概要


コミュ

画像版(※容量注意)

OP
第1話
第2話
第3話
第4話
第5話
ED
A1
A2
A3
A4
A5
A6
A7

OP『Ready to Launch』

とある小惑星
アキラ……こちら、小惑星調査A-275班。目的の小惑星にて、人の居住跡を発見。
チエリ残されている機械、どれもかなり古い年代の型ですね……これなんか、2100年代のものですよ。
フレデリカ初期の宇宙開拓者が、運悪く漂着しちゃったのかな?お!こっちに、食料らしきパック発見!
アキラその年代じゃ、まだ完全保存食も確立されてないでしょ。お腹壊しますよ。…………ん?なんだこれ。
アキラI・D・O・L。「アイドル」……?
アキラ……「アイドル」って、なんだろ?

1話『Changing World』

第3監獄衛星
アキラ待って!自分たちはただ、小惑星を調査してただけ!それが、なんで!
看守貴方に、質問は許可されていません。中央政府の決定は絶対です。
娯楽衛星都市オリオン
サナエはぁ〜……今週も疲れたわねぇ。つまんない事件で、星から星へ右往左往……宇宙警察も楽じゃないわ、ほんと。
カナデそれで思い出したけれど……なんでも、面白そうなのが監獄衛星に入れられたって噂よ。地球人類期の禁止文化を発掘してしまったんだって。
カエデ禁止文化……それは確かに、面白そうですね。その人たちに、会ってみたいです♪

2話『Gravity of Humanity』

宇宙警察追いなさい!絶対に逃がしてはなりません!
カエデ「アイドル」…聞いたことがあります。なんでも個々人の尊重と、自己実現をうたった文化なんだとか。
サナエあはは!なるほどね!そりゃ、今の中央政府には絶対に認められない文化だわ。どうりで、これだけ追ってくるわけね。
アキラ助けてくれたのはありがたいけど………暢気なこと言ってる場合じゃないデスよ。このままじゃ、ジリ貧デス。
チエリ……っ!待って、そっちにも追っ手が……!
フレデリカワオ!挟み撃ちだ!こいつはヤバい、フレちゃん大ピンチ!……ほんとにヤバいね?ゲームオーバーかな。
宇宙警察……観念しなさい。貴方たちのような危険分子には、二度と宇宙に戻れないよう、地球に落ちてもらいます。

3話『Dive to Unknown Zone』

カナデここが、地球……。遠い昔に私たちが捨て去った、旧文明の地……。
アキラ身体が重い……!これが、本物の、地球の重力……!
ユカ……そこの方々。よろしいでしょうか。
ユミいま落ちてきた降下ポッド……乗ってたのは、あなたたち?
カエデそうです。貴方たちは……地球の人?
ヒナコ申し遅れましたぁ〜♪地球の科学者、ヒナコと申します。よろしくお願いしますねぇ〜♪

4話『Paradigm Shift』

ユカ……というわけで。現在、地球に残されている人類からは、宇宙へ行く技術はすでに失われています。
ユミ残り僅かな資源をめぐって、統治と差別も厳しくて……人々は毎日、うつむいて生きているんです。
チエリ人類が宇宙で生活するようになってから……地球は、そんなことになっていたんですね。
カナデ地球の重力は………星を見上げるには、重すぎるものね。
ヒナコそう!だからヒナコたちは、作っているんです!人類の希望……進歩と自由の象徴!すなわち……。
ヒナコロケットを!

5話『Space and Future!』

フレデリカどう、ロケット開発は?上手くいってる?
チエリはいっ。私たちが持っていた宇宙のテクノロジーを組み込んで、急速に完成に近づいてますっ。
カエデいよいよ、宇宙に行くんですね。
ユカそれが、あたしたち地球人類の、最後の希望ですから。
サナエ宇宙が、そんなにいい場所とは限らないわよ。
カナデええ、むしろ……つまらないところかも。
ユミうん、いいの。それでも宇宙に行くことが……夢を見て、変わっていけるってことが、大事だから。あ、でもひとつだけ、まだ悩んでることがあって……。
ヒナコ宇宙に出たヒナコたちは、通信衛星を乗っ取って、地球に放送しようと思ってるんですけど。何を言えばいいか、まだ悩んでるんですよね。
アキラ宇宙から、放送……か。それなら……ちょうどいいものを知ってるんだけど……。

ED『Rocket for Everyone!』

アイドルたちの歌が、響いていく……
地球の重力を、振り切って。つまらない束縛を、打ち破って……
かつて遠い過去の少女たちが、自由と未来を、宇宙に託した歌が……
全宇宙に、響いていく……

A1『Archive No.1-Danceable-』

アーカイブNo.CG0001 宇宙歴1021年・47日目
チエリ……っ!待って、そっちにも追っ手が……!
フレデリカワオ!挟み撃ちだ!こいつはヤバい、フレちゃん大ピンチ!……ほんとにヤバいね?ゲームオーバーかな。
宇宙警察……観念しなさい。貴方たちのような危険分子には、二度と宇宙に戻れないよう、地球に落ちてもらいます。
アキラくっ……!このまま捕まるのは……!
???ヘーイ、皆の衆!私抜きで、随分とご機嫌なダンスパーティーを開いているようね!飛び入り参加させてもらうわよ!!
宇宙警察な、なんだっ!?後ろから、乱入者!?
宇宙警察たちうわぁっ!!な、なんだこの動きはっ!!じゅ、銃を避けて……っ!?
カエデ……助けていただいた、ということでいいのでしょうか。その……貴方は?
???フッ……いいわ、名乗りましょう。遥かな昔より受け継がれし、我が名は……。
ヘレンヘレン!!
ヘレンの隠れ家
サナエ……ヘレンさんのおかげで、どうにか宇宙警察の追手は振り切れたみたいね。
カナデひとまず、ありがとうございます。ですが、あなた……ヘレンさんは、いったい?
ヘレン礼には及ばないわ。あなたたちを助けたのは、私からすれば当然のこと……。とはいえ、あなたたちが不審に思うのもまた当然。
ヘレンならば、語りましょう!ここに至るまでの果てなき道のり……。
ヘレンヘレン・ザ・クロニクルを!
アキラ…………。えーと、その……巻きでお願いしていいデス?
ヘレン――そう、つまり!連綿と受け継がれし「アイドル」と「ダンス」の遺志……その最後の継承者こそが、私というわけ!!
アキラ「アイドル」……でもそれは、もう存在しない、禁止文化のはず。
サナエつまりあなたも、あたしたちと同じ……政府に追われる者、ってわけね。
ヘレンエクサクタメンテ!
ヘレンミルキーウェイのように迫る追手たち。その魔の手から、ヘレンを絶やさぬこと……これまで、ただそれだけを考え、さすらってきたわ。
ヘレンけれど、感じたのよ!新たなるダンサブルの産声を!この宇宙に鳴り響いた、小さなミュージックを!
チエリミュージック……。アキラちゃんが見つけた、不思議な音の名前……。
カエデだから、助けてくれた……私たちが、「アイドル」を知ったから。
ヘレンそう。なにも不安に思う必要はないわ、若きダンサー……いいえ、若きアイドルたち。
ヘレンこの世界でただひとり、私だけがあなたたちを導くことができる!「アイドル」と「ダンス」の高みへ!
ヘレンさぁ、さっそく踊るわよ!ミュージックスタート!
アスカまったく……たかが、禁止文化に触れた程度のやつら、ボクら無しでどうにかできないものかな。
レイまぁまぁ。私たち特殊部隊の任務なんて、タイクツな方がいいものよ。
レイけれど……この任務はなんだか、アブナイ予感がするの。私たちをきっと、愉しませてくれるわ。
ヘレンエクセレント!!随分よくなってきたわね!
アキラはぁ……はぁ……。これが、「ダンス」……。
フレデリカ歌って踊って、フレちゃんもうフラフラのフレフレだよ〜。
ヘレン……。だけど、どうやら休むにはまだ早そうね。そこに隠れている人たち、出て来なさい。
レイあら……鋭い。さすがは「ヘレン」。これまで何百年と私たちから逃げてきた、超大物だけあるわね。
アスカレイさんの言う通り、思わぬ獲物が見つかったな。フフ、楽しくなってきた。
ヘレンガールズ。廃墟の裏に、私愛用の宇宙船があるわ。それに乗って、すぐに逃げなさい。
チエリえっ……。でも、それだとヘレンさんが……。
ヘレン私のことなら心配無用。そして、あなたたちに教えるべきことはもう教えたわ。獅子は子を谷に突き落とすもの。旅立ちのときよ。
ヘレン次は、アカシックレコードを探しなさい。そこにあなたたちが求めることが記されているわ。
カエデ…………ありがとうございます。ご武運を。
レイ……いいの?全員でなら……まだ勝ち目があったかもしれないのに。
ヘレン……遠い昔。人類がまだ、地球に閉じ込められていたころのことよ。
アスカム……?
ヘレンヘレンは、「世界レベル」を志した。といっても、その当時の「世界」はせいぜい地球全土……いまになってみれば、ほんの辺境の一地域に過ぎない。
ヘレンけれど、今の私も「世界レベル」を志している。今の私にとって、「世界」とはこの宇宙の総て。「世界」とは、己の見方で変わるもの。
アスカ何が言いたいっ!時間稼ぎのつもりかっ!
ヘレン……「世界」は、常に変化し、進歩し、広がっていく……故に私たちは、受け継いでいく。その意味を知っているから。この火を……絶やさせはしない。つまり、そういうことよ。
レイそう。でも残念。この後すぐにあの子たちも追いかけて……終わりよ?
ヘレンフッ……ビッグマウスは嫌いじゃないわ。よく見れば、あなたたちにも素質がありそうね。
ヘレンいいわ。見せてあげる。ダンサブルの深奥……私が辿り着いた「世界」を!!
アスカなんだこれは……っ!ボクはいったい、なにを見せられて……っ!
レイか、身体の奥が……熱いっ!これは、これは何……?
ヘレンいくら文化を禁じたところで、心の熱まで消すことはできない!さぁ、偽りの仮面を破り捨てて……感じなさい!
ヘレンダンサブル!!
アスカ
レイ
う、うわああああああああああっ!!
ヘレン……私の想いは託したわ。後は頑張りなさい、ガールズ。
ヘレンあなたたちの生き様を、「世界」に届けるのよ。

A2『Archive No.2-Origin-』

機密指定衛星-000
アーカイブNo.CG0002 宇宙歴1021年176日目
スズホ……ようきたね。ウチがあんたらの探しちょる、「アカシックレコード」ばい。気軽に、「スズホ」って呼んでくれたらよかよ。
カナデちょっと、思っていたのと違うのが出てきたわね……。まぁいいわ。「アカシックレコード」、あなたに訊きたいことがあるの。
スズホ気軽に、「スズホ」って呼んでくれたらよかよ。
チエリ2回言いましたね……。
フレデリカスズホちゃん!教えてほしいことがあるんだけど、ダメ?
スズホなんでも訊けばよか!この宇宙のことなら、ウチはなんでも識っちょるけん!
スズホもちろん……あんたらがヘレンしゃんに言われて「アイドル」のことば知るために、ここを目指しちょったことも。
アキラなら、話が早いデスね。「アカシックレコード」サン。教えてください。アイドルって……自分が見つけたあの「歌」って、なんなんデス?
スズホ…………。
カエデスズホちゃん、教えてください。
スズホそれには、この映像を見てもらうのがよか。これは、西暦2000年頃に人気だった「アイドル」の映像ばい。
サナエ性格にクセがあるわね……。
チエリあ、これ、アキラちゃんが見つけた「歌」……。歌ってるのは……あれ?これって……。
フレデリカわーお、こいつはびっくり。歌ってるのもフレちゃんだよ?
カエデフレデリカちゃんだけじゃなくて、私も、サナエさんも、みんないますね。
サナエつまり、これが本当に西暦2000年代の映像なのだとしたら。ここに映ってるのは……あたしたちの、「オリジナル」?
スズホそう、だから……。
???そこまで、です。
カエデしまった……っ!
アナスタシア貴方たちは、私たちに完全に包囲されています。大人しくしていてください。
カナデ…………っ。
アナスタシア妙なマネはいけません。私たちは宇宙警察の中でも、精鋭ですから。貴方たちはもう、逃げられないですね?
アナスタシア今度こそ貴方たちは、地球送りです。
保育衛星B-270・教室区画残骸
ミズキ小惑星調査Z-25班。通報のあった、廃棄済みの保育衛星を調査開始。
ミズキ通報内容は、「近辺を航行すると通信から少女の声が聞こえる」。
マリナま、どーせなにも出ないでしょうけど。私たちみたいな私設のジャンク屋に依頼が来る時点で、お察しよねー。
ミズキまぁまぁ、それは言わないお約束でしよ。政府の仕事は割がいいんだから。
マリナ入り組んだ建物だから、サーフィンもできないし。せめてもうちょっと地形の面白い惑星ならやる気も出たんだけど。
ミズキ犯罪者が隠れ住んでる可能性もあるし、油断は禁物よ。あるいは……本物の幽霊かもしれないし。
マリナ幽霊なんて、もう何百年も前に存在が否定されて……待って。なにか聞こえた。
???きょう……たの……あそ……。
ミズキこっちね。
ミズキ……見つけたわ。声の正体、この子ね。
チナミさぁみんな!チナミ先生と一緒に、今日も楽しく遊びましょ!
マリナこれ、教育用のAI?もう廃棄されてから相当経つはずだけど……まだ動いてたのね。
チナミ……あら?新しいお友だちね。ようこそ、私はチナミ。チナミ先生って呼んで。
チナミあなたたちの夢を叶えるお手伝いをするわ。さぁ、教えて。あなたたちの将来の夢はなに?
ミズキ……夢、ねえ。
マリナさすが、言うことが古いわね。そんなの、幽霊と同じぐらい昔にもう、否定されたわよ。
ミズキ遠い昔の子どもたちは……ここで、そうやって育てられたのね。「個性」や「夢」なんてものを、教えられて……。
マリナクローン技術が発達して、効率的な人口生産が可能になる前の話よね。
マリナいまの人間は……部品なのよ。いつだって交換可能な、ほんの小さな部品。人類という、巨大な機械のね。
スズホだから、必要なんよ。遠い昔の……「個性」の時代の歌が。この先の未来には。

A3『Archive No.3-Machine-』

地球・アキハバラエリア
アーカイブNo.CG0003 宇宙歴1021年・226日目
リカ久しぶりに来たね、アキハバラ!
リカアキハちゃんやサナちゃんたちも、自分でくればいいのにね☆
リカここって、昔から機械の聖地なんでしょ?いろんなパーツとか、わけわかんない機械とか、見て回ったら楽しいのに!
アヤま、アイツらはインドア派だし、そもそも危ないからなぁ。昔はここも治安がよかったらしいけど……いまはやべーやつも多いし。
アヤあんまりうろうろして絡まれないうちに、とっととジャンク屋行って、パーツ買って帰ろうぜ。
ジャンク屋
アヤよう、ジャンク屋。やってるか?
ハルナどうも、リカさん、アヤさん。お久しぶりです。
ヒナやってますよ。いつも通り、いろいろ揃えてるっス。
リカ博士たちから、お使い頼まれてきたよ。えっと、ここにメモしてあって……。
ハルナ今回もたくさんですねー。毎度どうも、ごひいきに。えっと、このパーツは確かこっちに……。
アヤ……いつ来ても、ごちゃごちゃしてんなここは。このジャンクパーツなんて、もうぼろぼろじゃねーか。
ヒナいやいや、でもまだちゃんと動きまスから。見てくれは悪くても、現役っスよ。
アヤ動くうちは、擦り切れるまで使い潰すってか……なんか可哀想だな。
ヒナそうっスかね?
アヤアンタの意見は違うのか?
ヒナ大変だろうとはアタシも思いまスけど……でも、可哀想だとは思わないっス。
ヒナなにかに使われて、ここにきて、また誰かに買われていって……。その間に、このパーツたちはなにかを成し遂げたはずでスから。
アヤ成し遂げた、ねぇ。
ヒナひとつひとつは小さなパーツ、小さな意味ですけど……その積み重ねが、大きな機械を動かすわけで。アタシは、その小さな積み重ねを可哀想とは思わないっスね。
アヤ……なるほどな。うちの博士たちもよく言ってるよ。
アヤ失敗は成功の母。未来を諦めない限り、全てはいつかに続く意味ある道のりだ……ってな。
ヒナいいこといいまスね。アタシも、それに賛成っス。
ハルナわっ!な、なんですか貴方たち!
アヤ……なんだ?
ならず者Aよう、邪魔するぜ……。
リカ気を付けて!そいつらの身体、違法改造されてる!
ヒナ……どうも。ここはしがないジャンク屋っスけど。なにかお探しで?
ならず者Bへへ……この店について、ちょっと面白い噂を聞いてよぉ。なんでもここの店主は、宇宙出身の元軍人だっていうじゃねぇか……。
ならず者A宇宙の技術を持った、すげぇ武器を隠してるって聞いたぜ。……なぁ、ちょっとだけ見せてくれねぇか?
ハルナそんなもの、ここにはありません。どうか、お引き取りを。
ならず者Bまったく、残念だ。俺たちはせっかく、「買う」つもりで来たのによぉ。「奪う」ことになったのは、お前たちのせいだぜ?
リカアヤちゃん!
アヤ……ったくめんどくせぇ。結局めんどうに巻き込まれちまった。
ならず者Aあ?なんだ?お前らは関係ねぇから、黙って店の外に……。
リカガオガオーっ☆
ならず者Aぐえっ!
ならず者Bなっ!てめぇら、ただで済むと思ってんのか!
アヤハッ!自分の心配したらどうだ?違法改造で調子に乗ってるみたいだけどよ……アタシたちは「特別製」だぜ?
ハルナいやー、助かりました!さすがは博士たちのとこの用心棒さん。お強いですね。
リカへっへー、まあねっ☆
アヤ……実際、本当なのか?アイツらの言ってたこと。
ヒナ宇宙の退役軍人なのは、本当っス。昔の戦いで無茶やらかして、もう戦えないもんで。でも、武器を隠してるなんてことはありません。
ヒナそれに、みなさんに貢献できるような知識も、さっぱりっス。
ヒナアタシはただ……地球に来てみたかっただけの、道楽者なんで。
アヤ……なるほどな。
ハルナというわけですから、今後ともぜひごひいきに。みなさんが宇宙に行くときを、楽しみにしてますから!
リカうんっ!ありがとっ!
アヤあー、早く帰って休みたいぜ……。
リカだねー。……って、あれ?ねぇ、アヤちゃん、空見て、空。
アヤは……?おい、アレ、宇宙からの降下ポッドじゃねーか!落ちてくるとこ、初めてみたぞ!
リカヒナコ博士たちに連絡しなきゃ!

A4『Archive No.4-Believe-』

地球・ヒナコ研究所
アーカイブNo.CG0004 宇宙歴1022年・75日月
ヒトミねぇ、聞いて聞いて。アタシ、こないだ見ちゃったの!
アオイタマミさんのつまみ食い?懲りないっちゃね〜。
タマミさささ、さ、最近はしておりませんっ!
ヒトミじゃなくって!ほら、半年ほど前に来た、宇宙からの人たち!研究施設内にいるってのは知ってたけど、初めて見た!
アヤメああ、それなら。わたくしも先日お見掛けしましたよ。本当に、あの服を着ているのですね。
ヒトミそれ!アタシも思った!
アオイみんな、意外と普通の人たちだったよね。宇宙の人ってもっとこう、ロボットみたいな感じかと思ってたけど。
タマミですね。全身機械化というわけでもなさそうでしたし。少し意外でした。
ヒトミわかる〜。っていうか、え、待って。なんでみんな知ってるの?
アオイあたしは食事をもってったけん、そんときに。
タマミタマミは日課の鍛錬中に、たまたま。
ヒトミええーっ!これじゃあアタシ、なんか恥ずかしい人じゃん!言ってよもー!
アヤメまぁまぁ。それだけ、別に彼女たちがわたくしたちと変わらない、普通の人だったということですよ。
ヒトミそれはたしかに、そうだけどさー。服がなければ、パッと見で宇宙の人とかわかんない、普通の感じだったもんねー。
ヒトミ……ハッ!ってことはさ、もしかして、いるんじゃない?この施設の中にも、他に宇宙の人!
タマミというと?
ヒトミほら、間諜よ、間諜!宇宙政府が、地球人類の動向を探るために……みたいな!それこそ、あの人たちがそうなのかも……!
アヤメおや、噂をすれば。
カナデ……どうも。
タマミあ、いえ、あの、タマミたちは別に、本気でみなさんがスパイだと疑っているわけではっ!
カナデふふっ、大丈夫よ。仮に疑っていたとしても、それも当然。別に怒ったりなんかしないわ。
フレデリカこないだのご飯、すっごく美味しかったよ〜。ありがとね♪
アオイえへへ!こちらこそ!また腕によりをかけて作るけん、期待しちょって!
カナデでも、それはそうとして……あなたには、少し訊きたいことがあるわね。ちょっと来てくれる?
アヤメわたくし、ですか……?
カナデここなら誰にも聞かれないかな。さて、単刀直入に訊くけれど……あなた、こちら側の人間でしょう?
アヤメはい……?こちら側、というと?
フレデリカんふふ、トボけるのが上手だね〜。宇宙側ってことだよ。特殊工作員のアヤメちゃん。
カナデ私、これでも宇宙警察の出身でね。あなたのこと、名簿で見たことあるわ。
アヤメ馬鹿なっ!わたくしの名前は、とっくに削除されている筈!いったいなぜ……って、あ。
カナデ騙し合いは苦手みたいね。もちろん、名簿なんて見たことないわ。私はただ、人より少し嘘に敏感なだけ。
アヤメくっ……!
フレデリカでも、ヘンなんだよねー。アヤメちゃんが宇宙側のスパイだとしたら、ここの研究施設はもうなにか手を打たれてると思うんだけどなー。
アヤメ……宇宙側はここのことを、何も知りませんので。
カナデふぅん?
アヤメ皆さんのように、宇宙の技術を流すこともしていませんが……ここのことを、宇宙に報告することもしていません。この施設を消されるのは、わたくしの本意ではありませんから。
フレデリカ地球側についた、ってことでいいのかな?
アヤメここの皆さんと過ごすうちに、思ったのです。わたくしも、夢を見てみたいと。
アヤメ技術は人を自由にすると……そんな無邪気な未来を、信じてみたくなったのです。
カナデそう。
アヤメ貴方がたも、スパイではないのですね。
カナデええ、もちろん。だから……共に信じましょう。私たちの、未来を。

A5『Archive No.5-Stimulus-』

人類圏辺境・浮遊小惑星CC-1928
アーカイブNo.CG0005 宇宙歴1023年・174日目
サキんー、まぁこんなもんっすかね。地質調査、文明調査、逃亡犯調査、全て異常なし。よし、小惑星調査X-625チーム、帰投しましょ。
カイりょーかいっ!はー、やっと帰れる。
コズエおつかれさまー。ふわぁ……。
サキあらら、コズエちゃんもおねむっすね。早くもどって休みましょ。
宇宙船内・帰還中
コズエ…………?
カイん、どうしたの、コズエちゃん。
コズエこえー……?なにか、よんでるー……?
サキえ?通信っすか?政府から何か?
コズエううん、ちがう……もっとちいさくて、とおくて……んー、よくきこえない……。
カイこんなところで?近場に人のいる星なんてないし……隠れ住んでる犯罪者?
コズエちがう……。これ、にんげんじゃない……。こっちに、よびかけてるー……。
サキえっ!?まじっすか?
カイそ、それってつまり……異星人?しかも、高度な通信技術を有するってことは……。
サキ異星文明との接近遭遇っすね。本当だとしたらすごいことっすけど……。
コズエいってみるー……?
カイえ、い、いやぁ……どうだろ。そもそも、本当の本当に異星人なのかな……?
サキつい最近も、謎の通信だと思ったら放置されていたAIの声だった、なんて話もあったぐらいっすからね。
カイだ、だよね。
コズエでもー……。ほんとうに、ほかのほしのひとかも……。
サキうーん……その可能性もゼロじゃないっすけど……。
サキ他の星の知性体だとして、友好的とは限らないし……そもそも、ここから声の方向に行くと、人類圏の外……外宇宙っす。
サキ外宇宙探索は、リスクに見合わないから打ち切られてるわけで……。
コズエろまん、なのに……。
カイ……ん、待って。なんか別の通信が割り込んできた。元は……なにこれ。広域通信衛星から、全人類圏へ?
アキラ『自分たちの「歌」を、届けるよ。宇宙と地球の自由な未来…夢を願って!』。
カイなにこれ。なんか、聴いてると……。
サキ……ロマンかぁ。そういえば、3人で惑星調査始めたばっかりの頃は、そんな話もしたっすね。
カイ忘れてたなぁ。いろいろ、荒唐無稽な想像もしたっけ。
サキ星座ぐらいの規模の宇宙艦隊に並んでみたいとか。
カイ巨大なワープゲートで、虹色の星にいってみたいとか。
コズエけいそせいめいのぶんめいにあってみたいとかー。
サキ……コズエちゃん、覚えててくれたんすね。もうずっとずっと前のことなのに。
コズエおぼえてたー。だから……。
カイ……ね、サキちゃん。
サキそうっすね。いってみましょ。アタシらのロマンを求めて……外宇宙へ!

A6『Archive No.6-Observer-』

月・宇宙政府本部
アーカイブNo.CG0006 宇宙歴1023年・190日目
宇宙警察女王様!地球からやってきた者どもと、禁止文化の放送を行った大罪人をお連れしました!
サナエうぅ……。
ヒナコはじめまして、月の女王様。地球の科学者、Dr.ヒナコと申します。この度は、お目にかかれて光栄です。
ノア……はじめまして。月の女王、ノアよ。
ノア貴女たちがやったことは、この宇宙では重罪……それは、理解しているわね。
チエリ理解……できませんっ!
カエデなぜ、なのですか?なぜ宇宙政府は、あの文化を禁止しているんですか?
ユカ地球のこともです!なんであなたたちは、地球のことを見捨てたんですかっ!
ユミそうだよっ!自分たちだけ宇宙に逃げて……地球は、大変だったんだからっ!
宇宙警察貴様らっ!大人しくしろっ!
ノア構わない。
宇宙警察しかし……。
ノア構わない、と言った。私は統治者として……この世界を観続けてきた者として、彼女たちの問いに答える義務がある。
ヒナコ教えてください。この宇宙に、なにが起こったのかを……。
ノアそれは……いまとなっては、遠い過去のこと。
ノア地球の資源は枯渇を始め、人類は宇宙に進出する必要に迫られた。
ノア過酷な宇宙に人類の生存圏を築くため、人類は、全体でひとつの方向を向く必要があったわ。けれど……そうできなかった。
ノア多様性と自由がある限り、人類の溝は埋まらなかった。互いに己の正当性ばかりを主張し……争いあった。だから、禁止したのよ。
ノア自由を捨て、文化を捨て、歌を捨て……あらゆるものを捨てて、なんとか人類は宇宙での生活を得た。地球を顧みる余裕なんて、少しもなかったわ。
ユミ……お話は、わかりました。でも……。
アキラそれ、もう遠い過去のことデスよね。いま同じこと言ってても、意味ないでしょ。
ユカあたしたちは、未来に行きたいんです。地球と宇宙、みんなが望む、未来へ。
ノア…………。
ノア貴女たちは、輝いているわね。未知と可能性に未来を見出す、それは心の輝き。
ノア遠い遠い昔、私もそれを追い求めていた……。私は、永く生き過ぎたのかもしれない。
ノア……この者たちを、自由に。
宇宙警察い、いま、なんと……。
ノアこの者たちを、自由に。そしてこの世界に、自由を。
ナナ女王様、お茶を淹れてきましたよ。
ノアありがとう、ナナ。それともうひとつ、頼まれてくれる?
ノアあの子たちとこの世界の、記録を。辿ってきた足跡と行く末……アカシックレコードがあるとはいえ、人の手で。
ナナそれは、女王ノア様の命令ですか?それとも、のあさんのお願いですか?
ノア私個人のお願いよ、菜々。
ナナわかりましたっ!じゃあ、ヒナちゃんやアヤメちゃんにもお願いして、地球でのレポートも纏めちゃいますっ!
ナナ……それにしても。懐かしいですね、「アイドル」。あの歌を聴いたの、何年ぶりでしょう?
ノアとっくに忘れていた……そう思っていたけれど。まだ残っているものね。あの頃のメロディも、そして胸の高鳴りも。
ノア私たちは、人類の時間を止めた。文化を止め、多様性を消し、人々を部品とした。
ノアそれは、人類という巨大な機械が宇宙に飛び立つために必要な措置だった。けれど……。
ナナ逆に言えば、その頃のままの私たちは、まだ本当の意味では、宇宙に辿り着けていなかった。
ナナ……そうですよね。言われてみれば、その通りです。
ノアけれど、ようやく準備が整った。地球の重力に打ち克ち、自由な宇宙へとたどり着く準備が。
ナナですね。これからまた、人類は芽吹いていきますよ。
ナナ何度だって立ち上がって、自分らしい音色を響かせて、未知の世界を、切り拓いていく。
ノアそれが「アイドル」。それが……ヒトだから。

A7『Archive No.7-Stars-』

宇宙・レストラン
アーカイブNo.CG0007 宇宙歴1026年・30日目
タクミえっと、どこのテーブルだ……?
ユキお、来た来た。タクミちゃん、トモエちゃん、こっちこっち!
トモエタクミの姉御、ユキがおったぞ。
タクミお、いたいた。うーっす。
ナナミお久しぶりなのれす〜!
マキノロケットはどうだった?そろそろ慣れてきた?
タクミいやー、ダメだありゃ、全然慣れねぇな。宇宙に出てくる瞬間っつーのは、何回やってもこう、腹がムズムズするぜ。
トモエタクミの姉御はいまだに、こういう格好にも慣れとらんからのぅ。
タクミしょうがねーだろ。ここ数年で、服やらなにやら、生活が変わりすぎたぜ。
ミユそうですね。ノア様の文化解禁宣言によって、様々な産業が形を変えましたから……。
コトカでも、私は以前の堅苦しい服装より、いまの可愛い服の方が気に入っていますわ。
ユキ変わったと言えば、こうやって地球の人たちと交流するなんて、少し前まで思ってもみなかったもんねー。
トモエじゃな。どうじゃ、お前さんたちも今度、地球に来てみんか。うちらでばっちり案内するぞ。
コトカよろしいのですか!でしたら、ぜひっ!私は、「海」というものが見てみたいですわ!
ナナミ……「海」?
マキノ地球にある、塩水でできた巨大な湖のこと。独自の生態系が作られていて、そこにしかいない魚も住んでいるらしいわね。
ナナミお魚がいるんれすか!それなら、ナナミも行ってみたいのれす〜!
タクミなら、全員で釣りでもするか。博士たちも呼べるといいんだが……。
トモエあの人たちは忙しいからな。
ミユいまや、宇宙中で大人気のアイドルグループですからね。カエデさんたちは。
ユキアイドルかー、楽しそうでいいよね〜。あたしもやってみたいな〜。
コトカそうですわね。その……でしたら、やってみませんか?
トモエおう?
ミユえっ?
ナナミいいれすね!ナナミは……そう!お魚アイドルになるのれす!
コトカ素敵です!私もあんな風に、可愛らしい衣装に身を包んで……。
マキノアイドル……度し難いな。だからこそ、やってみる価値がある、か……。
ユキいいねいいね!いっそ、あたしたちみんなアイドルになろっか!ほら、ミユさんもやるでしょ?
ミユええっ!?わ、私は、その………。
ユキよーしっ!ミユさんも参加!
タクミ……へへっ。
トモエ嬉しそうじゃな、タクミの姉御。
タクミまあな。なんてったってアタシたちは……こういう光景を見るために、宇宙にやってきたんだからよ。
アイドルの輝きは、これからもずっと続いていく。未来の先、宇宙の果てまで、ずっと……。

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