ここは親切高校の屋上。 
 今、俺はここで彼女を待っている。 
 「う〜寒い寒い…やっぱり冬は寒いなぁ。」 
そんなことを呟いていると、ガチャッと屋上と廊下を繋ぐドアが開き、 
 最愛の彼女、桜空が姿を見せた。 
 「どうしたんですか?いつもよりだいぶ速いじゃないですか。」 
 「うん…ちょっと桜空に頼みがあってさ。」 
 「なんですか?」 
 「言いにくいんだけど…」 
 「?」 
 「ちょっとこっちに来てくれ…」 
 「?はい。」 
 意を決して、俺は言った。 
 「桜空のふとももに…キスさせてくれないか?」 

 「えっ?すみません、もう一度言ってくれませんか?」 
 「だから、桜空のふとももにキスしたいんだ。」 
 「はぇぇぇぇっ!?」 
そう。何を隠そう、俺は大のふとももフェチなのだ。ふとももの漢字は分からないが。 
 「ダメ…かな?」 
 「いや…いくらなんでもそれはさすがに…恥ずかしすぎますよ。 
  それに、キスは唇にするものじゃ…」 
 「確かに、そうかもしれない。 
  でも、それだけじゃつまらないだろ?」 
 「十分ですが…」 
 「そう言わずになんとか!」 
 「いや…でも…えっと…」 
くそう。さすがに唐突すぎたか。しかも少し引いてるみたいだ。 
だけど、こうなった時のために、秘策がある。 
 俺はそれを試してみることにした。 

 「実はさ。キスってどうして唇にするのか考えたんだ。」 
これはこの間書店に行った時見つけた本に書いてあった言葉だ。 
いや!断じてエロくはないぞ! 
 何で買ったかって?表紙の女性三人のふとも…ってそれはいいだろう? 
「それは唇が魅力的だからだと思うんだよ。」 
 「な、なるほど…」 
おお、効いてる。 
 「と、いうわけで、桜空のふとももは魅力的なんだ! 
  健康的で、もちもちで、さらさらしてて!」 
 「わ…分かりました。一回だけですよ!」 
いよぉぉし!やったぜ!ありがとうあの変態紳士さん! 

 「じゃあ早速…」 
 「は…はい…」 
 早速、桜空のふとももに口付ける。 
 「ん…っ」 
 柔らかいなぁ。本当に気持ちいいや。 
と、少しいたずら心が芽生えてきて、舌を這わせてみた。 
 「んひゃっ!?なっ、なにしてるんですか!」 
 可愛いなぁ。もう少しいたずらしてみよう。 
 「んぁっ…あう…ちょっ…やめ…」 
とどめに、甘噛みをしてみる。 
 「んあぁぁぁっ!」 
と、途端に桜空の力が抜け、座り込んでしまった。 


 「さ…桜空、大丈夫か?」 
 「うう…小波君の変態っ!!」 
ダッ!と、桜空は屋上から逃げて行った。 
 「…少しやりすぎたか?」 
 少し反省していると。 
 「おーい、小波君!」 
 「ん、ナオ?」 
 妹の次は姉か。いやな予感が… 
「さらに何かしたんですか?顔真っ赤にしてジタバタしてましたけど…」 
 「あー、いや、ちょっとな…」 
 「まさか、ふとももにキスとかですか?」 
 「あー、うん、そう…って、なんで知ってるんだ!」 
 「ふふふ。新聞部の情報収集力をなめないでほしいですよ! 
  それにしても、まさか本当にするとは…」 
 「ううう。頼む、ばらさないでくれ。」 
 「いいですよ。でも、一つ条件があります。」 
 「できることなら何でも…」 
 「あたしにも、同じことをするんです!」 
 「うぇっ?」 
 「いーから、とっととするんです!!」 
 「うーわー!!」 

このあと、桜空も戻ってきて俺はずーっとふとももにキスすることになった。 
 正直、天国だ。 .

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