あらゆる架空国家が併存するモザイク世界

あくまでこれはマウサナ人の多数派としての傾向でありこれに当てはまらない考えを持つマウサナ人も多いため、ある種のナラティブとして参考程度に読むのが良いだろう。

ネーヤイッア(nēyai‘a)

ネーヤイッアとは日本語に訳すと「同胞・同志」に近い意味の単語で、マウサナ人では地域を問わずこの概念を重視する傾向がある。
ネーヤイッアとは地縁や職業によって結びついた共同体であり、相互扶助を行い、構成人員間の問題を調停し、そしてネーヤイッア内における平等と義を追求するものである。
ネーヤイッアの規模は様々で数十人のものから1000人を超える規模のネーヤイッアも見られる。
伝統的な農村社会においては集落単位でネーヤイッアを形成し、ひとつの巨大な家族として機能する。
近世まで、農村のネーヤイッアでは食糧や資源を共有し、共同かつ無償で田畑や家畜を管理し、子育てし、家を建て、インフラを整備していた。
現代のネーヤイッアは大きく分けて地縁ネーヤイッアと職業ネーヤイッアが見られ、前者は農村に多く後者は都市に多い。都市部のネーヤイッアは会社や学校がその構成単位となっている。
ネーヤイッアにおいて中心的な役割を果たす人物は「調停者(テーペテトー)」と呼ばれ、会議の進行役となり、皆の意見を集めて全員が妥協できる解決策を提示する。
また、世俗的な立場の調停者に対して、構成員に精神面でのサポートを行い調停者の補佐をする「導師(テフォトー)」や、調停者の決定には介入しないが様々な助言を行う「長老(ナオポトー)」といった役割が存在している。
調停者、導師、長老は大きなネーヤイッアの場合はほぼ必ず複数人居るため、その場合は調停者の1人が「代表(ルーナトー)」と呼ばれる。
現代においてはそれぞれのネーヤイッアにおいて、自治会長や企業の社長、生徒会長が調停者の役割を担っている。
これだけでは閉鎖的で排他的なムラ社会に思えるかもしれないが実際はその逆で、ネーヤイッアは新規参入者に寛容で流動的なものである。

ファロカ(faloka)

ファロカはネーヤイッアに付属する概念で、「ネーヤイッアにおいてマウサナ人がするべきこと」を定義する概念、掟である。
ファロカの掟は地域差があり細則を含めると100をゆうに超えるが、全てのマウサナ人は幼少期のうちにファロカの掟を全て暗記し、そしてそれを実践することが求められる。
普遍的にみられるものとしては以下の通り。
  • 喜捨(クーム。収入あるいは財産の一部を同胞に与えること。)
  • 受け入れ(ハーネン。クームに感謝し素直に受け取ること。)
  • 奉仕(ヤエテ。みんなは1人のために、1人はみんなのために。)
  • 善行(シュナ。自分の欲望を抑えて善い行いをすること。)
  • 愛を行う(アソモ。他者を家族のように愛すること。)
  • 温厚(レータヌ。平和を重視して怒らず、問題があった場合も優しく指摘すること。)
  • 礼儀(ヘメ。どんな相手にも敬意を持って接すること。)
  • 倹約(パピ。贅沢を慎むこと。)
  • 鍛練(ケマトロ。強い精神と頑丈な肉体を得るために努力すること。)
  • 平等(モヤラ。富を独占せず、ネーヤイッア内で分け合うこと。)
  • 公平(ラーノ。ネーヤイッアの同胞を全員同等に扱うこと。)
  • 孝行(レムリ。親を敬い、恩返しをすること。)
  • 悌(モレスー。年長者を敬うこと)
  • 誠信(カレナ。嘘をつかず、他者を信じること)
  • 勉学(ジミーペ。知識をつけること)
  • 防衛(モッウラー。ネーヤイッアの同胞が他者からの攻撃を受けた場合は守ること。)

などが挙げられるが、近世以前には忠義(自身の主君に従うこと)が存在したなど、地域や時代によって細かい内容は異なる。

ララノホッウ(lalanohɔ‘u)

ララノホッウとは、複数のネーヤイッアが横の関係で繋がったもので、ネーヤイッア同士は互いに協力し合うと同時に良きライバルでもある。
ララノホッウに加盟するネーヤイッア同士では、通婚/移動/商売等の自由や戦闘の禁止、相互扶助、宗教的/社会的サービスの交換などが行われる。
ララノホッウでもネーヤイッアと同じように、ララノホッウ間の問題を解決する調停者や導師、長老が存在する。
かつては都市国家や郡がララノホッウにあたる存在だったが、現代においては国家全体が大きなララノホッウとなっている。

ヒパとエンサとレニサ(hipa、‘ensa、lenisa)

ヒパは同じネーヤイッアに属す人物、エンサは同じララノホッウに属す人物、レニサはそれ以外の人物のことをさす。
これらの違いは「ファロカの徹底度」にあり、ヒパにはファロカを徹底しなければならず、エンサにはファロカを行ったほうがよく、レニサにはファロカを行わなくてもよい、と考えられている。

「開放」の文化

マウサナ人は開放的な気質があり、貞操観念が弱く性に奔放である。そのためマウサナ人は一夫一婦制ではなく、いわゆる乱婚制で、複数人を愛するのだ。
マウサナ人の間では脚を露出する服装が良いとされているため皆スカートを履くが、その一方で上半身は比較的露出が少ない。
開放の文化とは言ってもそれは大人に限った話であり、9歳(人間だと18歳に相当)になるまでは貞操を守り、露出の少ない格好(ロングスカートなど)をしなければならない。

狭いスペースを好む?

マウサナ人は寝る時に四角い敷布団(普段は丸めて部屋の隅に置いておく)を使用し、寝る時は猫のように「丸くなって」寝る。そうした方が落ち着くらしい。
マウサナ人の居住空間は狭いことで知られ、一般に1人暮しの場合、4畳半ほどのスペース(便所とシャワー、キッチン、収納を含むため、実際の居住空間は3畳にも満たない)で生活している。
理由としてマウサナ人はあまり物を持たない気質があり、必要最低限のものだけを家に置くため、寝られるだけのスペースがあれば良いのだろう。
その反面でマウサナ人は日照を重視しており、集合住宅では日当たりの良さは必須である。そのため集合住宅は充分な間隔を空けて建てられている。

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