GURPSよろず - キャラクターポイント
ベーシックセット』第1章「キャラクターの作成」より。

キャラクターポイント(CP:Character Points) B11P

 キャラクターポイント(CP)とはキャラクターの作成する際の「貨幣」です。能力を良くする時には必ずキャラクターポイントを「支払い」ます。能力をキャラクターに与え、それをゲーム中に使用するためには、各性質に記された価格と同じだけのCPを消費しなければなりません。キャラクターの可能性を狭める要素(主に「不利な特徴」)はすべてマイナスのコストを持っています――つまり、それを持つことでCPをいくらか受け取るわけです。例えば125CPで開始した場合、75CPの有利な特徴を得て、-15CPの不利な特徴を持った場合、125-75+45=65CP残っています。

開始時のCP(Starting Points) B11P

[[開始時のCP>キャラクターポイント#Starting_Points]]
 プレイヤーキャラクター(略記はPC)――探索者や冒険者や英雄です――がどれだけのCPを持った状態でゲームを始めるかはGMが決定します。これはGMがどれだけPCに有能であってほしいかによって決まります。
 開始時のCP、プラスとマイナスを合算したCP総計は、25CP以下(小さな子供)から1000CP以上(神とも称されるような存在)までの幅をとります。が、普通の冒険は100〜200CPのキャラクターで行なわれます。
 開始時のCPの程度はしばしばキャンペーンの「パワーレベル」として参照されます。これはキャンペーンの「格」と同等ではありません。楽天的なファンタジーであればどんな困難でも乗り越えることができる能力を持った英雄でも、ダークホラーのキャンペーンでは致命的な危険に直面するかもしれません。
 ほとんどのキャンペーンでは、PCはすべて同じパワーレベルでゲームを開始します。これは単純で公平な方法です。しかし実生活においては、すべての人々が等しく有能だとは限りません。また他のキャラクターよりも多くのCPを持つ「指導者」や、CPが少ない「未熟者」を演じたいプレイヤーもいるでしょう。全員が同意するなら、こうしたキャラクターを作ってもかまいません。


不利な特徴の制限(Disadvantage Limit) B11P

[[不利な特徴の制限>キャラクターポイント#Disadvantage_Limit]]
 不利な特徴とはマイナスのコストを持つものすべてです。低い能力値、低い社会的地位、その他「不利な特徴」として説明されるすべての特殊な不便さなどを含みます。理論的には、欲しい有利な特徴技能を買うのに充分なCPがたまるまで不利な特徴を得ることができます。実際には、たいていのGMはPCがとる不利な特徴に制限を課すでしょう。
 不利な特徴に制限を設けるのはキャンペーンが茶番劇になるのを防ぐためです。PCのトラブルが、舞台や冒険やその他GMが想像したものから注目を奪ってしまわないようにです。もしPC達が活躍しづらいキャラクター――例えば不器用で片目の、暗闇を心から恐れるアルコール中毒のならず者――ばかりだった場合、GMはキャンペーンを始めることすら困難です。
 不利な特徴に制限を設けることには別の目的もあります。開始時のキャラクターの能力を制限することができます。PCがよい能力に費やすことができるCPに上限を設けることができるのです。経験上、不利な特徴開始時のCPの50%程度に修めるのがいいでしょう――例えば150CPのゲームでは-75CPまでです。しかしこれは最終的にはGMの判断次第です。
 キャンペーンの設定などのために、すべてのキャラクターが特定の不利な特徴を選択しなければならない場合、こうした「キャンペーンで使用する不利な特徴」は制限に含める必要はありません(もちろん、CPを獲得することはできます)。例えば、スパイ活動をテーマにした冒険では、すべてのPCは所属する諜報機関に「義務感」を持っていなければなりません。種族の性質(あなたの「種族テンプレート」)の一部である不利な特徴も、同様に免除されます。
エラッタ修正:【誤】不利な特徴も、同様に除外します。【正】不利な特徴も、同様に免除されます。

開始後のCP(Character Points in Play) B12P

[[開始後のCP>キャラクターポイント#Character_Points_in_Play]]
 あなたのキャラクターがもっているCPの総計は、あくまでもゲームを開始した時点でのものです。すぐにそのキャラクターは変わりはじめるでしょう。GMは報酬として追加で費やすためのCPを与えます。あるいは新しい能力を与えることもあります...しかし能力を失うこともあるのです。こうした要素はすべてあなたのCP総計を変更します。
 全員同じ状態でゲームを開始しても、じきにあなたのキャラクターの価値は仲間と比べて若干差がつくでしょう。しかし心配しないでください!あなたのCP総計はその時点におけるキャラクターの能力を測る便利なものさしです。その視点で見る習慣をつけてください。これはキャンペーンのパワーレベルをどれだけ上回ったかとか、あるいは他のキャラクターと比較して個人的な成功度・重要度を測るためのものではないのです。
 キャラクターの成長については第9章を参照してください。

コラム:ガープスでの扱い リアリズムとゲームバランス(How GURPS Works: Realism and Game Balance) B11P

[[ガープスでの扱い リアリズムとゲームバランス>キャラクターポイント#Realism_and_Game_Balance]]
  • ガープスでの扱い リアリズムとゲームバランス?(How GURPS Works: Realism and Game Balance)
 ガープスのキャラクター作成システムは“バランスのとれた”英雄を作ることを目的としています。互いに相殺する強さと弱点を兼ね備えた者です。
当然ですが現実世界では、非常に強力な人物はそうであるために何かを放棄しなければならないわけではありません。肉体が弱い人は必ず他の何かに優れている......というわけではありません。真にリアルなシステムでは、キャラクターの体力(例えば)はランダムに決まります。知力や社会的や地位......など、他の能力とはまったく無関係です。
 しかしランダムの選択は“英雄”にとっては満足のいくものではありません。あなたのキャラクターは超人になるかもしれませんが、まったく弱々しく愚かで退屈な人物になるかもしれません。あなたは現実においてもそうした人物を避けるでしょう――ゲームの中でそういう人物になりたいとは、たとえ1分たりとも思わないでしょう。
 ガープスでは同じCPで構築された2人のキャラクターは“同等”です。しかし同じではありません。成長と進歩の余地が残っているために、あなたは望むタイプのキャラクターをデザインすることができます。

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