概要


コミュ

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予告1
予告2
OP
第1話
第2話
第3話
第4話
第5話
ED

予告1

やっほー、杏だよー。
最近の杏はね、いっぱい働いてるんだ。こずえちゃんとのデュオユニット『ららりる』の宣伝活動で、いろんなお仕事をやっててさ。本当に働き者だよ、杏は。
そして今回は、なんと!ユニット活動の一環で、舞台演劇に出ることになったんだっ。精いっぱい働く杏たち、みんなも応援よろしくねー。

予告2

こずえふわぁ……こずえだよー……。
こずえこずえたち、おしごとで……おしばいにでるんだよー……。こずえとあんずがうたう、ゆにっとのおうた……『まほうのまくら』が、げきになるのー……すごいねー……。
こずえげきだんのひとと、いっぱいけいこしてー……あと、きゃくほんのひとは……こずえもしってるひとなのー……どうなるのかなー……?おたのしみにー……。

OP『La-La Lil fairies』

撮影終わり
スタッフではこちらで、本日の撮影はすべて完了です!双葉さん、遊佐さん、お疲れさまでした!
お疲れさまでーす。いやー、杏たちは今日もいっぱい働いたなー。
こずええへへー……♪たくさんはたらいたから……みんなにも、たくさんよろこんでもらえるねー。
よーし、じゃあ今日働いた分、明日は思いっきりぐーたらしよう!
こずえんー……?あしたは、おうたのれっすんがあるよー?こずえ、ちゃんとおぼえてるー……。
こずえあんずといっしょに、れっすん……たのしみにしてるのー。いっぱいうたおうね……♪
うぅっ、なんて純粋な目……!きらりとは別の意味で、逆らえない杏がいる……ばたり。
こずえあんずー、おきてー……。つよくいきてー……。
事務所
ふー、ただいまー。あー、やっぱりいつもの部屋に帰ってくると安心するなぁ。
歌鈴おかえりなさい、杏ちゃん、こずえちゃん。お仕事お疲れさまです。
こずえかりんー、おつかれさまー……。きょうはねー、しゃしんをいっぱいとったんだよー……。ゆにっとのせんでんなのー……。
歌鈴ふたりのユニット活動、順調みたいですね。ここしばらく、たくさんお仕事してるみたいですし。
順調って言っていいのかな。杏的には、もっとゆる〜いペースで生きていたい……ふわぁ。
こずえあんず、おねむー……?いっぱいがんばったから……ゆっくりおやすみー……。
んー……そう言われると一気に眠くなってきた。ちょっとここでひと眠りしてこっかな。
こずえふわぁ……。こずえも、いっしょにおやすみするぅー……。
歌鈴ふたりって本当に雰囲気がよく似てますよね♪こうして一緒に並んでると、本当に姉妹みたいで。
スタッフさんとかにもよく言われるよ。ま、ユニットの売りにもなってるみたいだし、悪い気分じゃないけど。
歌鈴はいっ♪杏ちゃんたちの雰囲気、私もいいなって思いますっ。
歌鈴それに、ふたりのユニットの名前も……『ららりる』でしたよね。可愛らしくて、ぴったりだと思います♪
ありがと、歌鈴ちゃん。じゃあ杏たちは、しばしの眠りにつくから……また後でね、おやすみー……。
歌鈴……本当にもう寝ちゃった。風邪ひかないように毛布を……
歌鈴あれ、プロデューサーさんから連絡が来てる。えっと、打ち合わせの予定……新しいお仕事かな?
翌日
美優お疲れさまです、プロデューサーさん。お仕事のオファーが来てるって聞きました。
春菜新しいお仕事、楽しみですねっ!それにメンバーも……なんだか意外な面子って印象です。
ここにきてさらにお仕事が増えるとは……プロデューサー、容赦ないなぁ。
Pそれじゃ、説明を始めよう。とはいえ今はまだ、先方からの話が来たという段階なんだけどね。
歌鈴えっと、正式に受けたわけじゃないってことでしょうか?
Pそうだね。まず今回の仕事について。杏とこずえには、ユニットのPR活動で動いてもらっているけれど、これもその一環となるものなんだ。
Pとある劇団から、今回の企画のオファーがあってね。ふたりのユニット曲をモチーフにした演劇を上演したい、と。それでみんなが、出演者として指名されているんだよ。
こずえこずえたちのおうた……げきにするのー……?じゃあ、こずえ……いっぱいがんばるやくー……?
Pその通り。杏とこずえのW主演という形を考えているらしい。
えぇー、主役ぅ……?大変そうだなぁ。ただでさえ最近お仕事が多くて、杏的にはオーバーワークだってのに。
Pもちろん、大事な仕事になるからね。舞台に集中するためにも、スケジュールにゆとりができるよう最大限配慮するよ。
いいね、主役!今は舞台に集中しよう!他のお仕事はお休みして、ね!
歌鈴さすが杏ちゃん、やる気まんまん……なのかな?
美優こちらは、先方の劇団についての資料ですか?……結構有名な所ですよね。私も舞台を観たことがあります。
春菜わぁ、本当だ。そんなすごい人たちのお眼鏡にかなったとは、光栄ですね……!
こずえんー……?こずえ、このひとしってるよー。えらいひとー……?
春菜こずえちゃんもご存知でしたか。この劇団だけじゃなくて、いろんな方面で脚本のお仕事もしてる大御所らしいです。
こずえんー……そうじゃなくて、あったことがあるのー……こずえ、このひとのかお……しってるー……。
P実は、こずえがアイドルになって初めて受けたドラマの仕事で、脚本を担当していた人なんだ。
へぇー、そういう偶然も……いや、違うか。こずえちゃんのこと、わざわざ指名してきたんだよね?前のお仕事で気に入ったから?
こずえこずえのこと、きにいってたー……?そうかなー……?でも、あのひと……おこってたー……。
美優お、怒ってた?偉い人を怒らせちゃったって、いったい何が……?
Pその現場が初対面だったんだけれど、その人はこずえの演技を高く評価してくれてね。アイドルを辞めてうちの劇団に来ないかって、誘われたんだ。
歌鈴すごいじゃないですか!あ、でもアイドル続けてるんだから、断っちゃったってこと……?
こずえそうだよー。こずえは、あいどるだからー……。きゃくほんのひと……それでおこったのー……。もうしらん、っていってたー。
なのに今回、わざわざオファーくれたってこと?えっ、なにそれ怖い……。
Pそういうわけだから、向こうには何か考えがあるのかもしれない。でも、みんなが舞台の経験を積むのも悪くないと思う。
Pその上で、みんなの意志を確認しておきたいんだ。異存がなければ、正式に受けようと思っているよ。
美優そうですね……一番気になるのは、こずえちゃんでしょうし。こずえちゃん、どうしますか?
こずえふわぁー……?こずえねー……おしばいのおしごとも、すきだよー……。
こずえこずえじゃない、べつのひとになって、いろんなことをするのー……。わくわくして、たのしいよー……。
まぁこずえちゃんが乗り気なら、杏も異議なーし。
歌鈴どういう思惑なのかは気になりますけど。もし向こうが何か言ってきたら、私たちもいますから。
春菜ですねっ。何か言われたら、突っぱねちゃいましょう。ビシッと!
Pそれじゃあ、改めてよろしく。自分たちの成長にもつなげる気持ちで、頑張ってほしい。
みんなはいっ!
はーい。

1話『Acclaimed actors』

劇団の事務所
脚本家私たちの劇団事務所にようこそ。まずはこちらの企画提案を受けてくれて、ありがとう。
Pこちらこそ、貴重な機会をいただけたことに心から感謝しています。
美優よろしくお願いします。期待に応えられるよう、全力で舞台に挑みます。
こずえこずえもがんばるー……。ぶたいのおきゃくさんに……いっぱいよろこんでもらうのー……。
脚本家あぁ、よろしく。君たちの演技力を高く評価してのオファーだからな。皆の力があれば、最高の舞台になるはずだ。
劇団員の男性しかし……なんか感動しますね、これ。いつもテレビで観てるアイドルが、そのまま目の前にいるって!
劇団員の女性ま、劇の主演はそっちの子たちだけど、私たちも引き立て役になるつもりはないからね。本気で演らせてもらうよ。
歌鈴はい、私も精いっぱい頑張りますっ。本職ではなくても、演技の経験もいろいろ積んできましたから。
春菜お手柔らかに、なんて言いませんよ。どんなお仕事も全力でぶつかるのが、アイドルなのでっ。
Pそれじゃあ、スケジュールは共有した通りで進めよう。これからしばらくみんなには、こちらの事務所での舞台稽古にも参加してもらうよ。
りょーかい。あんまり厳しくないやつだったらいいなぁ。
美優劇団の人たちも、優しそうな人たちだったし。心配しなくても大丈夫だと思いますよ。
まぁ確かに、安心した気分かも。あの偉い人も、わりと普通に接してくれてたし。
こずえちゃんのことも、そこまで気にしてないっぽい?恨まれてるんじゃないかって、ひやひやしてたよ……。
美優そこは、お仕事の場でもあるし……お互いプロとして、割り切って考えてくれてるのかも。
そっか、みんなオトナだなぁ。杏が気にしすぎてただけか〜。
歌鈴……ふふっ。杏ちゃん、やっぱり心配だったのかな。こずえちゃんが何か言われるかも、とか。
春菜やっぱり、ですか?
歌鈴ほら、杏ちゃんたちのユニットって、姉妹みたいな感じって評判じゃないですか。今のもなんだか、妹を気遣うお姉ちゃんみたいだなって思って。
春菜なるほど〜。こずえちゃんの前だと、妹想いのお姉ちゃんになるのかもですね♪
え、なになに?みんな杏のこと話してる?
春菜杏ちゃんはしっかり者で、面倒見がいいよねって話です。
こずえんー?いつもそうだよー。あんずはやさしくて、いいこなのー……。えへへ、よしよしー……。
ちょっとちょっと、そういうのはいいってば〜。杏はあくまで働かない主義なんだからさ!
Pよしよし
プロデューサーまで!もー、いろいろくすぐったくなるよ〜!
稽古初日
脚本家君たちにも改めて説明しておこう。この劇団の舞台では、演技や演出に関しても、私がまとめて指示を出す形となっている。
劇団員の男性要するに、脚本兼演出ってことですね。アイドルの現場で言うと、ディレクターとか監督の立場かな。俺たちも普段から監督って呼んでるんで。
春菜なるほど、監督さんですね。わかりました、よろしくお願いします!
脚本家では、台本の読み合わせから進めていこう。内容については、既に目を通してもらっているね?
美優はい、いただいた本は一通り。主人公たちが「魔法の枕」を探して、世界を旅する物語……ですね。
脚本家その通り。話の大筋は、主演のふたりが歌うユニット曲で語られている通りのものだ。
脚本家だがあくまでモチーフであって、曲の物語をそのままなぞるわけではない。私が曲を解釈し、新たに盛り込んだ要素も多くある。
脚本家そして君たちの演技にも、同じ姿勢が求められている。台本をなぞるのではなく、読み解くこと。そこに存在する世界の広がりを常に意識し、演じてほしい。
歌鈴わかりましたっ。至らない所があったら、ご指摘をお願いしますっ。
稽古中
こずえ『みんなが、素敵な夢を見られるように……。そんな夢を、私たちの手で叶えたいの』。
劇団員の男性『なら、僕らも手を貸そう。途方もない夢を追いかけるのも……嫌いじゃないからさ』。
脚本家よし、いったん止めてくれ。なるほど、そう解釈したか。
こずえんー……とめちゃうのー?こずえ……どこかまちがえたー……?
脚本家いや、問題ない。ただ、少し流れを変えようと思ってね。次の「誰も彼もが」からの一文はカットさせてくれ。ここの感情は、台詞よりも演技で表現したい。
劇団員の男性はいっ、わかりました!
美優まだ台本読みの段階ですけど。こんなにたくさん変更が入るんですか?
劇団員の女性うちはいつもこんな感じだよ。演技を見て、台詞や演出を都度修正。本番までに台本がまるで別物になってることもよくあるし。
歌鈴すごいなぁ……プロのこだわりを目の当たりにしてますね。普段のお仕事だと、こういうことはあまりないですし。
劇団員の女性このこだわりを余所の仕事でも貫いてるから、現場の人を困らせたりもしてるみたいだけどね。この先もこの調子だろうけど、みんなも頑張って。
脚本家では、今日の稽古はここまでだ。修正分の台本は改めて共有するから、次回の稽古までに目を通しておいてくれ。
みんなありがとうございましたっ。
こずえふわぁー……♪いっぱいおはなしできて、たのしかったー……。つぎのけいこも、たのしみー……。
劇団員の女性こっちも楽しかったよ。それにしてもすごいね、君。普段はぼやっとしてるのに、あんな雰囲気も出せるんだ……。
美優ですよね。いつもはふわふわしてるけど、別人みたいな演技もできて。同じ事務所の私たちも、時々ビックリするくらいなんです。
脚本家……遊佐こずえ。やはり君の演技には、大きな可能性がある……。
あ……監督。……やっぱり、こずえちゃんのこと気にしてるんだ?
脚本家ふむ。君も事情を聞いていたか。
あー、はい。一応うちのプロデューサーから、話を聞いてたんです。こずえちゃんと前に会ったことがあるって。
脚本家その通りだ。とある現場で彼女の演技を見て、うちの劇団にスカウトした。その時は、あっさり断られてしまったんだがね。
脚本家だがそれでも私は、彼女の才能を買っているんだ。そして君たちの演技も、素晴らしいものだった。今回の舞台、大いに期待しているよ。
はい、ありがとうございます。期待に応えられるよう、頑張ります……。
……ふーむ。「その時は」、かぁ……。

2話『Genuine bright』

稽古場
歌鈴『どうしてそこまであたしにこだわるんだ?あたしは……そんなに価値がある人間じゃないよ』。
『価値なんて関係ないよ。独りで見る夢なんて、味気ないじゃん?』。
こずえ『私だけの夢じゃない。みんなで見て、叶える夢なの。だから……ね?』。
脚本家うむ、いい演技だ。この流れをもう少し活かすには……よし、次のシーンの入りを調整させてくれ。
こずえわかったー……もっといいせりふ、おしえてー……。こずえもがんばるー……。
歌鈴お疲れさまです。みんなの稽古にも、熱が入ってきましたね♪
美優舞台での動きも意識すると、やっぱり違いますね。最初よりも、実際のイメージがはっきりしてきたし……。
春菜監督さんのやり方にも、慣れてきたかも。どういう演技を求められてるのか、わかってきたと思います。
こずえかんとくのおねがい、ちゃんときいたら……みんなによろこんでもらえるー……?こずえもうれしいよー……。
こずえちゃんなんか、すごく細かく演技指導されてても、ちゃーんと応えてるもんね。
おかげで稽古も、さくさく進んでるっぽいし。杏ものびのびやれてるよ〜。
こずええへへー……♪あんず、ほめてもらえたらうれしいー……?こずえも、いっしょー……。
もちろん、思ってたよりもラクできてるからね!ごほうびにキャンディをあげよう♪
劇団員の女性私も驚いてるよ。こずえちゃんだけじゃなくて、他のみんなも……アイドルの演技力、侮れないな。
春菜ありがとうございます。本職の方にそう言ってもらえると、励みになりますね♪
劇団員の男性ま、当然ですよ。みなさん肩書きはアイドルですけど、ドラマや映画のお仕事だってバリバリこなしてますし。ですよねっ。
歌鈴えへへ、恐縮です。おかげさまでいろんな経験を積ませてもらってます。
でもたまに、すごい無茶振りが飛んできたりもするよね。アイドルってなんだっけってたまに思うよ……。
春菜あはは、無茶振りかぁ……無人島でサバイバル、なんてこともありましたっけ。
劇団員の女性ふふ、面白そうな話がたくさんありそう。じゃあさ、この後って時間ある?よかったら何か食べにいこうよ。監督に予算もらって、ね♪
ご馳走してもらえるの?やった!杏は行くよ!みんなはどうする?
こずえこずえもいきたいー……。けいこ、いっぱいがんばったから……おなかすいたー……。
歌鈴ありがたいですけど、いいんですか?そういうのって、終わった後の打ち上げとかの方がいいんじゃ?
劇団員の女性いいのいいの。互いを知って舞台に役立てるのも、稽古の一環だよ♪
美優でしたら私たちも、ご一緒させてください。舞台のいろんなお話、聞かせていただきたいです♪
燒肉屋
こずえん、もぐ、もぐ……ふわあぁぁー……。
こずえおにくー……すごいねぇー……やわらかくて、たべるととろとろするー……。こずえ、もっとやくー……。
ん〜っ、最高!ただでさえ美味しいのに、他人のお金で食べているという事実が絶妙なスパイスになっているんだ!
こずえふわぁ、そうなのー……?ほかのひとのおかねだから、おにく……とろとろなのー……?
そうだよ、こずえちゃん。人は罪深い生き物だから……美味しい話には、抗えないんだ……!
美優あの、杏ちゃん?こずえちゃんに、あまり変なことを教えない方が……。
こずえみゆも……いっぱいたべてー。おいしくて、しあわせになるのー……。
美優は、はい……ありがとう、こずえちゃん。あ、でも……ホルモンはちょっと苦手だから、別のにしようかしら。
歌鈴そんな感じで、お芝居のお仕事もわりと多いんです。今回みたいな舞台とは、雰囲気はだいぶ違いますけど。
春菜ファンタジーとか現代モノとか、いろいろ……ヒーローの特撮ムービー、なんてのもありましたね。
劇団員の女性なるほど、結構ベテランさんなわけだ。なら、こう……自分なりの演技のポリシーとかもあったり?
春菜そうですね。人によって答えは違うでしょうが……ずばり、私にとって演技とは、眼鏡なんです!
春菜ほら、人って眼鏡を変えるとがらりと印象が変わるでしょう?役を演じるのも同じこと……でもそれだけではありません。
春菜私が見る景色も、役柄を通すと全く違うものになるんです。その景色を楽しむことも、お芝居の楽しさなんだと思いますね。
劇団員の男性おぉー、深いですね。さすが眼鏡アイドル、その信念は伊達じゃない!
春菜そうでしょうそうでしょう♪ささ、みなさんも眼鏡どうぞ。
歌鈴布教用の眼鏡、ここにも持ってきてたんですかっ?でも油が跳ねてるし、今は出さない方がいいんじゃ……。
春菜ふっふっふ……眼鏡アイドルたるもの、この程度の状況は想定済みです!はぁっ!
劇団員の男性す、すごい!油を全部避けてる!これが眼鏡アイドル……!

3話『Where you belong』

稽古中
美優『下らぬ夢想を語るな……。私の王国に、お前たちのような異分子は必要ない』。
こずえ『下らないなんて、そんなことない。私たちが目指す夢は、ただの夢物語じゃないから……』。
『夢を諦めるには、まだ早いよね。私たちの旅は、こんなところで終わらせないよっ』
稽古終了後
ふぅ……疲れた。稽古が順調なのはいいけど、別にそれで早く終わったりはしないんだよね……。
時間があったらクオリティアップ、ですからね。監督さんのこだわりも、人一倍強いですし。
はぁ〜、杏はすっごい頑張ったよ。しばらく動きたくない……ばたり。
美優杏ちゃん、しっかりして……。あまり遅くまでここにいたら、迷惑がかかっちゃいますよ。
ダメだー、歩くの面倒くさい……。お願い美優さん、杏のことおんぶしてってよー。
美優えぇっ?わ、わかりました……。杏ちゃんくらいなら、そこまで無理でもないだろうし……。
いやいや、冗談で言っただけだから!杏の妄言に流されちゃダメだよ!
美優あっ、そうでしたか……。もう、あまりからかわないでくださいね。
歌鈴あれ、プロデューサーさんから連絡が来てますよ。用事があるから、こちらに顔を出してるみたいです。
ホント?プロデューサー来てるの?もしかして車かな?よし、杏も乗っけてってもらおう!
美優杏ちゃん?大事な用事だったら、邪魔しちゃダメですよっ。
稽古場には来てなかったし、用事があるなら監督のとこかな?
脚本家ではやはり、君の考えは変わらないのかね?
美優あら?プロデューサーさん、監督さんと話してるみたい……。一旦戻って待ってましょうか。
いや、ちょっと待って。妙に気になる雰囲気が……。
脚本家ではやはり、君の考えは変わらないのかね?彼女は今のまま、アイドルを続けるべきだと。
Pえぇ。こずえはアイドルです。この考えは、あの時も今も変わりません。
脚本家彼女には才能がある。そして、才能を磨きたくなるのが我々のような人間だ。わかるだろう?
Pそれはもちろん、分野は違えど人を育てる立場ですから。こずえの才能を磨き、彼女が望むステージへと連れていくこと。それが役目であり、願いでもあります。
脚本家彼女の望み、か……。確かにあの時も、アイドルを続ける意志を彼女も持っていた。しかし、この先もそうだとは限らないだろう。
脚本家十分な経験を積んでこそ、自分の適性に気付くこともある。私は、今回の舞台がそのきっかけになると信じているんだ。
脚本家だからこそ、君にはっきり聞いておこう。もしも彼女自身が、舞台俳優になりたいと言ったら?
Pこずえがそう望むのなら
P本人がそれを望むというのであれば、背中を押しますよ。
脚本家そうか……ありがとう。その言葉が聞けただけでも、嬉しいよ。ならば私も、彼女の意志に任せるとしよう。
脚本家アイドルでいてほしいという、君の望み。舞台の道に進んでほしいという、私の望み。それらは方向が違うだけで、実際は同じものなのだからな……。
Pいえ、それは……。
あ、やばっ。ドアが……。
脚本家ん?そこに誰かいるのか?
美優す、すみません。プロデューサーさんが、こちらに来ていると聞いて……お取り込み中でしたか?
脚本家いや、問題ない。お互い、伝えるべきことは済んだよ。
Pでは、失礼します……。稽古も終わったようだし、そろそろ戻ろうか。疲れているだろうから、送っていくよ。
あ、ありがと……。とりあえずみんなと合流しよ。
監督って、こずえちゃんのスカウト諦めてなかったんだね……。ねぇプロデューサー。さっき話してたことって……。
美優もしかしたらこずえちゃんは、アイドルを辞めてしまうかもしれない……。そういうことでしょうか。
Pこずえが望むなら、そんな未来もあるかもしれない。あくまで可能性の話だけれどね。
美優でも実際、こずえちゃんには演技の才能がありますし。監督さんが言っていたことも、間違いではないんじゃ……。
Pそうだね。でも、こずえが持つアイドルとしての魅力は、才能とは比べられない、もっと特別なものだと思うんだ。
美優それは……どういうことですか?
Pみんなもきっと、じきにわかるよ。特に、同じユニットのパートナーである杏ならね。
ええっ?なんか、妙にプレッシャーをかけられてるような……。
歌鈴あっ、プロデューサーさん。杏ちゃんたちも、ここにいたんですね。
こずえふわぁー……。ぷろでゅーさー、むかえにきてくれたのー……?こずえ、いっしょにかえるぅー……。
春菜助かりました、プロデューサーさん。こずえちゃん、だいぶ眠そうにしてたから……。
Pわかった、一緒に送っていこう。今日の稽古も、頑張ったみたいだね。こずえもみんなも、お疲れさま。
こずええへへー♪いろんなおしばいするの、たのしいから……いっぱいがんばったー……ほめてー……。
…………。
春菜ん?どうしました、杏ちゃん……なんだかちょっと元気がないような?
いや、平気……。あのさ、プロデューサー。さっき言ってたことって……。
P心配はいらないよ。とにかく今は稽古に専念しつつ、こずえのことを傍で見守っていてあげてほしい。
ん……わかった。任されたからには、ちゃんとやるよ。同じ仕事仲間で、ユニットでもあるんだからね。

4話『Pursuit of essence』

稽古中
春菜『そう、もうすぐこの世界は消えてしまうの。すべては、夢から生まれた幻でしかないから……』。
『そんな……!この世界のみんなと、このままお別れだなんて……』。
こずえ『すべては、夢物語……そっか、そうだったんだ。なら……よかった』。
『よかったって、どうして?今までの旅が、全部無駄だったってことじゃんっ』。
こずえ『大丈夫……無駄なんかじゃ、ないよ。夢の世界を作った魔法は、私たちの心にあるんだから……』。
脚本家……いや、違うな。うーむ……もう少し調整しよう。遊佐くんの今の演技なら、言い回しを変えた方がよさそうだ。
こずえこずえのせりふ、かえるー……?じゃあ、またあたらしく……おぼえるねー……。
えーっと……調整の時間を取るなら、いったん休憩にした方がいいですか?
脚本家いや、3分だけくれ。遊佐くんなら問題なく対応してくれるだろう。その後、すぐに再開する。
わ、わかりました。むぅ、時間的にそろそろ休めると思ったのになー……。
こずえふわぁ……。あたらしいおしばい、どんなおはなしかなー……?わくわくするねー……。
美優稽古もしばらく順調だったけど……ここにきて、難航しちゃってますね。
歌鈴それだけ大事な場面ですし。舞台のクライマックスで、こずえちゃんたちの一番の見せ場ですよ。
美優でもここを乗り越えれば、あとは勢いでいけそう……。そうすれば、稽古も一区切りになりますよね。
劇団員の女性そう、ここが正念場だ。シーンの主役はこずえちゃんたちだけど、私たちも気は抜けないよ。
歌鈴はいっ、まだまだ頑張りますよっ。
こずえ『大丈夫、悲しくなんかない。夢の魔法はいつだって、ここにあるんだから……』。
脚本家……いや、違う。確かに心の強さは必要だが、シーンの主題ではない……。
こずえ『泣かないで……。夢の魔法は消えたりしない。私たちの中で、生き続けるの』。
脚本家うーむ、しっくりこないな……無垢で純粋な主人公らしさが、薄れてしまったか。
こずえかんとくー……?つぎは、どうすればいいのー?
脚本家すまない、少しだけ時間をくれ。ここは、物語の山場……今までの全てが、文字通り夢だったと明かされる場面だ……。
脚本家その瞬間を、遊佐くんの魅力を最大限に引き出すことで演出するんだ。現状の演出では、彼女をキャスティングした意味がない……。
こずえんー……?こずえ……まちがえちゃってたー?たりないのがあったら……ちゃんといってー……。
脚本家いや、君の責任ではない。君の演技を活かしきれない私の責任だ……。
劇団員の男性監督、そろそろ休憩入れましょう。今日は朝から稽古でしたし、みんな集中力が落ちてきていますよ。
脚本家む……そうだな、すまない。とりあえず、今の稽古の映像を送っておいてくれ。そちらも観ながら考えたい。
やっと休めるよ〜。でも休憩って、監督も含めてだったんじゃないの?
劇団員の女性まぁそうだけど、休めとは言えないし。とにかく今は、私たちは待つだけ。監督を信じて、ね。
こずえきゅうけい……しばらくおやすみー?じゃあこずえ、おみずのむー……。
美優こずえちゃんも、本当にお疲れさま。監督さんの指示が集中してますし、大変でしたね。
歌鈴演技の問題じゃないって言っても…………あんなにリテイクの繰り返しになったら、私だったら心が折れちゃってそうですよ……。
美優とりあえず、しばらくお休みできそうですから。眠くなってたら、少し横になるのもいいかも。
こずえんー……?ちょっとつかれた、けどー……おめめは、ぱちぱちしてるよー……。けいこ……もっとやりたーい……。
歌鈴そうなんですか?あんなに大変だったのに……。
こずえたいへん……でも、たのしいよー。こずえ、いろんなやくができるの、うれしいのー……。
こずえいろんなせりふ、いうと……いろんなひとになれて、たのしいー……。だから、こずえ……おしばいのおしごと、すきだよー……。
美優そっか……。ふふっ、こずえちゃんらしい感想ですね。
春菜主役のこずえちゃんがまだまだ元気なら、私たちも負けられませんよ。杏ちゃんも、もうひと頑張りしましょうっ。
…………。
春菜あ、杏ちゃん?もしかして、もう力尽きちゃってました?
あ、ごめん。ちょっと考えごと……。そっか。こずえちゃんならきっと……。
……よし。杏、ちょっと監督のところ行ってくる。こずえちゃんも一緒に行こう!
こずえふわぁー?なにしにいくのー?
歌鈴杏ちゃん、いつになく真剣な雰囲気が……。
こずえちゃんの演技について、話してみるよ。何をやればいいか、見えてきた気がするから!

5話『Dreamy Little fairies』

みんな、ただいまーっ!
美優あっ、おかえりなさい。監督さんも、もうよろしいんでしょうか?
脚本家うむ……。ひとまず、今までとは違った演技を試してみよう。双葉くんの提案を取り入れてみるつもりだ。
脚本家では遊佐くん、双葉くん。さきほど話した通りの演技で、よろしく頼む。
こずえわかったー……。こずえ、がんばるよー。あんずも、みんなも……みててねー……。
春菜杏ちゃんの提案ですか。どんな感じになったんです?
見てのお楽しみだよ。きっといい画になるはずだからさっ。
『今までのことも全部、夢……?じゃあ夢が覚めたら、ここにいるみんなは……』。
春菜『そう、もうすぐこの世界は消えてしまうの。すべては、夢から生まれた幻でしかないから』。
『そんな……みんなと、このままお別れだなんて……』。
こずえ『そっか……それなら、よかった……』。
『よかったって、どうして?今までの旅が、全部無駄だったってことじゃ……』。
こずえ『…………』。
こずえ『旅のおもいでも、すてきなお友だちも……みんな、ここにいる。それが、うれしいの……』。
美優これって……こずえちゃん?
こずえ『目が覚めても、ゆめは消えないよ。ずっといっしょだから……』。
脚本家…………。
……ね、監督。今のこずえちゃんの演技でどうですか?
脚本家ああ、これだ……これでいこう。これこそが、遊佐くんの魅力を引き出した姿なんだ。それが、はっきりわかった……。
歌鈴わぁっ、それじゃあ……!
脚本家クライマックスの画がようやくはっきり見えてきた。あとはこの画に合わせて、細部を詰めていきたい。もう少しだけついてきてくれ!
こずえふわぁー……おはなし、これでおしまい?みんな、しあわせー……えへへ、よかったねー……♪
劇団員の女性時間がかかっちゃったけど、ようやく最後まで進めたね。こずえちゃん、お疲れさま。
こずえこずえ、いっぱいがんばったー……。いろんなせりふ、いろんなおしばい……おもしろかったよー……。
こずえいちばんすきなのはねー、やっぱり……さいごにやったおしばいなのー。かんとくもー、きにいってくれたー……?
脚本家ああ……そうだな。君が一番輝く瞬間を教えてもらった。
脚本家ありのままの姿……それが、何より魅力的なのだと……。
美優ふぅ……どうなるかと思いましたけど、ひとまず壁を越えた気分ですね。
春菜でも、それだけじゃなくて……監督さんのこずえちゃんを見る目が変わった気がします。何が違うか、上手くは言えないんですが……。
そうだねー。きっと監督の中でも、考えが変わったんじゃないかな。
春菜あのクライマックスの演技で、ですか?杏ちゃんが考えたことなんですよね。
んー。正確には、杏が考えてこずえちゃんに任せた感じだね。
あの場面なんですけど……演技をあまり意識しないで、こずえちゃんに任せるのはどうかなって。
こずええー……?おしばいじゃない……?じゃあ、やくじゃなくて……こずえがしゃべっていいのー?
うん。もっといつものこずえちゃんに寄せてみるんだよ。こずえちゃんがお話の主人公だったら、どんな風にしゃべるか、みたいな。
脚本家確かにそういった演出もありだが、今回君たちは役者として舞台に立つんだぞ。その上で、演技をしないというのか?そんなものが……。
分かってます。でも監督が考えてる舞台には、これが一番合ってるって思うんだっ。
だって……こずえちゃんは、アイドルだから。
美優確かに、演技というより……普段のこずえちゃんに寄せた感じでしたね。アイドルのお仕事をしている時みたいに。
そう、それ!確かにこずえちゃんの演技はすごいけどさ。でもこずえちゃんの魅力を引き出すなら、演技だけじゃ足りないよ。
ふわふわした笑顔で、いろんなことを楽しんでる……それがこずえちゃんらしさだって思うんだよね。
歌鈴……ふふっ♪杏ちゃんはやっぱり、こずえちゃんのことをよく見てる、お姉さんみたいな人ですね♪
こずええへへ、あんずー……♪こずえ、いっぱいほめてもらえたよー♪
わぷっ……えへへ、よかったね、こずえちゃん。じゃあこんなところで、今日の稽古はお開きかな?
こずえけいこのつづき、あるってー。こずえにあわせて、なおすところ……まだあるからー。
……え?
稽古終了後
あぁ〜……つっ、疲れた……。杏、くたくたでへとへとでよろよろだよ〜……。こんなになるまで、どうして……。
歌鈴仕方ないですよ。クライマックスの演技に合わせて、それまでの部分もまた修正が入っちゃいましたし。
わかってるけど、もう夕方じゃないか。今日は朝から稽古だったから……これ超過勤務ってやつじゃ?
こずええへへへー……たのしかったねぇー……。いっぱいがんばって……んぅー、こずえ……ふわぁー……。
歌鈴ああっ、こずえちゃん……さすがにもう眠くなっちゃったみたいですね。どうしよう……。
こずえふわ、んぅー……すぅ、すぅ……。。
そっとしておいてくれ……。杏たちはもう、疲れ果てている……。
P杏、大丈夫?
あー、プロデューサー……お疲れさま。ひとまず、舞台の方はいい感じになりそうだよ一……。
P本当にお疲れさま
P杏も、いっぱい働いてくれたみたいだね。今日の活躍のこと、みんなからも聞いたよ。
まーね……。プロデューサーが、杏ならわかるって言ってたし。こずえちゃんの魅力、ちゃんと見つけてきたよー。
P杏にお願いしてよかったよ。こずえと同じ魅力を持っている杏になら、気付いてもらえると信じていたから。
杏も……?……そっか、なるほど。杏も一緒かぁ……。だから、杏たちはアイドルで、ユニットなんだね……。
そんじゃ、さ。プロデューサー……。頑張ったご褒美に……今だけは……ゆっくり寝かせてくれー……。
Pあぁ、ゆっくりおやすみ。いい夢を。
こずえん……あんずー……すぅー、すぅー……。
えへへ……ステキな夢を見ようね、こずえちゃん……。

ED『Live as I like』

『まほうのまくら』をモチーフにした演劇は、多くの人に好評を博した……
歌鈴これで、全日程終了ですね。お疲れさまでした!
こずえおつかれさまー……。みんな、がんばったから……おきゃくさんもみんな、よろこんでたー……。
春菜上演を重ねるうちに、どんどん盛り上がっていって……今日の千秋楽、すごい熱を感じました!
美優私たちにとっても、夢みたいな時間でしたね。名残惜しさと達成感が混ざって……ふぅ、まだドキドキしています。
大変だったけど、うん……その分楽しかったな。頑張った甲斐があったよ。
こずえあんずも、たのしそうだったー……ぶたいで、いっぱいきらきらしてたねー……。
劇団員の男性アイドルのみなさんと同じステージに立てて、本当に光栄でした……!一生の思い出にします!!
劇団員の女性私たちも、素晴らしい経験ができたよ。また共演することがあったら、よろしくね。
歌鈴はい、よろしくお願いします。みなさんの演劇活動も、応援していますねっ。
後日・事務所
何だかんだで今回のお仕事は、アイドルを考えるきっかけになったよ。
Pそれはいいことだ。これからの仕事にも生かせそうかな?
こずえふわぁ……。あんず、いろんなことかんがえてるー?すごいねー……えらいー……。
まぁ杏も、何となくだけでアイドルやってるわけじゃないし。アイドルとは何か、改めて考えてみたんだ。
そして、わかったよ。杏のことが好きなファンがいて、杏が杏らしくいればみんなが喜んでくれる。それがアイドルなんだって。
大体、「週休8日を希望しまーす」なんて言って喜んでもらえるお仕事、アイドル以外にないでしょ?
Pそれが、なまけものアイドル杏の魅力だからね。
そうそう♪というわけで……そろそろプロデューサーも考えてみない?週休8日を実現する現実的なプランをさ。
Pさまざまな要素を精査しながら、可能性を慎重に検討させていただきます。
やる気ないやつじゃん!もうちょっと希望持たせてよー!
脚本家やぁ、わざわざ時間を取らせてしまってすまない。やはり一度、君たちと話をしたくてね。
こずえかんとくー、こんにちはー……。おしばい、みんなにみてもらえて、よかったー……。
『ららりる』も、劇のおかげで知名度上がったし。ありがとうございました♪
脚本家礼を言うのはこちらの方だよ。今回の舞台だけではない。あのドラマの現場以来、ずっと抱いていた感情に答えを出せたのだからな……。
脚本家君は確かにアイドルだ。そして今の私は、ひとりのファン。君のアイドル活動が実り多いものであるよう、これからも応援させてもらおう。
こずえふわぁー……ありがとうー。こずえのふぁん、ふえたー……うれしいー……。
Pこちらこそ、改めて、よろしくお願いします。
脚本家うむ。それに双葉くんにも助けられたよ。君の言葉のおかげで、見えていなかったものに気付くことができた。
どういたしまして。あれは、杏のお仕事スタイルにもつながることだったし。
脚本家ふむ……。もしかしたら君には、演出の才能があるのかもしれない。どうだろう。本格的に技術を学んでみないか?
えっ?それってもしかして、杏は指示を飛ばすだけでみんなが働いてくれるやつ?それはわりと魅力的かも……。
P杏はアイドルです
脚本家ははっ、わかっているさ。冗談だ。双葉くんも遊佐くんも、他の皆も……アイドルのステージに立つ姿が、一番似合っているよ。
あ、あれ?楽して稼げる予感が一瞬で消えた!
こずえそうだよー。あいどる、いろんなおしごとができて……ぜんぶ、たのしいからすきなのー……。
こずえあとねー……あんずといっしょに、あいどるやるのは……すごくすきー……♪ふわふわで、かわいいゆめ……たくさんみられるからー……。
こ、こずえちゃん……。
こずえこずえとあんずで、いっしょのゆにっと……もっといっぱいおしごとしたいのー……。あんずはー?
ま、そうだね……。こずえちゃんと一緒にお仕事するのは、杏も好きだよ。メルヘンな夢を見るのも、悪くないや。
こずえやったー……♪こずえたちのぼうけん……もっともっとつづくよー……♪

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