スマブラのエロパロスレまとめ

一周年とは、全く関係ないものを投下。
内容はゼルダ(黒色)×ガノンで、やんわりダーク寄り。


「……」

 一人の大男が、その巨体に似合わぬせまい書斎のような個室で、これまたスペースを占
有する巨大な机を目の前に、深い深い椅子に身を沈めている。
 その名を、ガノンドロフといった。
 彼はハイラル全土を、恐怖の底にたたき落としただけでなく、このスマッシュブラザー
ズの世界においても、すべてを破壊しようと欲望をたぎらせた魔人だ。

 そんな男でも、今は紆余曲折あり、ひとまず休息の時に居る。
 住居は定めずスマッシュブラザーズの試合があるたび、この世界を飛び回る風来坊の真
似事などをやっていた。
 そして、ここしばらくは、空中スタジアムの選手寮を寝床にしているのだった。
 ただし個室にあった既存のインテリアなどには決して満足せず、上で書いたような異様
な家具を誰それに命じ、つぎつぎに運び込ませて自分好みに造り替えてしまうあたりが、
やはり魔王の器であろう。

 この日はすでに時刻も遅く、天には紅く輝く満月が浮いている……。
 そんな夜のことだった。
 ふわっ、と部屋に風が動いたかと思うと、

「こんばんは」

 と、銀髪の下に漆黒のドレスで身を包んだゼルダが、ガノンの個室にひらりと割り入っ
てきたのだ。
 珍客である。
 しかも掌には小降りのトレイを支え、その上に血のように朱いワインの満たされたボト
ルと、磨き抜かれて宝石のように輝くグラスが置かれている。
 落さぬように、ゆっくりと歩を進めながらガノンの目前へ迫ると、しかし彼は目をとじ
たまま来客に応対した。

「……ほう小娘、貴様が俺の部屋に出向くか。どういう風の吹き回しだ」
「別に構わないでしょう。貴方と私は、敵同士という訳でもないのですから」

 ゼルダとガノン。
 それは本来であれば、ハイラルを護る者と、侵略する者同士であり、完全な敵対関係に
ある間柄のはずだった。
 しかし、ここ「スマッシュブラザーズ」の世界においてはその限りではない。
 なぜなら彼らは、あくまでハイラルに生きる者たちを模して造ったフィギュアが、一種
の仮想空間に具現化された存在であるからだ。

 フィギュアは無機物だけに、同じ人物のものでも何通りもあり、仮想空間に具現化され
る際に変化を受けることが、時々あった。
 たとえばこのゼルダ……。
 本物は清潔を好み、その衣服もドレスから部屋着に至ってまで、白を基調とした明るい
色を好むはずが、逆に暗色を基調とした、じめっとした妖しさを演出するのを好んだ。
 人柄もそれに合わせた風であり、他のゼルダが正義と気品を重んじる傾向にある中で、
むしろ、そういうものを疎むところがある。

(人はもっと欲望に素直であっていいはず。彼らは、あまりにも潔癖すぎる)
 だけに、いわゆる「正義の味方」と目される衆の中では、浮いた存在になっていた。
 そんな彼女にとっては、クッパやワリオといった、勝手気ままに生きている連中の方が
理解できたし、中でも本来はカタキ役であるガノンは別格である。
 圧倒的武威をもって全てを制圧していく、という古典的英雄の姿を地でいくところは、
ここに集う他の人間との対比もあって、極めて魅力に映ったのだ。

 彼はこの世界においても、ただ唯一のガノンドロフである。
 なぜなら「この世に俺は二人といらぬわ」と、他のガノンフィギュアをせん滅してしま
ったからだ。
 それを目の当たりにした時、このゼルダは、

(歴史は常に強者へ微笑んだ。ああいう男にこそ、身体を捧げてみたい)

 と、さえ思ったものだった。
 だから、

「今日は乱闘を数こなして、お疲れでしょう? 良いワインをお持ちしましたわ」

 ゼルダはトレイをガノンの目前に置き、血の色のワインをトクトクとグラスに満たしな
がらいった。
 その時になって初めてガノンは目を開く。

「なにを、企んでいる」
「さて何も。ただ、お部屋も近かったことですし、せっかくですから友好でも深められた
らと思った次第ですわ」
「変わり者のゼルダだな」
「私にしてみれば、他が変わっているんです」
「……フ、そうか」
「ええ。ところでディナーもお持ちしましたが、召し上がりませんか?」

 ゼルダはワインを置いて、手ぶらになった状態のままいった。

「ディナーか」

 それの意味するところを、ガノンは差し出されたワインと共に飲み下す。
 と、それを了承の合図に見たゼルダは、彼の背から細い腕を回してしなだれかかった。

「お好きに、ご賞味ください」

 ガノンはその腕を取ってゆるりと立ち上がっていく。
 座っていても巨大な男だから、立てば、ぬうっとした不気味ささえ感じさせるのだが、
ゼルダは威容を前にして、暗く微笑むのだった。

「なるほどな、この世界は悪くない。破壊しなかったのは正解かもしれぬな」
「ええ、ハイラルの世とは違います」
「もし本物のゼルダがお前の様あったら、面白かったろうに」
「歴史や人生に、もしも、はありませんよ。ガノン。私も、貴方も、この世界だからこそ
存在できたのです」
「かりそめの命どもが織りなす歴史でも意味はある、か。いつもとは違う次元で生意気な
事をいう王女だ」
「では、ご自慢の力でもって、生意気を押し込めてくださいませ。ねぇ……?」
「容赦はせんぞ」

 そういうと、ガノンは片腕でゼルダを抱きすくめたまま、もう片腕で彼女の胸元が覗く
隙間に親指を入れると、力任せに引きちぎってしまった。
 止めを失った漆黒のドレスは、重力に引かれてぱさりと床にこぼれおち、中から暗色の
下着に護られた、艶やかで張りのよい肢体が現れる。

「ああ、仕立てるのに時間がかかるドレスなのに」

 ゼルダは尖った鼻先を相手にぶつける様にして抗議するが「後からもっと良いドレスを
くれてやる」という言葉と共に、巨大な机の上に押し倒されると、そのまま乱暴に唇を奪
われてしまった。
 しかし、それが心地よい。
 まかり間違っても、あの勇者はこんな真似をできまい。
 ゼルダはそんなことを想いつつ、ガノンの口付けに身をよじって応じた。

「うっ……うう、うぁ」

 呼吸を遮断されて肢体が呻く。
 すると、ガノンの両手が乳房を包み、そこから黒い霧が出でてくる。それが彼女の全身
を撫でるように包むと、白い肌へ染みこんでいった。
 なにかの魔法であろう。
 証拠にゼルダはとろけるような甘美を肉体に受け、ビクン、と反応を示した。

「ひ、ァっ、あぅ」
「少し感度をよくしてやった。どうだ?」
「あん、ず、ずるぃ」
「褒め言葉だな」

 ガノンはいいながら、するするとゼルダの上半身を護っていた最後の絹を解いていく。
 すると今の霧のせいか、肩の肉にツツと触れる太い指の感触さえも、ゼルダにとっては
秘部をなぞられるかのような電流に感じるから、たまらなかった。
 防護を剥ぎ取られ、露出した乳房に重ね合わされるガノンの片手から与えられる刺激な
どは、先ほどよりも数倍は激しいのだ。

(このまま、下半身にまで手が伸びてきたら……そのあとにこの男と一つになったら、ど
んな事になってしまうだろう)

 待ち受ける未知の快楽に、ゼルダは大きな恐怖と、それに内包された爆ぜるような期待
をもって、息をもらしていく。
 そしてそれはすぐさまに現実のものとなる。
 ガノンの残った方の手が、じわじわと下半身を護る絹と肌の間に潜り込んで、五対の指
を躍らせはじめた時、

「あ゙ッ……ひ、ひぃぃ……ッ」

 下腹部から腹の底へ、そして脳天へと駆けめぐるような衝撃が彼女を襲った。
 あまりの刺激に全身が引きつって、顎が天を向いていく。その口からは透明な液体が漏
れて滴り、わずかに涙さえも流れるほどだった。
 ただ、指で弄ばれているだけなのに、である。

「これ、う、嘘で、しょ……う」
「俺の魔力を甘くみないことだな」
「あ、あ、あぁっ……」
「まあいい。とりあえずは一度、昇天させてやろう」

 自身の腕の中で震えるゼルダに向かっていうと、ガノンはそれまで彼女の下腹部で躍ら
せていた指を止める。
 代わりに肥大化し凝り固まっていた突起をつまみ上げて、ひねりあげてやった瞬間、

「あがっっ、き……ひぃ、ぃ、ィ…………ッ!!」

 ゼルダは風切り音のような、奇妙な悲鳴をあげると肢体を、ぴぃん、とのけぞるように
硬直させる。
 そのまま声を出し切るとぐったりとし、数秒間か、あるいは数分間か、ガノンに抱かれ
たまま、荒い呼吸を繰返す人形と化するのだった。
 その様をガノンは無表情に見つめていたが、やがて呼吸を取り戻したゼルダは、なんと
か頭だけでも動かすと、彼に視線を合わせる。
 彼女の瞳は、まるで黒い炎が宿っているようであった。

「ふ、うふ、ふ」
「どうした。まさか、もう気をやってしまったのか」
「い、いいえ……。でも、凄い。癖に、なりそう」
「こんなもので中毒になられてはつまらん」
「ごめんなさい。まだ貴方は少しも、気持ちよくなっていませんものね」 

 そういい、ゼルダはガノンを押しのけつつ起き上がると、今度は自分から唇を重ね合わ
せ、深い口付けを求めた。
 するとガノンはその唇を押し開き、さきほどよりも入念に、口の中の柔肉という柔肉を
全て、舐め取ってしまうかのようにゼルダを貪ってくる。
 負けじと彼女もガノンを味わった。

「あふ……ぅ」

 やがて、十二分にお互いを味わった後、ゆるゆると唇を離す。そしてそのまま、ゼルダ
は緩やかな拘束から抜け、

「ふふ……じっとしてて下さい。すぐにお礼をいたしますわ」

 いって、ガノンの着用していた鎧装束とでも呼ぶべき、アーマーと繊維で形作られた複
雑な衣装をひとつひとつ器用に解除しはじめた。
 まず上半身の装束を剥ぎ取れば、鍛え抜かれた肉体が現れる。
 その、厚い胸板を目の当たりにしてゼルダは火照るような息を吐くのだったが、見とれ
ながらもメインディッシュにかかった。

 股間は、すでに天をも突き破るかのように隆起していて、女のしなやかな手が伸びるの
を待ち受けている。
 ゼルダはその期待に迷うことなく応え、ガノンの下半身をまとっていたものを全て引き
ずり降ろしていった。
 そして、ボロン、と見るも巨大な一物が現れると、同時につうんと鼻をつく臭気が淫ら
に昂ぶった心を、さらに狂わせていく。
 たまらずゼルダは生唾を飲みこみ、

「はあっ」

 と、また熱い吐息を漏らすのだった。
 しばしそのままだったが、ふと散らばった銀髪をかきあげると、抜けるように白い肌と
は対照的に毒々しいほど紅がかった舌を垂らす。
 それでもって膨れあがったペニスの先っぽを舐め回して円滑を得ようとした時、ガノン
が小さくうめくのを、ゼルダは聞き逃さなかった。

「ふふふ」

 快楽を感じているのを理解した上で、あえてガノンの嫌う媚びた表情をつくって、上目
づかいに彼を見ながら、舌を動かし続ける。
 余った手では袋をやわやわ揉みし抱きながら……。
 やがて、肉の竿全体に十分な円滑が行き渡ると、そのまま大口を開けて、反りあがった
ペニスをずるずる飲み込んでしまった。
 そしてストロークが始まり、ゼルダは唇と舌、そして喉を最大に使ってガノンに奉仕を
ささげてゆく。
 すれば巨大だったペニスはさらに膨張し、彼女の口内を圧迫するから、もはや竿と口と
の隙間が塞がるようだった。
 ゼルダは苦しげに顔を赤らめる。
 だが、小さく涙をこぼしながらも甘い刺激をガノンに贈るまで止めず、やっと息継ぎを
しに唇を離しかと思うと、すぐにまた、しゃぶりついていく。
 それが幾度も、幾度も、繰返された。
 やがて……

「う、む」

 さしものガノンも快楽物質に脳を汚染されはじめたのか、ごつい掌で彼女の頭を抱える
と腰を振り始めた。
 巨大なモノで乱暴に喉を突かれてゼルダが嘔吐く。
 が、その肢体は震えて官能を示し、さらに奉仕は続いていった。

「ン、ウゥッ、うッ……!」
「オオ……」

 二つのうめき声が交差する。
 だが、それが何度か部屋に充満していったある時、ふっと動きが止まると、口から一物
が引きずり出された。
 ゼルダが名残惜しそうになる。

「んはっ。あん、お気に召しませんでしたか?」
「いいや、悪くなかったぞ」
「では?」
「褒美をくれてやる。後ろを向け」

 その言葉を聞いたゼルダの表情が、また淫らに崩された。

「はい……」

 ガノンに言われたまま、くるりと彼に対して背を向けて、例の巨大な机に手を突き、腰
を上げると、後は期待に満ちた瞳を机の木目に走らせる。
 まだ彼女には下半身を護る絹が残されているが、それは自分からは剥がない。
 ガノンに剥いでもらうことで、彼の征服欲を満たし、同時に、自分の心奥底に渦巻く、
マゾヒスティックな欲望をも満たせるからだ。

 願いはすぐに現実のものとなり、絹の下からだいぶ湿った陰部が顔を覗かせた。
 そこへガノンの色々な体液に塗れたペニスがなすり付けられて、いよいよ結合の準備が
開始されるが、ゼルダはさきほど彼に浴びせ掛けられた魔法のせいで、肉と肉がちょっと
こすれるだけで、全身をびくつかせて悶えなければならなかった。

 それが面白いのだろう。
 ガノンは、意地悪にペニスの先端を陰部にわずかめり込ませては、また抜いて擦り付け
るを繰返す。
 すると、耐えきれなくなったゼルダが浅ましく腰を振りはじめた。

「あ、あああ、もう嫌ぁ、早くしてください」
「そう急くものでもあるまい」
「だめ、ど、どうかお慈悲を……」
「どうしてもか」
「ええ、どうしてもっ」
「ならばよかろう」

 その言葉を契約に、ガノンの一物が陰部の奥深くへねじり込まれていった時、

 ――ドクン。

 今までとは、比較にならない快楽がゼルダの体中に襲いかかる。

「ァ、うァ、、あ、ひ、ひぁああッッ!!」

 あとは、もう言葉にもならなかった。
 悲鳴のような、嬌声のような、はたまた甲高い笑い声のような、どれにも形容しがたい
音色を部屋中に響かせて、ゼルダが狂う。
 その後ろを、魔王の笑みを張り付かせたガノンが執拗に腰を打ち付け、責めたてる。
 肉が肉に叩きつけられ弾かれる音に、粘度のある体液が絡み合ういやらしい水音が混ざ
りった二重奏がBGMの狂乱だった。

「あ、ああッ、ひっ、ひっ、あはっ」

 ゼルダの喘ぎ声は止むことがない。どころか、快楽が高まるにつれて速度を増していく
注挿に合わせて、断続を早めていくのだ。
 これにはガノンも興奮を隠しきれなかった。
 というのも、じつをいえば自分の責めについてこられる女など、ハイラル世界での記憶
にはほとんど無いのだ。
 そこに、本来は宿敵であるはずのゼルダが、責めれば責めるほど、さらに狂った痴態を
見せて応えてくる。

(よもや、あの女の具合がこれほどに良いとはな)

 それは単なる支配欲が満たされるのとは、次元の違う満足感であっただろう。
 加えて、肉壁のざらつきも、締まりもいい。
 自然と動きは衝動的になっていった。

「いいぞ、ゼルダ。俺が思った以上だ」
「んッ、う、うふ、うふふふっ、私を、誰とお思いですか? 魔物共はむろん、そこらの
平民とは、なにもかもが違う……んですっ。あんっ」
「それがお前の本音か」
「私は本物より……うッ、極端なのでしょう、この、魔女のような銀髪が示すように。
 けれど、人間とはそういうものです。本物だって心のどこかに、必ずそういう想いがあ
る。どんなに、取り澄ましていても……」
「ふ、ふはは……面白い。気に入ったぞ」
「光栄です、わっ」

 結合して快楽を貪りあいながらのたどたどしい会話で、しかしゼルダが深層意識に抱え
ている「女」の部分の感情を、ガノンは知った。
 その生々しい自我こそは、彼が賞賛し愛すものである。
 となれば、それを全面に押し出したこの「ゼルダ」は、その美しさも相まってガノンの
肉欲を最大限まで引き出したに、違いあるまい。
 彼は猛った。
 狂乱の最後が近くなると、魔力をいましがたゼルダに出し入れしているペニスに集中し
はじめる。

「俺の魔力を分けてやる。だいぶ刺激が強いが死にはせんだろう。安心しろ」
「えっ……あ、あれ以上、敏感にされたら」
「遠慮することはない。受け取るがいい」
「ま、待っ」

 ガノンは有無をいわさず、とどめとばかりにペニスを激しく打ち付けてから、ややのけ
反るような姿勢のまま硬直すると、ドクドクと精液を放出しはじめた。
 ただの子種ではない。
 恐るべき魔力を詰めた砲弾のような代物である。
 ゼルダは、そんなものを体内に直接、ぶちまけられたのだ。
 大量の魔力を吸収してしまい、一瞬、時が止まったかのような静寂のあとに、

「うあ、あ……あ゙ーーーーーーーーッッ!!」

 まるで家畜が屠殺される時のような断末魔をあげて、視界に火花を散らしながら絶頂の
果てに連れ去られていった。
 気を失い、崩れ落ちる。
 それを見届けてからガノンはペニスを引き抜く。
 溢れた精液が滴り落ちた……。
 そして動かなくなったゼルダを抱え持って、その身を部屋に備え付けられていた妙に簡
素なベッドに寝かせる。
 寝かせてから、その上より大きな掌をかざした。
 すると。
 まばゆい光が溢れて、濁流のように彼女へと降り注いだかと思えば、次の瞬間には、今
までの交じり合いで付着した体液は跡形もなく消え去って、さらには衣服まで元通りとな
ってしまう。
 しかも口約通り、先ほど破り捨てたドレスより美しい。
 それだけでは終わらず、部屋のあちこちに飛散した汚れまで、ついでとばかりに消え去
っていたのだ。

 転移魔法かなにかの応用であろうか。
 そうにしても並大抵の威力ではないのに、ガノンの平然とした表情を見るに、これらは
大した労力もかからない業であるようだった。
 それも終わると、彼は再び深い椅子に収まって、まどろんでいった。


・・・


 それから数刻。
 ゼルダが目を開けると、見慣れない天井の形が視界に飛び込んでくるのが、認識できた
……と同時に、さきほどまでの事を一瞬で思い出したようだった。
 だるさを感じることもなく、逆に芯の底からみなぎってくるような力を感じて、ゆっく
りと起き上がる。

 すると、自分が部屋に来た時と同じように瞑想状態にあるガノンの姿があった。
 ゼルダはベッドから降りると、妙に肌触りよく着心地の良い黒のドレスを着せられてい
るのに気づき、それを撫でながら、ガノンに近づく。
 耳元にそっと寄り、

「先刻は失礼いたしました。素晴らしい力までいただいたのに……でも、またお願いしま
すね。大乱闘でも『タッグ戦』でも……ふふ」

 と囁くと、ガノンからは目をつむったまま

「楽しみにしておく」

 一言だけ答えが返ってきた。
 それにゼルダは淫靡な笑みを浮かべると、静かに部屋を退出していくのだった。


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