創造論とインテリジェントデザインをめぐる米国を中心とする論争・情勢など

否定論・陰謀論を信じる理由

ウクライナのメディアリテラシーの現状 (2021)


以下は、ウクライナ文化情報政策省の国家メディア リテラシー プロジェクトが、OSCE および非政府組織Internews-Ukraineと協力して、作成した分析報告:

Розвиток медіаграмотності в Україні (2021/11)
「ウクライナにおけるメディアリテラシーの育成」
の、ウクライナのメディアリテラシーの現状をまとめた
  • А що у нас? Нинішній стан медіаграмотності в Україні
の和訳である。 


ウクライナのメディアリテラシーの現状


ウクライナはまた、国民の間で積極的にメディアリテラシーを成長させいる。これは、国家、公的機関、国際パートナー、専門家および科学界の努力の相乗効果によって実現している。

基本的なメディア リテラシー スキルを学ぶことは、新しいウクライナの学校構想に組み込まれた分野横断的能力のひとつである。初等および基礎中等教育の最新の国家基準では、特に、「証拠の質、情報源の信頼性、および情報の信頼性を評価するさまざまなリソースと方法を使用して、事実とその解釈を区別し、データを操作しようとする試みを認識する」能力を習得させる。今日、公立学校では、メディアリテラシーは可変コンポーネント科目 (「メディア リテラシーの基礎」、「メディアリテラシーへのステップ」「メディア文化」「メディア教育」)として学習している。また、市民および歴史分野の新しい基準では、1年生から12年生までのメディアリテラシー、批判的および体系的思考の体系的なトレーニングを規定している。デジタルリテラシー スキルは、デジタル トランスフォーメーション省のポータル「Action.デジタル教育」で広報・配布されている。

現代のホット戦争、ハイブリッド戦争、情報戦争により、ウクライナ市民は情報攻撃や操作に対してより抵抗力を持つようになった。これらの脅威を特定して対処するために、ウクライナ国家安全保障・国防会議の偽情報対策センターと、文化情報省の戦略的通信および情報セキュリティ センターがウクライナで活動している。ウクライナ国家とウクライナ社会は、外国のパートナーにとって非常に興味深い、情報戦争の脅威との戦いにおいて独自の経験を持っている。

ウクライナのメディア リテラシーに関するさまざまな教育及び啓蒙イニシアチブは、多数の公的および国際的な組織およびイニシアチブによって実施されている。たとえば、Академія української преси(ウクライナプレスアカデミー)、Детектор медіа(メディアデテクター)、Інститут масової інформації(大規模情報研究所)、Інтерньюз-Україна (インターニュース・ウクライナ)、Могилянська школа журналістики(モヒラカデミー・ジャーナリストスクール)、Український кризовий медіацентр,(ウクライナ危機メディアセンター)、Фундація Суспільність(社会財団)、Центр демократії та верховенства права(民主主義と法の支配センター)、IREX(国際科学研究交流協議会),
Texty.org.ua、大衆科学雑誌「Куншт」、オンライン教育プラットフォームEdEra及び Prometheus、報検証イニシアチブ StopFake、«По той бік новин»(ニュースの向こう側)、VoxCheckなどである。今日の大きな課題は、これらのイニシアチブの範囲と影響を拡大することである。結局のところ、全般的には、社会におけるメディアリテラシーの状況は理想とはほど遠い。

最近のいくつかの研究により、ウクライナ市民のメディアリテラシーの状態と、偽情報や情報操作に対するウクライナ人の抵抗力を評価することが可能になった。これらの研究は、ウクライナ社会にはまだ大きな改善の余地があることを示している。

2021年3月、機関「Info Sapiens」は公的機関「Media Detector」に「ウクライナ人のメディア リテラシー指数」に関する包括的な調査を依頼した。その結果によると、ウクライナ人の15%のメディア リテラシーは低く、3分の1 (33%) は平均より低く、視聴者の44%はメディア リテラシーのレベルが平均より高く、8%は高かった。

この調査では、メディア リテラシーのレベルは、多くの要因、特に性別、年齢、収入、教育レベルの影響を受けることが明らかになった。経済状況が、最もメディアリテラシーのレベルの違いに影響していた。この調査によると、生活の基本的なニーズを満たすだけの収入しかない人々の72%が、メディアリテラシーのレベルが低いか、平均以下だった。一方、十分な収入があり、貯蓄できる回答者では、この割合はわずか33%である。

この指標は、誤った情報に対する市民の抵抗力を高める必要性を再び指摘している。過半数つまりウクライナ人の57%が、偽情報の問題が緊急課題であると考えていることは注目に値する。そして、人々が問題を認識することが、その解決への道である。

また、ウクライナ人は消費する情報をどの程度チェックする傾向があるのだろうか? この調査によると、ウクライナ人の42%は情報の信憑性を確認したことがなく、3分の1はより完全で詳細な情報を求めている。ウクライナ人の4分の1 (24%) だけがメディアコンテンツをチェックしている。4人に1人 (25%) は、ニュースが自分の考えと矛盾せず、真実に似ている場合、そのニュースを信頼する傾向がある。

ウクライナ人にとって、スポンサードコンテンツの問題は依然として重要である。回答者の55%がそうだと回答している。23%は問題ないと考えている。9%は「スポンサードコンテンツ」について初めて聞いたものであり、13%はこの問題について判断できなかった。同時に、スポンサードコンテンツは、マスメディアに対する視聴者の信頼に関連する別の問題を引き起こすことがよくある。

数年前、テレビは視聴者の間で最も信頼されていた。2017年には54%のウクライナ人が、2018 年には 61% がテレビを信頼していた。しかし現在、この傾向は衰退しており、インターネット掲載記事が最も信頼されている。これは、USAIDInternews の年次調査「Ставлення населення до ЗМІ та споживання різних типів медіа у 2021 році(2021年のマスメディアとさまざまな種類のメディアの消費に対する人々の態度)」によって示されている。

この調査では、回答者のほぼ 50% がインターネット ニュースを信頼しており、約40%がテレビを好むことが示された。

COVID-19パンデミックとそれに関連する誤情報の急増により、ウクライナ人はニュースの情報源にもっと注意を払うことを余儀なくされた。2019年と比較して、この指標は2021年に7%増加した。現在、ウクライナ人の34% が情報源をモニタしている。31%は、異なる視点が表現されているかどうかに注意を払っている。16% がメディアの所有者を追跡している。

ここ数年、公共の場でメディア リテラシーのトピックが存在したことで、情報の消費者がスポンサードコンテンツをより意識するようになったという事実に寄与してきた。 2015年から2021年にかけて、この問題に関するウクライナ人の認識は 49% から83%に増加した。

また、ウクライナ人は「スポンサードコンテンツ」を識別するスキルを向上させた。2021年には、回答者の66%がスポンサードコンテンツを識別できると回答した。さらに、回答者の69%が、疑わしいコンテンツと真のコンテンツを区別できると考えていた。

USAID-Internews の調査によると、ウクライナ人は実際に虚偽記事を検知する能力が向上させている。調査の一環として、回答者は偽のメッセージと本当のメッセージを認識するよう求められた。その結果、提示された3つのメッセージについて、すべて正しく評価できたのは2020年は3%だったが、今回は21%だった。また、63%が1つ正解し、3つすべて間違ったのはわずか6%であり、7%が回答拒否した。したがって、この研究は、ウクライナ人の偽情報を見分ける能力の向上を示している。

ただし、偽情報を認識することについての問題は残っている。特に、回答者は、COVID-19パンデミックとワクチン接種プロセスに関連する誤情報に遭遇することがよくあった。この調査によると、ウクライナ人は自分自身の経験とマスメディアに対する信頼を、虚偽情報と戦うためのツールとして利用することが最も多いことが示されている。回答者にとって虚偽のニュースの主なマーカーは、情報源自体だった。

また、2021年には、回答者はウクライナが外国の支配下にあるという情報を誤って信じており、最も話題になったニュースは、ワクチンの副作用と公共サービスの債務だった。2021年の初め以来、回答者の 68%が、ワクチンの影響が COVID-19 よりも危険であるという誤った説を聞いたことがあった。さらに、回答者の49%は聞いたことがあるだけでなく、そのような情報が真実であると考えていた。さらに、回答者の56%は、ウクライナが完全に依存しているとされる外部組織によって統治されていると考えている。

陰謀論がウクライナ人の間で依然として人気があるという問題は、ARENA分析センターとLondon School of Economics (LSE)と、Internews-UkraineとLaboratory of Public Interest JournalismとKharkiv Institute of Social Researchが実施した「Why conspiracy propaganda is successful and what to do about it(陰謀的プロパガンダが機能する理由と、それに対して我々ができること)」という調査研究でも確認されている。

特に、この調査報告は、プロパガンダストーリーが人々に与える影響を明らかにする Center for Security Studies (CSS) at ETH Zurichの定量調査研究を利用している。

この調査研究は、ウクライナにおける陰謀論の影響力が非常に強いことを示している。たとえば、回答者の40%は、ウクライナは「西側のキュレーター」の外部管理下にあると考えている。また39%は、これらの「キュレーター」がウクライナの土地を搾取しようとしていると信じている。また、回答者の 4分の1は、米国がウクライナに生物研究ネットワークを展開していると確信している。

陰謀論や誤情報に対する感受性のレベルは、回答者の居住地と政治的嗜好に大きく依存する。南部のウクライナ人の約49%、東部の51%、ドンバスの61% が、ウクライナが西側の「キュレーター」の軛の下にあることに「どちらかといえば同意する」または「強く同意する」のに対し、西部では31%、中央で29%だった。西部のウクライナ人は、米国の生物研究ネットワークの存在についての説明を最も受け入れていない。これを信じているのは18%で、東部では30%、ドンバスでは32%、南部では27%、中央では25%である。

同時に、この研究は、教育レベルが陰謀論の信念に明確な影響を与えていないことを示した。博士号と修士号を取得した回答者は、高校教育を受けていない回答者よりも、そのようなストーリーの影響を受ける可能性が高かった。

しかし、この研究は、ウクライナ人が情報操作に対してより抵抗力を持つように教えることができることを示している。 CSS の世論調査データは、親クレムリンの偽情報という究極の目標に対して、抵抗の兆候を示している。ウクライナ人の61%は、ロシアがウクライナにとって最大の脅威であると考えている。これにより、個人レベルで偽情報と闘う大きな機会が開かれる。

メディアリテラシースキルの開発は、ウクライナ人がより内省的になり、陰謀論の影響を受けにくくなるということに寄与する。そして、情報を使用し、真理をポスト真理や情報操作から区別する能力は、個々の市民の生活の質だけでなく、国家全体の幸福のレベルの増進にも寄与する。

Texty.org.ua、大衆科学雑誌「Куншт」、オンライン教育プラットフォームEdEra及び Prometheus、報検証イニシアチブ StopFake、«По той бік новин»(ニュースの向こう側)、VoxCheckなどである。今日の大きな課題は、これらのイニシアチブの範囲と影響を拡大することである。結局のところ、全般的には、社会におけるメディアリテラシーの状況は理想とはほど遠い。





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