スマブラのエロパロスレまとめ

ステージは、四方にロープの張られた特設リング。
天井から降り注ぐライトの白光がまぶしい。

迫る緑のグローブを、俺は辛くも避けた。散った汗が、凄まじい風圧で弾け飛ぶ。
直撃した時の痛さは知っているから、かわすのにも必死だ。
特に今は、当たるわけにはいかない。蓄積されているダメージを鑑みれば、一発でもアウトだ。

敵は、黒い髪に精悍な顔つきをしたボクサー、リトル・マック。
他のファイターと比べても小柄だが、たくましい肉体が生み出す素早い動きと強烈なパンチは恐ろしい武器だ。
下手な攻撃は命取り。そう判断して、俺はガードと回避に徹した。
赤いバリアが少しずつ削れていく。緊張に心臓がどくどくと高鳴り、一秒が一分にも一時間にも引き延ばされる。
そして「その時」がやって来た。焦れたリトル・マックが大きく拳を引き、最強の必殺技を繰り出そうと構える。

俺はその隙を見逃さなかった。
すぐさまガードを解き、リトル・マックに肉薄。ボクサーの目が驚愕に見開かれた。
目にもとまらぬキックの連射が、彼の全身を打ちすえる。
反撃のチャンスは与えない。浮かび上がったリトル・マックに、とどめのアッパーをぶちかます。
拳には、たしかな手応えがあった。ふっ飛ばされたリトル・マックは、悲鳴を上げながら上昇して行き。
程なく、虹色の爆発とともに、その姿が消失する。

息をつく間もなく、俺は別のステージに移動させられた。
遠くでは、今しがた倒したリトル・マックや、他のファイターたちが拍手をしている。
疲れて死にそうな俺の頭上から、勝者を称える声が降ってきた。

『―――――Mii!!!』

それは俺の名前であって、けれど俺の名前ではなかった。

俺がMiiファイターとして、このスマッシュブラザーズの世界に迷い込んでから、およそ三ヶ月が過ぎた。
相手をふっ飛ばしたり、相手にふっ飛ばされたりに、ようやく体が慣れてきた頃だ。
俺は今、ピーチ城の庭園で、夜空の月を見上げていた。城の上空に浮かぶ満月は、現実世界と変わらず綺麗だった。

スマッシュブラザーズの世界は、ある意味では楽園とも言える。
生きてゆく上でのルールは、非常に単純だ。戦えばいい。勝敗はさほど重要ではなかった。
勝者は当然尊敬されるが、かといって敗者が命を奪われるというようなこともない。
どこかから突然湧いてくるカレーなどの料理を不気味と思わなければ、食べ物にも困らない。
みんなそれぞれ、ゲームの主人公なりヒロインなりを務めていただけあって、善人やお人よしばかりがそろっている。
まあ、クッパやワリオ、ガノンなんかの悪役も存在するが。

俺も、最初の内は戦い方もわからず、あっという間に場外に放り出されていたが、最近では少しずつだが勝てるようになってきた。
技が綺麗に決まれば快感だし、乱闘で優勝した時も達成感は、言葉にはできないほど素晴らしい。
人によっては、現実世界よりも遥かにストレスなく、充実した人生を送ることができるだろう。

………それでも、故郷ではないのだ。

俺がこの世界に来た理由は、まだわかっていない。
どうやら、マスターハンドやクレイジーハンドの仕業でもないらしい。
神とも思える奴らの絶大な力でも、俺を家に帰すことはできなかった。
戦いを重ね、この世界に馴染むにつれて、帰郷の実現が月よりも遠くに離れてゆくようで。
俺は少し、泣きたくなった。

「お待たせしました」

鈴が転がるような声に、俺は後ろを振り向いた。
ピンク色のドレスに、美しい金色の髪。頭には小さな王冠がちょこんと乗っていて、両手は白い長手袋に包まれている。
庭の中心に据えられたガーデンテーブルに、紅茶のポットとティーカップを置いた女性は、ピーチ姫だった。

言わずと知れた、スーパーマリオシリーズのヒロインだ。
俺も昔はよく、マリオを操作して彼女をクッパの魔の手から救い出したものだ。
もちろん、この世界におけるピーチは、ダウンしているクッパの頭に、ゴルフクラブを叩きこむ猛者だが。
乱闘が終わり暇になった俺は、ピーチが不定期的に行っているお茶会にお呼ばれしたのだった。
いつも一緒に遊んでいるカービィやネスも、今日はどこかに出かけていた。
そういえば、他にもお茶会に呼ばれているファイターがいるはずなのだが、どこにも姿が見えない。
ピーチに聞いてみると、今日参加するのは俺だけとのことだった。

「マリオはカートのレースに行ってしまいましたし、シークさんも、今日はフィールドスマッシュに参加されていますわ」

そう言って、ピーチはティーカップに紅茶を注いだ。
他の連中もなんだかんだで用事があり、メンバーが集まらなかったらしい。
ということは、今回彼女は俺のためだけにわざわざ紅茶を淹れてくれたのか。
そう思うと、少しうれしくなった。

ピーチは美人だし、ゲームをやってきた俺としては、それなりに思い入れのあるキャラクターだった。
ありがとう、と言うと、彼女は「こちらこそ、あなたが来てくださって、嬉しいです」と華やかに笑った。
ティーカップを受け取り、一口飲む。温かさが、胃から全身に広がった。
この世界に来るまでは、紅茶などろくに飲んだことはなかったが、これは素直においしい。
比較対象が、自動販売機の缶紅茶なのが申し訳ないくらいだ。
ふとピーチの方を見ると、視線に気づいた彼女はチャーミングにウィンクしてくれた。
俺はなんだか恥ずかしくなり、もう一口紅茶を飲んだ。

「先ほどの戦い、見させていただきました。とても勇敢でしたわ」

一杯目が底を尽きそうになってから、ピーチはそんな風に話を切り出した。
俺は片眉を下げ、運がよかったんだ、と答えた。
実際、乱闘で勝利を手にするには、実力だけでなく運も必要だった。
どれだけ戦いを有利に進めていても、ステージのギミックや、落ちてくるアイテムで逆転されてしまうこともある。
特にマジカントでフライングマンを誰が先に味方につけるかは重要だ。
奴のフライングクロスチョップは実に強力である。
ピーチは口元を手で押さえ、優雅に笑っていた。しかし、やがて彼女は真顔になると、

「………やっぱり、元の世界に帰りたいと、思っていますか?」

俺は目を丸くして、ピーチを見た。ティーカップが、手から落ちそうになる。
胸の奥からこみ上げ、噴出しそうになる感情を抑えながら。俺は、できれば、と短く答えた。
この世界に来たばかりの俺は、かなり見苦しかったと思う。
帰りたいばかりに無意味な投身自殺を繰り返したり、無様に泣き喚いたこともある。
それを、いろんな人たちに面倒を見てもらったりして、少しずつこの世界にいることが嫌ではなくなってきていた。
どころか、好きになってきている、と言ってもいいくらいだ。

それでもやはり、帰りたいという気持ちは捨てきれない。ここがいくら良い場所でも、向こうには家族だっている。
ピーチは申し訳なさそうに俯いていた。

「ごめんなさい。さっきのあなたの背中が、とても寂しそうに見えて……」

俺はカップをテーブルの上に置き、首を横に振った。
この世界の住人、たとえば目の前にいるピーチ姫も、実はオリジナルではない。
マスターハンドがフィギュアとして生み出した、精巧なるコピーなのだ。
戦うことで、キャラクターが持つイメージを維持しなければ、その体はフィギュアに戻ってしまう。
他に故郷があるのに、そこは彼らが帰るべき場所ではない。それはきっと、悲しいことなのだろう。
そういった事実に比べれば、俺一人が被害者面しているのは恥ずべきことだ。
それでも気遣ってくれるピーチの優しさが嬉しくて、俺は頭を下げた。

「私には、あなたを帰すことはできませんし、力になれることも少ないですけれど」

そう言って、ピーチ姫が椅子から立ち上がる。
そして、何故かぎくしゃくした動きで、座ったままの俺の前にやってきた。
彼女の意図がわからず、俺は動けなかった。なりゆきに任せる他にない、そう思っていると―――
ぽふん。いきなり、視界が暗くなった。
顔全体に柔らかい感触が広がり、鼻腔に甘酸っぱい香りが広がった。
細い腕に後頭部を抱きしめられ、俺はやっと、ピーチの胸に顔を埋めていることに気付いた。
何がどうして、と思考が暴走する。振りほどこうという発想に至らなかったのは、たぶん、きっとそのためだ。

「―――せめて、寂しさを癒すお手伝いをさせてくださいませ」

顔の見えないピーチの声が、上から降ってきた。
そして頭に回された腕に力が込められ、俺の顔は、さらにピーチの豊満に密着する。
彼女の心遣い、献身には、まったく恐れ入る。
だが、この行為がもたらす結果については、どうやら思い至ってはいないらしい。
混乱が収まってくると、俺はピーチの体の柔らかさを意識せざるを得なかった。
少しでも顔を動かせば、服越しの肉球の弾力を感じる。呼吸をすれば、蕩けるような女性の香りが、脳を焼く。

俺も健全な男子だ。いくら堪えようと思っても………この状況で勃起しないわけがない。
ライダースーツのズボンを押し上げて、俺のペニスは屹立していた。
さらに最悪なことには、その先端がピーチの腹の辺りを突いている。
彼女もそれに気付き、抱擁を一端解いた。そして、固く熱くなっている、男のシンボルを目にした。
俺は、血が凍ってゆくのを感じた。顔も、おそらく真っ青になっていただろう。

次に来るのは絹を裂くような悲鳴か。さもなくば、ビンタで空の彼方にふっ飛ばされるか。
しかし、俺を待ち受けていたのは、そのどちらの答えでも無かった。
ピーチの頬が真っ赤に染まり、青い視線があちこちに飛ぶ。

「あ、あなたがそれをお望みなら……だ、大丈夫ですわ! 私にお任せください!」

ピーチは深呼吸し、そして決意に満ちた表情で、俺の股間のテントを見た。
そして、俺の足元に膝まづき―――― 一気に、ズボンを下ろした。
ぶるん、と解放された赤黒い肉棒が、ピーチの美しい顔の前に出現する。

「あ……わぁ……殿方の、お……おちんちんって、こんなにも大きくなるんですのね……」

キノコ王国の姫君の熱い吐息が、俺の分身を包み込む。
思考停止していた俺が我に返ったのは、白い手袋に包まれた手が、幹を挟み込んでからだった。
さらさらとした感触。巻きつく指から、体温が伝わってくる。
ちょっと待って、と俺が言うと、ピーチは慌てて謝罪した。

「そ、そうですわね。すみません、気付きませんでした。手袋をつけたままでは、痛いですよね」

俺が言いたかったのはそういう問題ではなかったが、ピーチは長手袋を外しテーブルの上に置くと、再び俺のペニスを触り始めた。
白魚のような指は、明らかに経験不足で。どうしたらいいか、おそるおそる亀頭を撫でたり、球袋を手のひらに包んだりしていた。

けれども、その愛撫は俺の性感を刺激していた。しかも、それを行っているのは、あのピーチ姫だ。
日本で知らない者はいないと言っても、決して過言ではない。
彼女に恋い焦がれたプレイヤーも、早い話が大乱闘中にポーズ画面にしてそのスカートの中を覗いた者も、きっといるだろう。
それが、自分の性器に触れている。それを思うだけで、頭が痺れるような快感が全身に走った。
やがて鈴口から先走りが出てくると、ピーチはそれをペニス全体に塗し、手で扱き始めた。

「そうそう、思い出しました。殿方はこうされると気持ちいいと、本で読みましたわ」

ピーチが俺を見上げ、楽しそうにほほ笑んだ。しかし、それを見ている余裕はない。
彼女の滑らかな肌、柔らかな手がペニスを握り込んでごしごしと上下している。
それまでの快楽は、どちらかといえば精神的な要素が大きかったが、今はそこに肉体的な快感が加わった。
ぞくぞくと背筋が震え、腰が浮く。尿道がむずむずとくすぐったくなってきた。
言い訳をすると、俺はこの世界にやってきてから、一度も自慰をしていない。
いつ部屋に誰が遊びに来るかわからないし、ノックの存在を知らない奴や、テレポートしてくる者もいるからだ。
だから当然、敏感になっている。もう射精しそうになっても、それは仕方がないことだ。
俺はピーチに制止を呼びかけた。しかし彼女は、はぁはぁと荒く息を吐き、手コキに夢中になっていた。

「はうぅ……なんて、熱くて、硬くて……たくましいんでしょう……」

力づくで押しのける手もあったが、それは間に合わなかった。
ピーチの右手が、亀頭から根元までを一往復した、その時。
ぶびゅうっ、とエロ漫画のような擬音が出そうな勢いで、俺のペニスは精液を吐き出した。
視界が白くなるような気持ち良さに、俺は呻いた。ピーチはきゃあと驚きの声を上げる。

放たれた白濁液は、ピーチの胸にびちゃびちゃと直撃した。
粘つく液体が、重力に従ってゆっくりと乳房の上を這い降り、やがて生地にも染み込んで、ピンクのドレスに黒い染みを作った。
俺はその様子を、ぼーっと見ていた。久しぶりの射精の疲労感に浸っていた。
一方、ピーチの視線は、未だに俺のペニスに注がれている。欲望を吐き出したばかりにも関わらず、それはまだ硬度を保っていた。
何を満足しているんだ、まだ足りないだろう?とでも言いたげに。

「手、だけでは、物足りませんでしたか? でしたら……」

ピーチが、その場ですっと立ち上がる。彼女の喉がごくりと動く。
次の瞬間、俺は目を見開いた。
ピーチは前屈みになり、ドレスのスカートの端を掴むと、そのまま一気にたくし上げた。
真っ白で、柔らかそうな両足。その付け根、股間を覆い隠すのは、ドレスと同じピンクのショーツ。
俺がそこに目を奪われるのも束の間、ピーチはスカートの端を口で咥えながら、ショーツを脱いだ。
自分が見ている光景を、俺は信じることができなかった。
ピーチは、ショーツをテーブルの上に放ると、椅子を引き寄せてそこに座った。
そして、明らかに俺に向かって………両足を大きく開いた。俗に言う、V字開脚というやつだ。

「あなたが良ければ、ですけれど。こちらもどうぞ、お使いくださいな」

そう言うピーチ姫の声は、少し緊張していた。
俺は、自分が夢を見ているのだと思った。何もかもが、最初から夢だったのではないか、と。
だって、一体何があったら、俺の人生にこんなことが起きるのだろうか。
さらけ出されたピーチ姫の秘所。
薄い金色の茂みの中に、興奮してぱっくりと口を開け、涎を垂らす桃色の沼があった。
その下の薄い色の肛門は、きゅっと恥ずかしげに閉じている。
月明かりに照らされ、男を誘うピーチ姫の姿は、ぞっとするほど美しく、背徳的だった。
どうすればいいかわからない俺に対し、分身はさらに硬度と熱を増し、答えを出していた。
それでも迷う俺に、ピーチ姫が耳まで赤く染めて、切なげな声をもらす。

「ああっ……嘘。嘘でした……私が、あなたを欲しがっているのです。どうか、私にお情けを……!」

その言葉で、俺に残っていた最後の理性が弾け飛んだ。
椅子を蹴飛ばすように立ち上がると、獣のようにピーチの体に覆いかぶさる。
狙いを定めても、突き出した亀頭はピーチの下腹部を滑るばかりで、結局彼女の手で「ここですよ」と淫裂の前に固定してもらった。
俺は、一度大きく息を吸うと。腰を前に突き出し、ピーチを貫いた。

「はあっ! んうぅぅ……!」

ピーチの目尻から涙かこぼれる。お姫様の膣内は狭く、侵入者をたちどころに拘束した。
童貞喪失はピーチ姫、などというファンから殺されそうなフレーズが脳裏に浮かぶ。
欲望にせかされて、俺は夢中で腰を振った。膣壁がきゅっとペニスを締め付け、密着した襞が舐め回してくる。
女性の体は、こんなにも快楽を生み出すものなのか。いつの間にか、ピーチの手が俺の手に絡んでいた。

「あふっ、ど、どうですか……私のお腹の中、気持ちいいですか?」

ピーチの問いかけに、俺は口で答えることができなかった。がくがくと首を前に振る。
彼女はそれを見て「うれしいです」と笑うと、顔を寄せ、キスをしてきた。
頬でも額でもない、正真正銘、唇同士のキス。俺は激しくピーチの最奥を突きながら、同時にキスを返した。
まるで、彼女のすべてを貪っているかのようで、興奮の炎に油が注がれた。
下では、ぱんっぱんっ、と腰と腰がぶつかり、上ではちゅうちゅうと唇と唇が吸い合う。
俺はピーチを求め、ピーチもきっと、俺を求めていた。できれば、永遠にこうして繋がっていたいとすら思う。
しかし、何事にも終わりがある。ピーチは喘ぎ声混じりに、俺に訴えてきた。

「あっ、あっ、ああっ……わ、私! もう、達してしまいます。んっ、くう……っ」

ハイヒールを履いた足が、俺の腰に巻きつく。
故意か、それとも無意識にか。どちらにしろ、彼女は離れるつもりがないようだ。
俺も、二度目の射精が近づいていた。
妊娠するかも、などという考えはほとんど頭になかった。ただ、ピーチに受け入れてほしい、とだけ思っていた。
ラストスパート。俺はさらに腰を強く押し付け、ピーチの膣肉から快感を引き出した。
そしてそれはピーチにも恩恵を与え、彼女は涎すら垂らし、悦びを露わにする。
出すぞ、と俺は吠えるように告げた。ピーチはこくこくと、先ほどの俺のように必死に首を振る。
俺はもはやためらわず、先端をピーチの子宮口(もちろん、童貞だった俺に正確にはわかりはしないが)に叩きつけ……
そのまま、二度目とは思えないほど大量に射精した。

「うあっ……ああああああああっ!」

ピーチは嬌声とともに仰け反り、体を大きく痙攣させた。
胎内に注がれる精液を一滴たりとも逃すまいと膣内が収縮し、肉棒を搾る。
気絶しそうな快楽の波に、俺は気を失わないように耐えるので精いっぱいだった。
射精が止まってからも、俺はピーチの体から離れなかったし、彼女も俺を放さなかった。
二人とも、愛の……俺としては彼女の方にも愛があると信じたい……交わりの余韻に浸っていた。
仰け反っていたピーチは、体を起こすと、額から汗の珠を垂らしながら、俺に微笑んだ。

「ふふふ……本当に、死んじゃうかと思いました。とっても素敵でしたわよ」

今度は、俺の方からキスをした。



数日後。俺は相変わらず乱闘をしていた。
今回は悲しくも一位を逃し、二位。勇ましくポーズを決めるマリオに、拍手を送る立場だった。
スマッシュボールに固執し過ぎたのが敗因だ。その隙を突かれて、一気に場外にふっ飛ばされてしまった。
『最後の切りふだ』はたしかに強力だが、決してそれだけで勝敗が決まるというわけではないのに。
反省し、リベンジを胸に帰途につこうとすると、そこにピーチが現れた。
彼女も相変わらず、花のように愛らしい微笑みを浮かべている。

「残念でしたね。あと少しでしたわ」

俺は大仰に肩をすくめ、運が悪かったんだ、と答える。
するとピーチはすっと俺の耳元に口を寄せ、呟いた。

「―――今夜、どうでしょう? また、二人きりのお茶会、しませんか」

その声に含まれた、「女」の気配に、俺の体は一気に熱を帯びた。
戦いの時とは、まったく違う興奮を感じる。俺は、行くよ、としか答えられなかった。
ピーチはふふっと笑い、俺の頬にキスをした。
少なくとも、月を見て寂しさを感じる暇がない程度には……夜の戦いは、激しくなりそうだ。

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