創造論とインテリジェントデザインをめぐる米国を中心とする論争・情勢など

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BYU学生の進化論に対する考えの変化


末日聖徒イエス・キリスト教会の所有・運営するフラッグシップ大学であるBrigham Young Universityの生物学非専攻学生についての、長期変化及びコース受講前後の変化についてのBradshaw et a.(2018)の調査研究によれば、地球上の現在の生命の有効な説明として、末日聖徒イエス・キリスト教会の若者が進化論を受け入れる方向にシフトしていることを示している。
William S. Bradshaw ,Andrea J. Phillips ,Seth M. Bybee ,Richard A. Gill ,Steven L. Peck ,Jamie L. Jensen: "A longitudinal study of attitudes toward evolution among undergraduates who are members of the Church of Jesus Christ of Latter-day Saints", PLOS/ONE 2018/11/07

Polling data reveal a decades-long residual rejection of evolution in the United States, based on perceived religious conflict. Similarly, a strong creationist movement has been documented internationally, including in the Muslim world. Members of the Church of Jesus Christ of Latter-day Saints (LDS, Mormon), a generally conservative denomination, have historically harbored strong anti-evolution sentiments. We report here a significant shift toward acceptance, compared to attitudes 30 years earlier, by students at Brigham Young University, which is owned and operated by the LDS church. This change appears to have multiple explanations. Students currently entering the university have been exposed to a much-improved introduction to evolution during high school. More importantly, there has been a significant decrease in negative messaging from Church authorities and in its religious education system. There is also evidence that current students have been positively influenced toward evolution by their parents, a large percentage of whom were BYU students, who earlier were given a strong science education deemed compatible with the maintenance of religious belief. A pre-post comparison demonstrates that a majority of current students become knowledgeable and accepting following a course experience focused on evolutionary principles delivered in a faith-friendly atmosphere. Elements of that classroom pedagogy, intended to promote reconciliation, are presented. Our experience may serve as a case-study for prompting changes in acceptance of evolution in other conservative religious groups.

世論調査データは、米国における数十年にわたる、認識される宗教摩擦に基づく進化論拒否の残存を明らかにしている。同様に、ムスリム世界を含む全世界で、強力な創造論者運動が記録されている。末日聖徒イエス・キリスト教会(LDS, モルモン教)の信者は、一般に保守優位で、歴史的に強い反進化論センチメントを維持している。我々は、LDSが所有・運営するBrigham Young University(BYU)の学生たちが、20〜30年前と比べて、進化論を受け入れる方向にシフトしていることを報告する。この変化には複数の説明が考えられる。現在、大学に入学してくる学生たちは高校の頃に、はるかに発展した進化論入門に接してきている。さらに重要なのは、教会権威者からの、及び宗教教育機関でのネガティブなメッセージが大きく減少していることである。現在の学生が両親から進化にプラスの影響を受けているという証拠もある。この両親たちの大部分はBYUの卒業生であり、当時は宗教的信念の維持と両立すると思われる強力な科学教育を受けていた。前後(20〜30年前と)の比較は、現在の学生の大多数が、信仰に優しい雰囲気の中で提供される進化論の原則に焦点を当てた授業を受けて、進化論の知識があり、受けいれるようになっていることを示している。和解を促進することを目的とした、その教室の教授法の要素を提示する。我々の経験は、他の保守的な宗教グループにおける進化論の受容の変化を促すための事例研究として役立つ可能性がある。

コース受講前の調査は...

Fig 1. Pre-essay comparison in non-majors biology.
This is a comparison of the distribution of essay themes in the non-majors biology courses (Biol. 100) between 1987–1996 (light bars) and between 2014–2016 (dark bars). Themes are abbreviated and ordered, approximately, from least accepting (left) to most accepting (right).

生物学非専攻学生によるエッセイテーマ分布の1987-96(白色)と2014-2016(暗色)の比較。テーマは短縮し、最も受け入れない(左)から最も受け入れる(右)の順に整列
Categoryカテゴリ提示された説明
offensive攻撃的「進化論は屈辱的だ(人間と低い形態の生物に関連があることに嫌悪感・不快感)」
improbableありそうにない「進化論はありそうもない(ばかげた考え-ナンセンス-おそらく真実ではあり得ない」
falwed theory過てる理論「進化論は理論(おそらく重大な欠陥を含む「第2クラス」の概念)にすぎない
discomfort不快「生物進化について一般的な不快感、恐れ、または混乱を抱えている」
religious conflict宗教的摩擦「進化論は、私が持っている(または教えられてきた)宗教的見解と矛盾しているので、進化論を信じていない」
avoidance回避その主題を避けている。それを論争や否定的な感情と関連付け、精神的に気をそらしている」
no opinion無意見「基本的に進化論について無知であり、意見もない。もっと学ぶべきなのだろう」
not important to resolve重要でない問題の解決は私にとって優先度の高い問題ではない」
equivolcaあいまい「進化論を信じているが、信じていない。説得力のある証拠もあれば、そうでない証拠もある」あるいは「進化論は肉体を説明できるが、人間の満足のいく全体像を提供するには不十分」
adaptation pnly適応のみ「適応はあるかもしれないが、主要な動物の境界を越えた進化はない」
man is different人間は別「人間はユニークである。進化論はより低い形態の生物に適用されるかもしれないが、人間には適用されない」
acceptance受け入れ「進化論は生物の起源と関連性を反映した有効な概念である」あるいは「進化論の考えを自分の神学的理解と調和させることができる」

コース受講後の調査は...

Fig 2. Post-essay comparison in non-majors biology.
This is a comparison of the distribution of the themes of change (or no change) of the post-essays following a semester in the non-majors biology courses (Biol. 100) between 1987–1996 (light bars) and between 2014–2016 (dark bars). Themes are abbreviated and ordered, approximately, from least accepting (left) to most accepting (right).

コース後のエッセイのテーマの変化(あるいは変化なし)の分布の1987-96(白色)と2014-2016(暗色)の比較。テーマは短縮し、最も受け入れない(左)から最も受け入れる(右)の順に整列
Otherいずれにも当てはまらない、その他
Change to rejection#1と比べて、有効な概念としての進化論を拒絶する方に変わった
No change, still reject (religion)#1と変わらず、主に宗教摩擦のために、依然として拒否
Change to confusion#1と比べて、大きな混乱または不快感への変化
No change, still confusing#1と変わらず、混乱中
Don't care特に関心はない。重要ではない
Change to tolerance#1と比べて、異なる視点を許容する方に変わった
Change to acceptance, but not man#1と比べて、人間以外の進化を受け入れに変わった
No change, steill accept, but not man#1と変わらず、人間以外の進化を受け入れる
Change to acceptance#1と比べて、有効な概念としての進化論を受け入れに変わった
No change, still accept#1と変わらず、有効な概念としての進化論を受け入れ
Got evidence to support previous acceptance当初の受け入れは、説得力のある証拠で検証された

この調査研究の初回調査期は間1987–1996年だが、その途中の1992年にBrigham Young University末日聖徒イエス・キリスト教会の「進化と人間の起源」についての公式的立場を表明している文献集をまとめて公開している






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