スマブラのエロパロスレまとめ

 きらめく照明が広大なフィールドを飾る、スマッシュブラザーズ最大の競技場
「ポケモンスタジアム」。最大で10万人の収容人数を誇るエンターテイメントの場だ。

 フィールドでは現在、トーナメントのトップを争うキャプテン・ファルコンとサムス・アランの
熾烈なバトルが繰り広げられていた。
 二人は同じバウンティ・ハンターということでライバル関係にあり、
実際、この組み合わせによるバトルは、燃える展開が好きな観客からは絶大な支持を得ている。

 実力的にも二人は伯仲しており、どちかが勝つかは予測しにくい。
また、それがマンネリを招かず常に新鮮な戦いを披露してくれる要因作りに一役買っていた。

 そして、このスタジアムは通常・草原・岩場・火山・渓流の
五つの環境をランダムに変化させる機能を持っており、観客の眼を飽きさせない。
おまけにスタジアムらしく、巨大なモニターが用意されており
フィールドから遠い席でもバトルがよく観戦できるようになっている。

 スマッシュブラザーズには全部で二九のバトルフィールドが用意されているが
このポケモンスタジアムはその中で最も人気が高かった。
 人気の組合せと、人気のフィールド。パーフェクトな展開に観衆の熱狂はいまや頂点に達していた。
スタジアム内には怒号のような声援が木霊する。

 しかし、湧き上がる観衆に混じり、ひとり浮かない表情でためいきを吐く女がいた。

「羨ましい……」

 と、呟くのはゼルダ姫であった。
ハイラルの王女にして、知恵のトライフォースを持つ女。

(黄金の様な輝きを放つ、三つの三角石。それぞれが力・勇気・知恵のトライフォースに分けられ、
手にした者にはトライフォースの能力が与えられる。
そして三つを揃えた者は、万物を創造せし神の力を行使できると伝えられている)

 聡明である彼女は、簡単には心の流れを乱さない。その言動はさながら清流のようであった。
それがどうしたことだろう、いまやゼルダの心は濁流が支配していた。
 ゼルダは再びつぶやく。

「羨ましい、本当に」

 そういって、スタジアムのフィールド内に目をやる。
ファルコンが繰り出したエルボーを直に受け、吹っ飛ばされるサムス。
勝負ありかと思いきや、まったく慌てる事なくガンポッドから
グラップリング・ビームを壁に突き刺すと、反動で身を翻しフィールドに復帰する。

 見事な復帰に観衆がまたしても沸いた。

 だが、ゼルダは黙ったままだ。
 彼女は嫉妬していた。
何にであるか――キャプテン・ファルコンとサムス・アランの関係に、である。

 場数を踏んできた二人のクールな立ち振る舞いに、観衆などは気づきもしなかった。
だが、聡明なゼルダは知っていた。二人がただのライバルにとどまっていない事を。
彼らはバウンティ・ハンターとしてお互いの実力を認め合った良きライバルであると同時に、
プライベートでは男と女として、最良のパートナー同士である事を。


 無論、自分にも想い人はいる。ハイラルの勇者、勇気のトライフォースを持った青年剣士リンク。
しかも二人はファルコンとサムスの関係と違い、誰しもが認める所であった。
麗しき王女と勇猛なる騎士のラブ・ロマンス。夢想家なら一度は夢見る恋物語だ。

 しかし、現実は思うようにはいかなかった。

「リンクはちっとも振り向いてくれない。私がどんなに求めても、彼は受け入れてくれない」

 勇者リンクは飄々とした性格だった。幼少の頃に精霊コキリ族
(ハイラルに存在する大森林・迷いの森の奥に棲む精霊。いつまでも子供の姿と心をもつ)
として育てられた彼は、いわゆる人間の俗っぽい感情や文化をうまく理解できない節があったのだ。

 そのため、人間界ではストイックすぎる言動が俗人とは合わず、衝突を起こす事もしばしばだった。
それはゼルダ姫に対しても同様であり、大切な女性として認識してはいても
そこに肉体を交えた、官能的な男と女の関係を持とうとはしなかった……というよりも、思考が及ばなかった。
 ゼルダは、そんな自分たちの関係とファルコンとサムスの関係を比べ、嫉妬していた。

 やがて、バトルも終盤戦に差し掛かった。ファルコンはやや優勢であったが、
突如として出現したアイテム「スター」によって無敵状態になったサムスが猛反撃を開始した。
スピードを生かして逃げようとするファルコンに、追尾ミサイルのパレードをお見舞いし
対処に躍起になっている隙に、そろりと近づくと後ろ足蹴り――通称サムス・ソバット――を浴びせる。

 パワードスーツに増幅された強力な脚力が、ファルコンを襲う。
長期戦で体力を消耗していたファルコンはこらえきれず、ついに場外となった。勝負が決まった。

 すぐに表彰に切り替わると、復帰台に乗って帰ってきたファルコンがサムスを称える。
観衆の前ではほとんど喋らない上に、鎧に包まれたサムスの表情は読み取れないが、
よくみるとサムアップを返している。意味は恐らくあなたもよくやった、という所であろう。

 拍手に包まれるスタジアム。だが、既にゼルダの姿はなかった……。



 所は変わり、スマッシュブラザーズ出場選手用の宿泊施設。
スマッシュブラザーズ開催期間中、集った選手たちはここで過ごすことになる。
それぞれの世界での娯楽などを取り入れ、誰もがリラックスできるようになっているのが特徴だ。
 施設のサイズは一般的な旅館程度のものであり、ホテルと呼ぶほどの大きさはもっていない。
泊まる人数は二六人ほどなので、巨大である必要はないのだ。

 選手たちは個室を宛がわれ、そこを拠点として活動する。
また、バトル時以外は何をしようと自由である。
最も負けず嫌いは全員に共通しており、遊んでばかりいるような者は一人としていなかったが。

 さて、場所はゼルダの個室に移る。


 ゼルダはバトルが終わる前にスタジアムを抜け出し、個室へ帰ってきていた。
その顔には少し疲れが見えている様子だった。

「……」

 ゼルダは備え付けの冷蔵庫をじっと見ている。――未来の技術とは便利なものだ。
原理は不明だが、この四角い箱の中はいつも冷えていて、いろいろな食材を長期間保存できる。
ハイラルに帰ったら魔法で似たようなものを作れないか……そんな事をふと思う。

 思考に耽っていたゼルダであったが、やがて頭を振って打ち消すと、
冷蔵庫を開け、備え付けてあったワインのビンを取りだした。それをグラスに注ぐ。
軽やかな水音と共に紅い液体が満たされていく。


 ゼルダはしばらくグラスを弄び、紅い液体が揺れるのを眺めていたが
フッと一息つくとワインを口に運ぶ。だがゆっくりと味を楽しむ事はなく、
まるでビールでも飲むかのように喉を鳴らしてワインを流し込んでいく。

 現在の時刻は十三時。ハイラルはヨーロッパに似た文化をもっているため
昼間でもワインなどで喉の渇きを癒す事はある。
 しかし、ゼルダは完全に「酒を呑んで」いるように見えた。
一気にワインを飲み干したが、まだ足りないのか再びビンを取り、グラスに注ぐ。

 もしも今、側近がいたとすれば、すぐに止めさせられたであろう。
一国の姫君が昼間から酒をかっ食らうなど、あってはならぬ行為である。
聡明な彼女らしくない、昼の酒席が続く。



 やがて全身に酔いが回ってきた頃、ゼルダの部屋をノックする者が現れた。
さすがに他人に昼間から酒など呑んでいる姿を見られてかなわない、と
ゼルダはふらつく体でビンとグラスを片付けると、ノックに返事をする。

「は、はい。開いてますからどうぞ……」
「ん。失礼する」

 といって部屋に入ってきた者は、ガノンドロフだった。
クッパ大魔王にも引けを取らないその巨体を忘れるものはいない。ましてやそれが、宿敵ならば。
 ゼルダは身構えると、

「何の御用ですか」

 と、強い口調でいった。しかしガノンは静かに笑う。

「そう怯えるなゼルダ……貴様を襲おうとして来たのではない」
「それならば早く用件をおっしゃって下さい」
「慌てるな……ン? 酒の香りか……もしやこの時間に飲んでいたのか」
「わ、私がなにをしていようと、あなたに関係ないでしょう。用がないなら帰りなさい!」

 図星を宿敵に言い当てられたゼルダは、悔しさと恥ずかしさに語気を荒げる。

「ふん、ふらつきながら言っても迫力がないわ。
 俺を倒さんとする人間がこの様とはな……予想以上か。今日はな、貴様にいいものを持ってきてやった」
「あなたからのプレゼントなんていりません」
「そう言うな……」

 というと、ガノンは懐からペンダントの様なものを取り出した。それをゼルダの顔の前にぶら下げる。
 妙な形だ。人の形を象っているように見えるが、それにしては手が異様に長く、対して脚は極端に短い。
顔にも造詣がほどこされていたが、それは苦しみにも喜びにも見える奇妙な表情をしていた。
 ゼルダは、このペンダントに対して嫌悪感を覚えた。もとよりガノンの持っているものなどに
ロクなものなどありはしないのだ。ゼルダは嫌悪感たっぷりにガノンに問うた。

「これは何です」
「貴様の願いをかなえるアイテムだ」
「えっ……」

 ガノンの言葉と同時に、ペンダントから強い光が放たれた。酔って注意が散漫になっていたゼルダは、
その光を直視してしまう。まずい――そう思ったが遅かった。 
 全身から力が抜け、奇妙な感覚が全身をかけめぐる。しかし気持ち悪くはない、それどころか心地よいくらいだ。
酒で緩慢になった思考はさらに混濁し、脳をかき混ぜるような感覚がゼルダの意識を支配する。

 混乱するゼルダに、ガノンが何かを語りかける。


「そう、俺は貴様を襲いに来たのではない。貴様の情欲を解放しにきてやったのだ。
 あの小僧を物にしたがっているのを俺は知っていたぞ。
 今日から貴様は、欲望のみに突き動かされる浅ましい女になるのだ。
 もう悩む必要はない。その肉体で小僧をたぶらかし……快楽を貪るが良い」

「う、うぁぁっ……!」

 光がいっそう強くなると、ゼルダは耐え切れなくなったのか気を失い、床に倒れ伏した。
すると光は収束していくやがて消えた。ガノンはペンダントをしまい動かないゼルダを確認すると
もはや用は無い、というかの如く部屋を後にした。

「リンクもろとも、肉欲の虜になるが良い。ハイラルはもらったぞ、ハハハハ……」
* *
*


 ガノンがいなくなってから数刻。ゼルダは意識を取り戻していた――しかし。

「ふふふ」

 ガノンを目の前にして意識を失ったというのに、ゼルダには一向に焦りも怯えも見られなかった。
それどころか含み笑いをもらすゼルダ。様子がおかしい。
 ルージュに飾られた濡れた様な艶のある唇は吊り上げられ、時折、ちろりと舌を這わせる。
美しいドレスは胸元が大きくはだけ、ふくよかな谷間が顔を覗かせる。

 よく見ればスカートは縦に破け、タイツも履いていなかった。
破けたスカートは上手い具合にスリットが出来ており、大胆に組んだ脚からは、むちっとした脚線が覗いている。
 そして、きちんと整っていたはずのブロンドの長髪は掻きむしったかの様に乱れていた。
 清楚という表現がもっとも似合っていた彼女は、いまや淫靡ともいえる雰囲気を身にまとっていた。
男がみれば、いや女が見てもその妖しく艶かしい姿に見とれてしまうに違いない。


 ゼルダは心を書き換えられてしまっていた。いや……本性をむき出しにさせられたというべきか。
 それがガノンの魔法具の力だった。人が心に秘めた欲望を引き出し、さらに邪悪な形に昇華させる。
文にしてしまえば単純な事だがそれはとても恐ろしい事だ。

 例えば人を殺したい、という欲望を心のどこかに持った人間がいたとしよう。
もちろんそんな恐ろしい欲望を実行する人間は少なく、ほとんどの人間はそれを忘れて人生を終える。
 だが、この魔法具さえあれば、わずかでも殺したいと考えた事のある者ならば
それが例え昨日まで無害な人間だったとしても、たちまち血に飢えた殺人鬼へと変貌してしまうのだ。

 ガノンはこれを使い、ゼルダの欲望を引き出した。先述の通り、彼女はいつもリンクの事で悩んでいた。
なんとかして彼を振り向かせられないか、なんとかして彼と愛し合えないか……。
 そこを付けいれられたのだ。魔法具の力で欲望は引き出され、それはより邪悪な形に変わる。

「リンクは私のモノ、誰にも渡さない。だから私なしではいられない体にしてあげます」

 振り向かせたいという欲求は激しい占有欲へと変わり、愛したいという感情は扇情的なセックスへの渇望に変わった。
それが今、ゼルダを支配している思考の全てだった。
 ゼルダはすっと手を掲げる。その甲には、もはや知恵のトライフォースは宿っていなかった。
聡明だった彼女は、いまや男に飢えるだけの淫らな女でしかなくなった。
 リンクをその手に収めんがため、ゼルダは行動を開始する。

「さて、リンクのいる部屋はフロアAでしたね」


 宿泊施設は、一応のモラルとして居住区画を男性は西側エリアA、女性は東側エリアBにと分けていた。
(ポケモンなど、人間ではない種に関しては特に指定はない。本人の意思に任されている)
とはいえ、行き来が禁止されているわけではない。
施設中央の設けられた通路でエリアA・B間は自由に移動可能である。
あくまで選手には自由にしてもらう、というのがスマッシュブラザーズ主催側の意向であった。

 ゼルダはエリアBを抜け、リンクのいるエリアAを目指す。しかし自由であるのは彼女だけではない。
個室を出れば当然、バトルを終えた者や息抜きなどに施設内をぶらぶらしている連中がいる。
 エリアBではピーチ姫に遭遇した。細かい事にはこだわらない彼女であったが
あまりに乱れたゼルダの格好にはさすがに眉をひそめる。

「あら、ごきげんようゼルダ……ず、ずいぶん服が乱れてるわね。リンクに嫌われちゃうわよ?」
「ごきげんよう……これは新しいファッションなんです。ピーチ姫もいかがですか」
「え、遠慮しとくわ」

 それだけいうと、ピーチは逃げるようにして自分の部屋の方へむかっていった。
ゼルダはそれを気にする様子もなく再び歩を進める。
 通路を抜けるといよいよエリアAだ。ここには男が多くいる。もとよりスマッシュブラザーズには
女よりも男の方が比率が高い。それだけに結構な数の人間に遭遇する事になる。
 通路の側には裏口があったが、そこにはバトルを終えて戻ってきていたキャプテン・ファルコンの姿があった。

「おやゼルダ姫……ずいぶんとワイルドだな。リンクでも誘惑する気か」
「ええ、そのつもりですよ。ふふ」

 ファルコンは王女としての立場を認識していないようなゼルダに、少し皮肉を言ったつもりだったが、
予想外の答えに動きが固まった。こんなジョークを即座に返せる様な女だったか――ファルコンは思考に囚われる。
だがゼルダは気に止めない。呆気にとられるファルコンを尻目にさっさと歩いていってしまった。

 次に遭遇したのはマルスだった。彼はアカネイア王国という、これまたヨーロッパに似た文明を持つ国の第一王子である。
リンクほどではないが真面目な性格と燃える様な若々しい正義感を持った青年だ。
 乱れに乱れたゼルダを一瞬誰だか理解していない様だったが、
すぐに冷静になると自分など見えていない風であるゼルダを引き止める。

「ゼルダ姫……! なんて格好を、早く戻って着替えてください。ここはエリアAですよっ」
「あらマルスさん……どうかしら。お嫌いじゃ無いでしょう、こういうのも」

 というと、はだけた胸元をさらにぐい、と引っ張りマルスに見せ付ける。もう少しで乳房が露出してしまいそうだった。

「ぜ、ゼルダ姫……?」

 人が変わったようなゼルダの行動にマルスはじり、と後ずさる。
ゼルダは顔を赤くするマルスに色のある微笑を見せると、ふわりと向き直って歩いていった。


 ついにリンクの部屋の前にたどり着いた。相変わらず妖しい笑みを張り付かせているゼルダだが
少し顔は紅潮し、息が上がっている。彼女はこれから巡り来るであろう官能の時間を妄想していた。
少しずつそのボルテージを上げていくゼルダは、いよいよ扉を叩く。

「私です、ゼルダです」
「あれ? 普段来ないのにどうしたのゼルダ姫……」

 扉が開き、中から緑を基調とした、白雪姫の小人のような服を着た青年が姿を現した。リンクである。
だが、その表情が青ざめる。

「その格好……! どうしたんだ、まさかガノンに」
「違います」

 慌てるリンクを押しのけると、ずいと部屋に入り込む。後ろ手でカチリとドアをロックするとリンクに向き直った。
そしてにっこり笑うと、

「遊びに来ました」

 といった。しかしセリフと格好が合っていない。かきむしった様な髪に、はだけた胸元、破けたスカート。
顔は赤みを帯びて息が上がっている。どちからというと命からがら逃げてきたといった方が納得できそうだった。

「遊びにって、そんな格好じゃ。とにかく着替えを……」
「そんな格好だから、できる遊びをしにきたんです」
「えっ……」

 ゼルダはリンクに擦り寄る。視線をおろすとに胸元が映るような形で密着すると、腰に手を回す。
おそろしく大胆なゼルダに慌てるリンク。
 ゼルダが耳元でなにごとかを囁いた。

「いつも相手にしてくれないんですもの……大人の遊びに、今日は付き合ってもらいますよ」
「大人の遊びって……ひっ」

 ゼルダの言葉が理解できないリンクは彼女を引き剥がそうとしたが、そうはさせないとばかりに
首筋をつぅっ、となめ上げる。突然のくすぐったい感触に、リンクは小さく悲鳴をあげた。
ゼルダは続けて囁く。

「それまで私に説明させるんですか? 意地悪な人……私と貴方で、睦みあうんです」
「む、むつ……ゼルダ、本当にどうしちゃったんだ。頼むから正気に戻ってくれ!」

 そこまで言うと、ゼルダがすっと体を離した。リンクは説得が通じたかと思い、ほっとしたが……
ゼルダは悲しみに捕らわれた顔でこういった。

「それほどまでに、私を拒絶するのですか。キスすらさせてもらえないなんて、そんなに私には魅力がありませんか?
 それともリンクにとって私は、ただの女に過ぎませんか。だとするなら悲しいです……」

 急に落ち込むゼルダにリンクは別の意味で慌てる。もちろんゼルダは大切な、かけがえのない存在だ。
しかし、それとこれとは違う。なんとか説明しようとして、しどろもどろになりながらリンクは言い訳をする。

「ち、違うよゼルダ! 君はとっても大事な人だ……しかし、それとこれとは」
「ああ良かった、嫌われていたのかと思いました。なら、何も悩むことはありませんね」

 ゼルダは途中でリンクの言葉を遮ると、再び彼に近づいていく。自分を嫌っているわけではないという
リンクの意思を確認できただけで十分だった。リンクの言い分を聞く気などさらさらない。
 ストイックすぎる彼になんど説いても、体を合わせる事で確かめられる愛と快感など理解してくれるはずもない。
その身をもって味わってもらう。それがゼルダの魂胆だった。

 再び密着されて赤くなるリンク。うぶな反応に気をよくしたゼルダは、今度は胸を押し付けてみる。
リズムよく、ぎゅうぎゅうと押し付けながら、すこし擦って自分も快感を得る。

「どうですか、気持ちよくはありませんか」
「や、やめてくれ……」
「ふふふ、強がってもだめです。ほら、こんなに大きくして……」

 ゼルダの手がリンクの股間に伸びる。タイツを履いているため、
これでもかというほどに彼のモノがもっこりと浮かび上がっているのが解る。
ゼルダはそれを優しく、そしていやらしく擦り上げた。

「ああ、素敵……」
「ぜ、ゼルダぁ」

 リンクが情けない声をあげる。

「切ないですか? 私も切ないんです、この気持ちを埋めあいましょう」

 ゼルダは左手でリンクのモノを擦りながら、キスを迫った。
さすがのリンクも慣れない色気責めに抵抗の意思を無くし、やがて彼女の唇を受け入れた。
 最初は口を閉じていたが、ゼルダが舌で何度も突付いてくるのでたまらず口を開ける。
するりと彼女が侵入してリンクの舌にねっとりと絡ませていく。
 ゼルダはリンクの股間をいやらしく触りながら、ディープなキスを楽しんだ。

「ンッ……ンウゥ」

 およそ数分続いただろうか。さすがに舌が疲れてくると一旦キスをやめ、リンクから顔と手を離す。 

「うふふふ。美味しかったですよ」
「あうう……」
「でもまだ序の口です。今度はほら、その邪魔なタイツを脱いで……」

 そういってゼルダはリンクのタイツを脱がしに掛かる。
だが、まだ羞恥が残っているリンクはこればかりは、と必死に抵抗する。

「だ、ダメだゼルダっ、本当に……ウッ!」

 逃げようとするリンク。しかしゼルダの手が再び股間に伸び、玉袋をつかんだ。
急所を捕らえられなすすべもない。
 ゼルダはふふふ、と笑いながらリンクのタイツを勢いよく脱がす。ぶるん、とリンクのペニスが姿を現した。
濃い茂みの下にはずしりとした重量感のある金玉が二つぶら下がり、
天を仰いだ肉棒は竿に太い血管を走らせ、その先端を妖しい汁で濡らしている。
 ゼルダは思わずほぅっとため息をつく。うっとりとした表情でいう。

「これが……リンクの。とっても興奮してるんですね、液がにじんでる」
「うぅっ」

 ゼルダは鈴口に親指を触れると、亀頭に汁を塗りたくって弄ぶ。
敏感な部分をいじくられるリンクはそのたびにペニスをぴくんぴくんと反応させている。
ひとしきり感触を楽しんだ後、ゼルダは顔をペニスに近づける。

「そろそろ、舐めてあげますね……」
「な、舐める?」
「言葉の通りですよ。ちゅっ」

 ゼルダは亀頭にキスをすると、ペニスを口に含んだ。ざらりとした感覚がリンクの亀頭に伝わる。
亀頭を舐めまわし、カサの下を突付きまわし、裏筋を舐め上げる。そして時折、口をすぼめてストロークさせる。
 触れる舌と粘液が入り混じった感覚に、リンクは背筋を震え上がらせた。
 ゼルダの執拗な愛撫に、いよいよリンクは辛抱たまらなくなってきた。

「ぜ、ゼルダ、もうダメっ」
「プハッ。ああリンク、射精しそうなのですね。思い切り出してください、全部うけとめてあげます」

 射精の欲求と必死に戦うリンクに、ゼルダは誘惑の言葉を投げると、激しくペニスをしゃぶりあげた。
もはや我慢の頂点に達していたペニスは強い刺激に、ついに内に溜めた欲望の白い汁を放出し始めた。

「う、うああッ……!」
「ンッンッンゥゥっ」

 ぶちゅぶちゅと粘ついた音を立てて、ゼルダは射精を続けるペニスに吸い付く。
そして射精が終わると、一度深くストロークしてペニスをキレイにすると、口を引き抜いた。
口に含んだスペルマを見せ付けるように飲み込むと、ペロリと舌なめずりをして妖しく微笑む。

「素敵でしたよ、リンク。でも……ぜんぜん足りなさそうですね」
「ハァ、ハァ。ぜ、ゼルダ……」

 リンクにとって、女と性的に絡むのはこれが始めてだった。最初こそ理性を振り絞って欲を抑えていたが
いざ始まってしまえば、いかに勇者といえど若い雄の衝動をかき消すのは難しかった。
 ゼルダの妖しい色気に取り憑かれたリンクは、さらなる快楽を彼女に求める。

「貴方さえ良ければ、今度はもっと気持ちよくしてあげますよ……」

 ゼルダはそういうと、着ていた服を脱ぎ捨てていく。なめらかな肢体が露になった。
白い肌はほどよい贅肉をつけ、丸みを帯びた体はほんのりと赤みがかってほてっている。
張り詰めた二つの乳房の先端は勃起し、彼女もまた興奮の最中にいることがわかる。
 その姿を目の当たりにしたリンクは再びペニスが大きくなっていくのを感じた、
ここまでされては、我慢などできるはずもなかった。彼はゼルダに懇願するかのようにいう。

「あ、ああ……ゼルダ、頼むよ。俺、もう変になっちゃいそうだ……」
「んふふふ。ようやく素直になりましたね、ここからが本番ですよ。さあリンクも服なんて脱いで……」

 ゼルダはリンクの服を剥ぎ取っていく。
お互いに生まれたままの姿になり、もはや羞恥やプライドなど下らない感情も一緒に脱ぎ捨てる。
 ベッドにリンクを押し倒すと馬乗りの姿勢になり、ついで彼に体を押し付ける。そして手が股間に伸びると
ペニスが硬さを維持しているのを確認する。数回しごくと体を離し、膨れ上がった亀頭に膣口をあてがった。
そこはすでに濡れそぼっており、結合の準備は万全といった感じである。

「それでは挿れますね」

 ゼルダはためらう事なく、一気に腰を降ろした。秘肉がリンクの肉棒を飲み込んでいく。

「うあ……」
「んふぅぅっ」

 ゼルダはリンクの胸に手を置き、彼の上で腰を振りたくった。
 ついに彼女の願いが叶った時だった。
大人となってリンクと再会した時から常に心に秘めていた欲望が、ここに実現したのだ。
感極まったゼルダは、独り言を大声で叫ぶ。

「ああぁっ幸せッ。ガノンにっ、感謝しなければなりませんね……!」
「が、ガノン……?」

 だが、初めての快感にうめいていたリンクはその言葉を聞いて驚愕した。
憎むべき宿敵ガノンの名がなぜ、出てくるのか。それも感謝しなければならないとは、どういう事か――?
鈍る思考の中でリンクはひとつの結論に達した。

「ぜ、ゼルダっ。やっぱり、奴に何かされてっ」
「私の迷いを断ち切ってもらっただけですよ……私の願いは、貴方とセックスして愛し合う事ですものっ」
「ゼルダ……!」
「リンクっ、なにもかも忘れて愛し合いましょうっ……楽になって!」
「うあぁっ」

 ゼルダはペニスを巻きつける様に腰を動かし、クリトリスを擦り付けながら体重を前後させる。
ペニスに加わる刺激と、頭上で淫靡に乱れるゼルダの姿は、一時的に冷静さを取り戻したリンクの理性を
再び奪っていく。迫り来る濁流のような快楽は不安も恐れも吹き飛ばし、彼を官能の楽園へと誘う。

「あぁ、いいっ……いいよゼルダっ」
「私もですっ、うんっ! おほぉっ」
「もう、どうでも良いッ……ああっまた出そうだ」
「出そうなんですね。いいですよ、出してください。リンクも欲望を解き放って!」
「うっ……!」
 
 リンクはスペルマを吐き出し、膣内を白く染め上げていく。
生暖かい液を体内に注入される感覚にゼルダも絶頂へと駆け上っていく。腰の動きは止まり、仰け反って快感に震える。
 やがて絶頂が尽きると、脱力したゼルダはリンクの胸板へと倒れこむ。だが性欲は収まらず荒い息をあげてキスを貪るゼルダ。
今度はリンクも抵抗しない。それどころか口内へ侵入してくるゼルダの舌に、己の舌も絡ませて快感を得ようとする。

「ああ……最高だ……」
「嬉しいですリンク。これからは毎日愛し合いましょう……ふふふふ」

 ゼルダはリンクの手を握る。リンクもそれを握り返す……だが、その甲にあるはずの勇気のトライフォースの刻印がなかった。
堕落して意思をなくした人間にトライフォースの力は宿らない。トライフォースは、より強大な意思を求めるのだ。
 だが二人ともそれには気づかない。勇者でも賢者でもなくなった二人は浅ましく絡み合うのみ。
ベッドが軋む音が二人を燃え上がらせる。
 情欲が透き通った硝子を汚し、濁った視界は何も映さない。ハイラルの希望は悦楽の闇にとらわれていった……。
* *
*


「いいっ、いいですリンク! 突かれるのも素敵ッ」
「ハアッハアッ、うおっ」

 リンクがゼルダに絡め堕とされてから数日。あれから二人は毎日の様にベッドの上で愛し合っていた。
それは少しばかり常軌を逸した乱れぶりだった。例え昼間であろうと、なにかきっかけがあれば
すぐに濃厚なキスを交え、快楽の宴を興ずる。
 数日前の二人を思い出してみれば、考えられない乱れぶりである。

 だが、それには弊害があった。度重なるセックスで体力を消耗した二人は、日ごろのバトルでの動きが
緩慢になっており、実力的には下位にあるはずのピチューにすら、手も足も出ずに負けてしまう事が多々あった。
 そんな二人に対する仲間の心配をよそに、ガノンの姦計に落ちたリンクとゼルダは闇の炎を燃え上がらせる。
そしてついには行方不明となり、スマッシュブラザーズは選手を欠いたまま第二回の終了を迎える事となった。


 ある時、城主不在のハイラル城がガノン一派の手によって陥落したとのニュースが入る。
スマッシュブラザーズでは一応の仲間であったガノンだが、一歩外に出ればやはり彼は敵であった。
敗走したハイラル兵たちは、レジスタンスを組織し城主と勇者が帰ってくるまでは一歩も引き下がらぬとばかりに
奮闘したが、一週間経っても一ヶ月経っても、かつてハイラルを救った勇者が姿を現す事はなかった。

 ハイラルと友好的なキノコ王国は増援としてマリオブラザーズを差し向けたが、
ガノンを倒すために必要なマスターソードを持っていないため、さしもの彼らも苦戦を余儀なくされていた。
 一刻も早く事態を打開せねばならぬと、ついにリンクとゼルダの捜索が開始された。
捜索は難航を極め、時には捜索隊がガノンの手の者により全滅させられた事もあった。
だがそれでも諦めないレジスタンスは、ついに二人を発見した。二人はハイラルにある迷いの森と呼ばれる
大森林の奥深くにいた。
 これでようやくハイラルにも光が見えると思った捜索隊だったが、彼らが目の当たりにしたものは
淫行に耽る、裸の男女だった。二人は捜索隊の人間など目に入っていないらしく、見られても構わずに激しく愛し合っていた。

「リンクぅ……もっとぉ」
「ゼルダ! うおぉっ……」


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