無題11 ◆9zqLdn6d2Y


 不可解だった。

 あの男の存在こそが我が武勇伝にとって唯一の障害であろう。

 大地を割り、海を裂き、神を気取ったあのモーセすら断罪した。

 しかしどれだけの偉業を成し遂げようと、あの男の覇道に蹂躙されてしまった。

「この俺を……またもしくじりの枠に収めようというのか」

 サングラスの漆黒。その奥に光る瞳に反映するは怒りの焔。殺戮の泥。

「支配者は俺だ……! お前如きが頂点に君臨するなど、神が認めても俺が認めてなるものか」

 その男こそ天才。

「この世界に存在する絶対王者が俺であり、圧倒的敗者がお前」

 まさに天災。

「モーセと同じ結末をお前にも味合わせてやる」

 審判の時来たれり。敗者は彼の前に跪け。

「生命は平等とは限らない。俺がパーフェクトならお前はイナビリティの存在に過ぎない」


 さあ、民衆よ。彼の名前を叫び褒め称えよ。


 その力、かの大地讃頌をも超越する武勇の完全人間なり。


「ゴジラに傷を与えた程度で誇るなよ――I’m a perfect human」


 その掌に握られたりんごが音を響かせ――砕け散った。

 
【6-九/鶴/一日目/6時】
【nakata@PERFECT HUMAN (RADIO FISH)】
【容姿】I’m a perfect human
【出典媒体】I’m a perfect human
【状態】健康
【装備】
【道具】支給品一式
【思考】ピコ太郎を殺し、自分がI’m a perfect humanであることを証明する。
【備考】

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