あらゆる架空国家が併存するモザイク世界

国名大ルーマニア公国
大州ヨーロッパ
国歌不明
首都ブカレスト
元首ミルセア3世ドラクル
政治体制君主制
イデオロギー絶対主義
人口1,500,000人
面積238,391平方km
GDP不明
通貨不明

概要

大ルーマニア公国はヴラド・ツェペシュ3世によって建国されたバルカン半島の国家である。その人口の実に86%が吸血鬼との混血であり、全人口の2%にあたる純粋な吸血鬼は貴族階級として君臨している。また、その他には細々と純粋な人間が生きている。

国名

正式国名は「偉大なる連合公国」である。ルーマニア、の現国名は世界への転移後に便宜的につけられた名前であり、公式文書では「連合公国」の名前が一般的である。

歴史

大ルーマニア公国の歴史は「人間による統治時代」と「吸血鬼による統治時代」に分けられている。

人間時代

ダキア属州
第二次ダキア戦争の終結後、現在のオルテニア周辺がローマ帝国のダキア属州となった。2世紀に入るとローマと異民族の国境線は東へ移動し、カルパチア山脈のムンテニア地方までがローマの勢力範囲となった。国境線は245年にルーマニア中部のオルト川まで退却し、271年にローマ人らはこの地域から撤退した。この短期間の間に、ルーマニアにはキリスト教がもたらされた。当時のキリスト教は異文化にも寛容であり、ルーマニア地方はローマ文化とダキアの伝統文化が混じり合った複合的な文化が発達した。ゲルマン人との交易も盛んであった。332年、コンスタンティヌス1世が、ドナウ川北岸に定住していたゲルマン人の部族の一つゴート族を攻撃し、その後コンスタンティヌス1世の下で短期間ワラキアが支配された。この頃、スラヴ人の居住する地域から「ヴァンピル」と呼ばれる異民族が移住していた。当時の文献によれば、ヴァンピルは「戦場で倒した敵の血を飲む」「銀を恐れる」などの記録が見つかっていて、彼らが現在のルーマニアにおける吸血鬼の祖先と言われている。その後は再びゴート族の勢力圏に加わるが、400年代に入り、アッティラ率いるフン族がこの地に侵入したことで、ローマとゴート族の勢力圏から離脱した。
公国の誕生前夜
6世紀半ばから7世紀にかけてスラヴ人がワラキアへ移動し始め、定住した。スラヴ人は東ローマへの経路にあたるドナウ南岸を占領し、東ローマ帝国と度々戦った。593年や602年には東ローマ帝国と戦って手ひどい敗北を負ったが、スラヴ人はこの地から離れることはなかった。681年に第一次ブルガリア王国が建国されるとワラキアはその勢力圏に置かれた。10世紀後半には現在のトランシルヴァニア公国に当たる部分をハンガリーが占領した。ブルガリア帝国が弱体化して東ローマに服属するようになるとテュルク系の遊牧民によってワラキアは支配された。1091年、南ロシアのスラヴ人であるクマン人がこれらの勢力を一掃してモルダヴィアとワラキアの領土を手中に入れた。1241年には、モンゴルのヨーロッパ侵攻が行われ、クマン人支配は終焉を迎えた。ワラキアはモンゴルによって直接支配された。同時期、ハンガリーはモンゴルの侵攻をまともに受けた。モヒの戦いではモンゴル軍に完膚無きまでに叩きのめされ、相次ぐ略奪で国土は疲弊した。その後モンゴル帝国がこの地域から撤退すると、ハンガリー王国の極度の弱体化が手伝い、ワラキアでは新たに強固な諸勢力が確立されることになった。
公国の誕生
ワラキアの建国は、伝承によればワラキア公ラドゥ・ネグルの功績とされてきた。ラドゥ・ネグルはハンガリー側の文献などに「バサラブ1世」などと記録されている。アルジェシュ地方の首長であったラドゥ・ネグルは豪族たちをまとめ上げてバサラブ朝初代の公となり、ブコビナのクンプルングに宮廷をかまえた。バサラブ1世はバナト地方の領土をハンガリーへ割譲することを拒み、1330年のポサダの戦いでハンガリー王カーロイ1世軍を撃破した。こうして、ワラキア公国の独立が達成された。バサラブ1世の次にワラキア公となったのはニコラエ・アレクサンドルで、彼は1354年にハンガリー王ラヨシュ1世に臣従し、1355年にはハンガリーへのセヴェリンの返還に合意した。領内でのキリスト教の布教を認めるなどキリスト教にも寛容な姿勢を示した。こうした態度からワラキアは中世ヨーロッパにおいて国際的な地位を獲得した。ニコラエの次はヴラディスラフ1世が継承した。ヴラディスラフ1世の統治時代には、最初のワラキア=オスマン帝国間の紛争が生じ、またトランシルヴァニアとセヴェリンの領土がハンガリー王国との間で争われ続けた。こうした2方向の敵に対応するため、ヴラディスラフ1世はブルガリアとの同盟を結んだ。
バサラブ1世以降、ワラキアの統一的統治者は「公」を自称した。国の実権はボイェリと呼ばれる封建貴族階級が握っていた。彼らは自身の領地から賦役と十分の一税を取り立て、私兵を有する封建領主であった。建国より16世紀初頭まで公位はバサラブ朝の世襲であったが、長子相続制は確立されず、公家の男子なら誰にでも即位する資格があった。ボイェリ達は自分たちにとって都合のいい候補者を立てて、相争った。そのため、公権は弱体で、公は終身制と決まっているわけではなく、ごく短期で交替したり、同じ人物が2度、3度公位につくこともあった。
オスマンとの戦い
バルカン半島全体が、勃興したオスマン帝国の勢力範囲となることで、ワラキアはトルコとの常習的な対決に明け暮れることとなった。ミルチャ1世は初め数度の戦いでトルコを敗退させ、自分の支配領域を拡大した。だがその後、メフメト1世に敗れた。ミルチャ1世時代末期にはワラキアはオスマン帝国の属国となった。しかし1418年から1420年、ミハイル1世が反旗を翻しセヴェリンでトルコを負かした。しかしミハイル1世はその後トルコの反撃で戦死した。1422年、ダン2世がムラト2世軍を打ち負かし、トルコとワラキアの間には和平が結ばれ、しばらくの平和が訪れた。
1428年に和平が結ばれるとワラキアは今度は国内の危機に入った。ダン2世はラドゥ2世から自身の地位を防衛しようとした。ラドゥ2世は、ワラキア公に対抗して、率先してボイェリ連合と手を結んだ。1431年にボイェリ側は勝利を収め、アレクサンドル1世が即位した。アレクサンドル1世はおよそ5年間公位にあったが、ボイェリらはアルデアの異母弟ヴラド2世から継続的に攻撃を受け、ついに敗退した。ヴラド2世はトルコと神聖ローマ帝国の間で中立的な外交を行ったが、1444年のヴァルナの戦いでスルタン・ムラト2世軍にキリスト教国連合軍が大敗した後、ヴラド2世はトルコに従属する他なくなってしまった。
この時期、ヨーロッパの各地では異端審問が行われていた。ルーマニアでも例外ではなく、ヴラド2世の治世以前にはヴァンピルの部落住人を中心に過激な尋問が行われた。しかし、ヴラド2世がキリスト教に対して不信感を抱いていたこと、さらにはヴラド2世がヴァンピルの女性ヴァシリッサと結婚したこと(彼女は異端審問されていたところをヴラド2世に助けられたとされている)によって、これらは急速に減少した。そして、ヴラド2世とヴァシリッサの間に生まれたヴラド3世は、「世界史上初、吸血鬼と人間の混血として支配者となった人物」となった。

地理

行政区分

政治

外交

経済

軍事

ワラキア、ドブルジャ、トランシルバニアの各貴族が重騎兵と弓兵を中心とする精強な軍を保有している。その他、大ルーマニア公直属の精鋭部隊「千人隊」が存在する。

交通

文化

社会

観光

テクノロジー

国民

混血者

大ルーマニア公国の国民の85%は吸血鬼と人間の混血である。吸血鬼と人間の混血は、ヴラド2世の時代から積極的に推奨されており、多くの人間の男性貴族が吸血鬼の女性貴族を娶り、子を設け、さらに各々の貴族が各々の領地で領民に吸血鬼との交配を推奨したことによって国民の85%あまりが吸血鬼と人間の混血となっている。吸血鬼と人間の混血種は吸血鬼にとって致命的な弱点である太陽光への耐性を持っている。このことは、吸血鬼がメラニンを持っていないことが原因とされる(それ故、特に純粋な吸血鬼では皮膚の色素が薄く、アルビノのように透き通った美しい肌を持つ場合が多い)。一方、銀やニンニクは純粋な吸血鬼ほどではないにしろ忌避する者が多い。十字架に関しては、「信仰心の問題」と言われており、実際にヴラド2世の時代に吸血鬼の貴族がカトリックに改宗したという事例がある。吸血行動については血に類似した味のものを嗜好する傾向にあり、赤ワインなどの生産が特に盛んであることもこのことに関係している。

純粋吸血鬼

国民の2%を締めているのが純粋な吸血鬼である。純粋な吸血鬼は銀、ニンニク、十字架を始めとしたものに強い忌避を示す種族であり、古い文献にはダキアの領主が銀の首飾りを友好の印に送ったことで吸血鬼と人間は敵対することとなった、とまで書かれている。また、メラニンを持たないため太陽光、とりわけ紫外線に弱く、外出時はどれだけ暑い日であってもほとんどが傘をさし、ローブで身を包んでいる。吸血行動については本来の吸血鬼族と同じように吸血行動を行うが、現在は血液を飲むことが文化として根付き始めており、他社に危害を加えずとも酒場などでの摂取が可能となっている。純粋な吸血鬼は概して貴族階級の出身者が多く、これらの吸血鬼を養うために血液を専門で提供する職業が存在する。

人間

国民の13%を占めるのが純粋な人間である。純粋な人間は多くの場合貴族階級と奴隷階級に二分されている。トランシルバニアには極めて保守的で吸血鬼との交配を拒否した貴族のコミュニティが存在する。彼らはヴラド3世の廃位を目論む反政府集団であるが、現状は吸血鬼の軍勢に対し太刀打ちできるほどの軍事力は有しておらず、山間部で細々と暮らしている。奴隷階級は貴族階級の吸血鬼などに血液を提供するための職業についており、特殊な儀式によって作られた血液増強剤を服用して血液生産の任務にあたっている。毎年、奴隷階級の美女を集め、吸血鬼の男性貴族がこれを娶る祭典が開かれており、ここで吸血鬼の貴族に指名されれば奴隷階級から脱することができる。
その他、他国との国境付近で開拓任務につくものや外交時に通訳を行うもの、商人あるいは冒険家として世界を歩き回るものなど、人間族との交流が多い人々の中には純粋な人間が存在している。

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