創造論とインテリジェントデザインをめぐる米国を中心とする論争・情勢など

関連ネタ

ソドムエアバースト論文を批判するMark Boslough (2022)


以下は、地球への隕石落下を長年、研究してきたMark Boslough (2022)による、Bunch et al (2021)による「ソドムエアバースト論文」への批判の訳である。このエアバースト論文は、探検資金集めなどを行う疑似考古学者たちとの境界線を恐らく乗り越えてしまった、聖書考古学者たちと、疑わしい共同研究者Allen Westの産物である。

重要な点は2つ:
  • 衝撃の方向を示す写真はフォトショップされたものと思われる。(共同研究機関の都合に合うように)
  • 隕石衝突の証拠だという、ナノダイアモンドはWestによる、捏造あるいは別物であることが疑われる。


Mark Boslough: "Sodom Meteor Strike Claims Should Be Taken with a Pillar of Salt" on Skeptic Inquirer, Volume 46, No. 1, January/February 2022

Mark Boslough: Sodom Meteor Strike Claims Should Be Taken with a Pillar of Salt
(ソドムが隕石落下によるものだという主張は、塩の柱とともに行うべきだ)


2021年9月20日、オープンアクセスジャーナルScientific Reportsは「A Tunguska Sized Airburst Destroyed Tall el-Hammam a Middle Bronze Age City in the Jordan Valley Near the Dead Sea(死海近くのヨルダン渓谷にある青銅器時代中期の都市トールエルハマムは、ツングースカサイズのエアバーストで破壊された」というタイトルの論文を掲載した(Bunch et al.2021)。 この論文は、聖書に破壊の記録が含まれている可能性があると述べている。「We consider whether oral traditions about the destruction of this urban city by a cosmic object might be the source of the written version of Sodom in Genesis.(宇宙からの物体によるこの都市破壊に関する口伝が、創世記のソドムの記述のソースであるかを検討する。)」

Northern Arizona UniversityのTed Bunchが率いる論文チーム21名は、大半が尊敬を受ける研究機関の信頼できる科学者である。その大半が、隕石衝突或はエアバーストにより、12900年前のヤンガードリアス境界での北米の哺乳類の大量絶滅と突然の気候変動の原因であるという、論争となっている仮説の支持者でもある。

このストーリーは、著者の一人が所属する機関のニュース組織の出版物であるThe Current of UC Santa Barbaraの「Researchers Present Evidence That a Cosmic Impact Destroyed a Biblical City in the Jordan Valley.(宇宙の影響がヨルダン渓谷の聖書都市を破壊したという証拠を研究者が提示する」というタイトルでソドムとのつながりを演じた)」という記事で売り込まれた。「Fire and Brimstone(火とブリムストーン)」というタイトルのサブセクションは、我々に、ロトの妻を塩の柱に変えという聖書の記述を思い起こさせる。

この方式はこの上なく、うまくいった。一日以内に、インターネットのクリックベイトからNewsweek, National Review, Forbesなど世界中のメディアで報道された。

1週間以内に、オンラインデータトラッカーAltmetricは、242,000アクセスされたことを示し、すべてのジャーナルで同年代の追跡された記事の99.98パーセンタイルに含まれた。論文の著者の1人は、自分のブログで、「For the time being, arguably, its [sic] the most read scientific paper on earth.(当面の間、間違いなく、地球上で最も読まれている科学論文である)」と述べた。

掲載日に論文は私のインボックスに入ってきたとき、Abstractの一文「Tunguska-scale airbursts can devastate entire cities/regions and thus, pose a severe modern-day hazard.(ツングスカ規模のエアバーストは都市/地域全体を荒廃させた可能性があり、したがって現代の深刻な危険をもたらす可能性がある。)」が目を引いた。というのは、これは私の専門分野であり、何十年にもわたって研究の対象としてきたので、この論文をよく読んだほうがいいと考えた。そして、他の科学者や懐疑論者の注目を集めたコメントスレッドをTwitterに投稿した。と同時に我々はすぐに懸念のある発見をした:「 Images from the Tall el-Hammam excavation had been photoshopped and rotated to match the hypothetical compass direction of the supposed blast.(トールエルハマム発掘からの画像は、想定される爆風の仮想のコンパス方向に一致するようにフォトショップで回転された。)」


Bunch et al.(2021)のFigure 15b: Bunch et al,は自分たちの主張を支持するように、北東に向かうブラストの方向に矢印を書き加えているが、彼らが切り取った北向き矢印とは矛盾している。

1994年に私が惑星衝突ハザードという新分野に参入した頃、、物理学者でCSIフェローであるRobert Parkが、本の一章「Can Defense against Asteroids Be Sustained?(小惑星に対する防御は維持可能か?)」という主著者として執筆した。Parkは、科学界は危険を真剣に受け止めるよう指導者たちを説得するために、「クスクス笑い」を克服し、科学者は公教育に焦点を当てるべきだと指摘した。「doomsday rock(破滅の岩)」や「killer comet(キラー彗星)」といったタイトルで恐怖を煽る記事を新聞に売り込めるかもしれないが、それでは、この問題についての科学界の信頼を損ねることになる。

幸いなことに、このような事実、公教育、アウトリーチ、研究にフォーカスするAsteroid DayやB612のような組織がある。しかし、最近設立されたComet Research Group (CRG)は、惑星防衛に従事する真剣な科学者たちの信頼を損ねかねないいもかかわらず、恐怖を煽ることが、自分たち自身のフリンジ研究の資金獲得の効果的手段であることに気づいた。

TCRGのIndiegogoページは言っている:

Killer Comets are Coming … Killer comets are a threat to Earth’s cities. Help do something about them … Killer comets are more common than you’ve been taught. Our mission is to prove it and to do something about it before your city is next … We are in serious danger, but with your help we can do something about it.

キラー彗星が迫っている・・・キラー彗星は、地球の都市にとって脅威である。これに対してできることを支援しよう・・・キラー彗星は君たちが教えられているより、もっと普通のできごとなのだ。我々のミッションはそのことを実証し、君たちの都市が破壊される前にできることをすることである・・・我々は真に危険な状態にある。しかし、きみたちの支援があれば、できることがある。




CRGは惑星防御に関与してはいないが、「Fire from the Sky Expedition(天空からの火探索)」を含む「look for comet fragments(彗星の破片を発見する)」中東への探検費用に3万5000ドルを集めることができた。これはおそらく、Trinity Southwest University (TSU)とVeritas International University (VIU)の共同事業であるTall el-Hammam Excavation Project (TeHEP)を指す。CRGとBunch et al.(2021)の共著者のうち7名が、ヨルダンに出張して、「君たちが教えられているよりキラー彗星は普通のできごとだと実証する」ミッションの一部として、彗星の破片を発見すると称する、TeHEP発掘に参加した。

TSUはニューメキシコ州アルバカーキニの小規模ショッピング・センターにある、非認証の福音キリスト教教育機関である。そのミッションのひとつが、「to uphold the divine authority of the Bible as God’s only inspired representation of reality to humankind.(神が人類に現実を表現する唯一の霊感を受けたものとして、聖書の神聖な権威を支持すること)」である。

VIU(旧 Veritas Evangelical Seminary)は、カリフォルニア州サンタアナのオフィスパークにあるキリスト教教育機関である。 それは聖書の無誤性、つまり聖書には誤りがないという信念に捧げられている。 VIUのWebサイトには次のように書かれている:

Inerrancy simply cannot be rejected without grave consequences, both to the individual and to the Church … This inerrancy isn’t just in passages that speak about salvation, but also applies to all historical and scientific statements as well. It is not only accurate in matters related to faith and practice, but it is accurate and without error regarding any statement, period.

個人と教会の両方に重大な結果をもたらすことなく、無誤性を単に否定できない・・・この無誤性は、救いについて語る箇所だけでなく、すべての歴史的および科学的声明にも当てはまる。それは信仰と実践に関連する事柄において正確であるだけでなく、いかなる陳述、期間に関しても正確で誤りがな。


TeHEPを主導する組織のアジェンダは、スポンサーやアマチュア発掘ボランティアに対して、隠されていない。実際、GoFundMeページでは、潜在的な寄付者に、「help us prove the veracity of the Bible(聖書の信憑性を証明するのに役立つ)」ために「Dig Sodom」プロジェクトに資金を提供することを検討するよう求めている。

TeHEPの主任考古学者兼ディレクターはSteven Collinsであり、その履歴書はオンラインで公開されている。彼は1990年からTSUの学部長を務めており、そこは彼自身が1997年に考古学と聖書史の博士号を取得したのと同じ教育機関である。また、VIUの考古学と聖書史の博士号プログラムのディレクターも務めている。

Collinsは、トールエルハマムが聖書のソドムであり、宇宙から侵入してきた物体のエアバーストによって破壊されたというアイデアを思いついた。2014年に、彼はPopular Archaeology誌に次のように語ってる。「We now have a slew of research scientists who specialize in this kind of thing working on samples from Hammam at several major university labs across the country. The interest that our ‘airburst’ is generating is quite amazing.(我々には、トールエルハマムからの標本を分析するような分野の専門家である、全米の著名な大学からの多くの研究者がいる。エアバースト」が生み出している関心は非常に驚くべきものである)」しかし、記事の著者によれば「控えめに言っても、これに関する学術的コンセンサスは言い表しにくい。」アイデアを思い付き、発掘の指揮をとったCollinsが、Bunch et al論文の共著者ではない理由は定かではない。

CRGは、イエスの架刑を示すスプラッシュページを備えた聖書考古学レビューなど、宗教的な情報源にリンクするWebサイトを持つ免税組織であ​​るRisingLightGroupに登録されている。 Rising Lightには、CRGの共同創設者兼ディレクターでもあるAllen Westも登録されている。

Westの経歴は、公開された履歴書がないために謎である。Westの経歴についての質問に答えたグループのブロガー(CRGの別の共同創設者およびディレクターとしてリストされている)によれば、「Allenは、自分には大した資格があると主張したことはなく、最初にあったときは、ネブラスカのどこだかわからない学校で博士学位を取得したと言っていた。」これよりは情報量のある本人のメールが引用されている。

I don’t have a doctorate in science; I was trained in geophysics while on the job, and worked for most of my career as a geophysical consultant. I also owned a licensed Texas consulting company for the oil-and-gas business. … I do have a doctorate in philosophy from a Bible college in Nebraska.

科学の博士学位は持っていない。私は仕事で地球物理の訓練を受け、これまでのキャリアを地球物理コンサルタントとして過ごしって来た。私は、石油ガス事業について、認定テキサス州コンサルティング会社を所有している。


Allen WestがGoogle検索に最初に登場したのは2006年のことで、彼は核化学者Richard Firestoneと共著で執筆した「Cycle of Cosmic Catastrophes: How a Stone-Age Comet Changed the Course of World Culture (宇宙的破局のサイクル: いかに石器時代の彗星が世界の文化の方向を変えたか)」だった。

WestはCollinsと同様に、爆発的にメディア報道してもらうアイデアを思いつくコツを持っているが、その分野の専門家からの科学的懐疑に直面することとなった。CSIフェローのDavid Morrisonが執筆した「Did a Cosmic Impact Kill the Manmoths?(宇宙的衝突はマンモスを殺したか?)」(Skeptic Inquiere May/June 2010)によれば、この本は、「おそらく超新星爆発が作り出した宇宙線によるカタストロフが更新世後期の北米北東部で起きた」というFirestoneの2001年の示唆を発展させたものだ。

独学の科学者であるWestは、訓練を受けた地質学者がフィールドワークを行うときに見逃している証拠を見つけ、訓練を受けた分析者がラボで見ることができない情報を引き出すことができるという優れた才能を示した。 2007年5月にアカプルコで開催されたアメリカ地球物理学連合合同会議で、Westは記者会見で共著者のFirestoneとともに、巨大な彗星の衝突またはエアバーストがクロービス文化を一掃し、北米全体でウーリーマンモスなどメガファウナの絶滅につながったという証拠の発見を発表した。

ある記者は、「なぜこれが今初めてわかったのか」と問うた。Firestoneは「十分な情報がなかったため、2001年以降に作業が止まっていた。しかし、「Allemが参加した」2004年頃にすべてが変わった。Allenは我々の現場担当であり、現地で、すべての標本を採取し、土を掘り、多くの標本を見つける方法を見出した。Allenは多くの標本を採取し、我々はそれを研究した。さらにWestは、これらの標本を分析する方法と、理解する方法を見出した」と述べた。

それは、Westの急速で目覚ましい名声の高まりの始まりにすぎなかった。National Geographicナのドキュメンタリーであるマンモスミステリー(2007年10月に放送)の撮影で訪れたカルガリーの化石倉庫で一人で働いているときに、彼が予測し、提案した宇宙爆発に起因する微小隕石が埋め込まれた巨大な牙を見つけた。

翌年、Westは大陸全体の衝突イベントの証拠を確認するものとしてナノダイヤモンドの発見を発表した。その年の後半、彼は発見した「メガビーストの突然死」に関するPBS NOVAエピソードに招待された。このエピソードでは、ナレーターが、ロックハンマーで標本を収集して、分析ラボへ搬出する画面が表示されたときの、Westのユニークな科学的才能について説明した。「In the past three years, West has dug into his retirement savings, shipping boxes of dirt to colleagues around the world, trying to solve the mystery. West has become his very own FedEx hub of Ice Age dirt.(過去3年間で、ウェストは彼の退職後の貯蓄を使って、謎を解こうとして世界中の同僚に土の箱を送った。 Westは、彼自身が氷河期泥のFedExハブと化していた。)」

NOVAは、2人の氷河の専門家をグリーンランドに派遣し、その時からの氷層への影響の証拠を探索した。研究者たちは、正確な層を見つけることはどれほどありそうもないことを強調したが、彼らが望むサンプルを収集できていて、適切な年代であればという希望を託して、準備のためにWesetに送った。

NOVAのナレーション:
Now it comes down to the nanodiamonds, which are also the hardest to process. Searching through samples from a seventeen-meter trench for evidence that is a million times smaller than a grain of sand is a very, very painstaking process. That job fell to Allen West. … The meticulous work is finally done, and West has managed to prepare samples for the transmission electron microscope.

今や、処理するのが最も困難な、ナノダイヤモンドに行きついた。17メートルのトレンチからのサンプルから、砂粒より100万分の1ほど小さい証拠を探すおんは、とてもとても骨の折れる作業である。これはAllen Westが担当した。細心の注意が払って、Westはなんとか透過型電子顕微鏡用のサンプルを準備することに成功した。


クライマックスシーンでは、チームは画面上に六角形のナノダイヤモンドを見て、チームのひとりは涙を流す。Wesetは最初のスイングで場外ホームランを打った。それは2008年のことだった。その後、2021年時点で、この発見は同じグループによってさえ再現できたことはなかった。

懐疑的な科学者たちが、Westがダイヤモンドだと主張したものののいくつかは実際にはグラフェンであり、炭素球は実際には真菌と虫の糞であり、他の主張された衝撃マーカーの有意な濃度はなく、12900年前のものと称する標本には現代の炭素が含まれていることを明らかにした論文を発表した。

2011年に、科学ジャーナリストRex Daltonは見事な暴露記事を公表していた。
The team’s established scientists are so wedded to the theory they have opted to ignore the fact their colleague “Allen West” isn’t exactly who he says he is. West is Allen Whitt—who, in 2002, was fined by California and convicted for masquerading as a state-licensed geologist when he charged small-town officials fat fees for water studies. (Dalton 2011)

>研究チームの名声ある科学者たちは、その理論に深入りしすぎていて、同僚である"Allen West"が自称しているものではないという事実を無視するようになっていた。Westは本名Allen Whittで、2002年に、州認可鉱山技師を装って、地下水調査費用として高額な料金を小さな町役場に請求して、カリフォルニアで罰金を科せられ、有罪になっていた。


我々の多くにとって、話はそれで終わりだ。我々はWestが取り扱ったデータは、もはやまったく信頼できない。私にとって、ネッカーの立方体を見ているようなもので、かつてと同じにはまったく見えない。NOVAはこれを見出したとき、彼らは「魔獣」から手を引いた。しかし、大半の共著者たちは、そんなことは気にしなかったか、防戦態勢を固めて、Westとの共著を続け、ソドムエアバースト論文へと至る、中東での聖書考古学発掘など共同作業を拡大した。

長年の協力者であるChristopher Mooreは、The Conversation ("Academic rigor, journalistic flair")に同日に掲載された、「A Giant Space Rock Demolished an Ancient Middle Eastern City and Everyone in It—Possibly Inspiring the Biblical Story of Sodom(巨大な宇宙岩石が中東の町と住人を破壊し、それは聖書のソドムの物語をインスパイヤしたかもしれない)」というタイトルの論文(Moore et al. 2021)の主著者である。

あるコメンターは、Westが有罪であるというRex Daltonの記事を引用した。それに対して、Westは「今も昔も有罪判決も詐欺もない」と応じた。というのは、Westは自らの犯罪記録からその有罪を抹消できていたからだ。実際、抹消の申し立てには、「2002年3月4日、私はサンベルナルディーノ郡高等裁判所でビジネスおよび職業法第17500条の違反の罪で有罪判決を受けた。」とあった。抹消しても、その経歴が消えるものではない。

ソドムエアバーストの論文で私が最初に気づいたことの1つは、著者が私のエアバーストモデルを完全に誤解しているか、誤った記述をしていることだった。さらに掘り下げてみると、他の多くの点で深刻な欠陥があることがわかった。Westに対する懐疑から、私は画像フォレンジックの専門家Elisabeth Bikに、画像のリンクを送った。Elisabeth Bikは、科学的不正行為の特定と論文の撤回に成功したことで最近大きな注目を集めている (Shen 2020)。 Bikは、デジタル改竄を示すいくつかのフィールド写真で反復要素をすぐに見つけた (Bik 2021)。

彼女の発見は、ある共著者によってすぐに否定された。「画像がフォトショップされたという告発は、断固として誤りだ。」しかし、すぐに別の著者であるブロガーによって確認された。ブロガーは「我々のグラフィックアーティストは、53枚の画像のうち5枚にわずかな外観上の修正を加えた」という説明で、取るに足らない「Pebblegate」として、批判を退けた。

最後に、Westは、デジタルで変更された現場で撮影された写真18枚のうち7枚のオリジナルを明らかにすることで、参戦したた。彼は、「骨や鉢植えなどの重要なデータを変更しなかった」と主張して、修正されたバージョンとともにオリジナル画像を提示した。しかし、写真は別のことを物語っている。メタデータは重要なデータであり、7つの画像のうち4つには、考古学者がデジタル編集した画像の向きを決めるために使用する北向き矢印がある。

&ref(
boslough-15b-1024x376.jpg
https://image01.seesaawiki.jp/t/t/transact/51VwzyR...
批判に対抗して、PubPearにAllen Westがアップロードした7組のオリジナルと修正後の画像のひとつ。他の画像から、オリジナルの最下部の赤いオブジェクトは、10時を指し示す北向きの矢印だった。

ソドムエアバースト仮説は、聖書の無誤性を満たすために、ロトの妻を柱に変える塩の流入も必要とした。そのため、爆発は南西にある死海北部で起きていなければならなかった。発掘ディレクターのCollinsは、2020年6月5日の動画「Toweling Down Episode 2」で、次のように述べた「It came from the southwest. … One of the most important things is the directionality.(それは南西から来た。最も重要なことの1つは、方向である。)」

北向きの矢印がない場合、1月にその緯度で太陽が不可能な方向から輝いていることを示す影がある図44cで明確に行われたように、写真の向きを変えることができる。


Bunch et alのFigure 44cで、これもフォトショップされている。太陽の方角は影から推定できるが、冬のトールエルハマムの緯度で撮影された写真に追加された北向きの矢印は矛盾している。この色付き矢印は、写真の特徴を指し示すために、Bunch et alによって追加されたものである。

間違いなど悪意がないという説明を排除できない。そのため、メタデータが損なわれていない写真のオリジナルデジタルファイルを独立した研究者に提供する必要がある。私の同僚の何人かは、この論文の対応する著者であるWestにこの情報を要求した。

しかしながら、これらの聖書的に正しい画像の回転は、ここで言い換えると、3つのスポンサー組織すべての指示を満たしている。

CRG: Our mission is to prove that killer comets are more common than you’ve been taught.
我々のミッションは、キラー彗星が教えられているよりも、普通の出来事であることを実証することである。


TSU: The Bible is God’s only inspired representation of reality to humankind.

聖書は、人類に対する神の唯一の霊感による事実の表現である。


VIU: Biblical inerrancy applies to all historical and scientific statements.
聖書の無誤性は、すべての歴史的および科学的記述に適用される。


地質学者や考古学者など、他の対象分野の専門家によるこの論文に関する多くの追加の批判的なコメントを知っている。そのうちのいくつかはすでに論文誌掲載のために投稿されている。画像の非公開で不適切なデジタル改竄んは、他の証拠も同様の誤った取り扱いをした可能性を示唆している。

惑星防衛への長年の貢献者として、私は最初に、エアバーストが影響リスクに多大な貢献をしていることを示唆し、地質記録で先史時代のエアバーストの証拠を探すことを提唱した。この論文が、私のコミュニティの信頼性を損なう新しい「「クスクス笑い」に寄与するのではないかと心配している。私は、エジプトでの2回のエアバーストの地質学的証拠に関する論文を共著で執筆した。そして、チリでの古代のエアバーストの証拠を発見した私の同僚によって、新しい論文が発表されたばかりである(Schultz et al.2021)。宇宙エアバーストは本物であり、真剣に受け止められるべきである。

しかし、ソドムが隕石落下によるものだという主張は、塩の柱とともに行うべきだ。

Acknowledgments

This article was written with the help and advice of my valued colleagues David Morrison, Clark Chapman, and Alan Harris to whom I am very grateful.

References

Bik, E. 2021. Blast in the past: Image concerns in paper about comet that might have destroyed Tall el-Hammam. Science Integrity Digest (October 1).
Bunch, T.E., et al. 2021. A Tunguska sized airburst destroyed Tall el-Hammam a Middle Bronze Age city in the Jordan Valley near the Dead Sea. Scientific Reports 11(1): 1–64.
Dalton, R. 2011. Comet theory comes crashing to Earth. Pacific Standard (May 14).
Moore, C.R, et al. 2021. A giant space rock demolished an ancient Middle Eastern city and everyone in it—possibly inspiring the biblical story of Sodom. The Conversation (September 20).
Shen, H. 2020. Meet this super-spotter of duplicated images in science papers. Nature 581: 132–136. Available online
Schultz, P.H., et al. 2021. Widespread glasses generated by cometary fireballs during the late Pleistocene in the Atacama Desert, Chile. Geology (November 2). Available online

Further Reading

Boslough, M. 2014. Airburst warning and response. Acta Astronautica 103: 370–375.
Boslough, M.B.E., and D.A. Crawford. 2008. Low-altitude airbursts and the impact threat. International Journal of Impact Engineering 35(12): 1441–1448.
Boslough, M., et al. 2012. Arguments and evidence against a Younger Dryas impact event. In Climates, Landscapes, and Civilizations. American Geophysical Union 198: 13–26.
Boslough, M., et al. 2015. Updated population and risk assessment for airbursts from near-earth objects (NEOs). In 2015 IEEE Aerospace Conference.
Dalton, R. 2007. Mammoth tusks show up meteorite shower. Nature. Available online
Fernandez, S. 2021. An ancient disaster. The Current (UC Santa Barbara) (September 20).
Firestone, R., et al. 2006. The Cycle of Cosmic Catastrophes: How a Stone-Age Comet Changed the Course of World Culture. New York, NY: Simon and Schuster.
Firestone, R.B., et al. 2007. Evidence for an extraterrestrial impact 12,900 years ago that contributed to the megafaunal extinctions and the Younger Dryas cooling. Proceedings of the National Academy of Sciences 104(41): 16016–16021.
Morrison, D. 2010. Did a cosmic impact kill the mammoths? Skeptical Inquirer 34(3): 14–18.
O’Grady, C. 2021. Scientists rally around Elisabeth Bik after accusations of harassment and blackmail. Science 372: 1021–22.
Park, R.L., et al. 1994. The lesson of Grand Forks: Can a defense against asteroids be sustained? In Hazards Due to Comets and Asteroids. Tucson, AZ: University of Arizona Press, 1225–1230.
Singer, N. 2007. Sandia supercomputers offer new explanation of Tunguska disaster. Sandia National Laboratories news release (December 17).





コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Menu

サブメニュー

kumicit Transact


管理人/副管理人のみ編集できます