル、好きだから。 |
チヅル | …………そう。 |
レナ | あら、ドアが開いてる!こんにちは〜!あ、居た居た、チヅルちゃん♪ |
チヅル | レナさん?こんにちは。何かご用でも? |
レナ | チヅルちゃんが心配するといけないと思って、伝えに来たの。ミユさん、今日も少し遅くなるかもしれないわ。 |
チヅル | え……。 |
レナ | 里の入り口の方に住んでるひとたちがね、森で人間を見かけたんだって。森に入り込まれるのは不愉快だって言って、 |
レナ | 里長(さとおさ)のミユさんに相談に来てるのよ。でも安心して。きっと荒事にはならないわ。 |
レナ | みんな、長に話してるうちに落ち着くわよ。彼女、聞き上手だもの。 |
チヅル | ふーん…………………………私の話は聞かない癖に。 |
レナ | え? |
チヅル | なんでも。急ぐので、失礼します。 |
レナ | ……ええじゃあね。ユキミちゃんも、バイバイ♪ |
ユキミ | ……ばいばい。 |
ユキミ | ……チヅル、急いでる? |
チヅル | えっ?あ、ごめん。ちょっと速かったね。 |
ユキミ | ……怒ってる? |
チヅル | べつに、怒ってないけど。……ユキミは、森で人間に会ったらどう思う?不愉快? |
ユキミ | ……不愉快、じゃない。でも……ちょっと、怖い。 |
チヅル | ……そう。まぁ、そうだよね。 |
チヅル | …………。 |
ユキミ | …………チヅルは?人間、嫌い? |
チヅル | ……べつに……興味ないし。 |
ユキミ | …………。 |
チヅル | …………でも、ちょっと人間を見かけたぐらいで大騒ぎするのは、大袈裟なんじゃないのって思う。 |
チヅル | この里と、吉野町の人間たちの間に、どんな確執があるのか知らないけど……ううん、きっと確執なんてない。 |
チヅル | ユキミ知ってる?この辺りの土地は遅れてるの。遠くの町では、人間も妖も、仲が良かったりするんだって! |
チヅル | ……なんでここは、人間と妖の距離がこんなに遠いんだろう。もっと仲良くすればいいのに…………ハッ! |
ユキミ | ……? |
チヅル | ……なんでもないから。今聞いたことは忘れて。 |
チヅル | それより、母様……ううん、里長は帰りが遅いみたいだから、私、少し遠くまで散歩するわ。 |
チヅル | 暗くなるから、ユキミは里に帰った方がいいよ。 |
ユキミ | ……うん、わかった。…………チヅル、 |
チヅル | なに? |
ユキミ | ……なんでもない。また、明日ね……。 |
チヅル | ……じゃあね。 |
チヅル | ………………行ったかな? |
チヅル | 他の妖に見つからないうちに、早く行かなきゃ。 |
チヅル | 着いた!……はぁぁ、やっぱり綺麗だな、吉野町。 |
チヅル | 町にも家にも花が多くて……人間って、可愛いものが好きだよね。妖は、素朴っていうか、垢抜けないからなぁ……。 |
女の子 | 見て〜!新しい着物、パパとママが買ってくれたの〜! |
女の子 | わぁ、すっごく素敵だよ〜!髪飾りも可愛いね♪ |
チヅル | ほんとだ……可愛い……ハッ!私ったら、つい見入っちゃった……。 |
チヅル | ……もっと近くで見たいな。よし、今日はもう少し近くまで行ってみよう。 |
カレン | …………。 |
チヅル | (あ、あの子……時々見かける可愛い子だ……!何話してるんだろ……) |
カレン | …………退屈だなぁ。 |
チアキ | お嬢様……。 |
カレン | 部屋から出られないよりマシだけど、散歩してもいつも同じ景色に同じ顔。……つまんないの |
チアキ | 旦那様も奥方様も、お嬢様を心配なさっているのよ。大事な一人娘で、体が弱かったものだから……。 |
カレン | わかってる。でも、もう健康な体になったんだし!いつまでも大人しくしてる私じゃないからね! |
カレン | 手始めにあの森に行きたい。妖をこの目で見てみたいの。出来たら……友達になりたい。 |
チヅル | !! |
チアキ | お嬢様、それは…… |
カレン | だって、世界は広いんだよ?私の部屋の窓からじゃ……妖になんて絶対に会えないでしょ。 |
カレン | せっかく外に出られるようになったんだもん。好きなことを思いっきりさせてもらうんだから! |
カレン | 森に行く時は、トーゼンチアキにも付き合ってもらうからね!ふふっ♪ |
チアキ | それはもちろん…… |
チヅル | (妖と友達に……?あ、離れていっちゃう!もうちょっと近くに……!) |
ガサガサッ | |
チヅル | (あっ!) |
チアキ | 誰!? |
チヅル | (ヤバい!逃げなきゃ!!) |
カレン | えっ、なになに!?どうかした!? |
チアキ | ………………いえ、気のせいだったようです。さぁ、じきに冷えます。お屋敷に帰りましょう。 |
カレン | はーい。 |
チヅル | ハアッ、ハァ……焦った。少し近づきすぎたかな。…………なんでコソコソしないといけないんだか……。 |
チヅル | それにしても、あの子やっぱり可愛かったな……。でも、妖と友達になりたいなんて、ちょっと変わってるかも。 |
チヅル | ……はぁ。いいなぁ、人間は。ツノも牙もなくて。 |
チヅル | 私も、こんな歪なツノと牙さえ無ければ……あんなふうに可愛く……ハッ!無理無理!私なんて! |
チヅル | …………あれ?私、いつの間にかこんなところまで来てたんだ。夢中で気づかなかった……。 |
??? | …………誰ですか? |
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ボスユニット『チヅル』
登場 | チヅル「初めて見る顔…。妖…にしては、なんだか神々しいような…?」 ???「(…早くどこかに行ってくれないだろうか…) 」 |
LIVE | ツノとかないんだ…いいな… |
LOSE | この辺に住んでるのは、森の精霊ぐらいのはずなんだけど… |
DRAW | 綺麗なひと…可愛い服とかも似合いそう···私と違って |
WIN | チヅル「お邪魔してます。って言ってもあなたの家じゃないだろうけど」 ???「……確かにそうですが……なんとなく腹の立つ言い方だな」 |
シナリオ
??? | …………。 |
チヅル | 黒い……髪も、着物も。……まるで、夜みたい。……綺麗……ハッ! |
チヅル | ゴホンッ!あ、あなたは?カラスの妖?それとも姑獲鳥とか? |
??? | ウブメ……?私は神使(しんし)ですが。そういうお前は……妖なのか……? |
チヅル | 妖っていうか……半妖。妖と人間のハーフ。私のことはいいよ。しんしってなに? |
??? | ……神の使いです。 |
チヅル | 神……?フーン……神の使いってカラスなんだ。 |
神使 | ……いえ。私が仕える神は、12の使いを生み、それぞれに地上の生き物の形を与えました。 |
神使 | その中のカラスが私だった……それだけです。理解できましたか? |
チヅル | ……まぁ、理解はしたけど。それで……神の使いがこの森で何してるの? |
チヅル | ていうか、名前は?私はチヅル。一応、妖の里の里長・ミユの娘。 |
神使 | はぁ……質問が多いな……。私は12神使のうちのひとつに過ぎない。名などありません。 |
神使 | この森も山も、麓の町も。霊山をはじめとしたこの辺りの土地一帯は私が仕える神の庇護下にある。 |
神使 | 故に、時々誰かが様子を見に来ている。今回は私だった。……以上です。 |
チヅル | そうなんだ……。……名前、無いって不便じゃない? |
神使 | 特には。 |
チヅル | ふーん……。 |
神使 | …………。 |
チヅル 神使 | ………………………………。 |
チヅル | ……何か話したら? |
神使 | ……何のために? |
チヅル | それは……私もわかんないけど……。 |
神使 | ……お前こそ、私に言いたいことがあるのでは? |
チヅル | え?私?なんで? |
神使 | ……ヒトは神に願い事をする生き物でしょう。私が神の使いと知れば、己の望みが叶うかどうか、 |
神使 | 興味を示すものかと。 |
チヅル | ……別にそんなこと、思わなかったな。そんな力があるの? |
神使 | はい。神使も神に準ずる力を持っていますので、ヒトの矮小な望み程度、どうとでもなります。 |
神使 | 作物も金子も、雨だろうが日光だろうが。神々の住む高天原に行きたい、別の生き物になりたい。なんでも。 |
チヅル | フーン……。 |
神使 | 反応が薄いですね。 |
チヅル | だって、怪しいし。どうせ何かの代償が必要とか、そんなことでしょ。 |
神使 | なるほど。慎重ですね。 |
チヅル 神使 | ………………………………。 |
チヅル | …様子を見に来たって言ってたけど、見たところ何もしてないよね。実はヒマなの? |
神使 | やることはやっていますが……退屈といえば退屈だな。 |
チヅル | ……じゃあ、私がもう少しここにいても構わないよね。走って疲れたの。少し休ませて。 |
チヅル | ……で、人間に見つかりそうになって、走って逃げたの。私も妖術が使えれば、もっと堂々と町に行けるんだけど…… |
妖の少女 | えっ?チヅルちゃん、妖術使えないの? |
妖の少女 | そんなのおかしいよ!だって里長の娘なのに!あ、でもそっか。半妖なんだっけ? |
チヅル | !!うるさいな!私だって好きで里長の娘やってるわけじゃない! |
妖の少女 | ええー!?ミユ様とっても素敵なのに!チヅルちゃん、ぜいたくー!! |
妖の少女 | やめなよー!チヅルちゃんのところはお父さんがいなくて可哀相なんだから! |
チヅル | !! |
チヅル | ……はぁ、やなこと思い出しちゃった……。 |
神使 | …………。 |
チヅル | …あなた、全然表情変わらないよね。 |
神使 | それはお前もでは? |
チヅル | 私よりあなたの……ねぇ、やっぱり名前がないと不便なんだけど。 |
神使 | 私はそうは思いませんが。名に価値を見出すのは、ヒトくらいのものでしょう。 |
チヅル | はいはい。わかった。いいよ。こっちで勝手につけさせてもらうから。 |
神使 | は……? |
チヅル | なんだか、あなたとの付き合い方、わかってきたから。 |
チヅル | そうだな……最初見た時に、夜みたいな子だなって思ったんだよね。 |
チヅル | ヨル……ヨル……ヨ…………私がチヅルだから………………チヨ。チヨってどう? |
神使 | …………チ、ヨ……? |
チヅル | そう。あ、そうだ。私、文字を書くのが好きでね。紙と筆ペン持ち歩いてるの。 |
チヅル | チ……ヨ。……ほら。上手く書けてるでしょ?これあげる。記念に。 |
神使 | …………。 |
チヅル | 本当に表情変わらないのね。別にいいんだけど。 |
チヅル | あ、けっこう暗くなってきてる。じゃ、私帰るから! |
チヅル | じゃあね、チヨ! |
神使 | …………………………………………チ、ヨ…………。 |
チヨ | …………チヅル、か…………。 |
ユキミ | ……チヅル。 |
チヅル | え?ああ、ユキミ。どうかしたの? |
ユキミ | ……最近、毎日どこか行ってる……。今日も、行くの……? |
チヅル | うん。森に用事があって。急ぐから。ごめん。 |
ユキミ | ……そっか。ばいばい……。 |
ミユ | あ、チヅルちゃん……! |
チヅル | ! |
チヅル | 母様……珍しい。まだ早いのに、お役目はよろしいのですか? |
ミユ | あ……ええ、最近忙しくてあなたとゆっくりお話しできていなかったから……今日は早く帰ろうと思って。 |
チヅル | 別にいいのに。話すことないし。 |
ミユ | チヅルちゃん……学び舎での様子も知りたいの。帰ってゆっくりお茶でもどう? |
チヅル | ……別に、相変わらずだよ。里長の娘の癖に妖術が使えない半妖の落ちこぼれってバカにされるけど、座学は一番。 |
チヅル | 知りたい情報はこれぐらいでしょ?じゃ、私急ぐから。 |
ミユ | え、あ、チヅルちゃん!どこに行くの?チヅル! |
ミユ | チヅル…………。 |
チヅル | ――母様は里の妖からすごく信頼されてる。そんなひとの娘が私みたいな、何の取り得もない落ちこぼれなんて……。 |
チヅル | ……里長の娘であることがどんなに重いか、母様にはわかんないんだよ。 |
チヨ | …………。 |
チヅル | …………ごめん。会って早々、こんな愚痴……。母様のことを知らないチヨだから、つい……。 |
チヨ | ……ヒトは溜め込むと壊れると聞きました。難儀なことだな。 |
チヅル | ……どうせなら、人間みたいにツノと牙もなければよかった。いっそ何もなければ……もっと…………。 |
チヨ | ……よくわからないな。人間も妖も、私には同じものだ。 |
チヅル | そんなことない!全然違う!……せめて妖術が使えたらな。そうしたら、もっと心に余裕があったのかも。 |
チヨ | ……お前は、妖術を使える力が欲しいと。それが願いですか。 |
チヅル | いや、でも代償とかは無理だから!……ちなみに、代償ってなんなの? |
チヨ | ひとによりますが……大抵は、そのひとが大切に思う何かですね。 |
チヅル | フーン……。まぁ、お願いするつもりないけど。 |
チヅル | ねぇ、私って、この先ずっと妖術が使えないままなのかな?どう思う? |
チヨ | ……おかしな質問ですね。使えるわけがないでしょう。 |
チヅル | えっ?そ、そんなのわかんないでしょ?どうして断言できるの!? |
チヨ? | ……?お前は本当に自分を妖だと思っているのですね。 |
チヅル | どういう……こと……? |
チヨ | ……特に興味がなかったので指摘しませんでしたが……こういうことです。"汝、偽りを禁ず"…… |
パァァァァァァ | |
チヨ | ……池があるな。おあつらえ向きの水鏡だ。……見てみては? |
チヅル | えっ?は……? |
チヅル | なにこれ……? |
チヅル | ツノと牙が……ない……? |
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ボスユニット『チヨ』
登場 | チヨ「お前は…よく喋るようになりましたね。…不快ではないが」 チヅル「そういえば…初めはお互い無言が多かったね。今は慣れたけど」 |
LIVE | チヅル……呼んだだけです |
LOSE | 私は12神使のひとつ。名を授かるなんて…思っていなかった |
DRAW | つい…チヅルの訪いを待ってしまう自分がいる…何故? |
WIN | チヨ「…もっと話してください。何故かお前の話は聞いていたいから」 チヅル「そうなの?まぁ私も、チヨにはなんでも話せるから…嬉しい…」 |
シナリオ
チヅル | 母様!! |
ミユ | あ、チヅルちゃん!おかえりなさい……!……どうしたの?そんなに血相を変え…… |
ミユ | !! |
ミユ | チヅルあなた……術が解けて……! |
チヅル | !!本当に……あれは母様の術だったのね!? |
チヅル | どういうこと!?ねぇ、私のツノと牙は!? |
チヨ | あれはただの幻術です。人間や妖が見抜くことは難しい、精度の高い術でしたが、私、神使なので。 |
チヅル | 幻術……?幻ってこと……? |
チヨ | ……誰が何のために掛けたかはわかりませんが、お前は妖ではありません。 |
チヨ | 人間です。 |
チヅル | !! |
チヅル | ……教えて。どうしてこんなことをしたの?どうして………… |
チヅル | 私を騙してたの!! |
ミユ | それは…… |
チヅル | 私が……人間?妖じゃ……半妖じゃない……やっぱり……私はあなたの娘なんかじゃないのね!? |
ミユ | !?違うわ!あなたは私の娘よ! |
チヅル | 妖術が使えないのも、人間に憧れるのも、当たり前だった!だって私は人間だから!! |
ミユ | 人間に……憧れ……?そんな……ダメよ……人間は……平気で子供を捨てるのに…… |
チヅル | ……そんなの……そんなの!里長の役目ばかりにかまけて私と向き合おうとしない母様と一緒じゃない!! |
ミユ | !! |
バタバタバタッ!! | |
レナ | ちょっと!何事!? |
レイ | 大きな声が外まで聞こえてきたけれど……揉め事かしら? |
レイ | ……チヅルちゃん?大丈夫? |
チヅル | 来ないで!! |
ミユ | チヅル……! |
チヅル | レナさんもレイさんも……ううん、里のみんな、知ってたんでしょ! |
チヅル | 私が……人間だって!! |
レナ レイ | ! |
チヅル | だから……だからだったんだ。母様は、私とあまり関わりを持とうとしなかった。 |
チヅル | 私……母様に叱られたこと、ないもの。いつも、困った顔で少し笑って……それだけ。なんでだろうって思ってた。 |
チヅル | 父親の話だって聞いたことないよ……。できるわけなかったんだ……はじめから居ないんだから。 |
チヅル | 母様は人間が嫌い……だから、人間の私のことも嫌いなんでしょ!!それで術なんてかけたんだ!!( |
ミユ | それは違うわ!!たとえ本当の子じゃなくても、チヅルは私の娘よ! |
レナ | ちょっと、二人とも落ち着きなさいよ! |
レイ | ええ、難しい問題だもの。冷静に話し合ったほうがいいわ。 |
ミユ | ……チヅル、聞いて、 |
チヅル | 話すことなんか……ない。 |
ミユ | チヅル……! |
チヅル | ……すごく滑稽だよね。チヨが幻術を解いてくれなかったら、私は何も知らないままだった。 |
チヅル | 妖術が使えないことを誤魔化すために、半妖だなんて嘘までついて。ずっと……私を騙してたんだ。 |
チヅル | ……大っ嫌い。母様も妖も……みんなみんな、大っ嫌い!! |
ミユ | チヅル…………。 |
ユキミ | 待って……! |
チヅル | ユキミ? |
チヅル | ……何。私に……何か用。 |
ユキミ | どうしたの……チヅル……とっても……悲しそう……。 |
チヅル | は!?悲しいなんて……そんなわけないじゃない!私は怒ってるだけ! |
チヅル | 私は間違ってない!だって、ずっと嘘をついてたひとたちと、これ以上一緒になんていられない! |
ユキミ | 嘘……? |
チヅル | ユキミだって……知ってたんでしょ?私が……人間だって。母……里長の娘じゃないって。 |
ユキミ | …………知ってた。 |
チヅル | !! |
ユキミ | でも……チヅルは、チヅル。 |
ユキミ | チヅルは……ともだち。人間でも……妖でも……私は……好き。 |
チヅル | ……人間と妖は……仲良くできないよ……。 |
ユキミ | ……あの日……私を助けてくれたのは、チヅル。人間とか、妖とか……どうでもいい。 |
チヅル | わ……私は……私は……アンタを助けたわけじゃない!本当のことを知ってたら、妖となんて関わらなかった!! |
ユキミ | …………。 |
チヅル | 私は人間なの!!何よ妖術って!そんなもの、使えなくて当たり前だったんだ!! |
チヅル | 妖はそうやって……妖術を使って、人間を騙すんだよね! |
チヅル | 使えなくてよかった!だって、すごく怖いもの! |
チヅル | 私はアンタたちとは違う!!違って……よかった!! |
ユキミ | !! |
ユキミ | ……チヅルは……チヅルだよ…………。 |
チヅル | 嘘つき……!チヨだけだ……チヨだけが、私に本当のことを教えてくれた……! |
チヅル | 私の居場所は、妖の里なんかじゃなかった!はじめから……人の町、吉野町だったんだ! |
チヅル | あんな場所、二度と戻らない!私は…… |
チヅル | 人間として生きるんだから!! |
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ボスユニット『レナ&レイ』
登場 | レナ「あまり思い詰めないで。チヅルちゃんの言葉は、本心じゃないわよ」 ミユ「…来るべき時が来たということですね。もう…誤魔化せない」 |
LIVE | レイ「きっと誰も悪くないのよ…」 |
LOSE | レナ「里長は、誰よりもチヅルちゃんを想ってる。それだけは確かよ」 |
DRAW | レナ「もしかして…ずっと一人で、不信感を抱えていたのかしら…」 |
WIN | レイ「チヅルちゃんも、冷静になったら帰ってくるはずよ。大丈夫…」 ミユ「…迎えに行きます。だって私は…あの子の母親ですから…!」 |
シナリオ
チヅル | ハッ、ハッ、ハッ、ハッ……ハア、ハァ……ハァ……! |
チヅル | 着いた……。 |
ガヤガヤ…… | |
チヅル | 不思議……今までと、違う景色に見える。これからは堂々と……町の中を歩けるんだ。 |
チヅル | すごい……人間がいっぱい……! |
チヅル | ……って、私も人間だった。……あは、は……。 |
チヅル | ……ダメダメ!切り替えて、楽しまなきゃ! |
チヅル | 綺麗な町並み……!!花も可愛い……!あれは何のお店だろう?あっちからはいい匂い……! |
ドンッ | |
町の人間 | おう、ごめんな嬢ちゃん! |
チヅル | あ、いえっ!こちらこそ……! |
チヅル | いけない……浮かれてないで、前見て歩かなきゃ……! |
カレン | あ!大変! |
チアキ | お嬢様? |
カレン | ねぇ!そこのあなた、待って!待ってってば!! |
チヅル | えっ?わ、私!? |
カレン | 突然ごめん!でもほら、これ落としたから! |
チヅル | あ……!私のペンダント……。 |
カレン | すっごく綺麗なペンダントだね。大事なものなんじゃない? |
チヅル | ……母が、くれたの。 |
カレン | そっか。失くさなくてよかったじゃん。見た感じ壊れてないし、金具がうまくハマってなかったのかも。つけてあげるよ。……よし、これでオッケー♪ |
チヅル | あ、ありがと……。 |
カレン | うん。ところでさ、あなたこの辺の子じゃないよね?観光? |
チヅル | あ……えっと……そんな感じかな……。 |
カレン | そっか!あ、私カレンっていうの。彼女は侍女のチアキ。 |
チアキ | ごきげんよう。 |
チヅル | ど、どうも。 |
カレン | 観光ならさ、私がこの町を案内してあげよっか! |
チアキ | お嬢様!? |
カレン | いいじゃない。部屋からは出られるけど、町からは出られなくて毎日ヒマなんだもん。ね、どう? |
チヅル | え……と、それは、すごく助かるけど……でも、いいの? |
カレン | もっちろん。私、一応町長の娘だからさ。ガイドにはピッタリだよ♪ |
チヅル | じゃあ……お願いしようかな。 |
カレン | よし!そうと決まったら自己紹介ね。あなたのこと教えて♪ |
チヅル | 私は……チヅル。……人間。 |
カレン | ??見ればわかるけど……? |
チヅル | え!?あ、そ、そっか! |
カレン | あははっ!変なの♪ |
町の人間 | いたぞ!!こっちだ!! |
町の人間 | そこのお前!動くな!! |
チヅル | え……私? |
チアキ | お嬢様、下がって。 |
カレン | ちょっとちょっと、何?物々しいんだけど!? |
町の人間 | カレンさん!離れてください! |
町の人間 | そのガキ……妖です!! |
カレン | え!? |
チヅル | !! |
ザワザワ…… | |
町の人間 | ちょっと……あの子、妖だって。 |
町の人間 | 本当に?ツノや尻尾は見当たらないけど……。 |
町の人間 | ツノや尻尾なんざ、妖術でいくらでも隠せるだろう!妖は、ずっとそうやって人間を騙してきたんだからな! |
カレン | ねぇ。突然失礼だよ。大の大人が急に取り囲んで……吉野町の人間は、外から来た人に不親切なわけ? |
町の人間 | ですがカレンさん!俺たちは見たんだ!そのガキ、森から出てきやがった!一人でだ! |
カレン | 森から……? |
チアキ | チヅルさん、事実ですか? |
チヅル | あ……私…… |
町の人間 | この目で見たんだ!間違いねぇ! |
町の人間 | あの森は妖の里に通じる、妖だらけの魔の森だ!霊山を守る大神様の加護に群がってるってウワサだ! |
町の人間 | そんなとこから人間が一人で出て来るなんざ、ありえねぇ! |
カレン | この子は外から来たんだから、森のことなんて知らなくて当然じゃない? |
町の人間 | いや!そいつは妖だ!そうに決まってる! |
人間 | 妖だ! |
人間 | 妖だ!! |
ニンゲン | ア ヤ カ シ だ !!! |
カレン | ちょっと!落ち着いてよ! |
チアキ | お嬢様!みんな興奮してるわ。危険だから下がって! |
カレン | そんな!! |
ニンゲン | この化け物め!! |
ニンゲン | 出ていけ!早く!この町から出ていけ!! |
ニンゲン | 人間に化けるなんて……恐ろしいわ……! |
ニンゲン | 忌々しい妖め!! |
チヅル | 待って……私は……違うの……私は……違う……。 |
ニンゲン | ヒッ……!何か言ってるわよ……! |
ニンゲン | 耳を貸すな!喰われるぞ!! |
チヅル | そんな!私はそんなことしない!! |
ニンゲン | 嘘!私の親戚が喰われた人を知ってるって言ってたもの!ああ怖い!山へ帰ってよ!! |
チヅル | 話を聞いて! |
ニンゲン | 武器だ!何か武器を持ってこい!森に追い返すんだ!! |
チヅル | ……なんで?何がいけないの?だって……私は……私も……! |
チヅル | 私とアンタたちの、何が違うの!! |
憧れてたんだ。人間に。 | |
とても、綺麗なものに見えてたから。 | |
でも…… | |
私が憧れた人間って……なんだったんだろう。 |
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楽屋 | |
千鶴 | お、お疲れさまです! |
みんな | お疲れさまです! |
千鶴 | ええと……みなさん怪我もなく、無事に開演の日を迎えられましたこと、心より…… |
加蓮 | あははっ♪千鶴ってば、硬い硬いっ! |
千鶴 | ああっ、すみませんっ!こういうの慣れなくて、緊張しちゃって……! |
美優 | ふふ、大丈夫ですよ千鶴ちゃん。リラックスです♪ |
千鶴 | はいっ!ああ、もう、私ったら……しっかりしないといけないのに……! |
加蓮 | そんなに気負わなくていいよ♪一座の座長は、どっしり構えてるぐらいじゃなきゃ。 |
千鶴 | 一座……! |
千夜 | ……松尾一座。 |
千鶴 | !!な、なんだか恐れ多いですけど、悪くない響きというか……ハッ! |
雪美 | まんざらでも……ない……? |
礼 | あら、雪美ちゃんったら難しい言葉知ってるのね♪ |
雪美 | ふふ、千鶴に……教えてもらった……♪他にも、色々……。 |
千鶴 | そんな!私の方こそ、雪美ちゃんには本当に……お芝居でも何度も助けられて…… |
千鶴 | うん、私ももっと頑張らなきゃ……! |
千秋 | 気合を入れすぎると空回りするわよ?それに……あなたはもう、充分よくやっているわ。 |
レナ | そうそう♪ふふっ、実は私たち、スタッフさんからいいこと聞いちゃったのよね〜♪ |
加蓮 | えっ、気になる!なになに? |
千秋 | 私たちそれぞれの楽屋の、ドアの脇に名前が貼られているでしょう?とても美しい毛筆で。 |
千鶴 | ……! |
レナ | アレね、我らが座長、千鶴ちゃんの直筆らしいのよ! |
みんな | えええっ!? |
千鶴 | あっ、いや、あれは、その……! |
千夜 | ……そうなのですか? |
千鶴 | あ……ハイ。……一緒に頑張ってくれるみんなの名前を、自分の手で丁寧に書きたくて……。 |
雪美 | 千鶴……すごい。 |
美優 | ええ、すごいわ……!頑張ったのね……! |
レナ | ちょっとヤダ美優ちゃん、感極まっちゃった!? |
加蓮 | そうだ!私、この公演終わったら名前の紙持って帰ろうっと! |
礼 | あら、いいわね。私もいただくわ♪ |
千夜 | ……では、私も。一応。 |
千鶴 | ああっ、もうっ、わかりましたから!ほらみなさん!後半もよろしくお願いしますね!! |
みんな | はーいっ♪ |
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ボスユニット『チヅル』
登場 | チヅル「どうして話を聞いてくれないの!?私は妖なんかじゃない!!」 町の人間「そう言って妖は、妖術を使って人間を騙すんだ!出ていけ!!」 |
LIVE | 私は騙してない…私は···! |
LOSE | 森から出てきた。怪しい。それだけで…ここまで憎めるの…? |
DRAW | 私は···人間を見誤ってたんだ。綺麗なところだけ見てたんだ… |
WIN | チヅル「もういい…人間だって、醜いじゃない…妖と同じじゃない!」 町の人間「ヒッ!皆気をつけろ!コイツ妖術を使う気だ!暴れる前に追い出せ!」 |
シナリオ
チアキ | …彼女。チヅルさん。本当に森の方に行ったわね。 |
カレン | でも……それだけであの子が妖だとは言い切れないよ。少なくとも、私はチヅルちゃんから直接聞きたい。 |
カレン | だって……危ないことなんか何もしなかった。そうでしょ? |
チアキ | ええ……それに彼女、自分のことを人間と言っていた……。何か事情があるのかしら。 |
カレン | うん。とにかく、町の人間が追い立てたんだもん。私は謝りたい。 |
カレン | 謝って、話を聞きたい。……ねぇ、チアキ。 |
チアキ | ……ハァ、わかりました。どうせお嬢様は、一度決めたら譲らないものね。昔からずっとそう。 |
カレン | なーに?お互い様でしょ?私たち、我が強いって身内から言われてまくってるし。……ふふっ♪ |
カレン | ありがと、チアキ!行こう、森へ…… |
チヅル | …………。 |
ガサガサッ | |
ユキミ | …………チヅル。 |
チヅル | !……ユキミ。こんなところで何を……。 |
ユキミ | ……こっち。 |
チヅル | ちょ、ちょっと!離してよ!どこに連れてくの!? |
ユキミ | 帰ろ。 |
チヅル | は!?帰るって……妖の里に? |
ユキミ | うん。 |
チヅル | イヤだよ!あそこはもう、私の家じゃないんだってば! |
ユキミ | でも……人間の町は…… |
チヅル | そうだよ!!私は……妖の里にも、人間の町にもいられない!! |
チヅル | 私の居場所は……どこにもない!! |
ユキミ | 違う……そんなこと…… |
チヅル | 私の気持ちなんて……ユキミには……! |
??? | キャー! |
チヅル | ? |
チヅル | 悲鳴?あれは……! |
チンピラ妖A | お前ら人間ごときがこの森に何の用だ! |
チンピラ妖B | まさか、俺たちの里を探して荒らそうってんじゃねえだろうな!そうはいかねえぞ! |
カレン | そんなことしないよ!お願いだから通して! |
チアキ | お嬢様!前に出ないで! |
ユキミ | あれは……人間……。 |
チヅル | カレン、と……チアキさん…? |
ユキミ | …… |
ユキミ | ……知ってるの? |
チヅル | …………。 |
ユキミ | …… |
ユキミ | …………助けるの? |
チヅル | …… |
チヅル | …………もう! |
チンピラ妖A | 早く森から出て行かないと力ずくで追い出すぞ! |
チヅル | ちょっと!アンタたち! |
チンピラ妖A | なんだ!?チヅル……!! |
チヅル | そんなチンピラみたいなことしてるヒマがあったら仕事でもしなさいよ!みっともない! |
チンピラ妖B | でも、人間に里まで来られちゃたまんねえだろ! |
チヅル | …その人間たちは私が追い払うから。 |
カレン チアキ | !! |
チンピラ妖A | ……チッ。わかったよ。けど、人間が入り込んでたってミユ様には報告するからな。 |
チンピラ妖B | 人間!二度と来んじゃねーぞ!! |
カレン | ……チヅルちゃん。助けてくれてありがと。その子は……友達? |
ユキミ | ……! |
チヅル | こんなところで何してるの? |
カレン | あ……チヅルちゃんを捜してたんだ。さっきはごめん。びっくりしたよね。 |
チヅル | ……べつに。 |
カレン | ねぇ……教えてくれないかな。チヅルちゃんは、妖なの?どうして町に……? |
チヅル | ……いいでしょ、そんなこと。 |
カレン | でも! |
チヅル | しつこいな!関係ないでしょ!?ちょっと冷やかしに行っただけだよ! |
チヅル | 私は人間じゃない。妖でもない。アンタたちに興味もない。わかったら町に帰って! |
チヅル | この森は妖の庭だよ。次に絡まれても……もう知らないから。 |
カレン | あ……チヅルちゃん! |
チアキ | ……帰りましょう、お嬢様。 |
カレン | ……うん。 |
ユキミ | ……どうして助けたの? |
チヅル | …………ただムカついただけ。人間だから、妖だからって目の敵にして。バカみたい。 |
ユキミ | …………!……あの時と、同じ……。 |
ユキミ | ……どうして、助けてくれたの……。 |
チヅル | べつに。ただムカついただけ。自分より小さいからっていじめるとか……バカみたい。 |
チヅル | ……私も、半妖だからってからかわれて、口喧嘩で言い負かしてやったことがあるの。あなたもやってみたら? |
ユキミ | …………やりかた、教えてくれる……?…………私、ユキミ。 |
チヅル | …………チヅル。……いいよ。私の指導は厳しいから、そのつもりでね。 |
ユキミ チヅル | ………… |
ユキミ チヅル | …………よろしく……。 |
ユキミ | やっぱり……チヅルは、チヅル。 |
チヅル | なによ、それ……。 |
ユキミ | チヅル……帰ろ? |
チヅル | ……里には帰らない。私、行くところあるから。もう……ついて来ないで。 |
ユキミ | チヅル……。 |
チアキ | ……お嬢様。大丈夫? |
カレン | ……うん。私は平気。でも……チヅルちゃん、傷ついてるように見えた。人間でも妖でもないって……。 |
カレン | ……町に来たチヅルちゃんは、不安げだけど興味津々で、頼りないのにキラキラしてて。まるで…… |
カレン | …外の世界に想いを馳せてた、いつかの自分を見てるみたいだった。だから放っておけなかった。 |
チアキ | ……だけど、これ以上深入りは…… |
チアキ | ?何か、町が騒がしいわね。 |
カレン | ねぇ、何かあったの? |
町の女の子 | あ、カレンちゃん!なんかね、さっき町に妖が出たんだって! |
町の女の子 | 広場で騒ぎを起こして、森に逃げて行ったらしいの!噂じゃ怪我人も出てるって! |
チアキ | 怪我人……? |
カレン | チアキ……妖って、チヅルちゃんのことだよね?怪我人なんて…… |
チアキ | おそらく、目撃者が大袈裟に吹聴して噂に尾ひれがついたわね。嫌な予感がするわ。 |
ニンゲン | 里の妖が町に入ってくるなんて、この数十年で初めてなんじゃないか!?こりゃマズいぞ! |
ニンゲン | まさか、この町を奪う気か!?様子見にやってきたんじゃないか!? |
ニンゲン | そんなことはさせねえ!やられる前にやってやれ!! |
ニンゲン | そうだそうだ! |
ニンゲン | どうする!? |
ニンゲン | いい考えがあるぞ!森に火を放つんだ!! |
カレン チアキ | !!?? |
ニンゲン | それはいい!!こっちは怪我人まで出てるんだろ?妖どもを…… |
ニンゲン | 炙り出せ!!!! |
ボスユニット(MASTER) 『カレン』
登場 | カレン「チヅルちゃん…せっかく町に来てくれたのに…本当にごめん」 チヅル「…町も人間も、全然綺麗じゃなかった。行くんじゃなかった」 |
LIVE | そんなこと言わないで…..! |
LOSE | みんながみんな、妖に怯えてるわけじゃないんだよ…! |
DRAW | 妖と仲良くできるんじゃないかって考えてる人たちもいるの! |
WIN | カレン「私たち、きっと友達になれると思うんだ。だから…だから!」 チヅル「母様もカレンも、言い訳ばっかり。もう…何も聞きたくない!」 |
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ボスユニット『チアキ』
登場 | チアキ「あんな強硬派が町にいたなんて…まったく嘆かわしいわね」 カレン「どうしよう…森に火なんてつけたら…一生友達になれないよ」 |
LIVE | 嘆いてるヒマはありませんよ |
LOSE | 幼い頃、病弱だったお嬢様…あなたの世界はとても狭かった |
DRAW | 広い世界へ手を伸ばすなら…私はお傍で支えるのみ…! |
WIN | チアキ「行きましょうお嬢様。あなたはもう、思うままに行動していいの」 カレン「私…友達になりたい。初めての妖の友達は…チヅルちゃんがいい」 |
シナリオ
チアキ | お嬢様!そんなに走ってはさすがに体に障ります! |
カレン | 大丈夫だよ!チアキだって知ってるでしょ?もうすっかり健康なんだって! |
カレン | それに、急がないと!町の誰かが本当に森に火を放つかもしれない!妖たちに……チヅルちゃんに報せないと!! |
チアキ | ……わかったわ。急ぎましょう……! |
ユキミ | …………長(おさ)。 |
ミユ | ユキミちゃん……ごめんなさい……私が不甲斐ないばかりに、あなたにも心配を……。 |
ユキミ | ……長は、不器用? |
ミユ | っ……バレバレ、よね?里長としては、しっかりやれているつもりだけど……他のことが、どうも……。 |
ミユ | でも、そんなことも言ってられないわ。あの子は…チヅルは私が守ると決めた子。私が、迎えに行かないと。 |
ユキミ | 長……一緒に行っても、いい……? |
ミユ | ……ユキミちゃんが一緒なら、心強いわ。 |
妖 | ミユ様!大変です!里の入り口に……人間が!! |
カレン | お願い!話を聞いてよ! |
チアキ | 下がりなさい!ええい、お嬢様に寄るな!誰か話の分かる者は、チヅルさんは居ないの!? |
妖 | 『チヅル』だって?アンタたち、チヅルのこと知ってるのかい? |
妖 | チヅルはいなくなったって聞いたぞ?まさか、こいつらのせいなんじゃ……! |
妖 | 捕まえて、吐かせろ! |
ミユ | 待ちなさい!! |
妖たち | 長! ミユ様!! |
カレン | 長……?なんか、偉いひとっぽい? |
チアキ | ええ、おそらく。纏う空気が違うわ……慎重に対応しないと……。 |
カレン | う、うん……あっ!?隣のあの子!!さっきチヅルちゃんと一緒にいた子だ!! |
ミユ | 『チヅルちゃん』……?あなたたち、チヅルを知っているの?ユキミちゃん、わかる……? |
ユキミ | ……うん……。チヅルが、助けた人間……。 |
ミユ | チヅルが……人間を助けた……?そうなの……。それで、その人間が、何の用かしら。 |
カレン | 私……カレンといいます!吉野町の町長の娘です!妖たちに……チヅルちゃんに、早く報せないとと思って……! |
カレン | 町の人間が、森に火を放つかもしれないの!危ないから、早く逃げて!! |
ユキミ ミユ | ……!! |
妖 | なんだって!?人間が森に火を!?どうしてそんなことをするんだ!? |
妖 | どうする?逃げるか? |
妖 | 嫌だね!なんでアタシたちが住処を追われなきゃならないんだい! |
妖 | そうだそうだ!燃やせるもんなら燃やしてみろ!!返り討ちにしてやる!! |
ミユ | 落ち着きなさい。暴力では何も解決しません。それに、火を放つ「かもしれない」のでしょう? |
カレン | う、うん……! |
ミユ | ならば、話し合う余地はあるはず。何故そんなことになったのか、先導している者と話したいわ。可能……よね? |
カレン | ……案内するよ。町の人間だって、話せばわかるし、燃やすなんて……そんなこと、私がさせない。 |
カレン | だからお願い。妖も……人間に危害を加えないでほしい。 |
レナ | ……長、信用して大丈夫? |
レイ | 嘘をついているようには見えないけれど……ね。 |
ミユ | 問題ありません。多少のボヤなら難なく消し止められますし、念のため水の術が得意な者を連れて行きます。 |
レナ | なら、私たちも行くわ。 |
レイ | ええ。見守っててあげるわね♪さぁ、行きましょう。 |
ユキミ | …………チヅル……報せなきゃ…………! |
チヨ | ……それで、お前はどうしたいのですか? |
チヨ | 勝手に人間に期待して、勝手に絶望して。妖の里も、人の町も捨てて、あとは何を捨てる? |
チヅル | ……厳しいね。でも、正しい……。 |
チヅル | 私……わからない。自分がなんなのか……どうしたいのか……どう生きたらいいのか。 |
チヅル | 里で、長の娘として生きてきて、でも本当はどこかで、気づいてたんだ。実の娘じゃないって。 |
チヅル | だから、人間に憧れて、自分の居場所はここじゃないって、自分には他の、居るべき場所があるんだって思いたかった。 |
チヅル | そうやって逃げないと、自分に何の価値も見出せなくて……心が壊れてしまいそうだった。 |
チヨ | …………。 |
チヅル | あーあ。これからどこで生きようかな……。 |
チヨ | ……お前にとって、大事なのはどこで生きるか、ということなのか……。 |
チヅル | え……? |
チヨ | ……この森に生きる者たちの声に耳を傾け、知ったことがあります。 |
チヨ | 彼らにとって、住処は重要なものらしい。が、同等に、誰と生きるかも重視しているように見えた。 |
チヨ | 永遠に続く絆ではなくとも、誰かと寄り添って生きることは、お前にとって大切なことに……なりはしないのでしょうか。 |
チヅル | …………寄り、添う……。でも……誰も、私のことなんて……。 |
チヨ | ……お前に掛けられていた幻術は、とても精度の高いものだった。掛けた者は、お前を守りたかったのでは? |
チヅル | えっ!? |
チヨ | そして、その首飾り。加護の守りでしょう。 |
チヨ | あらゆる危険を退けたいと願う術者の念が、絶えずにじみ出ています。……少々、自我まであるな。 |
チヅル | ……そんな。母様が、私に……?加護なんて、どうして…… |
チヨ | 待て。……来客か。そこの妖、姿を見せなさい。 |
ユキミ | …………! |
チヅル | ユキミ!?アンタこんなところまで何しに来たの!?私はもう、里には帰らないって……! |
ユキミ | チヅル……!里が……人間が……大変……! |
チヅル | そんな……私のせいだ……私が町に行ったせいで、人間が怒ったんだ……。 |
チヨ | 神が与えた土地を燃やす……?……チッ。なんと愚かな。 |
チヅル | ……チヨなら……止められる……? |
チヨ | ……私が争いごとに直接介在するとなれば、大神様が土地も妖も人間も、全て消すでしょうね。 |
チヅル | そんな!どうしよう……どうしたら……どうして……私が関わると……。 |
チヨ | …………。 |
チヅル | せっかく、人間の傍に行けたのに……憧れに近づけたのに……友達も、出来そうだったのに……。 |
チヅル | みんなそう。手を伸ばそうとすると、なくなってしまう。私が……私さえいなければ……。 |
チヅル | 私がいなければ、きっと全部元通りになる……。ううん、元通りじゃ駄目だ……。 |
ユキミ | チヅル……? |
チヅル | 私、遠くから人間たちの姿を見て、ずっと思ってた。なんで、コソコソしないといけないんだろうって。 |
チヅル | どうしてこんなに、距離が遠いんだろう。妖と人間が……笑い合って暮らしていたら、どんなに素敵だろう。 |
ユキミ | …………。 |
チヅル | きっと、私の他にもそう思ってるひとはいるはず。カレンみたいに。友達になりたいって。 |
チヅル | 妖と人間が笑顔で暮らす、あったかい世界……よその土地では出来てるんだから。私たちも、出来るはず。 |
チヅル | 私なら……きっと創れる……!ううん、私にしかできない……! |
チヅル | ねぇ、妖も人間も、自分たちだけではどうしようもない化け物が現れたら……どうすると思う? |
ユキミ | …………? |
チヅル | 私はね、協力すると思う。少なくとも母様は、人間を犠牲にして妖だけ助かればいいって言うひとじゃない。 |
チヅル | 人間だって……カレンみたいな、親切な人がいる。きっとみんな、力を合わせる。 |
チヅル | だから……妖と人間の、敵がいればいい。敵を……作ればいい。 |
チヅル | 力を合わせて立ち向かえば、妖も人間もお互いを知って……きっと友達になる。 |
チヅル | 里と町を堂々と行き来したり、一緒に食卓を囲んだり……楽しいだろうな。……そこに私は……いなくてもいい。 |
ユキミ | !? |
チヅル | チヨ。私……別の生き物になりたい。お願い。私の姿を、化け物に変えて。 |
チヅル | そうすれば……チヨは直接関わらないし……私っていう代償も……あるよね……? |
チヨ | ……まぁ、そうですね。しかし……化け物、ですか。 |
チヅル | 私は妖どころか半妖でもなければ、人間でもない。……何にもなれないから。それなら、いっそ…… |
ユキミ | だめ……チヅル……! |
チヨ | ……なら、神獣はいかがですか?化け物ではなく、神の役に立つ獣になるのです。 |
チヨ | 神使である私の眷属、という形になります。私が同行することにはなりますが、代償は払われるので問題ないかと。 |
チヅル | ……眷属、ってことは、チヨとずっと一緒ってこと……? |
チヨ | はい。 |
チヅル | そっか……そっか。一緒にいてくれるんだ。こんな私と。 |
チヨ | ですが、ひとたび神獣と成れば、自我は失われます。当然、記憶も。それでもよければ。 |
チヅル | ………… |
チヅル | …………わかった。いいよ、お願い。自我なんて要らない。チヨがいるなら、それでいい。 |
チヅル | さっきの、"誰と生きるか"って話……私は……チヨと生きたい。 |
チヅル | 何者でもなくて、可愛くもない私には、化け物がお似合いだと思ったけど…… |
チヅル | 最期ぐらい、誰かが憧れるような美しいものになっても……いいよね? |
ユキミ | やだ……っ!!チヅル、いかないで……!! |
チヅル | ……ごめんね、ユキミ。妖の仲間と、仲良くしな。カレンも……いい子だから。きっと仲良くなれるから。 |
チヅル | 母様……ごめんなさい。どんな事情があっても……私を育ててくれたのは母様だったのに……。 |
チヅル | せめて、これからは私から解放されて、自由になって。でも……これだけは……持っていかせて……。 |
チヅル | ……チヨ。お願い。 |
チヨ | ……わかりました。目を閉じてください。 |
チヅル | うん。チヨ……またね。 |
チヨ | ええ……また会いましょう。 |
ユキミ | チヅル……!! |
シュウウウウ…… | |
神獣 | グルルルルルル……ガァァァァッッ!! |
ユキミ | ……チヅルの……ばか……! |
ボスユニット(MASTER) 『チヅル』
登場 | チヅル「見て、羨んで、憧れるだけだった私にも…できることがあった」 ユキミ「……どうして。妖じゃ…私じゃ…チヅルの友達にはなれないの…」 |
LIVE | どっちでもない私だから… |
LOSE | 大丈夫だよ。諦めることには、慣れてるんだ。悲しくは、ない… |
DRAW | 何でも話せる。チヨは、妖でも人間でもないから。チヨがいるなら… |
WIN | チヅル「誰にも言えなかった。人間に、憧れてるんだって…誰にも…」 ユキミ「……私、知ってたよ。チヅルが…人間に憧れてるって…知ってた…」 |
ページトップ
ボスユニット『カレン』
登場 | カレン「妖を恐れているのは、私の両親や、もっと上の世代だけなの…」 ミユ「若さは無謀ですが、裏には賢さもあるでしょう。あなたのように」 |
LIVE | これが…妖の里の長··· |
LOSE | 大人たちはいつもそう。私たちの言葉なんて聞いてくれない |
DRAW | 皮肉だよ。人間より妖の長の方が、私の話を聞いてくれるなんて |
WIN | カレン「あなたみたいに何百年も生きてると、何でもわかるんだろうね」 ミユ「…何百年生きてようとも…母親としては私、全然ダメで……ハッ」 |
シナリオ
ザワザワ……人間だ…… | |
ザワザワ……妖だ…… | |
ミユ | ……妖は、人間の町への侵攻など考えていません。 |
カレン | そうだよ!みんなの早とちりだから!お願いだから冷静になって! |
人間 | で、でも……妖は昔から人間を忌み嫌ってきたし…… |
レナ | それはお互い様じゃない?人間は子供を森に捨てたりするし。ちょっと信用できないのよね。 |
人間 | なっ!!そんなの、ずっと昔の話だ! |
レナ | ずっと昔?ハッ!ほんの15年前の話よ? |
ミユ | レナさん、落ち着いて。 |
人間 | だいたい、俺たちの町を狙ってない証拠なんかないだろ!! |
カレン | ちょっと!そんなの無茶苦茶な言いがかりだよ! |
人間 | 止めるなカレンさん!町を奪われてからじゃ遅いんだ!! |
妖 | なんだ!?やろうってのか!? |
チヨ | ……なるほど。妖と人間……どちらもよく鳴く、うるさい生き物だな。 |
神獣 | グルルルルルル…… |
人間 妖たち | !!?? |
レイ | ……あなたは?? |
チヨ | …神使。神の使いだ。こっちは我が眷属の神獣。 |
人間 | 神の……使い……!?霊山とはいえ……大神様が守ってるなんて、古い言い伝えだとばかり……。 |
チヨ | 神が与えた地に火を放つと聞いた。愚か者どもめ……!事情に興味はない。双方、地獄で後悔しろ。 |
レイ | ……まずいわね。喧嘩両成敗ってやつかしら。 |
人間 | そんな!我々人間は、妖や神に対抗する術のない弱い生き物なのに! |
妖 | 何言ってんだ!森を燃やそうとした癖に! |
カレン ミユ | やめて!! 黙りなさい!! |
ミユ | 揉めても仕方ないでしょう。 |
カレン | このままじゃ共倒れだよ!いがみ合ってる場合じゃない! |
チヨ | ならば、どうする?お前たちが束になろうが、私どころか、この子にも勝てないでしょう。 |
神獣 | ガァァァッ!! |
ミユ | ……妖の里の長、ミユと申します。お名前を伺っても? |
チヨ | …神使は名など持たない。が……偶然、最近つけられた名がある。……チヨ、だ。 |
ミユ | チヨ……?最近どこかで……いえ、それよりも。 |
ミユ | 妖は人間との争いを望みません。よって、神使の御力の出番はないかと……。 |
チヨ | 信用できない。土地を荒らされては、他の生き物に迷惑だ。ましてや火を放つ?……絶対に、許すものか……。 |
チヨ | 火種はこの手で絶やす。お前たちも己の過ちに気づくために……失うといい。 |
神獣 | グルルル……ガルルルルル…… |
ミユ | 待って!妖にも人間にも、手出しはさせません。どうかその神獣を…… |
神獣 | グルルル…… |
ミユ | その……神獣……そのペンダントは……まさか……? |
ユキミ | 長!みんな!だめ!その神獣……チヅルだから! |
5人 | !!? |
レナ | ユキミちゃん!?どういうことなの!? |
ユキミ | チヅル……妖と人間は、なんで仲良くないんだろうって……チヅルが……神獣になって、こら!ってしたら…… |
ユキミ | みんな仲良くなるかもって……自分は、妖でも人間でも……どっちでもないから……化け物になってもいいんだって……… |
5人 | !! |
ミユ | そんな……チヅル!!お願いチヨさん!チヅルを元に戻して!私の娘を返して!! |
人間 | チヅル?って誰だ……?妖の仲間ってことか?娘って言ってたな。 |
カレン | チヅルちゃんは!!みんなが町から追い出した、ただ町に遊びに来てた女の子だよ!!!! |
レイ | それに……チヅルちゃんは人間よ。森に捨てられていたあの子を、長が拾って育て、大切に……守ってきた。 |
チアキ | 人間……だから、ツノや尾がなかったのね。 |
カレン | ……もう、いいよ!妖とか人間とか!そんなことばっかり言ってるから、チヅルちゃんが……!! |
ミユ | チヅル!お願い、戻ってきて!私はあなたと母娘でいたいの!家族を……やり直しましょう! |
チヨ | 無駄だ。チヅルに自我はない。記憶もない。お前のことなど覚えていない。 |
チヨ | チヅルは望んで神獣と成った。捨てられたものを、私が拾った。 |
ミユ | 捨ててないわ!!私は決して娘を捨てない!!確かに……本当は人間であることをいつまで誤魔化せるか、 |
ミユ | いつか本当のことを言わなければと悩んだりして、接し方もわからなくなって……淋しい思いをさせてしまった。 |
ミユ | 本当のことを話して、あの子が人間の世界へ旅立つと言ったらどうしようと、怖かった。 |
ミユ | でも、今ようやくわかったわ!妖でも人間でも……神獣でも!どんな姿になっても、チヅルは私の娘です!! |
ミユ | チヅルを返してください!! |
カレン | ミユさん……。 |
人間 | ……俺にも子供がいるけどよ、あのひともウチのかかあも、おんなじだ。子供を想う……母親だ。 |
人間 | なんだ……妖も、私たちと変わらないじゃないか……。妖も、母親か……。 |
人間 | 町には遊びに来たんだって?追い返さねえで、いろいろ見せてやればよかった……。 |
カレン | みんな……! |
人間 | カレンさんの話も、ちゃんと聞けばよかったんだ。つい、怖くなっちまって……。 |
レナ | 神使……チヨ、だったわね。どうか、チヅルちゃんを返してちょうだい。 |
レイ | ええ。神使なら、チヅルちゃんを神獣に変えることも、元に戻すこともできるはずよ。 |
カレン | 私たちが悪かったわ!森に火をつけたりしない!妖と喧嘩もしないから!チヅルちゃんを返してあげて! |
チヨ | ……嫌だと言ったら? |
レイ | ……奪い返そうかしらね? |
チヨ | 結局力ずく、か。短絡的なことだな。 |
レナ | なら、どうしたら返してくれるの?賭け事なら敗けないわよ? |
ミユ | 待って。チヨ、さん……チヅルの幻術を解いたのは、あなたね?あなたは……チヅルのお友達なのね? |
チヨ | ……。 |
ミユ | なんとなくわかるの。母親の勘、だったら嬉しいんだけど……。 |
チヨ | …チヅルは、私に名を与えた。ただ、それだけだ。 |
ミユ | そう……。きっとあなたは、怒って、嘆いて、悩んでいたあの子の傍にいてくれたのね……。 |
ミユ | だから……あの子を悲しませた私たちに、私に、怒っている。 |
チヨ | ……我々神使には、怒りも執着もない。神の手で生み出されたその時から、我々に感情はない。 |
ミユ | ……たとえ生まれた時になくとも、それは芽生えないということではないはずよ。 |
チヨ | ……そういうものか。 |
ミユ | ええ……きっと。 |
チヨ | なるほど。自らが神獣と成れば、妖と人間は結託するのでは、とチヅルは言っていたが…… |
チヨ | その目的だけは読み違えていたな。私たちを追い返すためではなく、チヅルを取り戻すためだったか……。 |
ミユ | ……チヨさん……。 |
チヨ | ……チヅルは、人々に求められる存在なのだな。かたや私は、元は名すら持たぬ"持たざる者"……。 |
チヨ | ……チヅルを手放そう。もとより、執着心はないと言ったのは、私だ。 |
3人 | !!! |
チヨ | だが……姿を戻すにも、代償が必要。チヅルの……は、もらっていく。 |
カレン | えっ?今、なんて……。 |
ミユ | チヨさん!なんて言ったんですか!?チヅルの何を奪うの!? |
チヨ | ……チヅル…………名を、ありがとう……元気で……。 |
シュウウウウ…… | |
チヅル | …………。 |
ミユ カレン | チヅル!? チヅルちゃん!! |
ユキミ | !! |
チヅル | ……?母様?ユキミ?あなたは……カレン?なにこの騒ぎは……!?あれ……私何してたっけ……。 |
ミユ | 元に戻ったのね……チヅル……! |
カレン | もうっ、チヅルちゃん!!ほんとによかった!! |
チヅル | ええ?何の話……って、ユキミ!?アンタ泣いてんの!?誰にいじめられたの!! |
チヅル | もう大丈夫だから!いじめるヤツはまた私がやっつけてやるから!ね? |
ユキミ | チヅル……うわぁぁぁん……! |
チヅル | もう、しょうがないな……。 |
ミユ | チヅル……あなた新しいお友達ができたのね。 |
チヅル | 母様……。 |
ミユ | お母さんに紹介してくれる?そうだわ、夕食に招待しましょう。今晩がいいかしら……! |
チヅル | ちょっと!そんな勝手に……! |
ミユ | ……あなたとは、たくさんお話をしたいし、多少強引にするぐらいがいいって学んだのよ。お説教も頑張るわ……! |
ミユ | カレンちゃん、チアキさん、ぜひ家でお食事を♪ユキミちゃんも、チヨさんも。 |
カレン | 嬉しい!ね、チアキ! |
チアキ | ……お嬢様、旦那様や奥方様が心配しますから、日を改めましょう。 |
カレン | えぇーっ!? |
チアキ | それに……今日は母娘水入らずで、ゆっくり過ごされるのが一番かと。 |
ミユ | あら……それもそうね。ありがとう。 |
カレン | うん、たしかに!じゃあ、チヨさ……あれ? |
ユキミ | ……? |
ミユ | チヨさん……もう行ってしまったのかしら……。 |
チヅル | ねぇ……さっきから、その"チヨ"って、誰のこと? |
ボスユニット(MASTER) 『ミユ』
登場 | ミユ「チヅル…本当にごめんなさい。あなたに言葉を尽くせなくて…」 チヅル「母様…今までごめんなさい。私、どうしても素直になれなくて…」 |
LIVE | チヅル…おかえりなさい |
LOSE | 私は、妖の里の長。けれど、母親でもある。里も娘も···私が守るわ |
DRAW | 人間の時間は短いわ。私は、もっと大切にするべきだった |
WIN | ミユ「私たちは、人間を知るべきね。カレンちゃんにお願いしましょう」 チヅル「私も知りたい。人間のこと。友達のこと。カレンと…ユキミのことを」 |
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ボスユニット『チヅル』
登場 | チヅル「ユキミ。ごめん。私、酷いこといっぱい言った。大切な…友達なのに」 ユキミ「….大丈夫。チヅル…顔に出やすい。可愛い…優しい…私の友達」 |
LIVE | えっ?私…わかりやすい? |
LOSE | もっと話せばよかった。話さなきゃいけなかった。母様や、ユキミと |
DRAW | 可愛い…?素直になれば、私でも可愛くなれる…?……ハッ! |
WIN | チヅル「ユキミ…いっぱい悲しませてごめん。改めて…友達になりたい」 ユキミ「…うん。友達…だよ。カレンも…それから…チヨも。仲良く…なりたい」 |
シナリオ
チヨ | ただいま戻りました。 |
ヨシノ大神 | おかえりなさいでしてー。散歩はもうよいのですかー? |
チヨ | …………。 |
ヨシノ大神 | おやー?なにやら落ち込んだ様子。喜怒哀楽の"哀"といったところでしょうかー。 |
ヨシノ大神 | 神使が感情を持つ……不思議な現象ですねー。ふふー。 |
チヨ | ……ヨシノ様。ヨシノ町付近に、取り立てて異常なことは…… |
ヨシノ大神 | わかっていますー。全て見ていましたー。妖と人間が一触即発の状態となったことも、人間が、 |
ヨシノ大神 | 神聖な霊山に火を放とうとしたこともー。 |
チヨ | ……未遂です。 |
ヨシノ大神 | そうですねー。とはいえ、また喧嘩しないとも限りませんし……いっそ全て壊して創り直しましょうかー。 |
ヨシノ大神 | ふふふー。 |
チヨ | ……ご随意に。 |
ヨシノ大神 | おや、よいのでしてー?全て壊せば、そなたにそれを授けた人間も居なくなりましょー。 |
チヨ | ……これは……。 |
ヨシノ大神 | 美しい文字ですねー。なんと書いてあるのでしたっけー? |
チヨ | ……チヨ、と。 |
ヨシノ大神 | 大切なもののようですねー。チヅル……でしたっけー。 |
チヨ | ……いえ、もとより私は持たざる者。荷を負うべきでは…… |
ヨシノ大神 | せっかく手が届く場所に欲しいものがあるのに……手放すのですかー? |
チヨ | ……。 |
ヨシノ大神 | わたくしは嬉しいのですよー?神使の一体が、お友達を作ったのですからー。 |
チヨ | とも、だち……。 |
チヨ | いいのでしょうか……私が……友を得るなど……。 |
ヨシノ大神 | 特に縛ってはいませんから、好きにするのでしてー。 |
チヨ | !私……行ってきます!! |
ヨシノ大神 | 気をつけてー。 |
ヨシノ大神 | …………。 |
ヨシノ大神 | その程度の欲、可愛いものでしてー。 |
ヨシノ大神 | ふふー……♪ |
パァァァ……シュンッ | |
チヨ | ……またここに戻るとは。不思議な心持ちだな。 |
チヨ | さて…… |
チヅル | ……チヨ……! |
チヨ | !? |
チヨ | チヅル……? |
チヅル | チヨ……よかった。また会えた……。ここで待ってれば、いつか会えるって、信じてた。 |
チヨ | 何故……お前の記憶は、私が奪ったはず……… |
チヅル | うん。私もびっくりした。 |
チヅル | ねぇ…… |
チヅル | ……?なにこれ?なんで私、カラスの羽根なんて持ってるんだろ……? |
カレン | チヅルちゃん、わからないの?チヨさんのこと……! |
ユキミ | チヅルの……友達。 |
チヅル | 私の友達?チヨなんて子、知らないけど。 |
レナ | ねぇ……もしかして…… |
レイ | ええ。代償って、このことだったのね。 |
ミユ | チヅルの中にあった……チヨさんの記憶……。 |
カレン | そんな!どうして!? |
チヅル | ねぇ、本当にこれどういう状況?誰か説明を…… |
ユキミ | チヅル……!光ってる……! |
チヅル | え?あ……何?ペンダントが……あったかい……? |
??? | 世話の焼ける子。愛しい子。私の記憶を、見せてあげる |
チヅル | !? |
キィィィィィン……! | |
チヨ | ……あの自我持ちペンダント、そこまで情が芽生えていたのか……。 |
チヅル | ……もう、そのあと大変だったんだから。母様と喧嘩したことも、町の人に追われたことも一気に思い出して。 |
チヅル | すっごい気まずくてどうしようかと思ったら、なんかみんな謝ってくるし……ユキミもカレンも泣いてるし。 |
チヨ | ……お前は、友に、周囲のものに、恵まれているのですね。 |
チヨ | うん。そうだったみたい。でも……足りない。チヨが居ないんだもん。 |
チヨ | ! |
チヅル | 私ね、自分に価値がないって思ってた。私が居なくなっても、きっと誰も悲しまないって。 |
チヅル | でも、そんなことなかった。みんな、私を必要だって言ってくれた。こんな…… |
チヅル | 自分のことばっかりだった私を。私……ワガママだった。 |
チヨ | ……ヒトは皆傲慢でしょう。 |
チヅル | そうかも。ワガママついでに、私、欲しいものが……必要なものがあるんだ。 |
チヅル | 私のワガママに付き合って、ずっと傍にいる眷属にしてくれて、だけど最後は私を思って、元に戻してくれた。 |
チヅル | そんなチヨの優しさは、私に必要なもの。そして私も……チヨに必要とされる存在になりたい。 |
チヨ | ……! |
チヅル | 母様がね、チヨに料理を食べに来てほしいって。ユキミもカレンも、チヨと友達になりたいって言ってる。 |
チヅル | 吉野町の人間たちも、妖の里の妖たちも、歩み寄ってる。……私もね、ちゃんと母様たちから、話を聞いたんだ。 |
チヅル | 母様や妖のみんなは、私を騙してたわけじゃない。母様の幻術は、里で暮らす私に必要なもので…… |
チヅル | 私を守るためのものだった。……不器用なやり方でも、母様がずっと守ってくれてたから、 |
チヅル | 私が人間だからって理由で責める妖はいなくて……みんな、はじめから私を見てくれてた。 |
チヅル | 私、何もわかってなかったよ。今思い返すと、ちょっと、うーん、だいぶ恥ずかしい。 |
チヨ | ……。 |
チヅル | でも、チヨは、そんな私がどうしようもなく追い込まれてた時に、逃げる場所になってくれた。 |
チヅル | 私の話を聞いてくれた。だから……聞かせて?私にも、チヨの話を。時間は、たくさんあるでしょ? |
チヨ | …………そうですね。何を話すべきか……何を話したらいいのか……私にはわかりませんが…… |
チヨ | 教えて……くれますか。…………貴方が。 |
チヅル | ……うん!なんでもいいよ。なんでも話して! |
チヅル | 私も、チヨに話したいことがたくさんあるよ。……聞いてくれるでしょう? |
チヨ | ……もちろん。なんでも話してください。だって……私たちは――…… |
何もかもが違う私たちは、お互い、知らないことだらけだから。話さなければきっと、何も始まらない。 | |
知りたいから、わかりたいから、たくさん話そう。私たちは、 | |
チヅル チヨ | 友達だから……! |
fin |
ボスユニット(MASTER) 『カレン』
登場 | カレン「ユキミちゃん。えっと、私、カレン!これから仲良くしてくれるかな…?」 ユキミ「…うん。カレン…いい子。友達を大事にする…優しい子。よろしく…」 |
LIVE | 笑ってくれた…!! |
LOSE | 妖って長寿なんだよね?もしかして、見た目以上に年上…? |
DRAW | 妖も人間も、年齢も、関係ない。みんな大切な、私の友達だよ♪ |
WIN | カレン「ユキミちゃんも、吉野町に遊びに来てね!私が案内するよ♪」 ユキミ「いいの…?楽しみ…。遊びに…行く。チヅルと…チヨと一緒に…」 |
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楽屋 | |
千鶴 | みなさん、ありがとうございました! |
みんな | ありがとうございました! |
レナ | 無事に最後まで駆け抜けたわね♪とっても楽しかったわ! |
千秋 | ええ。ひとつの作品をみんなで作り上げる喜びは、何ものにも代えがたいわね。 |
礼 | ……美優ちゃん、また泣いてるの?はい、ハンカチどうぞ♪ |
美優 | ああ、すみません……!娘と仲直り出来て……嬉しくて……! |
加蓮 | うん。私、母親の気持ちってわかんないけど……美優さんの迫真の演技には心打たれたな。 |
美優 | ありがとうございます……!私も、母親の気持ちってわからなくて……自分の母親と話したりして |
美優 | 必死に役作りをしたので、そう言ってもらえるととても嬉しいです……! |
芳乃 | 美優さんなりの母の愛、まこと美しきものでしたー。 |
千秋 | ……雪美さんも、登場シーンが多くて大変だったでしょう?よく頑張ったわ。 |
雪美 | ……みんなが、いたから。 |
千夜 | ……幼いながらに、しっかり役に入り込んで、NGもなく……感心しました。 |
雪美 | !……千夜……ありがと。もっと、がんばれそう……。 |
礼 | 加蓮ちゃんも、等身大のハマリ役だったんじゃないかしら。とっても素敵だったわ♪ |
加蓮 | ありがとう!カレンが昔置かれてた状況とか、重なる部分もあって……気持ちが痛いほど解ったから、 |
加蓮 | 私もけっこうこの役、気に入ってるんだ♪それに、ほぼ千秋さんと一緒のシーンで心強かったし! |
千秋 | あら、そう言ってもらえると私も張り切った甲斐があるわ。……でも、芳乃さんも圧巻だったわね。 |
千秋 | 千夜さんとのシーンだけなのに、存在感がすごくて見入ってしまったもの。 |
芳乃 | ふふー。神とは、大層な役をいただきましたが、楽しく演じさせていただきましたー。 |
芳乃 | 千夜さんが、迷える者の目をした神使として、わたくしの目の前に居てくださいましたゆえー。 |
千夜 | ……私も、圧倒されていたのかもしれません。あの場で、芳乃さんは確かに、空気を支配していましたので。 |
千夜 | ……ですが、呑まれてしまっては、お嬢さまに顔向けできませんので……ご期待に添えるよう努めました。 |
加蓮 | そういえば、お花くれてたね!全員、一人ひとりに!嬉しかったなー♪ |
礼 | お花といえば、千鶴ちゃんへのお花もいっぱいあったわね。GBNSのメンバーからのお花、とっても可愛かったわ♪ |
美優 | ご自身たちも出演しながら、千鶴ちゃんにどうしてもお花を贈りたかったと言っていましたね。 |
千鶴 | あ、そうなんです!そういえば、みんなさっきまでいたんですけど、先に打ち上げ会場に向かいました。 |
レナ | そっか!そろそろ打ち上げ会場に移動しないとね! |
加蓮 | じゃあ、千鶴がいかに座長として頑張ってたかとか、疑心暗鬼に苦しんでチヨに助けを求めるシーンで私が |
加蓮 | どれだけ泣いたかとかは、打ち上げの場で話そっかな! |
雪美 | 私も……いっぱい、話したい……。千鶴が、がんばってたこと……。 |
レナ | よし、じゃあ移動しましょう! |
千鶴 | ……あの、プロデューサー。私……最初は不安だったんだ。こんな私が、みんなを引っ張っていくなんて、って。 |
千鶴 | チヅルっていう役も、私には難しいんじゃないかって思った。……でも、やりたいと思った。 |
千鶴 | 私なんてって思うよりも、挑戦して、自分の世界を広げることの方がよっぽど楽しいんだって、 |
千鶴 | プロデューサーが教えてくれたから。……ねぇ、プロデューサー。 |
千鶴 | 私、このお仕事楽しかったよ。プロデューサーも、でしょう?一緒に楽しんでくれるから……私、この先もずっと…… |
千鶴 | プロデューサーは、貴方がいいな。 |
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妖の里
登場 | そんなに険しい顔をしていたら、小さな幸せにも気づけないわ |
LIVE | いつも怒っているみたい… |
LOSE | 友達は小さなあの子だけ。大人たちは気にかけているけれど… |
DRAW | ミユとも、浅くない溝があるのね…。家族なのに、どうしてかしら |
WIN | ツノや牙があっても、あなたはとっても可愛い子なのよ |
吉野町
登場 | ついに知ってしまったわね…あなたがその身に纏った真実を… |
LIVE | これでよかったの?チヅル… |
LOSE | 町で迷いかけてしまったわ。この子から、離れてはいけないのに |
DRAW | ツノも牙も必要なのよ。いつか分かってくれるかしら… |
WIN | もう何年も、瞳を輝かせて、人の町を見ていたものね… |
森
登場 | それが、あなたの選んだ道なのね。自ら矢面に立つなんて… |
LIVE | 本当に、不器用で優しい子 |
LOSE | 心無い言葉たちが、どれだけあなたを傷つけたことか… |
DRAW | やっと、素直に話せるような相手だって出来たのに… |
WIN | ミユを突っぱねていたけれど、本心から嫌ってはいないはずよ |
妖の里・入り口
登場 | 意思を持たなくなってしまった子。もう、誰の声も届かない… |
LIVE | 私はずっと見守っているわ |
LOSE | 神獣と化すあなたより、先に朽ちてしまうかもしれないけれど |
DRAW | けれど、優しい心は残っているわ。私だけは、知っているから |
WIN | この子を守る。―――ずっと。私が、朽ちてしまうまで |
シナリオ
―15年前― | |
……はじまりを、覚えているわ。とても……朧げだけれど。 | |
出会いはいつだって、突然やってくるの―― | |
ミユ | 森の奥に、人の子が?また捨て子……?何年振りかしら……連れて帰ってきているのですか? |
レナ | いいえ、掟の通り、触らずそのままにしたそうよ。 |
レイ | ……やっと減ってきたと思っていたけれど……なくなりはしないわね。また、吉野町に届けなきゃ。 |
ミユ | ええ……。近頃は人間を受け入れる者もいるとはいえ、嫌っている者たちもまだ多い…… |
ミユ | 何かされないとも限りません。早く行って、町に届けるまで保護しましょう。 |
レイ | すぐに案内させるわ。 |
妖の女性 | たしか、この辺りに……。 |
??? | ……ャア… |
ミユ | !!いま、赤子の泣き声が……。 |
レナ | いたわ!こんな岩陰に……。見つけられなかったら、どうするのよ。 |
赤ん坊 | ホギャア、ホギャア…… |
ミユ | よかった……!とっても元気で……安心したわ。 |
レイ | ツノも、尻尾も、翼も無し。牙はまだわからないけれど、妖らしい特徴は無し……か。たしかに、人の子みたいね。 |
ミユ | ごめんなさい、ちょっと抱っこするわね……。 |
赤ん坊 | うぅー、キャッキャッ……♪ |
レイ | あら、笑ってる。長の抱っこが気に入ったのかしら。可愛いわね。 |
ミユ | …………可愛い。 |
レナ | ……私たち妖が抱き上げて、笑顔を見せてくれた子は、この子が初めてね……。 |
ミユ | !?この子、私の指を握って……! |
赤ん坊 | あーう……えぅ〜? |
ミユ | ……人の子も、こんなにも小さくて、とても温かい……。軽いはずなのに、しっかりと命の重さを感じるわ……。 |
ミユ | 私たちのことを……怖がらないのね…………。 |
レイ | ……長? |
ミユ | …………この子は、私が面倒を見ます。 |
レナ レイ | えっ!? |
レナ | 長!それは……! |
ミユ | 見てください、なんて愛らしい笑顔……。……この子には、庇護し、育む存在が必要でしょう……? |
ミユ | ――チヅル。 |
ミユ | あなたの名前はチヅルよ。元は人間だとしても……妖のように、永く、幸せな時を生きられることを願って……。 |
チヅル | うー? |
??? | (……チヅル。ミユの愛し子……) |
数日後―― | |
ミユ | チヅル……偉いわ。今日もたくさんミルクを飲めたわね。きっと、すぐに大きくなれるわ。 |
チヅル | う〜?キャッキャッ♪ |
ミユ | ふふっ、見てください、笑ってるわ。……可愛い。 |
レイ | もう、デレデレじゃない。……不思議ね。長ったら、もう立派に母親の顔をしているわ。 |
ミユ | ……ええ。私はチヅルの母親です。この子は人の元に帰さない……私が幸せにしてみせます。 |
ミユ | この里で……妖として。 |
レイ | ふふっ、そう言うと思った。長は意外と頑固だものね。……賛成よ。レナもでしょ? |
レナ | 当り前じゃない。でも、里のみんなには言うの?妖の赤子を保護したって言えば納得するでしょうけど…… |
レナ | 妖の赤子じゃないって、すぐにみんな気づくわよ。 |
ミユ | 問題ありません。 |
……シュゥゥゥウウ | |
ミユ | っ……はあっ……。……これなら、この里でも、迫害されるようなことにはならないはずです。 |
レイ | ミユ様!? |
レナ | チヅルちゃんの額に角が……! |
レイ | ……流石、ミユ様の妖術ね。この目で見ていなければ、術とは信じられないくらい、どう見ても本物よ。でも…… |
レイ | (これほど強力な術なら、長に影響が出ないはずがないわ……) |
ミユ | 心配は無用です。少し休めばすぐによくなるわ。 |
レナ | そのペンダント……加護の守りね。いいの?先代の里長に貰った、大切なものなんでしょう? |
レナ | いつだって身に着けていたじゃない。 |
ミユ | ええ。私にとっては、何よりもこの子が大切ですから。 |
ミユ | 私の、愛しい子。チヅルがいつだって幸せでいられるように……。 |
ミユ | どんな困難からも、守り通すわ。 |
??? | (……任されたわ) |
ガラガラガラッ | |
チヅル | ……ただいま。 |
??? | (おかえりなさい、チヅル) |
チヅル | ……やっぱり居ない、よね |
??? | (きっと夜には帰ってくるから、寂しがらなくても大丈夫) |
チヅル | ……はあ。お腹空いたし、ご飯でも作ろうかな。 |
チヅル | …………あっ! |
??? | (チヅル!) |
キィィイイン | |
チヅル | 痛っ……!……くない? |
チヅル | おかしいな、指を切ったと思ったんだけど……。気のせいか。 |
??? | 本当に、世話の焼ける子。この先もきっと、困難があなたに降りかかることがあるでしょう。 |
??? | なにが起きても、たとえ私が壊れてしまってもずっと守っていてあげる。 |
??? | だから……いつかまた、笑顔を見せてね。――チヅル。 |
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登場 | LIVE | |
LOSE | DRAW | WIN |
登場 | ミズキ「ミユちゃん、また落ち込んでるわ。チヅルちゃんと話せなかったって」 サナエ「あの子も頑張ってるけど、案外不器用だし…難しいわよね」 |
LIVE | サナエ「仕方ない、慰めてあげよ♪」ナツミ「ふふ、飲みたいだけでしょ?」 |
LOSE | サナエ「ミユちゃんは聞き上手だし、もっと話を聞いてあげたらいいのに」 ミズキ「チヅルちゃんも頑ななところがあるし…ほんと、似た者親子よね」 |
DRAW | サナエ「チヅルちゃん、甘えるのが下手なところがお母さんそっくりね」 ミズキ「そうね。私たちで見守ってあげましょう。これからもずっと…」 |
WIN | ミズキ「チヅルちゃん、昔はもっと素直だったような…反抗期かしら?」 ナツミ「少し心配ね。ワガママを言えればいいんだけど…遠慮してるみたい」 |
登場 | LIVE | |
LOSE | DRAW | WIN |
登場 | サナエ「ねぇ見て!女の子が二人…もしかして人間!?え、マズくない!?」 ミズキ「あの様子、ただ事じゃないわね…!ミユちゃんに報せましょう!」 |
LIVE | ナツミ「急ぎましょう、サナエさん!」 サナエ「そうね、走るわよ!」 |
LOSE | ミズキ「人間に手出しをしないよう、注意しないとね…何をしてるの?」 サナエ「さっそく喧嘩売ろうとしたのがいたから、お縄にしておいたわ!」 |
DRAW | ミズキ「妖と人間…。ミユちゃんとチヅルちゃんを見てると、考えちゃうの」 サナエ「そうね〜。でもさ、なるようにしかならないのよ、いつだってね」 |
WIN | ミズキ「このままだと抑えきれなくなるわ…!ミユちゃんはまだなの?」 ナツミ「もう来るはず!みんな、落ち着いて!人間に手を出しちゃダメ!」 |
登場 | LIVE | |
LOSE | DRAW | WIN |
登場 | ニナ「妖の里に着いたです!…?妖ばっかで、人間がいねーですよ!」 トウコ「本当ね…。とりあえず、里の長に挨拶をして、話を聞きましょう」 |
LIVE | ニナ「友達たくさんほしーです!」 サエ「そない走ると危ないで〜」 |
LOSE | サエ「どうやら人間と仲良うないらしいわぁ。どないしよう…トウコはん」 トウコ「しばらくは様子見ね。住むかどうかは、ゆっくり決めましょう」 |
DRAW | ニナ「ニナはまた、人間と追いかけっこで遊びたいです!がおーっ!」 サエ「ふふっ、そうやね〜。うちも人間と仲良うおしゃべりしたいわぁ」 |
WIN | ニナ「みんないいひとでごぜーます。なんで人間と仲良くねーですか?」 トウコ「お互いに誤解があるのかも…力になれるといいのだけど…」 |
登場 | LIVE | |
LOSE | DRAW | WIN |
登場 | ハルナ「いらっしゃいませ!お好きな席へどうぞ、メニューお持ちしますね!」 ミヤビ「今日のオススメはわらび餅だよぉ!ぜひ食べてみてねぇ〜♪」 |
LIVE | シホ「品数の多さは、里一番♪」 ノリコ「ドーナツも追加でどうかなっ?」 |
LOSE | シホ「里長にも食べていただきたいですね♪もっと人を呼べそうです」 ハルナ「里長、人気ありますからね。美人で優しくて、メガネも似合いそう!」 |
DRAW | ミヤビ「すっごく美味しいから、人間のお客さんにも食べてほしい〜♪」 ノリコ「そんな日がくるといいな!ドーナツも、いっぱいご馳走するよ♪」 |
WIN | シホ「わらび餅大人気ですね!実は人間のレシピを使ってるだなんて…」 ハルナ「みんなが知ったらびっくりしちゃうかも…今はまだ秘密で!」 |
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