誰に対しても気軽に接し、職員、オフィサーの誰とでも比較的に仲がいいラマルコス。
とても仲間意識が強く、皆と仲良くなりたいと思っている。
劣悪な環境下での仕事な為、誰かとお喋りをする事がラマルコスの唯一の癒しであり大切な時間。
とてもお喋りで一度話し出すと止まらないが同時に、相手から話を聞き出したり相談に乗ったりするのも上手い。
戦闘中も誰かを気遣ったり、戦闘終わりにはハイタッチを求めたりなど優しく明るいお兄さん。
相手の話をしっかりと聞き、親身になって相談事を受けている彼だが自分の事は全く人に話そうとしない。
上手い具合にはぐらかされ躱されてしまう。
同室で仲が良いアシュリーにもあまり話してはいない。
彼曰く、「俺の人生なんて小さいもので笑い話にもならないからつまらない」との事。
大丈夫が口癖になってしまっており、幼い頃ころから笑顔を絶やさず周りに心配かけないようにしていた。
ラマルコスは幼い頃から親に虐げられ、圧力をかけられ育ってきた。
やることなすことにダメだし、文句、叱責。
自分がニコニコとしていれば両親は笑ってくれると信じていた。
しかし、ある親友にそれはおかしいと指摘され、ラマルコスが反発出来なくて自由に生きられないなら俺が言ってやる!と意気込みラマルコスの両親に話をしに行った。
友人が帰ってくることは無かった。
友人が帰ってこなくなった事が変わっただけで両親の教育方針は何も変わっていなかった。
唯一の心の拠り所であった友人が居なくなり酷く悲しんだラマルコスは、両親に何かされたんだと思い初めて両親に強く当たって聞き出そうとした。
強く打たれ、何も教えてもらうことも出来ず変わる事もなかった。
その友人は行方不明のまま自分の前からいなくなった。
月日が流れ、ある日を境に友人が帰ってきた。
友人がラマルコスに会うやいなや「逃げよう、外に出よう」と腕を引っ張った。
真夜中だった、辺りは暗くひたすら引っ張られる力に着いて行くだけだった。
家の敷地から抜け、友人が口を開いた。
「ごめんな」
一言、そう告げた瞬間友人の隠し持っていた薬が含まれた布で口を塞がれた。
ラマルコスはそこで裏切りというものを強く経験した。
友人は身売りをするためにラマルコスに近づき、売人に渡すという仕事を任されていた裏社会の人間だった。
上手い言葉で相手の懐に入り、信頼が出来てきたところで相手の目の前から消えて不安感を掻き立て、乱すのがやり口であった。
聞き分けがよく、強く怒鳴ってもそれを受け入れる人間は売り渡すモノとして上物らしい。
裏切りを受け酷く親友を恨んだ………のでは無く、信じた。
きっと誰かにそうやれと脅されていたと、自分と同じように上からの圧力で雁字搦めなんだと。
あの時いなくなったのは自分といる事が親友側にバレて怒られていたから来れなかったのだと信じた。
なら今度は自分が行動してやろう、いなくなってやろういなくなっていきなり現れてやろうと考え、売人の目を盗み逃亡をした。
逃亡は簡単だった。
逃げ出したラマルコスは当時16歳であった。
家に帰る訳にも行かず野宿や隠れて過ごした。
裏路地の夜はとても厳しくギリギリ助かった経験が何度がありこれではいけないとバイトを探していた。
ラマルコス自身も親の支配から離れ、自由に生きているということにどこかでウキウキしていた。
危ないような仕事でも生きる為と思い受けた。
そのような生活が続き、部屋を借りられるようになり、危ない仕事からは逃げるように手を引き真っ当な仕事に就こうと職を探した。
当時24歳だった。
この時親友は親友では無かったという事を心では分かっていたが、家から逃げ出す良い機会を作ってくれたと前向きに捉えている。
職員としてのラマルコスの仲間意識が強いのは、本人はあまり気にしてなさそうな素振りをしていても裏切られたという事実に、酷く心を痛めている反動だと思われる。
両親の圧力に一人で耐えてきたラマルコスにとって、友人の存在はかけがえのないものなので、この職場環境においても仲間というものはラマルコスにとってかけがえのないものとなっている。
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